皆さんこんにちは!
今日は天女の日です。
天女(てんにょ)
天女記念日
天女伝説のある全国各地の自治体で構成する「天女サミット共同宣言市町」が制定
しました。
日付は「てん(ten=10)にょ(24)」(天女)と読む語呂合わせから。天女を活
用したまちづくりのプロモーションと認知度の向上、活動の活性化が目的。記念日
は2016年(平成28年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されま
した。
2016年の「天女サミット」には、福島県川俣町・滋賀県長浜市・京都府京丹後市・
大阪府高石市・鳥取県湯梨浜町・鳥取県倉吉市・沖縄県宜野湾市が参加しました。
天女は、日本・中国・インドなどの国々において伝説上の存在。天界に住むとされ
る女性のことで、神様などに仕えているとされる女官の総称です。
人間界においては容姿端麗であることを除けば人と大きく変わるところはなく、
羽衣と呼ばれる衣服で空を飛ぶとされるが、この羽衣を奪われたばかりに空に帰れな
くなり、地上の男性と婚姻する話(羽衣伝説)などが伝えられています。
その中の大阪府高石市は、市内に日本最古の公立公園の一つで松林が広がる「浜寺
公園」があり、名松が「羽衣の松」と呼ばれたことから、羽衣の地名が生じました。
羽衣は天女が身にまとって空中を舞うことから、「天女の住まう街」としてPRに
奮闘しています。市はこれまでに天女が描かれたスポーツタオルやポロシャツを作
製し、販売するなど力を入れています。今年4月には、天女姿の女性が桜の見どこ
ろを参加者とともに歩くツアーも企画。地元の高石商工会議所も「てんにょん」と
いうマスコットキャラクターをつくり、アピールしている。
てんにょん、高槻市HPより
「てんにょん」プロフィール
★特 長:耳のように見えるおおきな「まげ」を備えた天女風ヘアスタイル
★特 技:踊り
★好きなもの:水遊び(でも水に弱い・・)
★性 格:とても人懐っこい
羽衣伝説(日本)
日本や世界各地に羽衣伝説(天女)があります。それは、しばしば天女=白鳥
といったものに例えられることが多くあります。
それでは、代表的な羽衣伝説を見ていきましょう。
日本で最古の羽衣伝説とされるものは風土記逸文として残っており、滋賀県長浜市
の余呉湖を舞台としたものが『近江国風土記』に、京都府丹後市峰山町を舞台とし
たものが『丹後国風土記』に見られます。
物語は
- 水源地(海岸・湖水)に白鳥が降りて水浴びし、人間の女性(以下天女)
姿を現す。
2.天女が水浴びをしている間に、天女の美しさに心を奪われたその様子を覗き
見る存在(男、老人)が、天女を天に帰すまいとして、その衣服(羽衣)
を隠してしまう。
3.衣類を失った1人の天女が飛びあがれなくなる(天に帰れなくなる)
- 日本の羽衣伝説では、ここから近江型と丹後型でわかれます。
-
- 近江型(昇天型)
- 天に帰れなくなった天女は男と結婚し子供を残す(幸をもたらす)
- 天女は羽衣を見つけて天上へ戻る
- 後日談(後述)
- 丹後型(難題型)
- 天に帰れなくなった天女は、老夫婦の子として引き取られる
- 天女は酒造りにたけ、老夫婦は裕福となる
- 老夫婦は自分の子ではないと言って追い出す
- 天女はさまよった末ある地に留まる
- 近江型(昇天型)
- 後日談
- 地域によりかなりの差異が認められる。幾つかのパターンとしては
- 昇天型 :羽衣を見つけた天女が、夫を捨てて天にかえってしまう。子供を一緒
- に連れて行く場合もある。
- 難題型 :天女の父が難題を出す七夕伝説に連続する。焼畑農耕地帯との関連が
- 指摘されている。山間部に多い。
- 七星型 :北斗七星のうちの1つのぼんやりしたものが泣き暮れている天女とする。
- なお、日本では沖縄県(北限奄美大島)にのみ存在。世界的には東南
- アジア、中国南部などに存在する。
- 再会型 :九州地方に多い。稲作農耕地帯との関連も考えられている。
- 夫と相思相愛になった天女が、天の父に夫を認めてもらうため、夫を
- 助ける。
などがあります。
羽衣伝説(海外編)
- 朝鮮
- 江原道金剛山にまつわる伝承です。貧しくも誠実な樵が猟師に追われた1匹の獐
- (あるいは鹿)を憐れみ匿ったところ、返礼として、天女を妻とするために沐浴
- の間に衣服を隠すことを教わり、その通りにします。衣を失って飛べなくなった
- 天女はやむをえず男の妻となり複数の子を儲けるが、やがて衣を取り戻して天に
- 帰る。その後の展開には、日本の羽衣伝説同様、いくつかの系統がある。
- 中国
- 『捜神記』によれば、豫洲新喩県の男が田に6~7人の女を見つけ、隠れて近づき、
- 脱いでおかれていた衣を1枚隠す。男が姿を見せると女たちは鳥となって飛び去る
- が、衣を失った1羽は飛び立つことができない。男はそれを捕らえて妻とし、3人
- の娘を生ませるが、やがて女は娘から父に衣の隠し場所を聞き出させて取り戻し、
- 娘たちを連れて去る。『元中記』に残る姑獲鳥伝説にも同様の展開がみられる。
- ベトナム
- 樵の男が人の気配のない泉で沐浴する数人の仙女を見つけ、1人の着物を米蔵の底
- に隠し、仙女を己の妻とする。数年は睦まじく暮らすが、息子が3歳になったある
- 日、夫の不在時に米を売った仙女は着物を見つけ、自らの櫛を息子の襟に付けて去
- る。男は帰宅後に事情を知り、息子を連れて泉に向かい、息子が水に櫛を沈める。
- 仙女は2人を認めて共に暮らすことになるが、仙女の召使の不注意により父と子は
- 海で溺死し、仙女は召使を罰して明けの明星に変えてしまう。他説では、仙女自身
- が明けの明星となり、父と子は宵の明星になって、互いに捜しあっているが二度と
- 会うことはできない、とする。
- インドネシア
- インドネシアの中央セレベスには、天女が蟹や鸚鵡、鳩の姿をとる羽衣伝説が伝わ
- る。また、ジャワ島には「羽衣天女」と「鶴の恩返し」双方の要素をもつ伝承が
- 伝わる。そのほかボルネオ、ハルマヘラ島等、各地に羽衣天女(羽衣伝説)と同様
- の展開をする説話が伝わっている。
- フランス
- 「作者不詳の『グラアランの短詩』の主人公グラアランは、森の中で真っ白な雌鹿
- を見かける。その雌鹿が彼の眼前に飛び出してきたので呼びかけたが、雌鹿は離れ
- ていく。彼は馬で雌鹿の後を追うが追いつけず、広野にある泉へと導かれる。泉で
- は1人の乙女が水浴びをしていて、2人の別の乙女がそのほとりにいた。水浴びして
- いる乙女の衣服は、草叢の中に置かれていた。グラアランはその衣服を奪い、娘を
- 無理やり引き留めようと考えた。その後、グラアランはこの娘を妻に迎える[後に
- グラアランは宮廷で皆が王妃の美貌を称える中、王妃よりも美しい女性が見つけら
- れると断言する。これにより、2人の恋を誰にも明かさないという妻との約束を破る。
- 妻を失ったグラアランは、王妃を侮辱した罪で判決を待つ身となったが、判決の日に
- 妻が現れて無罪放免となる]。そして妻は馬で森に向かい、川へ入っていく。後を追
- ったグラアランが川で溺れそうになると、妻は彼を一緒に自国へ連れ帰ったという。
同様の伝承は、メラネシアのニュー・ヘブライデス島や、モンゴル、シベリア、アイヌ人
の神話にもみられます。
まとめ
日本では、竹取物語のかぐや姫と一緒になったという説もあります。
手塚治虫さんのアニメ『火の鳥』の中でも『羽衣編』があります。ここでも同じような
物語が展開されます。
このように人類は、太古の昔から空(宙)に憧れて、鳥(白鳥)を擬人化してより
身近なものとして捉えていたのでしょう。それが、その土地の政治(まつりごと)
に利用されたり、信仰に利用されたりはしていましたが。
また、白鳥伝説として白鳥と鉄(たたらの技術)が大陸から渡ってきたという説も
あります。白鳥は渡り鳥ですが、常に正確に飛来する方角を検知して毎年迷わず
渡ってきます。白鳥は自ら方位磁石のようなものを持っているそうです。そのルート
が鉄の原料がある地方と重なるということです。白鳥と一緒に大陸から鉄を求めて
鍛冶屋、製鉄(たたら)が渡ってきたのです。九州から日本海側、京都、福島にかけて
たたらという名字が多く存在します。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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