皆さんこんにちは!
リノエアレースが、2023年の開催を最後に60年の歴史に幕を閉じてしまいます。
衝撃的なこのニュースは、先週発表されました!
リノ・ナショナル チャンピオンシップ エア レース
ナショナル チャンピオンシップ エア レース
世界中の非常に多くの人にとって、リノはエアレースの代名詞となっています。
航空ファンなら誰でもが知っている、アメリカ、ネバダ州リノ で開催される世界
最大規模のエアレースです。
正式名称は、リノ ナショナル チャンピオンシップ エアレース&エアショー。
アメリカ、ネバダ州北西部にあるリノ、リノステッド空港において毎年9月に開催
されるエアレースです。1964年に始まり、現在継続して開催されるエア・レース
の中で最も長い歴史を誇ります。レースの合間に民間航空ショーやアメリカ軍機の
デモンストレーション飛行なども行われます。
レースは参加する飛行機の種類ごと6クラスに分けられています。それそれ規定の
コースを周回し、速さを競うのです。空港とその周囲の荒野に数本立てられた、
パイロンと呼ばれる高さ約15mの目標塔の外側を飛ぶ「パイロンレース方式」で行
われ、パイロンよりも内側、または基準の高度より低くなるとペナルティが課せら
れる減点方式で採点されます。コースはは上空から見ると楕円形ですが、実際には
約70mの高低差があります。また高速での操縦中はパイロンの目視が難しく、パイ
ロットの経験と高い技術が要求されます。
クラスは6つに分れています。
アンリミテッド
リノ・エアレースにおける最高峰のクラス。「ピストンエンジンでプロペラ推進、
乾燥重量4500ポンド(2040kg)以上」のほかは制限がありません。
P-51マスタングやF8Fなど第二次世界大戦で使われていた戦闘機を改造した機体を
使用しています。全長約8.1マイル(13km)のコースを6周(決勝のみ8周)。
最速の機体は速度が805km/hにも!最も人気の高いレースです。
ジェット
2002年から新設されたジェット機のクラスです。当初はチェコ製練習機のL-39のみ
の参加でしたが、2007年には主翼後退角が15度未満、アフターバーナー未使用の機体
が参加可能になりました。現在ははL-29、T-33といった機体も参加し、アンリミテッ
ドを上回る記録も生まれています。コースはアンリミテッドと同じです。
スポーツ
市販またはキットの高性能の単発機によるクラス。エンジン排気量は650立方インチ
以下で過給も可。下位階級が約7マイル、上位が約8.1マイルのコースをそれぞれ6周。
最高速度は640km/h超え、アンリミテッドに次ぐスピードです。
フォーミュラ・ワン(IF1)
排気量200立方インチで100hpのコンチネンタルエンジンを搭載し、固定ピッチプロ
ペラ、固定脚、翼面積66平方フィート以上、空虚重量500ポンド以上の規程があります。
全長約3.2マイルのコースを8周。最高時速は320km/h超え。
AT-6/SNJ
AT-6(空軍)/SNJ(海軍)練習機によるクラス。機体の改造が厳しく再現されているた
めに接戦になりやすくパイロットの操縦とチームの微妙なセッティング納佐が勝敗を左
右します。
コースは約5マイルを6周、速度は350km/hほど。スピード感よりコース取りの駆け引き
が楽しみの一つです。
バイプレーン(複葉機)
ライカミングまたはスーペリア製で排気量が360平方インチ以下のエンジンを搭載。固定
ピッチプロペラ、固定脚、翼面積75平方フィート以上で、小さい主翼面積が双翼面積の
1/3を超えることなどの規程があります。産牡蠣の大半がピッツスペシャルです。沖縄県
出身のトニー比嘉さんが参戦しています。
リノエアレース イメージ図
事故
参加機体の多くは本来の仕様要求を超えた改造が施されており、更に超低空を超高速で密集
して飛行するため、レース中の事故は後を絶ちません。
過去には機体の故障、空中分解、接触などで多くのパイロットが死亡しています。2011年に
はP-51マスタングの墜落事故によって、制御を失った機体が観客席に墜落してパイロットを
含む11名の命が失われました。この年のレースは全て中止されました。
最後のナショナル チャンピオンシップ エア レース
最後のナショナル チャンピオンシップ エア レースは、9 月 13 ~ 17 日に開催されます。
2023 年のイベントは、150 機以上の飛行機とパイロットのほか、GRADD-NVBAA STEM
教育ディスカバリー ゾーン、遺産の展示、軍事デモ、静的な展示など、いくつかの「実践
的な」展示と体験で再び開催される予定です。このイベントはまた、 STOL (Short Take-
Off and Landing) ドラッグの競技会も 3 年目を迎えます。 STOL ドラッグ レースは、
純粋に誰がゴールして最初に止まるかを競います。STOL ドラッグ レーサーは、指定された
トラックを各方向に約 2,000 フィート飛行し、チョーク ライン上またはチョーク ライン
の後に着陸します。
滑走の間に完全に停止しない航空機は失格となるため、精度と完璧なタイミングが重要です。
その他のイベントとしては、A-10サンダーボルトのデモンストレーション。空軍ヘリテージ
フライトでは、F-22 ラプターが第二次世界大戦時代の戦闘機と並んで飛行します。
海軍レガシー フライト ファウンデーション プログラムは、F/A-18 スーパー ホーネットと
朝鮮戦争の F8F ベアキャット戦闘機が並んで飛行します。
F/A-18 スーパー ホーネットと F8F ベアキャット戦闘機(リノエアレースより)
「世界最大の小都市」ネバダ州リノ
ネバダ州の気候は大部分の地域が、砂漠気候および亜乾燥気候帯です。砂漠もしくはそれ
に近いため、気温の差が大きく、夏の日中は52℃の酷暑になりことがあり、冬の日の出前
には-46℃に冷え込む日もあります。基本的に雨が少なく、年間平均降水量は178㎜になっ
ています。ただしシエラネバダ山脈の風下である東斜面と北東斜面は太平洋から吹き込む
湿った空気により、雨が降りやすく、多い所で年間 1,000mm程度の降水があります。
ネバダ州のリノ地域には、独自の文化や歴史、自然があります。
ラスベガスに次ぐネバダ州第2の都市リノは、1850年代後半に金や銀が採掘され鉱山都市
として栄えた街です。シエラネバダ山脈の西端、標高1300mに位置するため、砂漠気候な
がら真夏でも過ごしやすいのが特徴。現在は、カジノを楽しめる観光都市であると共に、
周辺リゾートへの玄関口として発展を続けています。そんなリノは、「世界最大の小都市」
というユニークな愛称で市民からも観光客からも親しまれています。
バージニアストリートのリノ・アーチ
バージニアストリートのリノ・アーチ
バージニア・ストリートは、リノの街を南北に貫く目抜き通りです。通りの両側には
カジノホテルが建ち並び、いつも観光客で賑わっています。この通りにあるのが、街
のシンボルでもある「リノ・アーチ」。
街の愛称「The Biggest Little City in the World(世界最大の小都市)」の文字が記
されています。
夜になると1600個もの電球が灯り、ネオン瞬く不夜城の趣は正に「ミニ・ラスベガス」
と言ったところ。
リノを訪れたのならぜひ見ておきたい撮影スポットです。ちなみに、この愛称はカジノ
が林立するようになる遥か昔、1929年に名づけられたもなのだとか。これがリノのシ
ンボルになっていることを考えると、当時の人々の先見の明には驚くばかりです。
タホ湖
ネバダ州とカリフォルニア州の州境に位置する「タホ湖」は、世界で3番目に深い湖です。
米国西海岸の奥座敷のような場所に位置することから観光リゾート地として人気が高まり、
ここ数十年で大きな発展を遂げました。山々に囲まれている景観は美しく、絶景スポット
しても絶大な人気を誇っています。
まとめ
今年で最後のリノエアレース。本当に残念です。
最後になった理由はわかりません。また、今後も同じ様なレースとイベントがどこかで
開催されるのかもわかっていません。しかし、60年も続いた世界最大の航空ショー!
またどこかで開催されることを期待します!
2023年のチケットの販売は間もなくです。毎年、日本からのツアーも販売されます。
昨年、参加をを見合わせた日本のトップレーサー・室屋義秀さんは、参戦されるのでしょ
うか?
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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