皆さんこんにちは!
電機航空機やeVTOLを何と、空中で給電してその航続距離を伸ばすというアメージングな
アイデアを実現しようとしている会社があります。
その名は、Magpie(カササギ)。真のゼロエミッションで長距離飛行を可能にします。
Magpie Aviation
彼らは飛ぶことに夢中
Magpie Aviationは、20 機以上の航空機の設計、テスト、飛行を支援してきました。
彼らのほとんどは現役のパイロットです。そして、地球とそのすべての種が繁栄できるよ
うにしながら、飛行の夢を続けたいと考えています。
世界のフライトの大半は 1,000 マイル(1600km)を超えています。しかし、持続可能
な航空分野での活動にもかかわらず、この距離をカバーできる実行可能なゼロエミッション
ソリューションはまだありません。Magpie は、2050 年までに航空機のネット ゼロを実現
するという業界の目標を達成するための実用的な方法を提供します。
それが、空中給電という方法です。
世界初の自動航空機牽引
Magpie Aviation は、飛行中に 2 機の航空機を接続する世界初の自動航空機牽引 (「エア
ロトウ」) の実証に成功したと発表しました。理論的には、同社は、エアロトーイングの
コンセプトにより、バッテリーを満載した小型の無人飛行機と接続することで、大型の電
動旅客機をより遠くまで飛ばせる可能性があると述べています。
Magpie のコンセプトでは、自律型牽引機が旅客機の機首を「アクティブ フック」でつか
み、その後空中で牽引します。飛行機が牽引されている間は、アイドル状態で電力を維持し
乗客に「スムーズで静かな」乗り心地を提供します。長時間のフライトでは、複数の牽引機
が交代で旅客機を護衛し、途中のさまざまな空港から離陸することができます。
Magpie によると、同社のエアロトウイング アプローチは、大型の電気飛行機をゼロ エミッ
ションで長距離飛行させるための最も費用対効果の高い方法です。現在利用可能なバッテリー
技術の限界により、新しい電気通勤飛行機は短距離で少数の乗客を飛ばすことに限定されます。
Magpie のコンセプトは、バッテリーの難問に対する回避策を提供し、ペイロード容量を犠牲
にすることなく、電気飛行機の航続距離を延ばすことです。
牽引の方法と2機の牽引機を使用したときの手順(画像:Magpie Aviation)
①ハイブリッド電気航空機が電力で離陸し、最初の高度まで上昇します。TOW AIRCRAFT
(牽引機:電力供給航空機)は、二次空港の充電基地から出発します。
②2 機は空中で出会い、安全な距離で自律的に接続します。電機航空機がアイドリングして
いる間に、TOW AIRCRAFTが牽引を開始します。
③より長いルートの場合、TOW AIRCRAFT は途中で交代します。TOW AIRCRAFTは素早
く交代し、充電後、牽引機 1 は空中に戻り、牽引機 2 が着陸する前に別の航空機にサービ
スを提供します。
牽引機を追加しても安価なの?
ここで疑問が残るのは、確かに電機航空機の距離は伸びるものの牽引機を使うことによって
コスタがかかってしまうんじゃないの?
Magpieの研究結果では、このエアロトウにより、航空会社は大型の電気航空機を運航できる
ようになり、燃料とメンテナンスという最も高いコストを大幅に節約できます。これらの節
約により、牽引の追加費用がほぼ相殺されます。牽引は、他の要因の中でもとりわけ、単純
な牽引航空機と二次空港からの運用によって安価に保たれます。これは、バッテリー電気航
空機が持続可能な航空燃料(「SAF」)または水素動力航空機よりも大幅に安価になるとい
います。
乗客1人当たりの実質コスト。ATR-72を使用(画像:Magpie Aviation)
世界で初めての自動牽引飛行試験
2023年3 月に実施され、4 月 24 日に公開された Magpie の最初の飛行試験では、テスト
パイロットがカリフォルニア州にある同社の飛行試験施設から Magpie の 2 機の試作機を
飛ばし、アクティブ フックを使用して接続に成功しました。Magpie は、同社のウェブサイ
トの最新情報に次のように書いています。
Magpie のテスト パイロットであり、米空軍の退役軍人である ジム・ペイン 氏は、次のよ
うに述べています。「安定化されたアクティブ フックへの接続は、かなりのパイロット ス
キルを必要とする空軍で使用される「プローブ アンド ドローグ」空中給油よりもはるかに
簡単です。」
プローブ アンド ドローグ空中給油方式は、空中給油機から曳航するドローグ(ホースの
メスの部分)に対し、受油機側が装備するプローブを差し込むようにして給油を行うこと。
特徴としては、フライングブーム式(給油側からの操作)に比べて送油速度は遅く、受給油
側は高度なテクニックが必要になる。ただ、簡単な装備のため多くの軍で採用されています。
プローブ アンド ドローグ空中給油方式(画像:MASDF)
今回の飛行試験は、空中で 2 機の航空機を自律的に接続するためのデバイスであるアクテ
ィブ フックに重点を置いていました。この装置は、センチメートルレベルの精度で 2 機
の航空機を繰り返し接続し、見事に機能しました。
「自動接続技術により、パイロットの生活はよりシンプルになります。安定化されたアク
ティブ フックへの接続は、かなりのパイロット スキルを必要とする軍で使用される「プロ
ーブ アンド ドローグ」空中給油よりもはるかに簡単です。」
今回の飛行試験のビデオ(画像:Magpie Aviation)
今回の飛行試験の様子(画像:Magpie Aviation)
まとめ
航続距離の制限が問題にならないのであれば、バッテリー電気航空機が当然の賭けになる
でしょう。バッテリーは過去 30 年間で 97% 安くなりましたが、この傾向は今後も続く
でしょう。
電気航空機は、最も効率的な持続可能な航空技術でもあります。将来的にすべてのセクター
に割り当てなければならない膨大な量の再生可能エネルギーを考えると、この効率性はとて
も重要です。
Magpieのアプローチは斬新ですが、非常に実用的な根源に由来しています。現在の技術と
規制の前例を使用して、電気航空機が航空排出量の大部分に対処できるようにするにはどう
すればよいでしょうか?そんな問題を解決してくれるアイディアがこの世界初の自動航空機
牽引 (「エアロトウ」)の技術です。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント