EAAエアベンチャー2025開催迫る

飛行機

皆さんこんにちは!

「The World’s Greatest Aviation Celebration(世界最大の航空ショー)」と

称される、世界中の航空愛好家にとって究極のイベントEAA エアベンチャー・オシュコシュが7月21日から開催されます。

さて今年の注目するイベントは何でしょうか?

EAA エアベンチャー・オシュコシュ2025

EAA エアベンチャーの歴史と規模

 EAA エアベンチャーは、1953年に実験航空機協会(EAA: Experimental Aircraft

Association)の最初のフライイン(航空機愛好家の集まり)として、ウィスコンシン州

ミルウォーキーで小規模に始まりました。当初は、自作航空機の愛好家たちが知識を共有し、友情を深めるためのささやかな集まりでした。

年を追うごとに規模が拡大し、1970年には正式に「EAA 年次大会&フライイン」と命名さ

れ、航空コミュニティ内での重要性が増しました。その後、ウィスコンシン州オシュコシュ

のウィットマン・リージョナル空港に場所を移し、毎年恒例のイベントとして定着しました。

 EAA エアベンチャーは、毎年7月下旬に1週間開催され、その規模は驚異的です。

来場者数は、 毎年60万人以上の来場者があり、2024年には過去最高の約68万6,000人を記録しました。

期間中、オシュコシュのウィットマン・リージョナル空港および周辺の空港には、10,000機

以上の航空機が飛来します。ウィットマン空港単独でも、イベント期間中の11日間で

16,780回もの航空機運航(離着陸)があり、空港が開いている時間帯は1時間あたり約113回の離着陸が行われる計算になります。

2,800機以上の展示航空機があり、ヴィンテージ機(約1,200機)、自作機(約975機)、軍用機(ウォーバード、約337機)、超軽量機などが含まれます。

800社以上の商業出展者が参加し、最新の航空技術から航空関連商品まで幅広く展示されます。

また 1,400以上のフォーラム、セミナー、ワークショップが開催され、航空に関するあらゆる

知識や技術が共有されます。98カ国から2,500人以上の国際的な来場者が登録しており、その実数はさらに多いと見られます。

これを支えているのが 約6,000人のボランティアです。

EAA エアベンチャー 2025の注目点

 2025年のEAA エアベンチャー(7月21日~27日開催予定)は、朝鮮戦争勃発75周年、

第二次世界大戦終結80周年を記念し、レシプロ機から初期のジェット機への技術の変遷に焦点

を当てた展示や飛行デモンストレーションが予定されています。ボーイングB-29爆撃機

「Doc」と「FIFI」の最後の2機が飛行する再結集も計画されており、非常に歴史的なイベントとなるでしょう。

B-29 Superfortress – Labusch Skywear Inc.

ボーイングB-29爆撃機「Doc」(奥)と「FIFI」(手前)

B-29は、第二次世界大戦末期にアメリカ陸軍航空軍が運用した、長距離戦略爆撃機です。日本

の主要都市への戦略爆撃や、広島・長崎への原子爆弾投下にも使用されました。その巨大さ、航続距離、高高度飛行能力は当時としては画期的でした。

多くのB-29が戦後退役しスクラップにされる中、「Doc」と「FIFI」は奇跡的に保存され、修復され、再び空を飛ぶことが可能になった貴重な機体です。

「FIFI」(フィフィ)は、1945年に製造され、第二次世界大戦には間に合いませんでしたが、

戦後の訓練や偵察任務に従事しました。世界で最初に飛行可能な状態に復元されたB-29

であり、1974年に初飛行を果たしました。それ以来、米国内の航空ショーを巡り、B-29の雄姿を披露し続けています。

「Doc」(ドク)は、1945年に製造され、太平洋戦争中に使用されましたが、原子爆弾投下

には関与していません。1956年に引退し、カリフォルニア州チャイナレイク海軍武器基地の

砂漠に遺棄されていました。1987年にボーイング社の従業員グループが発見し、修復プロ

ジェクトが開始されました。このプロジェクトは非常に大規模で困難を極め、途中で何度か

中断されました。2000年代に入って新たなチームと資金が集まり、修復が本格化。実に16年

以上の歳月と、膨大な労力、そして多くの資金をかけて修復され、2016年7月に奇跡的な初

飛行を果たしました。名前の「Doc」は、ディズニー映画『白雪姫』の七人のこびとの一人「ドック」に由来すると言われています。

テキストロン・アビエーション、最大の展示を計画

飛行中のスカイクーリエ貨物機

テキストロン・アビエーションは、ウィスコンシン州オシュコシュのウィットマン

地域空港(KOSH)で7月21日から27日まで開催されるEAAエアベンチャー2025において、

同社史上最大規模の静止展示を行います。この展示は、少なくとも16機の航空機と、姉妹会社

のピピストレル、ライカミング、ベル、マッコーリーの展示で構成され、今年のショーに出展するOEMの中でも最大規模となります。

展示機の中には、セスナ・グランドキャラバンEXがあり、同機の40周年を記念した特別塗装

が施されています。また、セスナ・スカイクーリエ貨物機もエアベンチャーに出展されま

す。さらに、セスナ・スカイホーク、ターボ・ステーションエアHD、ターボ・スカイレーン

スカイレーン、ビーチクラフト・デナリ、ビーチクラフト・キングエア360、サイテーシ

ョンM2 Gen2、そしてサイテーションCJ3 Gen3とCJ4 Gen3のキャビンモックアップも展示されます。

テキストロンは、エアベンチャー2025に子会社やパートナーブランドも出展します。ベルは

モデル429ヘリコプターを展示します。マッコーリー・プロペラ・システムズはキングエア

B300シリーズC780とデナリC1106複合材5枚羽根プロペラを展示します。ライカミングは

エンジンを展示します。テキストロン・イーアビエーションはピピストレルの4機種(パンテ

ーラ、アルファ・トレーナー、ヴェリス、サイナス・マックス)を展示します。

キャラバンの誕生に加え、テキストロン社は今年、セスナ172スカイホークの70周年を祝い

ます。世界的な訓練機の象徴である172は、今もなお世界で最も多く納入され、最も多く飛行

した航空機です。スカイホークの最近のアップデートには、アップグレードされた座席、電動ヘッドセットジャック、そして黒色の計器盤が含まれています。

まとめと解説

EAAエアベンチャー2025が我々にもたらしてくれるものは何でしょうか?

エアベンチャーウィークのハイライトとなる毎日開催されるエアショーでは、世界トップクラ

スのアクロバット飛行と、航空史や最新の技術革新に関する興味深い解説が4時間にわたって

披露されます。会場内の様々な場所からショーをお楽しみいただけますが、最も素晴らしい

眺めは、象徴的なブラウンアーチ付近のフライトライン付近です。間近で体験できます。

さらに、水曜日と土曜日の夜8時から開催されるナイトエアショーでは、アクロバット飛行

ドローンによる壮大なライトショー、そして息を呑むような花火が繰り広げられます。

世界最大の航空祭典を鳥瞰で体験できます。EAAエアベンチャー・オシュコシュでは、

フォード・トライモーター、B-25ベルリン・エクスプレス、ベル47ヘリコプターなど、様々なヘリコプターで飛行体験ができるのです。

こうして子どもから大人まで、実際に飛行機を身近で体験、体感できるのです。これは、単

なる航空イベントではなくアメリカ航空業界の過去、現在、そして未来を結ぶ、生きた博物

館であり、巨大なビジネスプラットフォームであり、そして情熱的なコミュニティの集いの場と言えるでしょう。

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