皆さんこんにちは!
日本のエアタクシー(eVTOL)ベンチャー企業スカイドライブの躍進が止まりません。
日本国内だけでなくアジアをはじめ海外への販路を切り開いています。
SAI Flight、サウスカロライナ州でSkyDrive eVTOLを運用へ
グリーンビルを拠点とするチャーターオペレーターがeVTOLエアタクシー10機を事前注文
プライベートジェットチャーター会社SAI Flightは、サウスカロライナ州で最も混雑する一般航空ハブであるグリーンビルダウンタウン空港からSkyDriveのSD-05 eVTOL航空機を運航する計画
スカイドライブ(日本)は、サウスカロライナ州でeVTOLエアタクシーサービスを導入する
取り組みを強化している事が判りました。この日本の航空機開発会社は、民間チャーターオペ
レーターのSAI Flight(サイフライト)およびグリーンビルダウンタウン空港と提携し、3人
乗りのSkyDrive SD-05 eVTOL航空機のビジネスチャンスと潜在的な飛行ルートを模索しています。
11月20日に発表された契約の一環として、サイはスカイドライブのeVTOL機10機の事前注
文に合意しました。Part 135オペレーター(不定期航空サービス)は、オンデマンド(利用者
の要求に応じてサービスが提供されること)のエアタクシーサービスにこの機体を使用する予
定で、貨物輸送や緊急対応などの追加用途も検討しています。既存の機体には、ビーチクラフ
トキングエア、ボンバルディア チャレンジャー、リアジェットの各モデルがあります。
サイはサウスカロライナ州北部に 2 つの施設を持っています。グリーンビル ダウンタウン空港
(KGMU) は、グリーンビルのダウンタウンから 3 マイル東にある一般航空空港で、グリーンビ
ル・スパルタンバーグ国際空港(KGSP) は、州で 3 番目に利用者の多い商業空港です。サウス
カロライナ州グリアの KGMU から 8 マイル東にある KGSP は、年間 250 万人以上の乗客に
サービスを提供しています。
サウスカロライナ州のエアタクシー路線には、KGSP と KGMU 間のフライトが含まれ、航空
便の乗客をグリーンビルのダウンタウンまで接続することになると思われます。巡航速度
54 ノット(時速100km)の SkyDrive SD-05 航空機は、10 分未満でその旅程を完了できま
す。道路での旅程は、交通状況によりますが、20 分から 1 時間かかります。
「サイでは、この提携が当社のビジネスモデルを強化し、お客様により大きな価値を提供する
ための重要なステップであると考えています」とサイ社長のハンター・カスバートソンは述べ
ています。「このコラボレーションにより、オンデマンド輸送オプションの範囲を拡大できる
だけでなく、航空分野における持続可能な慣行を推進するという当社の取り組みにも沿うもの
になります。」
日本の豊田市に拠点を置くスカイドライブは、過去2年間サウスカロライナ州に拠点を置き、
地元の空港や政府機関と提携して協力し、同州の先進的な航空モビリティエコシステムの基盤
を築いてきました。2023年7月、スカイドライブはサウスカロライナ州ビューフォートに本社
を置く米国子会社を設立しました。また、同州のミッドランド地域のコロンビアメトロポリタ
ン空港とも提携しています。
先週、FEAM Aero は SD-05 航空機のメンテナンス、修理、オーバーホールのサポートを提
供することに合意しました。マイアミを拠点とするこのグループは、米国とヨーロッパに52の
ラインステーションのネットワークを持ち 、航空会社と民間航空機運航会社をサポートしています。
スカイドライブは、273機の航空機を事前注文しており、サウスカロライナ州ローカントリー
地域のオースティン・アビエーションやジョージア州のブラボー・エアなど、米国を拠点とす
る複数のビジネスジェット運航会社の他、日本、韓国、ベトナムの顧客と暫定販売契約を結んでいます。
FAAは6月にスカイドライブの型式証明申請を受理しました。スカイドライブは、2026年に
取得を目指している日本航空局(JCAB)認証をFAAが承認することで、米国の承認を確保す
ることを目指しています。スカイドライブはまた、2025年に大阪で開催される世界博覧会で
SD-05の公開飛行デモンストレーションを実施できるように、暫定的な耐空性承認についても
JCABと連携しています。
サイフライト・チャータ航空機
サウスカロライナ州グリアにあるプライベート ジェット会社、サイフライト。
グリーンビル・スパルタンバーグ国際空港、グリーンビル市営空港、ボカラトン国際空港から
の 24 時間年中無休のサービスを行っています。
グリーンビル・スパルタンバーグ国際空港は、アメリカ国内30都市、国内線30路線に航空会
社が就航しています。アメリカン航空、ユナイテッド航空、デルタ航空等大手航空会社が就航
しています。海外のエアラインは、日本航空、大韓航空、カンタス航空など大手の名前があります。
アメリカ東海岸にあり、フロリダまでは約1時間のフライトです。
保有機種は、キングエアーをはじめ、リアジェット60(乗客8人乗り)やボンバルディア チャ
レンジャー 600 (乗客11人乗り)があります。
ボンバルディア チャレンジャー 600
またサイは、航空機のメンテナンスや販売も行っています。アメリカのチャーター会社では当
たり前のように行われていますが、総合的に管理運営し成功させている航空会社数少ないと言
えるでしょう。
北米大手MRO企業FEAM Aeroと業務提携
スカイドライブは最近、米国を拠点とするFEAM Aeroとの戦略的提携を締結したとプレ
スリリースで発表しました。このコラボレーションは、日本がリードする電動エアタクシー開
発と米国およびその他の地域でエアタクシーのメンテナンス、サポート、拡張性のための強力
なフレームワークを構築してきたFEAMの経験を組み合わせたものです。
スカイドライブは昨年、米国に現地子会社を設立しました。同社は現在、米国企業と積極的に
提携し、「先進航空モビリティ業界の現状に基づいて実用的なユースケースを開発し、提供内
容をカスタマイズする」とリリースで説明しています。
FEAM Aero は、米国、英国、ヨーロッパを含む 52 のグローバル ライン ステーションを擁
しています。年間 130,000 便以上のフライトをサポートし、70 社の運航会社にサービスを
提供しています。これには、大手航空会社、貨物航空会社、地域航空会社、民間運航会社が含まれます。
同社は、商用 eVTOL を先進的な航空モビリティの未来と見ており、スカイドライブの地域航
空輸送に対する先駆的なアプローチに可能性を見出しています。
両社は「多様な運用ユースケースの開発とモデル化に協力し、スカイドライブの eVTOL 機が
さまざまな現実世界のシナリオで効率的かつ確実に運用されるようにする」とリリースは続け
ます。「この提携は主に地方空港を起点とする地方路線に焦点を当て、規制当局の承認がより
迅速に得られると期待されており、サービスの展開が迅速化される」。
さらに、「FEAM Aeroのメンテナンス、改修、運用サポートに関する専門知識を組み合わ
せることで、このパートナーシップはeVTOLサービスを現在の航空インフラにスムーズに組み
込むことを促進し、完全に統合された拡張可能な航空モビリティネットワークの構築に役立ち
ます」と述べています。
スカイドライブのCEOである福澤智弘氏は、「この提携は、当社のスカイドライブeVTOLの
メンテナンスと航空機サポートのインフラを確立する上で極めて重要な一歩であり、米国市場
におけるeVTOLに向けた大きな前進です」とコメントしています。
同氏はさらに、「今回の協力により、米国南東部だけでなく、全国規模で商業利用事例を構築
し、全国の地方空港の既存の交通システムにシームレスに統合できるようになると確信してい
ます」と述べました。
FEAM Aero の社長である カム・マーフィー氏は、次のように付け加えました。「メンテナ
ンスに関する当社の信頼できる専門知識と スカイドライブの地域航空輸送に対する先駆的なア
プローチを融合することで、FEAM を航空業界の次世代の最前線に位置付けるクラス最高のサ
ポート エコシステムを確立します。」
FEAM Aeroは、アメリカだけでなく日本、カナダ、英国、UAE(アラブ首長国連邦)、カタ
ールなどの海外で修理工場、事業を請け負っています。その修理できる機体はボーイング747
エアバスA380を始めビジネスジェットに至る多くの航空機を有しています。
まとめ
スカイドライブの3人乗りのSD-05 eVTOL機は、アメリカに開発の拠点を移してライセンス
生産を進めています。まずはFAAの型式証明の申請を成功させ、本格的に試作機の製作に取り
組んでいる最中です。
この手法は、ホンダジェットがアメリカに開発の拠点を移し、アメリカ製として売り出した
のと同様です。アメリカで認可が下りれば、日本や多くの西側諸国の信頼を得ることができ、
販路を世界中に広げることができます。かつて三菱のMRJが失敗した轍(てつ)を踏まない
ようにすることです。しかしその壁はけっして低くはありません。様々な困難が待ち受けてい
るでしょう。昨年、スカイドライブはドイツのボロコプターから開発技術者を招集しています。
本格的に海外進出に向けて人事の刷新も図ってきました。
また、トヨタ傘下のスズキも開発、生産ラインを提供するなど日本の大手企業のバックアップ
や来年の大阪万博を見据えた政府の後押し(資金融資)も追い風になっています。
ただし、懸念材料もないわけではありません。当初、2人乗り(パイロット1名、乗客1名)で
考えていたスカイドライブeVTOLは、急遽3人乗り(パイロット1名、乗客2名)に変更しました。
理由としては、観光用にせよ通勤用にせよ乗客1人では需要がありません。3人乗りにすること
により、機体(客室)を大きくしなければならず、重量も増してしまいます。その増加した重
量を飛ばせるだけの大きな出力のエンジン(電力モーター)が必要です。そのためスカイドラ
イブは、エンジンとプロペラを増やして設計せざるを得ませんでした。また、安全面も複数の
エンジンが同時に壊れた場合にも飛行できる性能と墜落時の衝撃を緩和できる機体の強度も重
要になってきます。そして、新FAA規程に基づく飛行時間の要件を満たすだけのバッテリー容
量の確保やパイロット養成条件まど、だまだまだ越えなければならない壁は多いのです。
これら1つ1つを順調にクリアして、初めてスカイドライブの野望が達成できるでしょう。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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