皆さんこんにちは!
世界の航空会社は、コロナのパンデミックを経験して航空旅客事業だけでは突然の危機を乗り
越えることができないと知ることができました。そこで、本業とは別の道を模索しています。
その一つが、エアタクシーです。ではなぜエアタクシーなのか?
フィジー航空、ライラVTOL機で太平洋諸島を結ぶ
南太平洋のフィジー諸島は、オディス・アビエーション社の無人ハイブリッド電気VTOL機「ライラ」の初期使用事例の拠点となる可能性がある。
フィジー航空は、オディス・アビエーションのハイブリッド電気VTOL機「ライラ」を貨物輸
送用に運用する計画で、2025年に運用開始の可能性があります。9月19日、両社は関心表明
契約を締結しました。オディスは、この契約により、南太平洋の300の島々のアクセスが困
難な場所を結ぶ緊急医療支援飛行を含む共同試験プログラムが実施される予定だと述べました。
カリフォルニアに拠点を置くオディス社によると、無人機のライラ機の航続距離は約 348
nm、巡航速度は時速 125 マイル、実用高度は 18,000 フィートになる予定。同社はまた
アルタと呼ばれる 9 人乗りの有人地域型航空機の計画にも取り組んでいます。どちらの設計
も吹き出し翼構造を特徴としており、アルタの航続距離は、全電気モードで使用するか、ター
ボ発電機を作動させて使用するかによって、174 nm から 652 nm になります。
オディス社による初期のネットワーク調査によると、フィジー航空は計画中の運航に最大 25
機のライラ航空機を必要とする可能性があります。同航空会社は、政府機関、物流グループ、
非政府組織に輸送を提供する契約にこの航空機を使用する予定です。
「持続可能な航空の時代が到来したことは間違いありません。オディス・アビエーションとの
提携を通じて、フィジー航空は航空排出量の削減に注力し、次世代の旅行者に役立つロードマ
ップを策定しています」と、同航空会社のCEO、アンドレ・ヴィルジョーン氏は述べました。
「この提携は、フィジー航空の現在の商業業務を拡大するだけでなく、フィジーの人々のため
の旅行とライフスタイルの未来への投資も促進するでしょう。」
オディス社は、米軍を含むライラの将来の運用者や、電子商取引の配送、オフショア支援、人
道的ミッションなどの用途にも関与しています。この航空機は、軍がグループ 3 遠征用と定
義する性能を持つと予想されており、これは世界中のどこにでも出荷でき、20 分以内に飛行
準備が整うことを意味します。
同社は現在、ライラとアルタの両モデルを1,200台以上購入する予定で、その合計潜在価
値は100億ドルに達すると報告しています。
オディス・アビエーションのハイブリッド電気VTOL機「ライラ」
オディスのライラは、バッテリー電力のみを使用して最大 200 マイル飛行できます。ハイブ
リッド電気エンジンを作動させると、最大 750 マイル飛行できます。
オディスは、航空会社と乗客に卓越した価値を提供する次世代の商用航空機を製造しています。
フライト体験を大幅に改善し、移動時間を半分に短縮し、ロイヤルティを高め、競合他社から
プレミアム乗客を獲得し、新しい市場に参入し、現在は採算が取れない路線に拡大します。
乗客一人当たりのコストを削減しながら、効率性と持続可能性を向上させます。
オディスの航空機は、従来のジェット エンジンよりも効率的で持続可能なハイブリッド電気推
進システムを採用しており、バッテリー電気 VTOL の競合他社よりもはるかに長い航続距
離と容量を備えています。ベクトル推力システムにより、ライラは従来の滑走路だけでなく
垂直離着陸場やヘリポートでも離着陸が可能で、最大限の選択肢が確保されます。
乗客 9 名とパイロット 2 名を乗せることができ、航続距離は 750 マイル、ルートの選択肢
も驚くほど豊富です。ライラは、短距離飛行から国際飛行まで、あらゆる飛行に対応できます。
2026年末までに型式認証を取得し、2027年半ばに商業運転を開始する予定です。
フィジー・エアウェイズ
フィジー・エアウェイズ は、フィジーのナンディ国際空港を本拠地にしているフィジーの国
営航空会社です。
1947年、フィジー・エアウェイズの設立は、オーストラリアの飛行家でフィジーのヤシ農園
主だったハロルド・ガッティによるものです。
1958年にはカンタス航空(フィジー)と合併。1960年頃から、ニュージーランド航空、英国
海外航空、フィジー政府、トンガ政府などが株主になりますが、1978年までにフィジー政府
が筆頭株主となりました。
以前は成田と関西国際空港から出ていましたが、競争激化のため今は成田から週3便の運行
になっています。使用している機体は、エアバスA330です。
サウスウエストとアーチャーがカリフォルニアのeVTOLルートを計画
アーチャーはカリフォルニア州サリナスで4人乗りミッドナイトeVTOL機の試作機の飛行試験を行っている。©アーチャー・アビエーション
サウスウエスト航空とアーチャー・アビエーションは、カリフォルニア州のeVTOLエア
タクシーネットワークの運用コンセプトを共同で開発することに合意しました。7月12日に発
表された覚書では、両社はカリフォルニア州の主要空港と周辺地域を結ぶ路線でアーチャーの
ミッドナイト航空機を使用する将来的な計画について協力することを約束しました。
アーチャー航空が不動産開発業者と協力し、サウスサンフランシスコのオイスターポイントに
垂直離着陸場を建設する計画を進めていると発表した直後に、両社の覚書が交わされました。
カリフォルニア州サンノゼに拠点を置くこの航空機開発業者はユナイテッド航空のパートナー
でもあり、ユナイテッド航空は暫定的に購入に合意した最大200機のミッドナイト航空機の内
再ション100機に1000万ドルの頭金を支払っています。ユナイテッド航空とアーチャーはこ
れまでにシカゴとニューヨークへの路線を発表しています。
「サウスウエスト航空は、アーチャーのエアタクシーが混雑した都市部の空港でサウスウエス
ト航空を利用する顧客に提供できる利便性を探求したいと考えています」とサウスウエスト航
空の不動産担当副社長、ポール・カレン氏は述べた。「当社は、カリフォルニア州最大の航
空会社として約25年間誇りを持ってサービスを提供してきました。アーチャーの電気航空機
を旅行の旅に取り入れることで、サウスウエスト航空の飛行体験を向上させる革新的な機会が
得られる可能性があります。」
ダラスに本社を置くサウスウエスト航空は、ロサンゼルス大都市圏やサンフランシスコ湾岸地
域の複数の目的地のほか、サンディエゴ、パームスプリングス、サクラメント、サンタバー
バラ、フレズノなど、カリフォルニア州で最も利用者数の多い 14 の空港から運航しています。
「サウスウエスト航空のカリフォルニア州の素晴らしい空港網と州内便の頻繁な運航を当社の
計画中のネットワークと組み合わせることで、サウスウエスト航空の顧客はいつの日かサンタ
モニカからナパまでドアツードアの旅行を3時間以内で完了できるようになるだろう」とアー
チャーの最高商務責任者ニヒル・ゴエル氏は述べました。
アーチャーは、サウスウエスト航空の従業員やサウスウエスト航空パイロット協会
(SWAPA)を含む各組合と協力し、「効率的な業務の維持と改善」に努めると述べています。
2025年に就航予定の4人乗りのミッドナイトeVTOL機は、飛行の合間に約10分間の充電時
間を設け、20~50マイルの急速な連続飛行ができるよう設計されています。同社によれば、
1回の充電で最大約60マイル(100キロメートル)の航続距離があり、巡航速度は約150マ
イル(240キロメートル/時)になるということです。
先月、アーチャーは子会社のアーチャー・エアを通じてFAAからパート135の航空会社および
運航者証明書を取得し、これにより同社は独自の商業用エアタクシーサービスの運営を開始で
きるようになりました。したがって、ユナイテッドはミッドナイト機のフリートを購入します
が、アーチャーはユナイテッドに代わってフライトを運航します。サウスウエストはeVTOL
エアタクシーの購入計画をまだ発表していませんが、アーチャーとの提携は、同航空会社が
都市のエアモビリティ市場に足を踏み入れる準備ができていることを表しています。
まとめ
2020 年のピーク時には、世界の航空業界は 9 億トンを超える CO2 を排出しました。気候変
動と化石燃料の供給制限に焦点が当てられているため、多くのリスクが伴います。より持続可
能な未来を実現するには、変化が必要です。
米国エネルギー省は、持続可能な航空燃料 (SAF) の研究に継続的に投資しています。持続
可能な航空燃料の使用は増加しており、大きな期待が寄せられています。バイオ燃料は、従来
のジェット燃料と同等の性能を多く実現しながら、航空排出量を削減できます。
しかし、SAFも原材料に限界があります。まだ単価も高く、実用化するには時間と労力がかか
ります。SAFは、電気航空機やハイブリッドエアタクシーの中継ぎでしか有りません。
航空会社は、従来の航空機をメインにエアタクシーをサブで使うことを考えています。それ
は、騒音問題の解決や地球温暖化対策のアピールとなるからです。地球温暖化の元凶と言われ
る航空機ですが、今後はエンジンや電気推力が改善され将来的にはCO2削減には貢献するこ
とができるのでしょうがまだ先の話です。エアタクシーは、カモフラージュの一手かもしれま
せんが、投資家達の興味を引くには十分でしょう。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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