皆さんこんにちは!
7月のeVTOLニュースです。
ダイヤモンドがハイドロジェングループに加わる
4月29日、ダイヤモンド・エアクラフト・グループ・オーストリアは、オーストリア研究
振興機構(Austria Research Promotion Agency)の資金を活用し、H2EDTと呼ばれる
プロジェクトで企業グループを率いると発表しました。このプロジェクトでは、2025年末
までにダイヤモンドのウィーナー・ノイシュタット施設で、水素燃料電池と電気を融合した
テストベッドを設計・構築します。テストベッドの機体(写真)には、水素燃料電池と貯蔵
システムに加え、独立したバッテリーセット、最大10個の電動モーターとプロペラが搭載
されます。ダイヤモンドは中国に拠点を置く万豊集団の子会社であり、3月にドイツの
eVTOL開発会社であるボロコプターを買収したことを受け、ボロコプターとの統合を進め
ています。オーストリアの航空機メーカーであるボロコプターは、H2EDTに続き、
DA40およびDA42航空機の水素燃料バージョンの開発に取り組む可能性があるのです。
CustomCellsの破産申請
4月30日、ドイツのバッテリー開発会社カスタムセルズは、最大手顧客の一つであるドイツ
の航空機開発会社リリウムの倒産を受け、破産手続きを申請しました。同社は、リリウムが以
前負っていた「数千万ユーロ」の債務を弁済するための新たな投資家を見つけることができ
ませんでした。投資家を探している間、従業員の賃金は6月まで保証されました。今回の
破産は、2023年にカスタムセルズとバッテリー技術で提携することに合意したヴェリディ
オンを含む、電気自動車および航空機の開発会社にとって大きな痛手となるでしょう。
XTIとVerdeGoが推進力で協力
コロラド州に拠点を置くXTIエアロスペースと推進システム開発企業のヴェルデゴエアロは
5月13日、ハイブリッド電気航空機推進システムに関する提携に関する覚書(MoU)を締結
したと発表しました。この提携には、元々シャフト駆動VTOL機として設計された固定翼の
「垂直離着陸クロスオーバー機」であるXTI TriFan 600が含まれます。フロリダ州に
拠点を置くヴェルデゴエアロのパワートレインは、VH-3-185、VH-4T(写真)、
VH-5で、出力範囲は185kWから1.5MWに及びます。
ソラ・アビエーション、韓国からの受注を獲得、ソフロダインと提携
5月15日、英国の開発企業ソラアビエーションとソフロダイン・エアロスペースは、ソラ
の30席バッテリー電気航空機S-1の空力設計に関するコンサルティングを行うため、ソフ
ロダイン・エアロスペースとの提携を発表しました。この協業では、ソフロダイン・エアロ
スペースの予測計算モデルを用い、垂直飛行から前進飛行への移行時に推進装置と機体との
間で生じる非定常な空力相互作用などの分野に焦点を当てます。ソラは3月10日、韓国の
運航会社ムービエーションからS-1の先行予約を20件獲得しました。ムービエーションは
同国における都市型航空モビリティのルートオプションを模索するための覚書(MOU)
を締結しました。2023年4月に設立されたSoraは、6枚のティルトプロペラを搭載した
タンデム翼のS-1を、当初は空港シャトル便に投入することを計画しています。
ホライゾン、フルウィングトランジションでカボライトを飛行
5月15日、ホライゾンエアクラフトは、ハイブリッド電気式キャボライトX実証機(写真)
の翼上飛行への移行飛行と、翼上飛行からの移行飛行を完了したと発表しました。この
移行飛行では、「ファンインウィング」推進装置が完全に閉じられた状態(写真なし)
で行われました。ホライゾンは2026年に、実物大の実証機による試験飛行の実施を目指し
ています。最終的なキャボライトX7量産機は、航続距離約500マイル(800km)で、
eVTOLと短距離離着陸(STOL)の両方の飛行が可能になる予定です。
AMSLエアロ、2026年までに水素燃料の試験飛行を計画
5月26日、オーストラリアの開発業者AMSL-エアロは、シドニー近郊のバンクスタウン
空港で、ヴェルティア航空機用の100kW水素燃料電池パワートレインを使用して水素テスト
を実施してから1年を迎えました。テストベッドでは、1年間のテスト中に440ポンド
(200kg)の水素を使用しました。3週間以上にわたって、ヴェルティアは空港の電力網に
30kWの電力を供給し、空港の電気代を約2MWh削減しました。 11月、AMSLはヴェル
ティアプロトタイプ用のバッテリー駆動のデモンストレーターの初飛行(無人)を実施し、
それ以来100回以上の無人飛行を行っています。開発者は、2026年までに水素駆動のデモ
ンストレーターのテスト飛行を目指しています。見込み顧客には、子会社のAir Link、AirMed
Chartair向けにヴェルティアを20機購入することを約束しているAviation Logisticsなどがあります。
モヤエアロが貨物ドローンを発表
ブラジルに拠点を置くモヤエアロは6月2日、電動ドローンファミリーの戦略を発表しました。
このファミリーは、様々なミッションにおける相互運用性を実現するため、共通の電気アーキ
テクチャを備えた2つの無人機モデルで構成されています。このファミリーには、現在試験
飛行中のモヤ 256が含まれており、航続距離は100マイル(160km)と予測されています。
開発中のモヤ 760プロトタイプは、200ポンド(90kg)のペイロードを搭載し、
最大118マイル(190km)の飛行が可能です。Moyaは、これらの機体を2027年までに就航させることを目指しています。
コメント