皆さんこんにちは!
今日、6月15日は関西地方、東海地方も梅雨に入りましたね。
今日は関東は『梅雨寒』で、東京の最高気温は19℃、4月中旬並みの気温でした。
この梅雨が明けると、いよいよ夏がやって来ます。
今年の夏の予想は、『平年並み』と言うことですが、昨年同様暑くなりそうですね。
気温が上がると、夕立やゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大雨が降ります。
今日は、ゲリラ豪雨について勉強していきましょう!
ゲリラ豪雨とは?
集中豪雨の一種で、正式な気象用語ではありません。
突発的で天気予報による正確な予測が困難な局地的大雨を『ゲリラ』と例えたものです。
日本の気象庁は予報用語として、『ゲリラ豪雨』は用いず集中豪雨、局地的大雨、または
短時間強雨と使い分けています。
ゲリラ豪雨はいつから呼ばれるようになった?
1969年8月の読売新聞の記事が初めてだと言われています。
これまでの気象災害は台風などが原因で起こるのが主な災害でした。気象の解析精度の向上で
台風はある程度予測ができるようになりました。その一方で、梅雨前線などにより集中豪雨の
被害が目立つようになりました。そして、従来の気象台による荒い観測網では予測困難な集中豪雨
に対して『ゲリラ豪雨』の名称が用いられるようになりました。
また、2008年8月5日の東京練馬区周辺の局地的な集中豪雨により、5人の水道工事の作業員
が流され死亡した事故の報道が大きく取り上げられ、その年の『流行語大賞』のTOP10に
選出されました。これにより、『ゲリラ豪雨』の言葉が広く一般的に用いられるようになりまし
た。
ゲリラ豪雨の仕組み
ゲリラ豪雨(局地的な集中豪雨)の原因として雷雲の発生が考えられます。
雷雲とは積乱雲の一種です。
積乱雲は、強い上昇気流によって鉛直方向に著しく発達した雲です。雲の高さは10kmを超え
時には成層圏まで達することがあります。夏によく見られる入道雲です。
原因としては『大気の状態が不安定』な気象状態で発生しやすくなります。
『大気の状態が不安定』とは上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気がある時に
暖かい空気は上へと登り、冷たい空気は下へと降りようとします。そのため、対流(空気の流れ)
が発生します。地上の空気が湿っているときは更に大気の状態が不安定となり、積乱雲が発達
しやすくなります。
上昇気流の仕組み
上昇気流が発生する原因の一つとして、地上付近の空気が温められることにより、その空気の
塊の体積が大きくなって周りの空気よりも軽くなり上昇するのです。
上空の気圧は低いために、上昇した空気の塊は更に膨張します。空気には体積が増えると温度
が下がる性質がありますので、上昇するにつれて今度は空気の塊の温度が低下していきます。
すると空気が膨らむことで水蒸気の最大量(飽和水蒸気量)に達して水滴や氷の粒ができます。
これが上空に浮かび雲となります。
積乱雲が発生、発達しやすい条件
⑴ 大気の状態が不安定であること
⑵ 暖かく湿った空気があること
⑶ 空気を高く持ち上げるエネルギーがあること
の3つです。
⑴ 大気の状態が不安定であること
大気の状態が不安定になるには、上空に寒気、地上に暖気の層があり、その温度差が
大きく、強い上昇気流が起きやすい状態を言います。
⑵ 暖かく湿った空気があること
暖かく湿った空気は雲の元となります。
⑶ 空気を高く持ち上げるエネルギーがあること
持ち上げるエネルギーとは、雲ができるときに、水蒸気が水になリます。
その時に熱を発生させます。この熱で雲が膨張し、浮力が生まれて雲がより高く上昇します。
激しい雨をもたらす積乱雲はだんだんと上昇気流が弱まり、30分から1時間ほどで
消えてしまいます。しかしながら、上空と地峡の気温差が大きく、地上付近に暖かく湿った
空気が次々と流入してくる場合はエネルギーが弱まりにくい構造の積乱雲が発生し、
数時間経っても激しい雨を降らせることもあります。
このタイプの積乱雲を『スーパーセル型積乱雲(スーパーセル)』と言います。これが
ゲリラ豪雨と呼ばれるものです。
スーパーセルの画像
ゲリラ豪雨の予測
現在、ゲリラ豪雨の予測には『数値予報』が用いられています。
数値予報とは?
大気の状態を風向、風速、気温、気圧、湿度の4つの物理量(数値)で表し、その変化を
物理法則に基づいて計算することで大気の将来の状態を予測する手法です。
近年はコンピューターの発達によって予報精度の能力も向上していますが、個々の積乱雲や
積雲(水平スケール1~10km程度)は現象規模が小さいためなかなか正確には予想できませ
ん。
観天望気
観天望気とは、雲や自然現象を観て気象を判断することです。特に登山をするときは役に立ちます。
積乱雲
特に風上側にこのような雲が発生するときや周辺で入道雲が次々と発生するときは、すぐに
安全な場所に避難してください。
かなとこ雲
積乱雲が最も発達した状態の雲です。
頂上部分が広がって平らになっている雲で、形が金床(かなとこ)に似ていることから
その名前が付けられました。
その他
急に気温(温度)が低くなって、冷たい風が吹き始めたときは・・・
これは上空に積乱雲が発生したときにできる下降気流で『初期突風(ガストフロント)』とも
言われ、たいへん危険なものです。竜巻やダウンバーストと呼ばれる下降気流が発生して、過去に
重大な航空機事故を起こしています。
まとめ
これから梅雨が明けて、夏にかけて大気の状態が不安定となる季節になります。
日々の天気予報に気を配るとともに、空を眺めてる習慣をつけてください。
このようなゲリラ豪雨や雷雲から自分の身を守るだけではなく、いろいろな雲の形を
楽しむことができますよ。
それでは今日はこの辺で。
またお会いできる日を楽しみにしています。
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