皆さんこんにちは!
ハイブリッドといっても自動車ではなく航空機の世界です。
航空機のエンジンには、全電動型、水素電池や従来のピストンエンジンと電気を
組み合わせたハイブリッド型があります。全電動型が主流で開発されてきましたが
バッテリーの容量の問題は避けて通れません。そこで脚光を浴びているのが水素
燃料電池の開発です。水素は、水と空気(酸素)から構成され石油と違って資源は
無限大です。ただ、その構造的な問題です。航空機にとって重さと大きさは永遠の
課題です。水素燃料電池は、水素タンク(気体、液体)と生成システムの複雑さが
ネックになっています。
その欠点を補う研究が盛んに行われています。
ハネウェル、航空機向け水素燃料電池ソリューションの WPI パートナー
ウースター工科大学(WPI)とハネウエル・エアロスペースは新しいパートナーシ
ップを結びました。このパートナーシップは、 水素燃料電池が次世代の航空機の
動力源としてどのように役立つかを調べることで、航空業界が二酸化炭素排出量を
削減することを支援しています。
この研究は、無人航空機、旅客および貨物旅行を含むあらゆる形態のための水素
貯蔵および発電技術に開発にスポットを当てています。ハネウエルは、水素機器
と技術の専門知識を提供しており、ゴダード ホールのラボ スペースとゲートウェ
イ パークのオフィスで、WPI のキャンパスで重要な研究を行っています。
「航空業界は、航空機の重量と体積に制約のある環境では非常に困難な脱炭素化
が不可欠であることを理解しています。水素は、持続可能な航空燃料や航空機の
電化とともに、航空宇宙産業が国連の 2050 年気候目標を達成する大きなチャン
スとなります」と化学工学の助教授、および WPI チームのプロジェクト リーダー
アンドリュー・テイシェイラ氏は述べています。「ハネウェルとの提携により、
WPI の研究者は科学的なボトルネックに集中できるようになり、ハネウェルは航空
宇宙の製品化と認証に関する優れた専門知識を提供するため、プロセスが加速しま
す。純粋な研究から製品の出荷に至るまで、すべて 1 つの場所でテクノロジーの
準備状況にまたがる専門知識を組み合わせることで、移動と反復を迅速に行う能力
が強化され、航空業界に真の違いをもたらすことができます。」「「ハネウェルは、
エンジンやAPU(補助動力装置)からアビオニクス、環境制御、その他の航空機シ
ステムまで、事実上すべての商用飛行に技術を持っています。
過去数年間、当社は燃焼と燃料電池の両方の水素ソリューションと、お客様がより
持続可能な未来を創造するのに役立つその他のすぐに使える技術の探求を強化し
てきました」と、ゼロエミッションのシニアディレクターであるフィル・ロビンソン
は述べています。「独自の人材プールとコラボレーションの機会により、ハネウェル
は WPI と協力することを選択しました。スタッフも生徒もWPI の教員とのやり取り
に非常に満足しています。。当社は独自のクリーン技術を当社の航空業界のお客様に
提供できることを嬉しく思います。また、まだ未踏の分野での WPI 研究の指針にも
なります。」
このコラボレーションにより、WPI の学生は、共通のラボ スペースでハネウエル チ
ームと肩を並べて作業することができます。この契約は、数年間にわたって 3 人の博
士課程の学生に資金を提供し、毎年複数の学部の主要な資格取得プロジェクトに資金
を提供しています。
ZEROAVIA が記録破りの水素燃料電池性能試験を発表
水素電気航空機推進システムの開発者である ZeroAvia は、水素燃料電池の高温プロ
トン交換膜 (HTPEM) システムのテスト中に、記録破りの性能を達成したと述べてい
ます。
ZeroAvia によると、英国にある同社の研究開発施設で加圧された 20 キロワットの
HTPEM 燃料電池スタックの初期のテストでは、セル レベルで 2.5 kW/kg の特定の
電力レベルが実証され、同社は電力密度の達成を期待しています。今後 2 年間で 3
kW/kg を超えます。ZeroAvia によると、これにより、水素燃料電池は、ボーイング
737 やエアバス A320 ファミリーなど、100 人以上の乗客を乗せる大型航空機で実
行可能な電気推進システムを可能にするのに十分な性能になります。
1 月、ZeroAvia は、同社の水素推進システムの 1 つを後付けした 19 席の Dornier
228 リージョナル旅客機の最初の飛行試験を成功させました。水素燃料電池システ
ムの開発者である HyPoint との 2 年以上にわたる協力の後、ZeroAvia は2022 年
10 月にHypointを買収し、同社のターボ空冷 HTPEM 燃料電池を推進システムに統
合する計画を立てました。ZeroAvia のパワートレインは、水素燃料電池を使用して
発電し、航空機のプロペラを回転させる電気モーターに電力を供給します。
ZeroAvia が現在試験中の HTPEM 燃料電池は、出力 2.5 kW/kg で、40 ~ 80 席の
航空機用の ZeroAvia の ZA2000 パワートレインに電力を供給するのに理想的であり
eVTOL 航空機および回転翼航空機用の新しい電気推進システムを可能にする可能性
があります。
同社が 1 月に飛行した 19 席のドルニエ 228 は、低温 PEM 燃料電池を利用しており
これはサブメガワット規模の小型航空機に適していると同社は述べています。より大
規模なシステムです」と、ZeroAvia の関係者は声明で述べています。「HTPEM技術
は、燃料電池システムから多くのコンポーネントを排除し、冷却抵抗を減らし、商業
的に適切なペイロードと航続距離を可能にします。」
従来の LTPEM は摂氏 80 度 (華氏 176 度) を超える温度では使用できませんが、
HTPEM は摂氏 200 度 (華氏 392 度) まで安全に動作できます。温度が高いほど化学
反応が速くなり、効率が向上するため、これらの燃料電池は輸送用途により適したもの
になります。また、HTPEM のライフサイクルは 20,000 時間、つまり LTPEM の約
4 倍になると予想されています。
同社はまた、2027 年までに 700 nm の航続距離を持つ 40 ~ 80 席の水素電気航空機
を提供することを目指しています。大型の航空機は 2 ~ 5 メガワットの ZA2000 パワ
ートレインを利用し、液体水素で作動する水素ガスを使用します。
ZeroAvia によると、同社は現在、約 1,500 の水素推進システムをカバーする仮発注契
約を保持しており、そのうち 600 ~ 700 は最大 19 席の航空機を対象としています。
ZeroAvia は、2023 年 1 月 19 日に Dornier 228 水素動力技術のデモンストレーターで
初飛行を行いました。 (画像: ZeroAvia)
HEART AEROSPACE が ES-30 ハイブリッド電気飛行機の配備でフィンランド諸島と提携
スウェーデンの電気飛行機メーカー Heart Aerospace とオーランド政府は木曜日、
Heart のハイブリッド電気リージョナル旅客機 ES-30 をバルト海の島々に配備する
ことで協力すると発表しました。
オーランドはスウェーデン語を話す人口を持つフィンランドの自治区です。フィンラ
ンド南部とスウェーデン東海岸のストックホルム地域という 2 つの広大な経済地域
に挟まれたバルト海に位置しています。
オーランドの首都マリハムンは、スウェーデンの首都ストックホルムとフィンランド
で 3 番目に大きい都市トゥルクから 150 キロメートル 未満、フィンランドの首都
ヘルシンキと 2 番目に大きい都市タンペレから 300 キロメートル未満の場所にあり
ます。
オーランド諸島、オーランドはフィンランドとスウェーデンとの間で帰属権を話し
合っていますが、中立自治区として両国から承認を受けています。距離的にはフィ
ンランドよりスウェーデンのほうが近く、諸島の最西部と対岸のスウェーデンを結
ぶ最短距離の航路だと、所要時間は2時間ほど。また、航空便もストックホルムと
ヘルシンキ、トゥルクから飛んでいます。
ES-30 の設計は、バッテリー由来のエネルギーで電気モーターを搭載しており、標
準で 30 人の乗客を収容でき、200 キロメートルの完全電気ゼロエミッション範囲、
最大乗客負荷で 400 キロメートルの拡張範囲を指定しています。 25 人の乗客で最
大 800 km まで飛行できる柔軟性を有しています。
人口 30,000 人のオーランドには、2,800 を超える企業があり、そのうちの 3 つは
上場企業であり、繁栄しているビジネス コミュニティがあります。
「オーランドは過去 50 年間、人口増加傾向にあり、毎年増加し続けています」と、
オーランド政府の貿易産業大臣である フレドリック・カールストロム は述べていま
す。「島のコミュニティとして、私たちのフライト接続は私たちにとって不可欠です
が、私たちの環境も同様です。 だからこそ、静かでゼロエミッションの電気飛行は
私たちにとって非常に興味深いものです。」
航空会社は現在、マリハムンからストックホルム、そしてフィンランド本土のトゥル
クとヘルシンキへの 3 つのフライト接続をオーランドに提供しています。
昨年 9 月、Heart は、2020 年にスウェーデンのスタートアップ企業が発表した全電
動 19 席の ES-19 モデルの代替として、30 席のハイブリッド電気 ES-30 の設計を
発表しました。本社、エア カナダ、スウェーデンの航空宇宙および防衛グループの
サーブは、それぞれ 500 万ドルをベンチャーに投資することを約束しました。
Heart はまた、ヨーテボリのサーヴェ空港に電気航空技術を進歩させるための施設
を建設する予定です。ノーザン ランウェイ キャンパスには、同社のオフィス、生産
飛行試験施設が収容されるほか、新しい持続可能な建物内のパートナー企業にスペー
スが提供されます。
まとめ
現在の電動航空機の開発メーカーは、大学やいろんな分野のメーカーと協力して
電動航空機をより確実なものへと進化させています。そこで、ハイブリッドという
道の選択をしました。昨日の記事のように、従来型のピストンエンジンとのハイブ
リッド型より、より環境に配慮した水素燃料電池式の開発に集中しています。
問題の水素タンクや変換システムの効率化などは、今後開発が進んでくる内に解消
されていくでしょう。そのスピードを加速させるのは、十分な資本です。
英国の ADS グループ (航空宇宙、防衛、セキュリティ、および宇宙産業の業界団体)
は今週、英国が先進航空モビリティ (AAM) 部門でリーダーシップを発揮することと
「英国における eVTOL 産業の発展」を発表しました。この文書 は、英国の国およ
び地方政府、ならびに「航空宇宙エコシステム全体」に対する行動喚起として請求さ
れました。論文は、2040年までに5,100億ドルの価値があると推定される市場の可能
性を解き放つために必要であると述べている優先事項について、これらすべてのエン
ティティが取り組みを再調整することを強く求めています.
報告書は政府に対し、「英国が世界的に競争力を持てるようにするため、断固たるタイ
ムリーな行動を取る」ことを求めており、ADS が 2025 年までに整備する必要がある
と述べている基盤に関する 5 つの推奨事項を示しています。
このように政府が主導して産業を牽引していく必要があります。日本も。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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