スコットランド、ロケット打ち上げ復活

宇宙

皆さんこんにちは!

世界中で宇宙開発が進む中、打ち上げ場の確保が難しくなっています。

そんな中、スコットランドで50年ぶりに宇宙ロケット打ち上げが実施

されるかもしれません。

スコットランドの宇宙港がヨーロッパに打ち上げサービスを復活させる

シェトランド島のサクサヴォルド宇宙港

スコットランドのシェトランド諸島にあるサクサヴォルド宇宙港は、今年後半にRFAワンの初打ち上げを予定している。クレジット: SaxaVord Spaceport

今年、英国では50年ぶりに垂直打ち上げが実施される可能性がありまする。

スコットランド北部の2つの新しい宇宙港は、英国初の垂直軌道発射場の座

を狙っています。もちろん、1971年のブラックアロー軌道ロケットの最後

の打ち上げ以来、英国初の宇宙能力を披露する場所でもあるのです。数年に

わたる計画を経て、スコットランド北部のサクサヴォルド宇宙港は9月まで

に初ミッションを開始する予定で、隣接するサザーランド宇宙港も来年まで

に初ミッションを完了することを目指しています。

サクサヴォルドは現在英国で唯一完全に認可された発射港です。

スウェーデンとノルウェーもLEOと極軌道への打ち上げを予定しています。

サクサヴォルドは年末までに初の打ち上げに必要なライセンスを確保してお

り、この施設は極軌道と太陽同期軌道(SSO)の両方を含む複数の軌道に向

かう小型衛星打ち上げ機をサポートする予定であると、同社の副CEOスコット

・ハモンド氏は語りました。この施設は2023年末に年間最大30回の打ち上げ

が可能な英国宇宙港ライセンスを付与され、4月には打ち上げ中にその地域の

海域と空域を制御するために必要な射程ライセンスを取得しました。

この港には、最終的には 3 つの発射台が設置され、ドイツの打ち上げ

プロバイダーであるロケット ファクトリー アウクスブルク (RFA) の

専用施設となる予定です。現時点では、「フレド」と呼ばれる 1 つの

発射台と発射台が完成しており、500 km (310 マイル) の極軌道に最大

1,300 kg (2,870 ポンド) の貨物を投入できる 3 段式ロケットである

RFA ONE ロケットの打ち上げ準備が整っています。

同社は、5月に4基のHelixエンジンを搭載したRFA ONEの第1段のホット

ファイアリングに成功したと発表しました。次にRFAは、飛行資格を得る

ために9基のHelixエンジンすべてを搭載した第1段を再度ホットファイアリ

ングし、同時に第2段と第3段のテストも行い、その後、8月にサクサヴォルド

でRFA ONEの完全なスタックを組み立て、9月に打ち上げる前に、すべての

段をスコットランドに輸送する予定です。

サクサヴォルドのその他の顧客には、XL三段式軽量級ロケットを製造している

スコットランドのエジンバラに拠点を置く打ち上げ会社スカイローラや、

5月にオーストラリアからSR75ロケットを初めて打ち上げに成功したドイツ

ハイインパルスなどがあります。両社とも、今後1年以内にサクサヴォルド

から打ち上げを計画しています。

サクサヴォルド は、ロッキード マーティンが主導し、2025 年に打ち上げが

予定されている英国政府支援ミッションである パスファインダー計画もサポ

ートします。同社は Moog と協力し、ABL Space Systems の RS-1 マイク

ロランチャーを使用して、最大 6 個の 6U キューブサットを低地球軌道 (LEO)

に運ぶ軌道操作車両 (OMV) を開発しています。英国政府はパスファインダー

 ミッションに 2,800 万ドルを投資しています。

ロッキードの広報担当者は、ABLが今年予定されているRS-1の初飛行の準備を

続ける中、OMVとキューブサットの開発は進行中だと述べました。「フライト2」

と呼ばれるRS-1は、2023年1月に初飛行し、打ち上げ直後に失敗したロケットの

量産型となります。

一方、英国の打ち上げプロバイダーであるオーベックスは、スコットランド北部

のサザーランド宇宙港の建設を進めています。同社は2023年5月に宇宙港の建設

に着工し、発射台に続く道路の完成も間近だとオーベックスのCEO、フィリップ

・チェンバース氏は語りました。同氏はさらに、道路は泥炭地の上にあるため、

困難な作業であることが判明したと付け加えました。発射台、統合施設、アンテナ

パークはまだ建設されていません。

チェンバース氏によると、同社は2025年までにプライムロケット(LEOまで397

ポンドを運ぶことができる2段式超小型ロケット)を打ち上げる予定です。同社は

年間12回の打ち上げ許可を得ていますが、最終的には2つ目の発射台を建設して打

ち上げ頻度を上げたいと考えています。

サクサヴォルドとサザーランドの両宇宙港は、公的資金と民間資金の組み合わせ

によって支えられています。ハモンド氏によると、サクサヴォルドは約4800万ポ

ンド(6100万ドル)の資金提供を受けています。旧保守党政権は3月に、この宇

宙港に1270万ドルを投資することを約束しました。

オーベックスプライム打ち上げロケット

オーベックスは、小型衛星を低地球軌道に運ぶために設計された2段式ロケット、プライム打ち上げロケットの生産を増強している。クレジット: オーベックス

オーベックスは、オーベックス・プライムの宇宙港の開発と建設の両方を支援する

ために約1億3500万ドルを受け取っており、そのうち9400万ドル以上はプライベー

ト・エクイティから、約4100万ドルは政府パートナーから調達しています。

両社は、欧州市場に参入する膨大な数の小型ロケットをサポートするには、それ

ぞれの拠点にビジネス上のメリットがあると述べています。

サクサヴォルドは英国で唯一、完全に認可された発射施設であり、コスト効率の

高い発射サービスに重点を置いていることで際立っているとハモンド氏は言います。

同施設は商業 LEO ミッションに重点を置いていますが、最終的には国家安全保障

や政府関連の打ち上げも含まれることになるのです。サクサヴォルドは、米国宇宙

軍、NATO、欧州軍の打ち上げに対応できるよう、適切なセキュリティ対策を講じ

ています。

オーベックスにとっての魅力は、バイオプロパンを使用して「可能な限りカーボン

ニュートラルに近づく」環境に優しいロケットの開発に注力していることだとチェ

ンバース氏は言います。

スコットランドの2つの新しい施設は、小型衛星ミッションをめぐって互いに競争

するだけでなく、ノルウェーとスウェーデンで稼働を開始する宇宙港とも競争しな

ければなりません。

6月下旬、スウェーデン宇宙公社とファイアフライ・エアロスペースは、スウェー

デンのエスレンジ宇宙センターから低軌道に衛星を打ち上げる契約を締結しました。

2026年から、ファイアフライの軌道アルファロケットはペイロードを軌道に乗せ

る任務を担うことになります。エスレンジは1966年から運用されていますが、

主に微小重力や大気研究のための観測ロケットの打ち上げを支援してきました。

一方、ノルウェーのアンドーヤ宇宙港は2023年後半に営業開始が宣言されました。

ここはドイツの打ち上げ会社イザール・エアロスペースの本拠地となり、同社は

年末までにスペクトラムロケットの打ち上げを計画しています。

世界の宇宙港

世界には『宇宙港』と呼ばれる宇宙ロケット打ち上げ施設が、44カ所あります。

最大の宇宙港保有国はアメリカで14カ所あります。

最も有名なのがケネディ宇宙センターではないでしょうか。

ケネディ宇宙センターは1968年12月以来、NASAの第一の有人宇宙飛行の打ち

上げ施設となっています。アポロ、スカイラブおよびスペースシャトルの計画

のための打ち上げが行われました。

そして、ロシアと並んで世界第2位はなんと日本なのです。

日本の打ち上げ場は、鹿児島の種子島宇宙センター、内之浦、北海道大樹町の

北海道スペースポート、和歌山県のスペースポート伊紀、大分県のスペース

ポートおおいた。そして南極昭和基地のオーロラ気象観測ロケット打ち上げ場

ですの合計6カ所です。

過去には新島や秋田などで打ち上げが行われましたが、常設の打ち上げ場では

日本は世界有数の保有国です。

Falcon9打上げの様子Credit : SpaceX

打上げ射場の位置には安全やロケットの運搬能力の観点から、主に以下のような

条件があるとされています。

条件①東及び南北いずれかにひらけている

条件②低緯度地域

条件③他産業と干渉しない

条件④天気が安定している

条件①の理由としては、「地球の自転を利用するため」「打上げた方角に人家や

他国をさけ安全を確保するため」という2つの理由からです。

特に東向き打上げは、静止衛星やそれ以遠の宇宙探査等で地球の自転を利用し

加速するために東向き打上げます。

条件②低緯度地域は、「地球の自転を利用するため」「軌道投入時の軌道修正の量

を少なくするため」という2つの理由からです。

地球は自転しており、緯度が低くなるほど地表での速度は速くなります。そのため

低緯度から打上げることで、自転の力を利用しロケットの燃料を節約することがで

きます。

また静止軌道など低緯度の軌道に乗せる場合、打上げ後に軌道を修正する必要が

あり、初めから低緯度で打上げることで、軌道の修正にかかる燃料を節約すること

ができます。

ちなみに、地表の移動速度を単純比較すると、種子島のある緯度約30°では時速約

1500km、最も速い赤道上では時速約1700kmであり、時速約200kmの差が出るこ

とになります。

これが日本で南に打上げ射場が多い理由です。新射場に本州最南端の地が選ばれた

のもこうした理由も含まれるのでないでしょうか。

今後、小型の人工衛星を打ち上げる事業が世界中で活発化してきます。新しい宇宙

産業がどんどん発展していき宇宙競争(戦争)が激化して行きます。日本はその

最先端にいます。四方を海に囲まれて条件が揃っている日本の宇宙産業に期待しま

しょう。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

 

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