日本で唯一のVポートの会社・SKYSCAPE

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

今日は、日本で唯一のVポート(バーティーポート:空飛ぶクルマの離発着場)の設計

製造をしている会社、SKYSCAPE(スカイスケープ)という会社を紹介します。

SKYSCAPE(スカイスケープ)

SKYSCAPE(スカイスケープ)

大阪を拠点とするSKYSCAPE(スカイスケープ)は、2022年の9月にドローン企業

DroNext から社名を変更しました。

スカイスケープはAAM(Advanced Air Mobility) 産業に特化した事業を提供する会

社です。

1)ドローンによる空撮や測量等のオペレーションサービス

2)コンサルティング

3)空飛ぶ車の離着陸場(通称:バーティポート)の開発〜運営 

この3つの事業を軸としています。2025年の大阪万博を目標に、Vertiportを開発・

運営しより多くの方にAAMが創造する価値を届けることを目指しています。

ドローンによる空撮や測量等のオペレーションサービス

パートナーシップを締結するClobotics Wind Serviceと連携し、自律型ドローンに

よる風力発電機の実証点検を実施しました。自律型ドローンによる全自動での点検は

国内でも数例しかありません。

Clobotics Wind Serviceは、2016年に中国で設立されたコンピューター ビジョンの

会社です。コンピュータービジョンとは、コンピューターとシステムがデジタル画像、

動画、その他のデータ視覚化から意味のある情報を導き出し、その情報に基づいて対

処し、推奨を行うことができるようにする人工知能(AI)の分野のことです。

Clobotics Wind Serviceは、コンピューター ビジョン、人工知能/機械学習、データ

分析ソフトウェアを、自律型ドローン、モバイル アプリケーション、その他の IoT

デバイスなどのさまざまなハードウェア フォーム ファクターと組み合わせています。

主に風力発電の点検、検査に自律型ドローンを使用して正確なデータを収集していま

す。

風力発電は、日本でも近年、数多く設置されています。太陽光発電と並ぶ再生可能

エネルギー源となります。しかし、風力発電は他の発電方法と比べるとまだまだ発展

途中のエネルギー源です。日本政府は風力発電の拡大を目指しており、2040年までに

世界の風力発電量トップ3の国に入る計画を発表しています。

点検時の問題点

風力発電設備は、メンテナンスすることが保安規程によって必要になっています。

国の決まりによって、目視による外観点検等異常のチェックをする回数は毎月1回以上

となっており、外回りのメンテナンスと一緒に運転を停めて制御回路、主回路端子のチ

ェック、動作チェックを毎年1回ほど実施することが必要となります。

現在日本で一番主要なメンテナンス方法は作業員の目視による点検です。しかし、点検

ができる作業員の減少や、高所点検による従業員の安全リスクなどが課題として挙げら

れています。

時間とコスト

目視点検は通常1基あたり6時間〜7時間ほど必要となります。これは3枚のブレードそ

れぞれに4面があるためで、1枚1枚点検するだけでも大変な作業量となります。また点

検は定期的に行う必要があるため人を使った作業では点検にかかるコストも膨大になりま

す。

また、作業中はタービンの稼働を停止する必要があるため設備点検時の発電量の減少など

も課題の一つです。

安定したデータ管理

ドローンによる撮影で点検作業を行う企業の数もどんどんと増加していますが、そのデータ

の安定性を心配する声も少なくありません。

通常ドローンでの点検はブレード部分を巡回し羽根部分を撮影することで補修が必要な箇所

を発見します。ですが、パイロットのスキルなどによって得られるデータのクオリティが異

なったり安定したデータを得られないという問題があります。

スカイスケープの提案

スカイスケープは、コストや安全面で問題のある風力発電施設の点検を、自律型ドローン

により一元化する実験を行ったのです。

その結果は、目視で通常6〜7時間かかるタービン1基あたりの点検時間を約23分まで

短縮することができました。また、目視作業では必要な足場の組み立て等もいらないため、

大幅なコスト削減も可能にしています。

また、離陸〜点検、そして着陸までを自動で行うことができるため、パイロットのスキル

にデータの精度が左右されることもありませんでした。

自律型ドローンによる風力発電装置の点検の様子(スカイスケープHPより)

空飛ぶ車の離着陸場(通称:バーティポート)の開発〜運営
日本のVポートトップ企業として「ドローンマーケットマップ」に掲載

スカイスケープは、日本のVポートトップ企業として「ドローンマーケットマップ」に掲

載されました。

Drone Industrial Insightsが毎年発表するこのマップは、このAAM(アドバンスドエア

モビリティ)産業の様々な分野で活躍する企業を掲載しており、その多様性が伺えます。

今年掲載されているのは1076社となり、去年と比べると379社増を記録しています。

ドローン関連の事業以外にも今年からはVポートやハードウェアなど次世代エアモビリテ

ィ関連企業の掲載も開始されました。

現在AAMに関連する企業の所在地を地域別で見るとヨーロッパが40%、北米が35%

を占めています。Vポートやドローン・空飛ぶクルマの飛行に関する基準はEASAやNASA

からの情報を元に構築されている為当然の結果であるとも言えます。DJIやEhang等中国

や日本はドローン市場のリード地域ですが、アジア圏の企業は意外にも11.6%と低めの

数字になっています。

国別で見るとアメリカが首位をキープしており企業数は337社、全体の31.3%を占めてい

ます。それに次いで、イギリス、ドイツ、フランスなど欧州の国に多くドローン・アドバ

ンスドエアモビリティ関連企業が在籍しています。

10社以上のドローン関連企業を持つ都市にはロンドン、サンフランシスコ、そしてドローン

技術が急速に発展している中国に次いで東京が14社を記録しています。アジア圏のドローン

関連企業は北米や欧州に比べると数は劣りますが、中国と日本がドローン産業リード地域と

して成長する事が予想されています。

現在Vポート企業として12社が掲載されており、その内の日本企業はスカイスケープのみと

なっています。

Bayards とSafeHub との協業

スカイスケープは、アルミニウム製のヘリパッドやeVTOLプラットフォームの設計開発を

専門とするBayards Vertiport(本社:オランダ)、可動式のチェックインターミナルを

開発するSafeHub Systems(本社:アメリカ)とMOU(了解覚書)を締結しました。

(2023年1月31日付け)

スカイスケープのVポートは、アルミニウム製の「ブロック」で構成されます。

このブロックは組み合わせたり、繋げたりと様々な設計デザインにも対応でき、これにより

顧客のポートの周辺地域やニーズに合わせた設計が可能となるのが特徴です。

またこのVポートはドローン物流、eVTOL運用、ドローンによる緊急時の初動対応、医療配

送、セキュリティなど様々なAAM技術やシステムをお客様自身で選択し、ブロックに組み込

める仕様を計画しています。お客さまがVertiportに備える機能を選べるようにすることで、

それぞれのVポートに独自の機能や性能を生み出すことができるのです。

Bayards Vertiportは土木建築、海運、石油・ガスや再生エネルギー、防衛などあらゆる分

野で活躍する世界有数のアルミニウム建設会社「Bayards」グループ内の1社です。Bayards

社は世界中で700台以上のヘリパッドを設置してきた実績を持ち、あらゆるタイプの困難な

プロジェクトの管理、共同設計や共同エンジニアリングを成功させるために必要なノウハウ

を備えているのが特徴です。

SafeHub社はチェックインゲート開発のスペシャリストとして、同社の技術をスカイスケー

プ Vポートに統合します。SafeHub社のチェックインゲートシステムを導入することで、ス

ピード・安全・そして便利さの3点を備えたワールドクラスの体験の提供を予定しています。

また、同社が開発したチェックインターミナルは、将来のVertiportオーナーのニーズに合わ

せて乗客のチェックイン等の旅客業務とドローン配達等の貨物処理のどちらにも対応可能な

モデルとなっています。

まとめ

日本の AAM 市場は、日本の社会とビジネスに影響を与える大きな機会に後押しされ、

過去2 年間で驚異的な成長を遂げました。

昨年 10 月、東京に本拠を置く日本工営(KOEI:大手建設コンサルト企業)は、eVTOL

Vポート業界で日本のマーケット リーダーになることを目指していました。

同社のグローバル アビエーション部門のシニア マネージャーである井上靖氏は、インタ

ビューの中でこう述べています。『最初のステップは、同社がすでに空港に関連して

行っているのと同様に、大手不動産会社などに計画および設計コンサルティングサービス

を提供することであると考えています。』彼は、新しい施設を建設したり、新しい街を設計

したりしている大手不動産会社は、それらにバーチポートを供給し、それらを将来の交通

ネットワークのハブにするというアイデアに惹かれるのではないかと考えています。

『第 2 のステップは、Vポート自体を所有および運営するために、日本工営またはおそら

く会社の子会社が後で設立される可能性があることです。』

まずは完全に新しいバーチポート インフラストラクチャが登場し、その後、おそらく市場

が成熟し始める 2030 年頃から、既存のヘリパッドの一部が変更されるでしょう。

井上氏は、eVTOL 業界が、日本が遅れと失敗の歴史を振り払う機会になることを望んで

います。「これは、日本企業が航空分野でサクセスストーリーを生み出す絶好の機会です」

と彼は主張します。

井上氏は、日本工営がバーチポート運動の最前線に立つべきであるだけでなく、「日本で

トップのVポート設計会社になる」と信じています。

彼は 2030 年までに、日本工営が定期的に海外、特に東南アジアの発展途上国向けにバーチ

ポートを設計することを望んでいます。

井上氏の予想通りになるのでしょうか?コロナの後の日本企業にとってもとても明るい話題

にはなると思いいます。私は、スカイスケープのようなベンチャー企業がどんどん出てくる

ことを期待しています。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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