H3ロケット、いよいよ明日打ち上げ!

宇宙

皆さんこんにちは!

H3ロケットが、明日17日、午前10時37分55秒に種子島宇宙センターから打ち上げ

られます。

本来は昨日の15日の予定でしたが、2日間の延期となりました。

H3ロケット

H3ロケットとは

H3ロケットは、種子島宇宙センターから試験機1号機の打ち上げを予定している次世

代の大型ロケットです。 日本が宇宙への輸送手段を持ち続けれるように、現在運用中

のH-2Aロケットの後継機として開発されています。

H3ロケットは今後の世界でどのようなロケットが必要になるかを調査・予測し、それ

に応えるロケットとして、柔軟性高信頼性低価格の3つの要素を実現します。

柔軟性

複数の機体形態を準備し、利用用途にあった価格・能力のロケットを提供します。

また、受注から打ち上げまでの期間短縮によるサービスの迅速化や、年間の打ち上げ

可能機数を増やすことで、「迅速に打ち上げたい」という利用者の声に応えます。

そのために、ロケット組み立て工程や、衛星のロケット搭載などの射場整備期間を

H-2Aロケットから半分以下に短縮します。

高信頼性

高い打ち上げ成功率とオンタイム打ち上げ率(予定した日時に打ち上げられる率)を

継承し、確実に打ち上がるロケットにします。

ちなみに、H2Aは打ち上げの成功率や、定刻で発射できる「オン率」が世界最高水準

を維持しています。タイム率82.6%となりました。(2023 年 1 月 26 日現在)

H2Aロケットは打ち上げ能力を強化したH2Bロケットも含めると、通算55回の打ち上

げで54回の成功となり、成功率98%と世界的にも高い水準を誇っています。

低価格

宇宙専用の部品ではなく自動車など国内の他産業の優れた民生品を活用するとともに、

生産の仕方についても受注生産から一般工業製品のようなライン生産に近づけることで、

打ち上げ価格を低減させます。 固体ロケットブースタを装着しない軽量形態(主に低

軌道の打ち上げに用いる想定)で約50億円の打ち上げ価格を目指しています。

H2Aの起動費用は約85億円―100億円、H2Bは約140億円―150億円に達し、最近は

円高によってさらに割高となっています。

H3大きさ、性能

H3は全長約63m、直径約5.2mで、東海道新幹線の先頭車輌2両分とほぼ同じ大きさです。

地球低軌道から静止トランスファー軌道、さらには地球脱出軌道まで、さまざまな軌道に

向け、多種多様な大きさ、重さの衛星を打ち上げることができます。

特に、商業衛星の打ち上げ需要が多い静止トランスファー軌道へは、ヨーロッパの「アリア

ン5」ロケットなどと同等の、静止化増速量ΔV=1500m/sの条件の軌道に向け、約2~7tの

衛星を打ち上げられる能力があります。

幅広い打ち上げ能力要求にシームレスに対応するため、固体ロケットブースター「SRB-3」

の本数や、第1段メインエンジン「LE-9」の基数、衛星フェアリングを選択できる仕様と

なっており機体形態は「H3-abc」で表します。

世界の市場を見据えて H3ロケットの挑戦:時事ドットコム

これまでの日本のロケットの比較。H3が一番大きいのがわかります。

海外ロケットとの比較|ロケットの基礎知識|Column|JAXA 宇宙輸送技術部門

H3はアメリカのロケットに次いで大きいサイズになります。

再使用ロケット

宇宙輸送は将来市場が見込める分野だけに国際的な開発競争が激化しています。その中で

注目されるのが再使用型で、打ち上げ機体の一部を再度使い、打ち上げ費用を大幅に抑え

る効果があります。現行の主力ロケットである「H2A」の打ち上げ費用は約100億円。

コスト負担が大きいことから、海外からの衛星打ち上げ受注の機会損失につながっている

との見方もあります。

再使用型の打ち上げ費用はH3の約半分となる約25億円に設定し、30年にも打ち上げる

計画です。再使用型の開発と並行して宇宙飛行向け輸送機の検討・開発も進め、部品などの

共通化でコスト低減につなげる計画です。

量産効果や完全再使用化により、40年前半には打ち上げ費用をH3の約10分の1に。

再使用型で国・民間のミッションを増やし、宇宙輸送分野の国際競争力も確保する構えです。

再使用型ではロケットの打ち上げに加えて一部の機体を目的の場所に「帰還」させて「回収」

し、「再整備」する必要があります。特に帰還・回収には機体を目的の場所に誘導する制御

技術や、燃料である推進剤を有効に活用するために挙動の調査や制御デバイスの研究開発が

求められます。

現在、再使用型ロケットの開発が世界で進んでいます。中でも米国が先行しており、スペース

が再使用型ロケットの実用化にこぎ着けました。同社の大型基幹ロケット「ファルコン9」

は1段目のエンジンを回収・再使用しています。最近では有人宇宙船「クルードラゴン」初号

機を打ち上げたファルコン9の1段目エンジンを、同2号機に再使用したことが話題になりま

した。2021年7月20日に米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏を宇宙空間に運

んだ米ブルーオリジンの輸送機も再使用型でした。

スペースシャトルも本体や打ち上げたロケットの一部が再使用されていましたが、本体は宇宙

空間から大気圏に再突入する時に約3000度Cの熱にさらされます。そのため整備に高い

耐熱技術が必要でした。再使用型として費用の面で採算が合わなくなり、引退を余儀なくされ

た経緯があります。

ファルコン9の打ち上げ費用は約70億円と言われている。H3の打ち上げ目標費用の約50

億円よりも若干高いものの、再使用できるファルコン9の方がコスト面で有利と見られます。

地球を見守る「だいち」の目

今回、H3ロケットが宇宙に運ぶのは陸域観測技術衛星「だいち」シリーズの「だいち3号

です。

だいち3号」は、「だいち」と比べ大型化・高性能化したセンサを搭載することにより、

「だいち」の広い観測幅(直下70km)を維持しつつ、さらに高い地上分解能(直下0.8m)

を実現します。このセンサを用いて国内はもちろん、全地球規模の陸域を継続的に観測し、

蓄積した平時の画像や災害発生時の画像を防災・災害対策等を含む広義の安全保障に活用

します。 さらに、「だいち3号」の観測画像は国内や途上国の高精度な地理空間情報の整

備・更新に貢献するほか、 多様な観測バンドによる沿岸域や植生域の環境モニタリング・

土地被覆分類など、様々な分野での利用が期待されています。

❶  広域・高分解能センサ
広い観測幅(70km)と高い地上分解能(0.8m)を両立させた光学センサで、地表面を広く

詳細に観測します。

❷  光衛星間通信機器
光データ中継衛星と通信するための装置です。

「だいち3号」に搭載される光学センサは、「だいち」の広視野を維持しつつ、地上分解能を

約3倍向上させています。 このように高分解能と広視野を両立させたセンサは、「だいち3号」

の大きな特徴の一つとなっています。センサ性能の実現にあたっては、これまでに日本が培っ

てきた大型光学系や高性能検出器の製造技術が最大限活用されています。

また「だいち」では白黒画像(地上分解能2.5m)を取得するセンサと、カラー画像(地上分

解能10m、可視近赤外4バンド)を取得するセンサを個別に搭載していましたが、「だいち3

号」ではこれらを統合し、 一つのセンサで白黒(地上分解能0.8m)とカラー画像(地上分

解能3.2m、可視近赤外6バンド)を取得します。両方の画像を合わせ、地上分解能0.8mのパ

ンシャープン画像(※)の生成が可能です。

※ 高解像度の白黒画像と低解像度のカラー画像から作成する高分解能化カラー画像

「だいち3号」の地上分解能では、構築物の倒壊や道路遮断の状況が「だいち」に比べてより

明確に視認でき、発災前後の画像の比較により、詳細な被害状況を迅速に抽出することが可

能になります。

まとめ

いよいよ、日本の技術の結晶であるH3ロケット・初号機が明日、打ち上げられます。

これが成功すれば、日本の宇宙産業はさらに発展してくると思います。

しかし、まだ世界と争って行くには性能面もそうですが、コストが重要になってきます。

世界が注目している「アルテミス計画」に繋がる一歩となるでしょう。

明日の種子島の天気は、晴れ。最高気温は気温は16℃。風は北東の風で5m以下です。

打ち上げには申し分の無い天気です。

打ち上げはライブ映像で放送されます。詳しくはこちらをご覧ください。

H3ロケット試験機1号機/先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)打上げライブ中継
2023年2月17日(金)、H3ロケット試験機1号機による先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)打上げの様子です。この日は、ロケットの自動カウントダウンシーケンス中に、1段機体システムが異常を検知し、固体ロケットブースタ(SRB-3)の...

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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