皆さんこんにちは!
アメリカ大手のLCC、スピリット航空が破産申請を行いました。スピリット航空の破綻が
もたらす影響とは?
米格安航空「スピリット航空」が経営破綻
アメリカの格安航空会社「スピリット航空」は、日本の民事再生法にあたる連邦破産法第11
条の適用を申請し、経営破綻したことを明らかにしました。
この会社では航空業界での競争の激化やコストの上昇によって経営が悪化していました。
アメリカ南部フロリダ州を拠点とするスピリット航空は、低価格を売りにアメリカの国内線や
周辺の国とを結ぶ路線を運航してきましたが、18日、裁判所に連邦破産法第11条の適用を申
請し経営破綻したことを明らかにしました。
そのうえで、会社は経営の立て直しに向けて債権者から3億5000万ドル、日本円でおよそ540
億円の株式による投資を受けることなどで合意したとしています。
法的手続きを進める間も運航を続けるということです。
スピリット航空は、新型コロナウイルスによる影響が収束したあとも、他社との競争の激化や
人件費をはじめとしたコストの増加によって経営が悪化していました。
スピリット航空をめぐっては、これまでいずれもアメリカの格安航空会社のフロンティア航空
の親会社や、ジェットブルー航空が買収することで合意したものの、その後株主などの反対で
実現しませんでした。
現地メディアは、アメリカの大手航空会社が連邦破産法の適用を申請するのは2011年のアメ
リカン航空以来だと伝えています。
スピリット航空
1964年、ミシガン州デトロイト市で創業
1983年、「チャーターワン航空」の屋号で航空事業参入
1992年、現商号に変更。
観光需要路線を中心に事業展開、
その後は91都市に路線拡大、航空機、214機保有(・・・破綻時は不知)。
(ANAの保有機数241機/2024年5月)
(JAL-G 所有機数191機、リース36機、計227機/2024年3月末)
スピリット航空の破産により、多数のA320/321が解放される可能性
資金力のある救世主が現れない限り、スピリット航空の破産はおそらく終焉の鐘となるでしょ
う。同社は本日、2025年第1四半期に破産から抜け出すことを期待して、破産申請を提出しま
した。しかし、チャプター11の申請には不確実性がつきまとい、スピリット航空が再建に成
功する保証はありません。
しかし、A320neoとA321neoの受注残はかなり多く、これらの受注の大部分を保有するリー
ス会社が、存続可能な航空会社に航空機を再販するのに役立つ可能性があります。
超格安航空会社(ULCC)のスピリット航空は、約100機のneoを発注しています。そのう
ち33機はA320neo用、65機はA321neo用です。6機を除くすべての機体の納入日は、
生産開始よりかなり前の2026年以降となっています。エアバスは、これらの航空機を新規
購入者の仕様に合わせて納入できます。モニュメントの位置(たとえば、トイレやギャレー)
は移設する必要がなく、内装は新規購入者の希望に合わせて構成でます。
最大の課題は、インテリア会社が近い将来に新しいバイヤー提供設備(BFE)に対応できるか
どうかです。サフラン、コリンズ、その他の企業は、すでに一部のインテリアの供給が遅れ
ています。
このグラフは、先月 Cirium (世界有数の航空機データー調査会社)から得たデータに基づく
スピリット航空機の納入の流れを示しています。
まとめ
スピリット航空は、コロナ後大きく業績を悪化させ回復が遅れていました。原因は人件費高騰
と言われています。
同じ様に人件費高騰で破綻の危機にあるのがLCCのパイオニアサウスウエスト航空があります。
サウスウエスト航空は、2024年1〜3月期の最終損益が赤字になる見通しを発表しました。
航空機大手ボーイングの小型機事故によって、同社に発注していた航空機の納入数が予定よ
りも減り、運航規模を縮小するためということです。
サウスウエストは、航空機の納入減をうけて24年後半から運航規模を抑える方針です。パイロ
ットや客室乗務員の新規採用を停止しました。更なる改善で、機種をエアバスに変更する計画
もあります。
また、ハワイアン航空とアラスカ航空の合併も時間がかかっています。
このようにコロナから回復できた航空会社とできなかった航空会社。明暗が分れました。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント