皆さんこんにちは!
コロナからの回復とアジアを中心とした経済成長を追い風に航空需要が大幅に伸びている一方、採算の合わない路線や航空会社の再編が活発化しています。
日本でも先日、オーストラリアのカンタス・ジェットスターグループのジェットスタージャパンが身売りをしたばかりです。
今後日本を含めたアジアの航空会社の再編、統合は?
航空会社の統合と東南アジアの成長

クレジット: Arif Kartono/AFP/Getty
新たな調査によると、アジア太平洋の航空市場における最も重要なトレンドは、航空会社の統合と東南アジア地域の重要性の高まりの2つです。
アルトン航空コンサルタントが発表した白書では、広域地域内での注目度の高い統合の動き
がいくつか挙げられており、さらなる統合と再編が起こる可能性が高いと予測しているのです。
シンガポールに拠点を置くアルトンのディレクター、アラン・リム氏は、航空会社の収益性
に対する圧力の高まりがこうした動きを後押しするだろうと語りました。同氏は、サプライ
チェーンの問題が緩和の兆しを見せ、航空機の納入ペースが加速し始めているため、市場に供給能力が拡大していると指摘。
リム氏は、この地域はCOVID-19パンデミック以前の供給過剰状態に戻り始める可能性が
あると述べました。これを受けて、より多くの航空会社が合併や事業合理化による統合を目指すでしょう。
インドと韓国の大手航空会社の合併は最もよく知られた例だが、この白書ではエアアジアと
エアアジアXの統合、そしてカンタスグループが中核市場に注力するために日本とシンガ
ポールでのジェットスターのフランチャイズから撤退するという決定も取り上げられています。
リム氏は、国境を越えた合併は一般的に困難だが、国内での統合には依然として余地がある
と述べました。特に小規模な企業は、競争が激化するにつれて圧力にさらされる可能性があります。
航空会社はより戦略的な提携関係の構築も進めており、航空会社間の連携強化を目的とした国境を越えた投資の事例も数多くあります。
白書で強調されているもう一つのテーマは、東南アジアにおける需要と交通量の急速な
増加です。アジア太平洋地域においては、中国とインドが一般的に大国とみなされています
が、東南アジア市場は今後、同地域における第三の重要な成長エンジンとして認識されるべきだとリム氏は述べています。
同氏は、インドと中国の人口はそれぞれ約14億人と比較的大きいものの、東南アジア全体の
人口は合わせて約7億人であり、依然として非常に重要な市場となっていると指摘しました。
中国本土の国内市場は順調に回復しているものの、海外旅行は依然として2019年の水準を
下回っています。リム氏は、これは中国の経済難と海外旅行のコストが現在より低迷してい
ることが一因だと述べました。他のアジア諸国におけるビザ免除措置も、中国人観光客の伸びを期待ほどには押し上げていない。
急速に変化する地政学的要因により、アジア太平洋地域の国際交通の流れに変化が生じて
います。リム氏は、航空会社は現在の環境においてより機敏な対応を行い、計画・意思決定プロセスを合理化する必要があると指摘しました。
また、一部の市場が外部要因の影響を受けた場合に、どこに容量を配分するかについての緊急時対応計画の重要性も強調している、と彼は述べました。
この記事とニュースの背景にあるのは、「経済成長(需要増)が必ずしも航空会社の利益(存続)を保証しない」という残酷な現実です。
アジア全体でGDPが成長し、東南アジアが「第3のエンジン」として期待される一方で、
航空業界は「供給過剰」と「コスト高(為替・燃油)」の板挟みにあっています。特に
カンタスグループのジェットスター・ジャパンからの実質的撤退(JALによる完全子会社化・再編の流れ)は、この象徴的な出来事です。
今後、アジアの経済成長の裏で、淘汰・統合される可能性が高い航空会社を、具体的な理由とともに予測します。
【予測】アジア経済は成長するが、航空会社は消える? 今後「統合・再編」が危ぶまれるエアライン・リスト
GDP5%超えの成長国であっても、航空ビジネスは別物です。アルトン航空コンサルタント
のレポートが指摘する「供給過剰への回帰」と、ジェットスター・ジャパンの事例に見る
「為替と再編の波」は、今後以下のエリア・航空会社に波及すると予想されます。
日本:JALグループ内LCCの「大集結」
ユーザー様のご指摘通り、ジェットスター・ジャパンの構造変化は序章に過ぎません。
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対象: ジェットスター・ジャパン、ZIPAIR、スプリング・ジャパン
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予測: 2027年度を目処とした「LCC事業の完全統合」
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理由: 現在、JALグループ内には3つのLCCが併存しています。カンタスが手を引いた今、JAL単独でこれらを別々に管理するメリットは薄れました。
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ZIPAIR: 国際線・中長距離(好調)
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ジェットスター: 国内線・短距離(為替で苦戦)
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スプリング: 中国特化(地政学リスクあり) これらを1つの事業体、あるいはシステム統合することで、機材(パイロット)の融通を利かせ、円安下でも利益が出る体質へ作り変えるでしょう。
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韓国:メガキャリア統合の余波を受けるLCC
大韓航空とアシアナ航空の合併は、その傘下にあるLCCの運命を決定づけます。
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対象: ジンエアー(大韓系)、エアプサン、エアソウル(アシアナ系)
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予測: 「統合LCC」への一本化、あるいはブランド消滅
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理由: 親会社同士が合併するため、子会社LCCが3つも存在する意味がなくなります。公正取引委員会の是正措置もあり、これらは「ジンエアー」ブランド等に統合される公算が高いです。また、独立系LCCであるT’way航空などは、欧州路線などを譲り受ける形で成長しますが、競争激化によりチェジュ航空との消耗戦、あるいは再編圧力が強まるでしょう。
ベトナム:急成長の歪みが生んだ「修正」
ベトナムは高成長国ですが、航空会社は過当競争で疲弊しています。
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対象: バンブー・エアウェイズ(Bamboo Airways)
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予測: 事業の大幅縮小、またはベトナム航空・格安他社による救済合併
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理由: 急激な路線拡大と不動産市況の悪化(親会社の事情)により、経営難に陥っています。すでに長距離路線から撤退していますが、ベトナム市場は「ベトナム航空(FSC)」と「ベトジェット(LCC)」の2強体制が盤石であり、第3極であるバンブーが単独で生き残る難易度は極めて高くなっています。また、パシフィック航空(旧ジェットスター・パシフィック)もベトナム航空へ出戻りしており、ブランド消滅の可能性があります。
インド:タタ財閥による「巨大な整理整頓」
世界一の人口を抱えますが、勝者と敗者がはっきりしています。
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対象: スパイスジェット(SpiceJet)
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予測: 破綻、または他社による買収
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理由: インディゴ(IndiGo)の独走と、タタ・グループ(エア・インディア+ビスタラ+エアアジア・インディア)の統合により、市場は「2強」に集約されつつあります。スパイスジェットは資金繰りに苦しんでおり、このままでは市場から退場するか、大手グループに飲み込まれる可能性が高いです。
東南アジア全域:エアアジア・ブランドの再構築
記事にもある通り、国境を越えた合併の代表例です。
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対象: エアアジア(短距離)とエアアジアX(中長距離)
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予測: 「ワン・エアライン」化の加速と、不採算国(フィリピンやインドネシアの一部)の切り離し
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理由: 親会社キャピタルAは、航空事業を一本化して経営効率を高めようとしています。「短距離」と「長距離」を別会社にするモデルは、機材繰りの面で非効率であることがパンデミックで露呈しました。今後は、国ごとの分社化モデルを見直し、より中央集権的な「巨大なエアアジア」として再編されるでしょう。
まとめ:なぜ「成長」しているのに「統合」するのか?
アジアの航空業界のキーワードは「規模の経済」への回帰です。 これまでは「成長する
から、新しい会社を作れば客は乗る」という時代でしたが、これからは「燃料高・円安ドル
高・人手不足」の中で利益を出すために、「小さな会社を束ねて、1つの巨大なコスト効率の良い会社にする」フェーズに入りました。
日本のジェットスターの事例は、このアジア全体のトレンドの「最先端」を走っていると言えるでしょう。



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