リリウムの復活を担保するもの

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

日本で言うところの民事再生法を申請したドイツのeVTOL開発企業、リリウム。

申請後約1ヶ月経った今、リリウムはどうなっているのでしょうか?

はたして復活の兆しは?

噂によると、リリウムには複数の潜在的な買い手がいる

7 月のファーンボロー航空ショーでの  リリウムジェット(クレジット:Lilium)

ドイツのニュースサイトelectrive.comは今週、「どうやらリリウムの買収候補は複数ある

ようです。今週、誰が落札するかが決まるかもしれない」と報じました。

このことは、ドイツのビジネス誌「ヴィルトシャフツヴォッヘ(WiWO)」の報道によって

裏付けられており、同紙は、リリウムが投資家からさまざまな買収提案を受けていることを

確認しています。「現在、複数の入札者と交渉中だ。今週末までに買い手と合意に達することを目指している」とWiWOは書いています。

これらの見込み買い手が誰なのか、また提示額がどの程度なのかは不明。electrive.comは

「現在、リリウムの株式は株式市場でわずか数セントしか価値がないため、購入価格はおそら

く 1 億ユーロ程度になる可能性がある」と続けています。さらに「中国の自動車メーカー

であう吉利汽車がリリウムの競合相手であるボロコプター(独)に対して提示したとされる購

入提案もこの範囲にあると言われている」と付け加えています。

今の疑問は、新しい購入者はリリウムをどうするのか?同社の今後の戦略は何か?リリウム

はこれまで通りの運営を続け、ドイツ拠点を維持するのか?

コスト面では、リリウムは新オーナーがいなくても、すでに厳しいコスト削減計画に着手して

います。従業員の約5人に1人が解雇されるのです。つまり、1,000人の従業員のうち約200人が職を失うことになります。

一方、リリウムは事業運営を維持するために全力を尽くしています。同社は数日前、eVTOL

オペレーターのアンビシャス・グループ(AAMG)と、リリウムのジェット機8機の

購入契約を締結しました。さらに6機を購入するオプションも付いています。AAMGは、

まずスペイン南部、モロッコ、ベネルクス諸国で、その後はカリブ海で電動チャーター便を提供する予定です。

その結果、リリウムの受注パイプラインは合計108件の確定注文と予約、さらに600機の電気

航空機に対する82件のオプションと意向書にまで拡大しました。一方、ASLグループは破産

申請のためリリウムのジェット機6機の予約をキャンセルしました。しかし、リリウムの財務

再建が無事完了すれば、両者は再び協力する予定です。

吉利が新興企業ボロコプターを買収か?

競合企業のリリウムはすでに破産申請を余儀なくされており、ボロコプターも資金不足で新た

な資金を必要としています。この資金は中国から調達される可能性があります。報道により

ますと、自動車メーカーの吉利汽車はブル​​ッフザールの空飛ぶタクシー新興企業を買収することを検討しているということです。

画像: Volocopter

通信社ブルームバーグが関係者の話として伝えたところによりますと、吉利はボロコプター

の株式の約85%を約9500万ドルで買収する用意があると言われています。ファン製造会社

EBM-パプストの創業者ゲルハルト・シュトゥルム氏のファミリーオフィスもこの取引に関与していると言われています。

吉利がボロコプターの買収を検討しているという事実は、一見すると異例のように聞こえるか

もしれません。しかし、吉利は「空飛ぶ車」とも呼ばれる電気航空機の分野に携わる唯一の

自動車メーカーというわけではありません。ステランティスは、アメリカのエアタクシー開発

会社アーチャーの最大の投資家の1社です。そして、中国の自動車メーカー小鵬は独自の空飛ぶ車事業を展開しています。

小鵬航空の最大5人が搭乗できる陸上空母、2026年に生産と納入を開始する予定(画像: Xpeng Aeroht)

吉利自身は2019年からボロコプターと密接な関係を維持しています。当時、同社は数社の投

資家のうちの1社でした。その後、2021年にボロコプターは吉利の子会社であるエアロフージ

アと中国成都で合弁会社を設立し、遅くとも2026年までに中国に都市型航空モビリティをもたらすことを目指しています。

ボロコプターは他のエアタクシー開発会社と同じ立場にあります。電動 VTOL (垂直離着陸機)

を開発して試作機を製作するだけでなく、それを市場に投入して成熟させることも極めて困難

です。そのためには複雑な型式認証が必要であり、必要に応じて、航空機を自ら操縦する場合

には商業飛行の認可も必要です。このプロセスは、量産と顧客への納入が始まるまでに何年もかかることがあります。

たとえば、ボロコプターは当初、今年の夏にパリで開催されるオリンピック期間中に初めて商

業飛行を行う予定でしたが、さまざまな理由でプロジェクトは失敗に終わりました。しかし、

ボロコプターはオリンピック期間中にパリ郊外で有人デモ飛行をようやく実施することがで

きました。ただし、現在のボロシティ モデルではなく、10 年前の先行モデル 2X のみが使用

されました。2X の別のテスト飛行は、ベルサイユ宮殿の敷地内で実施されました (上の写真を参照)。

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