皆さんこんにちは!
日本の裏側の南米ブラジル。リオのカーニバルに代表されるように陽気なイメージと
一方で貧困の差が激しい国というイメージの両方を抱く方も多いと思います。
世界的にはエアバス、ボーイングに次ぐ世界第3位の航空機サプライヤーのエンブラ
エルがあります。いわゆる航空大国なのです。
パンデミックからの復活は早く、航空業界は盛況です。
エンブラエル、第2四半期も好調を維持
エンブラエルは本日の第2四半期財務報告で、総収益、受注残、納入が増加したこと
を発表しました。同社は47機のジェット機を納入したが、そのうち27機はビジネス
ジェット(フェノム軽ジェット20機、プラエトル中型ジェット7機)、19機は商用
ジェット機、防衛分野では多目的C-390ミレニアム1機でした。
これは第1四半期に納入された25機よりは増加していますが、28機のビジネスジェ
ットは昨年の第2四半期より2機少ない。エンブラエルは上半期に45機のビジネスジ
ェット(フェノム31機、プラエトル14機)を納入しており、前年同期より7機(フ
ェノム6機、プラエトル1機)増加しています。同社は年末までに合計125機から
135機のビジネスジェットを出荷する予定です。
同社は、確定受注残高が211億ドルで、7年ぶりの高水準、前年比20%以上の増加
を記録したと発表しました。エンブラエルによると、受注残高の最大の増加は民間
航空部門(2億2,700万ドル増)によるもので、最も大幅な減少は防衛・安全保障
部門(2億5,100万ドル減)によるものでした。同社のビジネスジェット機の受注
残高は6月末時点で46億ドルで、前年比8%増となりました。
この期間の収益は合計14億9,400万ドルで、前四半期から67%増加しました。
シナージェット、サンパウロ カタリーナ エグゼクティブ空港で成功を収める
コンゴニャスからカタリーナへの移転により、会社は成長し繁栄
「カタリナ(エグゼクティブ空港)への移転は難しい決断でした」と、ピラタス航空
機の南米代理店であるシナジェットのCEO、ホセ・エドゥアルド・ブランダオン氏は
今週、LABACE 2024で語りました。「空港移転の試みは何度かあったが、何も成果
がなかった。」
シナージェットがカタリナ空港を検討したとき、用意されていた格納庫は1つでした。
シナージェットには、特注の格納庫を建てるという条件でスペースが提供されました。
「その後、パンデミックが起こりました」とブランダオン氏は振り返ります。「私た
ちは[空港開発業者] JHSFに『進めてもいいですか?』と尋ねました。JHSFは『進め
ます』と答え、私は『それなら私もそうします』と答えました」
「格納庫を建設できたことに満足しています。他社が足踏みしている中、当社は事
業拡大中でした。パンデミックの間もメンテナンスセンターは止まりませんでした。
そして今、当社はかなり大きな会社になっています。」
ハンガー 5 はシナージェットのものです。「空港に入ると最初に目にするハンガー
です。高速道路から見える場所に建ててほしいと言われました」と ブランダオン 氏
は言います。「みんな大きすぎると考えました。それでもっと広いスペースが必要
になり、ハンガー 4 も借りました。今では 8,500 平方メートル [91,500 平方フィ
ート] あります。」
ブランダン氏は、ハンガー 5 はすべてピラタス製で、ハンガー 4 はガルフストリー
ムのメンテナンスや保税倉庫などの他の業務に充てられていると説明しました。
ブランダン氏はカタリナにある複数のビジネス航空機メーカーが使用する大型の
保税倉庫を選択し、このビジネスは毎年 3 倍に成長していると語りました。
「当社はピラタス社と契約を結んでおり、当社が在庫に1ドル投入するたびに、
ピラタス社も保税倉庫に1ドル投入する。ハネウェル社もピラタス社とガルフスト
リーム社に航空電子機器やその他のシステムを提供している大手パートナーだ。
当社は素晴らしい関係を築いている」と同氏は語りました。
ピラトゥス
シネルジェットは南米全域のピラタス航空の販売代理店で、アルゼンチン、パラ
グアイ、ウルグアイ、チリのパートナーと連携し、「当社の管理下で整備部隊を
運用しています。アルゼンチンのセンターで作業できない場合は、当社のスタッ
フが現地に出向いて作業を行います」とブランダオン氏は語りました。
ネットワークは柔軟だと彼は指摘。「ピラタスがメデジンで地上設備に衝突した
のですが、最も優秀な構造技術者がアルゼンチンにいたので、メデジンに派遣さ
れました。」シナジェットは労働力の需要を均衡させるために、各国間で整備士
を派遣することもできるのです。コロンビア、チリ、アルゼンチンにはいずれ
も優秀な技術者がいます。
主力のカタリナ格納庫のほかに、シナジェットはメデジンのリバティ空港に独自
のセンターを所有しており、パラグアイのアスンシオンにもセンターを開設する
予定です。「このネットワークと提携してセンターを含めると、この地域の航空
機を取り扱うことができます」と彼は語りました。
サンパウロ・コンゴニャス空港での商業航空が拡大し、同空港のビジネス航空業
界が適応しようとしている中、ブランダオン氏はコンゴニャス空港に代わる選択
肢がさらに必要だと考えています。「商業航空が勝利する。メキシコでも、他の
場所でもそうだ」と同氏は認めました。
ブランドン氏はヘリコプターを例に挙げる。「ヘリパークやヘリシダーデが提案
されたとき、『サンパウロのカンポ・デ・マルテ空港のヘリコプターが使えなく
なる』と反対する人もいました。しかし、拡張しなければ、これほど多くのヘリ
コプターを販売することはできなかったでしょう。スペースがなかったでしょう。
しかし、飛行機については同じことをしていません。」
そこで彼はコンゴニャスで仕事を始め、ビジネス航空専用空港であるカタリナに
最初に移りました。
バロメーターとしての農業ビジネス
ブラジルでは現在、ビジネス航空が活況を呈しているが、ブランダオン氏は
「状況は大きく変わり、しかも急激に変化する可能性がある。農業ビジネスは
温度計のようなもので、世界には大豆の余剰がある。農業ビジネスの買い手は
現金に目を光らせ始めており、交渉している。需要は強いが、昨年のような切
迫感はない。買い手が実際にお金を使うのに時間がかかるようになった。そも
そもお金を使うかどうかもわからない」と警告しました。
ブラジル以外の国に目を向けて、彼はこう語りました。「ラテンアメリカには
23カ国あり、経済も政治もそれぞれ異なります。左派も右派もあります。しか
し、ラテンアメリカには、私が理解し始めている魅力があります。ブラジルで
物事がうまくいけば、チリでもうまくいくのです。」
同氏は、この地域の小国を軽視することに反対した。「グアテマラは我々を驚
かせた。我々はPC-24を数機販売した。経済的な潜在力ではないが、ラテンア
メリカには小規模だが活気のある経済国がある。」
シナージェットは最近、PC-24でラテンアメリカ15カ国を巡るツアーを行いま
した。ブランダオン氏は、この小型ジェット機は各訪問先で好評だったと報告
したのです。
ホンダジェットエシュロンの販売がブラジルでのライダーの事業を牽引
ホンダは少なくとも30台の新型モデルについて意向書を交わしている
ライダー・アビエーションは、今週サンパウロで開催されるLABACEショーで、
ホンダジェット・エリートII軽量ビジネスジェットと、日本のメーカーのより
大型なエシェロンモデルの両方を宣伝しています。ホンダ・エアクラフト社の
ブラジルにおける独占販売代理店として、ライダーは現在、エシェロンジェット
30機の購入に関する意向書に署名しており、2028年にFAAの型式証明が完了
する予定です。
エシェロンの予測航続距離は 2,700 海里で、ブラジルのどの 2 地点からでも
ノンストップで飛行できるのです。これは同クラスの航空機では他に例を見ない
航続距離です。ライダー社の営業部長アンダーソン・マルキエヴィッツ氏は、
この航空機を「中程度の特性を持つ軽量ジェット機」と呼びました。この新型
ホンダジェットは、ブラジルで現地生産されているエンブラエル社のフェノム
300 航空機と競合します。
エシュロンを待つ間、リダーは中古航空機のビジネスを好調に展開しています。
「2022年は過去最高を記録し、2023年は減少したものの、2024年は再び上昇
するだろう」とマルキエヴィッチ氏は語り、中古ターボプロップ機とジェット
機のブラジル市場は「2022年には2019年の2.5倍になった」と指摘しました。
ライダー社は今年これまでに中古航空機10機を販売しており、同社は年末まで
にその数を倍増させ、2022年と同じ販売数に達すると予想しています。
チャイニーズウォールは中立を維持
ブラジルのビジネス航空会社のほぼすべてが、複数の分野で事業を展開してい
ます。たとえば、ライダーとそのライバルである TAM Aviação Executiva も
FBO を運営しています。
航空機販売がTAMの最大の事業分野である一方、マーキエヴィッチ氏によると
ライダー社の最大の事業分野は海上石油・ガス部門へのヘリコプター支援だと
いうことです。同社では利害の対立を避けるために「分野間の一種のチャイニ
ーズ・ウォール」を維持していますが、マーキエヴィッチ氏はその事業には
関与していないと説明しています。ブラジルでは海上石油・ガス事業が成長を
続けており、ライダー社の貸借対照表では収益の70%以上を占めていることが
示されています。
ライダー社のジュニア・ヘルモント最高経営責任者(CEO)は、ライダー社は
以前は他の航空機メーカーの代理店を務めていましたが、ボンバルディア社は
その後、エンブラエル社のような直接販売モデルに移行したと説明しました。
米国に拠点を置くシーラス社は、すでにTAM社が代理店を務めているテキスト
ロン社に買収されました。
ハーモント氏は、CAE と提携して航空機購入やトレーニングに関するコンサル
ティングも含む、ライダーの複数の事業分野への多角化は、需要の変動という
点で同社に有利に働いていると主張しました。同氏は、石油とガスが現在ライ
ダーの事業の中で最大であると指摘しながら、「他の事業も非常に大きい」と
付け加え、同社の役員チャーター機は満席になることが多いと指摘しました。
飛行訓練部門では、ライダー社はブラジルのパイロット需要を満たすために
CAE シミュレーターを再構成し、またパイロットを米国に派遣して訓練させ
ています。エルモット氏によると、シミュレーターは通常フル稼働しており、
パイロットの供給は航空機の供給と同じくらい成長の障害になっていると考
えられています。
コンゴニャス空港の未来
ブラジルの空港運営会社であるアエナは、商業航空の乗客数の増加に備え
て、サンパウロのコンゴニャス空港に大規模な改修工事を行っていっます。
現在、コンゴニャスにあるリダーの格納庫には、同社最大の整備センターと、
ブラジル最大の都市にサービスを提供するエレガントなFBOがあります。
多くの運営会社は空港の将来についての質問に答えることを避けています
が、ハーモント氏は答えました。「我々は有効な契約を結んでおり、交渉中
です。今のところ、現状のままです」と彼女は語りました。
契約はあと2年で、彼女はアエナが空港内の別の場所を提案したことを認め
ました。最終的な移転は費用がかかり不便ではあるものの、「コンゴニャス
を離れなければならないという危険はない」と彼女は明確に結論付けました。
まとめ
ブラジルは、南米の国々を牽引するだけではなくグロバルサウスと呼ばれる
新興国経済圏をもリードしています。
ブラジル経済が堅調に推移しています。同国の地理統計院(IBGE)が5日発表
した2023年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比で2%増となりま
した。プラスは11四半期連続。21年からの急速利上げと税財政改革の進展で
インフレ抑制と景気の軟着陸を両立させ、主要国でいち早く利下げに転じたこと
が安定した経済成長を支えているのです。
この好調な経済を追い風に、ブラジルの航空業界は成長を遂げています。
ビジネスジェットを中心に成長するという形は、南米ならではの特徴かも
しれません。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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