皆さんこんにちは!
エアバスは、ドローンを飛行機(軍用輸送機)から射出させることに成功しただけでなく
空中給油までやってのけました。
エアバス・ドローンターゲットシステム
エアバス・ドローンターゲットシステム
エアバスは民間航空機の製造で有名ですが、実は軍需産業にも力を入れています。
また、エアバスシリーズは軍の輸送機に使われており、民間のパイロットの中には
軍出身者も多くいます。
エアバスは、地上および海軍の防空および空対空戦闘のための現実的で費用対効果
の高いトレーニングを提供する、牽引空中ターゲット、直接空中ターゲット、およ
び水上ターゲットを含む、あらゆる範囲のターゲット システムを提供しています。
エアバスは、50 年以上にわたって世界中の軍隊にサービスを提供してきました。
エアバス ディフェンス アンド スペースは、そのフルサービス ソリューションにより、
ターゲット ミッションを提供します。これは、エアバスのハードウェア、機器、およ
びターゲット ドローンを備えたエアバスのスタッフによって提供されます。
エアバスの固定翼航空ターゲットの製品ラインは、移動式空気式カタパルト ランチャ
ーから展開され、検出と分類から交戦の決定とアクションまで、交戦プロセス全体を
シミュレートできる 4 つの異なるモデルを構築しています。
エアバスのターゲットドローン(画像:エアバス)
エアバスのターゲットドローンは通常発射カタパルトから射出させる(画像:エアバス)
Do -DT25 は 中速の多目的空中ターゲットであり、短距離赤外線ミサイル システムに
追跡と交戦の両方に優れたターゲットを提供します。すべての防空シナリオに対応します。
スタンドオフ地上攻撃兵器システムを搭載した攻撃機を表すために、Do-DT25 は
Do-DT55 サブターゲットを搭載して展開するように構成でき、空中発射巡航ミサイルを
シミュレートしています。
Do-DT25(画像:エアバス)
Do -DT35 は、中 ~高空飛行の空中ターゲットをシミュレートするように設計されて
います。防御空域に侵入しようとする敵対航空機をシミュレートし、パトリオット、
ホーク、レイピアなどのミサイル システムの訓練補助として使用されます。
Do -DT35(画像:エアバス)
Do -DT45 は 、あらゆるシナリオで高速ターゲットを表すために使用される汎用
ドローンです。
DT45 は低空飛行能力を備えており、海軍のシースキミング ミサイルとしての役割を
果たすことができます。
Do -DT45(画像:エアバス)
Do -DT55 は 、地対空、空対空、艦対空ミサイルの訓練と評価のためにシミュレート
された空中発射脅威を提供するように設計された、遠隔操作の高速空中ターゲット ド
ローンです。
Do -DT55(画像:エアバス)
すべての空中ターゲット プラットフォームに装備可能
- 幅広い拡張ペイロード (IR、レーダー、レーザー、視覚用)
- 次のような機能を追加する特定の運用ペイロード
o EW 対策 (フレアとチャフ)、
o EWジャミング、
o アクティブ レーダー エミッター (空中レーダー シミュレーション)、
o 30 フィート未満のフライト用の低レベル キット、
o IFF、および
o 戦術的なヒットを検出するスコアリング/ミス距離表示 (MDI) システム
DT ファミリーは、200kts ~ 460kts (100 m/s ~ 230m/s) の速度範囲をカバーします。
飛行する輸送機内からのドローン射出&データ転送に成功
2022年2月21日、飛行する輸送機の貨物室内からドローンを射出することに成功しました。
用いられたのはA400M大型輸送機とDo-DT25ドローンです。テストはドイツ北部で行わ
れました。
実施した内容はA400Mのリア貨物ランプを飛行中に開け、そこからドローンを後方の空間
に放出、ドローンがそのまま墜落せずに空中で自律飛行を開始するというもの。発射母機
となったA400Mとドローンとの通信は常時接続されており、問題なくデータ転送が行われ
たそうです。なおテストのため、短時間でドローンからパラシュートが開き、地上に無事、
帰還したといいます。
エアバスは現在、ドローンを含むUAV(無人航空機)の空中射出用プラットフォームとし
てA400Mを運用する検証を行っており、今回のテストもその一環になります。説明による
と、機内には40機以上のドローンやUAVなどを収容することが可能としており、A400M
なら将来戦においてドローンなどを運搬・射出する空中プラットフォームとして使うこと
ができるようになるとのこと。
一方、すでにエアバスは有人機によるDo-DT25ドローン5機の同時空中制御の実証試験に
成功しています。
ドローン母機として用いられたエアバスA400Mの同型機(画像:エアバス)
自動給油技術を実証
100%子会社のエアバス・アップネクストは、Auto’Mate 自律型機内給油技術を実証し
ました。3 月 21 日、スペインのヘタフェからの飛行中、エアバスの A310 MRTT タン
カー テストベッドは、4 台のエアバス Do-DT25 ドローンの連続を、タンカーの延長さ
れた給油ブームの後ろの確立された位置に自律的に誘導しました。
タンカーとドローンの両方に、Auto’Mate システムが統合されていました。4機の無人機
は、ウェルバのCentro de Experimentación de El Arenosillo (CEDEA、アレノシロ試験
センター)から連続して発射されました。各ドローンの制御は、カディス湾上空で地上局
から A310 に移行されました。飛行試験は 6 時間近く続き、その間、ドローンは人工知能
(AI) と協調制御アルゴリズムによってタンカーの後ろの位置に順次誘導されました。結果
150 フィートの最小距離が達成されました。
Auto’Mate は 3 つの柱に基づいています。タンカーと受信機の間の相対位置、速度、およ
び姿勢を正確にプロットするための正確な相対ナビゲーションです。異なるアセット間の
飛行中の通信。航空機間の誘導、調整、コンセンサス、および衝突回避機能を提供するため
の協調制御アルゴリズムになります。このテストは、自律的な空対空給油に向けた第一歩と
見なされていますが、この技術は、将来の戦闘航空システム (FCAS) 内での無人遠隔空母の
運用など、他のアプリケーション向けの自律的な編隊飛行のためにも開発されています。
フランス、ドイツ、スペインの 3 つの FCAS 加盟国すべての開発者がこのプログラムに参加
しています。
AIベースのナビゲーションセンサーと強化された自律型編隊飛行アルゴリズムに重点を置い
て、今年後半にさらなる試験が予定されています。この試験では、A310 MRTT の近くを飛
行する 2 つのシミュレートされたドローンも統合して、複数の受信機による給油操作と衝突
回避アルゴリズムを調査します。
Do-DT25 ドローンは、エアバス A310 MRTT テストベッドに搭載されたシステムからタン
カーのブームに近い位置まで自律的に制御されます。(画像:エアバス)
まとめ
ウクライナ戦争でドローンは一躍脚光を浴びました。ドローンは今まで偵察が主な任務
でした。しかし、この戦争ではドローンを実際の兵器として考え、運用し、そして多大
な効果を得ています。現代戦争では、ドローンは無くてはならない兵器になっています。
それは、戦闘機やミサイルにも匹敵するくらいにまでなっています。
戦術として、ドローンを使っての偵察、敵の位置の把握を行い、目標をドローンもしくは
ミサイルで攻撃するというもの。戦闘機よりははるかに安価で、パイロットの命さえ奪わ
ないとなればなおのことです。
これからの戦争を大きく変えたでローン。ますます重要になってきています。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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