20年の歴史が、オシュコシュに集まる。 ——電動航空の「成熟」を見届ける場所へ

LSA 軽スポーツ航空機

20年の歴史が、オシュコシュに集まる。
——電動航空の「成熟」を見届ける場所へ

2007年に始まった世界最長の電動航空会議が第20回を迎える。7月18〜19日、AirVenture Oshkosh前週開催。
MOSAIC元年の今、世界の最前線で何が語られるのか。
2007年、カリフォルニア州サンタローザで小さな会議が始まった。
「電動航空機」という概念がまだ夢物語だった時代の話だ。それから19年。今年の第20回大会(EAS 2026)は、ウィスコンシン州オシュコシュで開催される。
昨年FAAが公式発表したMOSAIC、商業化目前のeVTOL、世界中の電動LSA——
「電動航空機は本当に実現するのか」という問いに、今年の参加者は「すでに実現している」と答える。

この節目の会議が、UPRT JAPANにとって何を意味するかを考えたい。

EAS 2026——第20回の概要

開催日時・場所
2026年7月18日(土)〜19日(日)
ウィスコンシン州オシュコシュ
(EAA AirVenture Oshkosh前週)
主催・歴史
Vertical Flight Society(VFS)
Federal City Chapter主催
2007年創設・世界最長の電動航空会議
参加費(特徴的な価格設定)
早期割引:$200(類似会議の半額以下)
学生:わずか$50
「次世代を育てる」姿勢が価格に反映
プログラム規模
30名以上の専門家登壇
12の深掘りディスカッション
新パートナー:AERO Friedrichshafen(独)

なぜ今年のEASが特別なのか——3つの理由

理由①:MOSAICが初めて「実装フェーズ」で語られる年

昨年(2025年)7月のAirVenture OshkoshでFAAがMOSAIC最終規則を発表し、10月には施行された。今年のEASは、MOSAICが「発表された規則」ではなく「すでに動いている規則」として議論される最初の年だ。新規則により電動航空機——ヘリコプター・ジャイロプレーン・eVTOLを含む——が米国で初めてLSAとして型式証明を受けられるようになった。その実態と課題が生の声で語られる。

理由②:eIPPが動き始めた年の総括

トランプ政権のドローン優位行政命令によって指示されたFAAのAAM・eVTOL統合パイロットプログラム(eIPP)が、26州にまたがる8つの実証プロジェクトを通じて今年から運航を開始した。EASではこの実証結果の速報も議題になる見通しだ。

理由③:第20回という節目が持つ意味

2007年の第1回、参加者のほとんどは「電動航空機はいつか実現するかもしれない」と思っていた。2026年の第20回、参加者は電動航空機のパイロットであり、製造者であり、規制当局だ。20年間の変化を一つの場所で体感できる、まさに節目の大会だ。

EAS 2026 共同プロデューサー Ken Swartz(2026年4月20日プレスリリース)

「EASはオシュコシュとAEROのチームが2019年から協力してきた。今こそ大西洋を越えたパートナーシップを強化し、参加者・スポンサー・出展者すべてに益をもたらす時だ」

注目トピック——EAS 2026で語られること

EAS 2026 主要テーマ(予定)
MOSAIC実装の現状と課題:型式証明を目指す電動LSAメーカーの進捗・規制当局との調整
🚁 eVTOL認証の最前線:Joby・Archer・Wiskの型式証明進捗・eIPP実証結果
🔋 バッテリー技術の現在地:冬季寒冷地での性能課題・急速充電技術・エネルギー密度の進化
🎓 電動航空機パイロット育成:新カテゴリー「Powered-Lift」の訓練体系・UPRT・シミュレーター活用
🌍 国際連携:新パートナーAERO Friedrichshafen(ドイツ)との欧米連携・アジア市場への展開
🏗️ インフラ整備:Vポート・充電ネットワーク・UTM(都市空域管理)の実装
💡 学生$50という価格設定の意図

EAS 2026は学生参加費をわずか$50に設定した。「次世代の航空・航空宇宙イノベーターを育てる」という明確な意図がある。AirVenture Oshkoshは昨年70万人以上・1万機以上の航空機が集まった世界最大の航空イベント。その前週に開かれるEASは、業界の最前線と次世代人材が出会う場として機能している。

UPRT JAPANへの示唆——この会議をどう活かすか

EAS 2026は7月18〜19日。JAPAN DRONE 2026(6月3〜5日)の約6週間後だ。日本での初お披露目を終えた後、世界の電動航空の最前線に触れる絶好のタイミングになる。

特に注目したいのが「電動航空機パイロット育成」のセッションだ。MOSAIC施行によりeVTOLがLSAとして認定される時代に、そのパイロットをどう育てるかは世界共通の未解決問題だ。UPRT JAPANが取り組むUPRT×LSA×ニセコという構想は、この議論に直接貢献できる視点を持っている。

📌 20年間の電動航空の歴史が教えること
2007年に「いつか実現するかもしれない」と語られた電動航空機は、2026年に商業運航の直前まで来た。
その20年間に一貫していたのは、「小さな一歩を積み重ねた人たちが歴史を作った」という事実だ。UPRT JAPANも今、その小さな一歩を踏み出している。名刺を作り、ブログを書き、ポールに返信を送り、DRONE FUNDのイベントに申し込んだ。
5月27日・6月のJAPAN DRONE・そしていつかのオシュコシュ——
一歩一歩が、ニセコから世界の電動航空史につながっていく。

→ EAS 2026の詳細・参加登録:eas2026.org
→ AirVenture Oshkosh 2026:7月21〜27日(EASの翌週)

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