eVTOLを超えて:Jobyの自律キャラバンが軍事物流を再定義

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

エアタクシー(eVTOL)を開発中のアメリカのジョビーアビエーションが、

自動運転の飛行を成功させました。

自律飛行の新たな歴史の扉をジョビーが開けたのです。

米空軍、信頼性の高いロボティクスのJobyで自律飛行を試験

JobyとReliable Roboticsが「Agile Flag 24-3」物流演習に参加

ジョビーの自律型セスナ 208b グランド キャラバンが、アジャイル フラッグ 24-3 演習中にカリフォルニア州モハベ航空宇宙港で C-130 ハーキュリーズとともに撮影された。

ジョビーの自律型セスナ 208b グランド キャラバンが、アジャイル フラッグ 24-3 演習中に C-130 ハーキュリーズの近くに撮影されました。© ジョビー アビエーション

ジョビー社とリライアブル・ロボティクス社は今月初め、米空軍の機動戦闘運用演習

の一環として、遠隔操縦セスナ・グランドキャラバンの軍事利用事例を実演しました。

米空軍のイノベーションユニットAfwerxが主導するAutonomy Primeプログラムは、

8月5日から8月9日まで、カリフォルニア州モハベ航空宇宙港でeVTOL航空機開発企

業のジョビーおよび自律飛行技術革新企業のリライアブル・ロボティクスと共同で

Agile Flag 24-3演習を実施しました。 

演習では、両社が独自に開発した自律飛行実証機(どちらもセスナ 208B キャラバン)

を飛ばし、カリフォルニア州とネバダ州の 9 つの軍事基地間で貨物を輸送しました。 

安全パイロットが搭乗し、地上から遠隔操縦士が監視するなか、航空機は地上インフ

ラのサポートを必要とせず、あらゆる目的地で自律的にタキシング、離陸、着陸しま

した。リライアブル・ロボティクスは、モハベ航空宇宙港にモバイル地上管制ステー

ションを配備しました。一方、ジョビーは、同社のチームがバックパックに収まるほ

ど小型のノートパソコンと衛星通信端末を使用して、飛行を遠隔監視したと述べまし

た。 

Reliable Robotics は、Agile Flag 24-3 演習中に自律飛行を遠隔監視するために、モハベ航空宇宙港に移動式地上管制ステーションを配備しました。

ライアブル・ロボティクスは、アジャイル・フラッグ 24-3 演習中に自律飛行を遠隔監視するために、モハベ航空宇宙港に移動式地上管制ステーションを設置しました。© ジョー・ジョーンズ/USAF

ジョビーは 約2か月前に自動飛行のパイオニアであるXwingを買収しました。Xwingは、

2020年以来、自動運転のキャラバンを300回以上飛行させています。

2023年4月、Xwingは自立運転のキャラバンのFAA認証プロセスを開始、FAAから正式

なプロジェクト指定を受ける初の表中カテゴリーの大型無人航空システム(UAS)と

なりました。昨年、FAAは、単独操縦士による運航向けに提供している自動運転システ

ムの初期バージョンである「連続自動操縦エンゲージメントシステム」に対するリライ

アブル・ロボティクスの認証計画を承認しました。

リライアブル・ロボティクスと Xwing は、過去 6 ~ 7 年間、商用貨物機の乗員削減

と無人操縦を可能にする競合する自律飛行制御システムの開発に取り組んできました。

最近、両社の自律飛行技術は米国防総省の注目を集めています。同省は、先進航空モ

ビリティ業界の新技術を活用して分散型軍事作戦を実現することに興味を持っていま

す。これは、アジャイル戦闘運用(ACE) と呼ばれる概念です。

アジャイル (agile) とは、計画、設計、実装、テストの 4 つのフェーズ (スプリント)

をくり返しながら開発を進めていく反復手法です。その特徴として、リリース計画段

階でだいたいの仕様と要求だけしか決定しないこと、そうすることで顧客のニーズに

最大限対応できることなどが挙げられます。

 「空軍は自律運用を通じて効率性を再定義するまたとない機会を得ていまする。

自律運用により、現在の逐次システムの代わりに、競合環境での持続的な機動と同時

貨物輸送が可能になる」と、米空軍航空機動司令部特別プログラム責任者マックス・

ブレマー大佐は述べました。「小型プラットフォームの自律化によりリスクが軽減さ

れ、損傷した滑走路や未舗装の路面を含む、より多くの場所に着陸できるようになる」

米空軍の隊員がリライアブル・ロボティクスの自律型セスナ208Bグランドキャラバンに貨物を積み込む

米空軍の隊員が、アジャイル・フラッグ 24-3 演習中に、リライアブル・ロボティクス社の自律型セスナ 208B グランドキャラバンに貨物を積み込んでいる

リライアブル・ロボティクスと Xwing は、今年初めにそれぞれの実験用キャラバン

 の軍用耐空認可を取得しており、両社は 1 月 6 日から 2 月 1 日までカリフォルニ

ア州サクラメントのマクレラン飛行場で行われた空軍の Agile Flag 24-1 演習に参

加しました。この演習中、Xwing は空軍初の自律型物流ミッションを飛行しました。

「アジャイル・フラッグ24-3で当社の自律技術の能力を実証できたことを嬉しく思

います。このミッションでは、数十回の完全自律飛行ミッションを完遂し、迅速な

補給能力を披露しました」と、ジョビーの自律チームを率いるマキシム・ガリエル

は述べました。「まずキャラバン、次に他の多くの航空機タイプで、より高度な自動

化や完全自律を可能にする一連の技術をさらに開発する中で、米空軍との協力を継続

することを楽しみにしています。」

米空軍は、貨物物流に加えて、自動空中給油システムなど、自律飛行技術の他の潜在

的な用途を研究してきた。昨年発表された実現可能性調査のために、米空軍はリライ

アブル・ロボティクス社と契約しました。その後、米空軍は、空中給油専門企業シエ

ラ・ネバダ社と共同で、KC-135ストラトタンカーの運用を自動化するために、別の

自律飛行スタートアップ企業であるマーリン社を選んだのです。自律型KC-135プロ

グラムの飛行試験は、今月初めに開始されました。

多用途のセスナ キャラバンはブラジルの航空界を体現

ターボプロップ単発機はラテンアメリカで主力機

LABACE 2024 アズール

アズール航空のフィーダーであるアズール コネクタが展示しているセスナ キャラバン シリアル ナンバー 50 は、アズール航空を国内最大のキャラバン運航会社にしている少なくとも 26 機の多目的ターボプロップ単発機のうちの 1 機です。© リチャード ペディチーニ/AIN

今年8月のLABACE 2024で展示される2機のセスナ キャラバンは、テキストロン ア

ビエーションとブラジルの長い関係と、ビジネス航空市場の多様性を物語っています。

アズール航空のフィーダーであるアズール コネクタが展示しているキャラバン シリ

アル番号 50 は、アズール航空を国内最大のキャラバン運航会社にしている少なくと

も 26 機の多目的ターボプロップ単発機のうちの 1 機です。飛行時間は 35,000 時間

で、新しいデジタル コックピットを備え、座席はわずか 6 席のエグゼクティブ構成

になっています。

一方、テキストロン・アビエーションのブラジル代理店であるTAMアビアサオ・エグ

ゼクティバのブースでは、エグゼクティブ仕様でありながら、はるかに高級感のある

最新のグランドキャラバンEXが展示されています。

テキストロン・アビエーションでラテンアメリカと米国西海岸の販売を率いるマルセロ

・モレイラ氏は、アズール航空以外にも、インドネシアのスージー・エア、ブラジルの

CTA、サンサ航空、コスタリカ・グリーン航空、ベリーズのマヤ・アイランド・エアな

ど、世界中の多くの航空会社がキャラバンを運航していると述べました。しかし、同氏

は「アズール航空は、未整備の滑走路での運航や小規模都市への到達能力など、(キャ

ラバンの)キャパシティを非常によく調査している」と指摘。

モレイラ氏は、キャラバンの多用途性と特殊任務遂行能力について、他の例も挙げまし

た。多くの顧客がアマゾンで水陸両用キャラバンを「スポーツフィッシングやエコツー

リズムなど、さまざまな任務に」使用しています。同氏によると、アフリカにはキャラ

バンが貨物輸送に人気がある大手事業者が数社あるということです。

「操作も、メンテナンスも、飛行も簡単です」とモレイラ氏は言う。「また、ミッショ

ン・アビエーション・フェローシップのような多くの人道支援団体もこの機体を選んで

います。」

モレイラ氏のラテンアメリカ販売地域には、メキシコ、カリブ海、南米全域が含まれま

す。多用途のキャラバンのほか、彼の販売領域にはキングエアのターボプロップ双発機

とサイテーション双発ジェット機が含まれます。

テキストロンとブラジルの関係は何年も前から続いており、「時が経つにつれ経験も増

える」とモレイラ氏は言います。TAM AE との 43 年間の提携は、TAM が創業者ロリム

・アドルフォ・アマロ氏から始まった。コンゴニャスにある TAMアビアサオ・エグゼク

ティバ の旗艦 FBO の外にはロリム氏の胸像があり、誰でも見ることができますが、

モレイラ氏はハンガー 1 として知られる建物の中に彼のオフィスがあった場所を指摘で

きるのです。

モレイラ氏によると、テキストロン・アビエーションはサンパウロに「TAM 社内だが、

別個のオフィス」として常駐しています。同氏は、ターボプロップ機とサイテーション

は「ブラジルで 50 年以上にわたり好調に推移している」と述べました。

将来を見据えて、彼は来年認証される予定の加圧式ターボプロップ単発機ビーチクラフト

・デナリの市場が堅調になると予測しています。同機はキングエアを補完するだろうと

彼は語りました。

Joby Aviation、自律飛行のパイオニアXwingを買収

今年6月、先進的な航空モビリティ分野における画期的な動きとして、ジョビーアビ

エーションは自律飛行制御システムを開発する Xwing 社を買収しました。有人 4 人

乗り eVTOL エアタクシーは 2025 年の認証取得とサービス開始に向けて進んでおり

ジョビーはすでに、パイロットを乗せずに乗客を輸送できる航空機の次期バージョン

の開発計画を立てています。 

ジョビーは来年の eVTOL エアタクシーの認証を目指すスタートアップ企業の先頭に

立っていますが、自律飛行技術の認証に関しては Xwing も先頭を走っています。

昨年、Xwing は大型無人航空システム(UAS) のFAA認証プロセスを正式に開始し

た最初の企業となりました。この UAS は、同社の「スーパーパイロット」自律飛

行制御システムを後付けしたセスナ 208B キャラバン多目的飛行機です。 

Xwingは2020年から自律飛行航空機の実験を行っており、同社のキャラバンテスト

ベッドは2021年4月に初の完全自律ゲートツーミッションを達成しました。同社は

これまでに少なくとも250回の完全自律飛行と500回の自動着陸を完了しています。

「プラットフォームに依存しないよう設計されたXwingの技術は、成長を続けるジ

ビーの自律チームによって発展していくだろう」とジョビーの広報担当者は語り

ました。「このチームは、自動化の推進とJoby機の自律ロードマップの追従に注力

するとともに、技術開発で国防総省とのさらなる提携の機会も模索する」

ジョビーと Xwing はどちらも、それぞれの技術開発で国防総省の契約を獲得してい

ます。ジョビーは最近、 1 億 3,100 万ドルの Afwerx Agility Prime 契約に基づき、

米国空軍に納入することに合意した最大 9 機の eVTOL エアタクシーのうち最初の

1 機を納入しました。一方、Xwing は空軍の Agile Flag 24-1 統合部隊演習に参加

しており、この演習では毎日飛行を行い、国家空域システムへの自律航空機の安全な

統合を実証しました。 

「今回の取引の一環として、国防総省との契約のいくつかがジョビー社に移管される

予定であり、新たに獲得した技術とチームは国防総省との既存のジョビー社契約をサ

ポートすることになる」とジョビー社の広報担当者は述べました。「さらに、将来的

にはXwing社の技術を活用して国防総省とのさらなる機会を模索していく」

ジョビーがサンフランシスコのXwingオフィスとカリフォルニア州コンコード近郊の

格納庫を維持するかどうかはまだ明らかではありません。ジョビーはカリフォルニア

州マリーナに飛行試験とパイロット生産施設を、ゴールデンステートとワシントンDC

にいくつかのオフィスを構えています。

「非常に才能豊かな Xwing チームは、視覚システム、センサー フュージョン、意思

決定の自律技術の開発と認証において比類のない進歩を遂げただけでなく、国内の

空域で何百回もの完全自律飛行を行い、その技術の実際の応用を実証することに成

功しました」と ジョビーの創設者兼 CEO である ジョーベン・ベバート 氏は述べ

ています。「次世代の航空会社を構築するという当社の使命を継続する中で、彼らを

ジョビーに迎えることができて光栄です。」

スーパーパイロットは、完全な状況認識を提供するセンサー、カメラ、レーダー、

LIDAR(ライダー:風の測定) システムなどのソフトウェアとハ​​ードウェアの組み

合わせを使用して、航空機の自律飛行を可能にします。Xwing は、まずこの技術を

遠隔操縦貨物運航用に認証する予定です。そのために、同社は戦略的に航空貨物会社

3社(San Antonio Air Charter、Martinaire Aviation、AirPac Airlines) を買収し、

エンジニアがスーパーパイロットの開発と改良に必要な実際のデータを収集しました。 

「クリーンかつ手頃な料金で自律飛行を実現し、地域社会とつながるというXwingの

目標は、Jobyの長期ビジョンと密接に一致しています」と、Xwingの社長兼最高技術

責任者であるマキシム・ガリエルは述べています。「過去7年間、私たちのチームは

航空自律化を進めるために障壁を打ち破ってきました。今、私たちは大手の電動エア

タクシー開発会社と力を合わせており、Xwingチームが共通のビジョンを実現するに

は、これ以上の場所は考えられません。」

ジョビー社によると、Xwingの買収は、同社が2021年にレーダーセンサー技術を専門

とするオーストリアの新興企業Inrasを買収したことに基づくものだという。「Xwing

の包括的なアプローチと、認識技術、システム統合、認証に関する専門知識は、ジョビ

ー社の短期的な有人運用と将来の完全自律運用の両方にメリットをもたらすと期待され

ています」とジョビー社は声明で述べました。 

「自動化によってパイロットの負担を軽減するツールは、ジョビーの近い将来の有人運

航に有益であると考えています」とジョビーの広報担当者。「こうした進歩により、パ

イロットの効率性が向上し、作業負荷が軽減され、飛行業務が効率化されます。」

Xwing は主にキャラバンなどの旧型飛行機向けのスーパーパイロットの開発に注力して

きましたが、無人 eVTOL 機の開発経験も持っています。2020 年、Xwingはベルと提携

し、 UAS を国家航空システムに統合することを目的とした NASA プログラムの一環と

して、ベル自律ポッドトランスポート 70 (APT 70) 車両で検出および回避ソフトウェア

を実証しました。 

まとめ

エアタクシー(eVTOL)の開発でも一歩先を進んでいるジョビーが、本気で

自律飛行の開発を進めています。これはもちろん、ジョビーが開発している

eVTOLの完全自動化を目標としているからです。

とりあえず、軍用機の物流での実績を積むのです。今回の成功は、買収した

Xwingの技術があってこそです。そしてジョビーは、Xwingのライバルであ

ったマーリン社をも手中に収めてしまうのでしょうか?

自律飛行は、エアタクシーだけではなく、救難、物資輸送など災害にも活用

できるために軍事だけではなく、医療、物流の業界も注目しています。

そうすることによって、ジョビーとしては生産量を確保して利益を上げるこ

とができるのです。

自律飛行については、誘導電波が届きにくい災害地や、人工衛星の電波が

不正確(妨害などで)な地域への飛行も考えられます。そうなると自分で位

置情報を正確に測定できる自律型システムが必要になります。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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