将来の職業は7歳までに決まる

飛行機

皆さんこんにちは!

最近の小学生の将来なりたい職業は何でしょうか?

2000年から2010年代までは、憧れの職業の中の上位はパイロットやCA(キャビンアテンダント)は常に上位にいましたが、最近はそうではないようです。

それは航空業界の人材不足に直接影響しています。その原因と対策は?

小学生のなりたい職業ランキング

最新の小学生がなりたい職業ランキングを見てみましょう。

小学生なりたい職業ランキング【男の子編】

2025年 2024年
1 会社員
(10.8%)
1 会社員
(10.7%)
2 ユーチューバー/動画投稿者
(9.8%)
2 ゲームクリエイター
(8.8%)
3 野球選手
(9.5%)
3 ユーチューバー/動画投稿者
(7.6%)
4 サッカー選手
(9.1%)
4 サッカー選手
(7.1%)
5 ゲームクリエイター
(5.3%)
5 野球選手
(6.7%)
6 公務員
(4.5%)
6 公務員
(5.7%)
7 警察官
(4.3%票)
7 ITエンジニア/プログラマー
(5.5%)
8 運転士/ドライバー
(3.6%)
8 料理人/シェフ
(4.6%)
9 ITエンジニア/プログラマー
(3.3%)
9 医師
(3.6%)
10 医師
建築士
(2.6%)
10 警察官
(3.3%)

参照:第36回第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート

小学生なりたい職業ランキング【女の子編】

2025年 2024年
1 パティシエ
(12.3%)
1 パティシエ
(16.6%)
2 会社員
(10.3%)
2 会社員
(6.9%)
3 漫画家/イラストレーター
(7.4%)
3 美容師/ヘアメイクアーティスト
(6.1%)
4 医師
(5.1%)
4 漫画家/イラストレーター
(4.9%)
5 歌手/アイドル
(4.9%)
5 看護師
(4.7%)
6 看護師
(4.2%)
6 医師
(4.5%)
7 教師/教員
(3.8%)
6 幼稚園の先生/保育士
(4.5%)
7 美容師/ヘアメイクアーティスト
(3.8%)
8 公務員
(4.3%)
9 公務員
(3.6%)
9 ユーチューバー/動画投稿者
(3.4%)
10 料理人/シェフ
(3.6%)
10 教師/教員
歌手/アイドル
(3.3%)

参照:第36回第一生命『大人になったらなりたいもの』アンケート

男の子は、2024年に続き、2025年も「会社員」が1位(10.8%)を獲得しました。

かつては「スポーツ選手」や「ユーチューバー」が上位を占めることが多かったですが、ここ数年で「安定した職業」への関心が高まっているようです。

これは、親の価値観の影響も大きいかもしれません。「手に職をつけて、安定した仕事に就い

てほしい」と考える保護者が増えており、その意識が子どもたちにも伝わっているのかもしれませんね。

女の子は、2025年の1位は「パティシエ」(12.3%)。昨年に続き、今年もトップの座を守りました。しかし、2024年の16.6%からは少し人気が落ち着いています。

それでも、お菓子作りは好きなことを仕事にするという夢の代表格。

YouTubeやSNSでもスイーツ作りの動画が人気で、可愛いケーキやデザートを作る姿に憧れる子も多いのでしょう。

いずれにしても「安定した職業」として「会社員」が1位、2位を占めています。これは、まだ自立していない小学生の親からの影響が大きいと思われます。

パイロットやCAが小学生のなりたい職業ランキングのトップ10に安定して入っていたのは、

2000年代、特に2000年代半ば頃までがピークで、2010年代後半以降は、新しいIT関連の

職業の台頭により、相対的にその順位が後退していると言えるでしょう。航空業界にとっては残念な結果です。

それではこれが中学生や高校生になるとどう変化しているのでしょうか?

中学生男子がなりたい職業ランキング

  1. ITエンジニア・プログラマー
  2. 会社員
  3. 公務員
  4. 教師
  5. 医師

中学生女子がなりたい職業ランキング

  1. 教師
  2. 会社員
  3. 公務員
  4. 看護師
  5. 医師

高校生男子がなりたい職業ランキング

  1. ITエンジニア・プログラマー
  2. 会社員
  3. 公務員
  4. 研究者
  5. 医師

高校生女子がなりたい職業ランキング

  1. 公務員
  2. 会社員
  3. 教師
  4. 看護師
  5. デザイナー

ソニー生命「小中高生が思い描く将来の夢」調査(2023年)より

主な違いと傾向:

  1. 現実的・具体的な職業への移行:

    • 小学生: スポーツ選手、パティシエ、YouTuberなど、憧れや身近な存在華やかさを伴う職業が多いです。
    • 中高生: ITエンジニア・プログラマー、公務員、教師、看護師、医師、研究者など、より現実的で安定性や社会貢献性、専門性が求められる職業が上位にくるようになります。
  2. 学習との関連性の意識:

    • 中高生になると、将来の職業に就くために必要な学力や専門知識を意識し始めます。そのため、IT系や医療系、研究職といった、大学や専門学校での学びが直結する職業への関心が高まります。
  3. 社会との接点の増加:

    • 小学生は家庭や学校といった狭い範囲での情報が中心ですが、中高生になるとニュースや社会情勢、インターネットなどからより多くの情報を得られるようになります。社会の課題解決に関わる職業(医師、公務員など)への意識が芽生えるのもこの時期です。
  4. 「会社員」の捉え方:

    • 小学生の「会社員」は漠然としたイメージですが、中高生になると、IT企業、商社、メーカーなど、より具体的な業界や働き方を意識した上での「会社員」になる傾向があります。

この差は、まさに小学校低学年まで(約7歳)に「職業に興味を持つ」段階から、その後の

成長とともに「職業を現実的な選択肢として捉え、自己と社会を結びつけて考える」段階へと移行するプロセスを示しています。

小学生のうちに多様な職業に触れる機会を持つことは、その後の進路選択において、固定観念

にとらわれずに可能性を広げる上で非常に重要であると言えます。

航空業界は将来の労働者世代にアプローチするために考え方を変える必要がある

それではある記事を紹介します。この記事から導き出せる解決策はあるのでしょうか?

2年生とその親を説得する必要があります

小学2年生に「大きくなったら何になりたい?」と聞いてみたら、きっと「YouTuber」

という答えが返ってくるでしょう。7歳になると、多くの子どもは本を読んだり外で遊んだり

するよりも、YouTubeやNetflixを見る時間の方が長くなります。彼らのヒーローは必ずしも

宇宙飛行士やパイロットではなく、リングライトやフォロワーを持つネット上の有名人です。

一方、航空業界、特にビジネス航空業界は彼らにとってほとんど目に見えない存在です。

しかし、研究によると、7歳までに子供たちはすでに将来のキャリアについて考え始めてい

るそうです。もちろん、最終的な決定を下すわけではありませんが、ジェンダーステレオ

タイプ、達成可能性の認識、そしてこれまで接してきた経験に基づいて、選択肢を絞り込んでいるのです。

パイロット、整備士、スケジューラー、客室乗務員に会ったことがない子が、自分がパイロッ

トや整備士、スケジューラー、客室乗務員になることを想像するのは難しいでしょう。特に、その子が女の子や有色人種であればなおさらです。

では、YouTubeのような動画とどう競争すればいいのでしょうか? 航空を、小学2年生にとっ

て開封動画と同じくらい魅力的なものにするにはどうすればいいのでしょうか? それは、

ストーリーテリング、表現、そしてアクセスから始まります。そして、私たち業界は、早期に、そして頻繁に、積極的に発信していく必要があります。

YouTube、Instagram、TikTokのインフルエンサーにマーケティングし、親たちにもアプローチする必要があります。

親が大切な理由

教育戦略家マーク・C・ペルナ氏のフォーブスの記事にによると、若者の80%以上が、自分

のキャリア決定に最も大きな影響を与えるのは両親だと言っています。

その影響は高校に入るずっと前から始まっています。子供たちは、何が可能で、何が現実的

で、何を目指す価値があるのかを親に確認してもらいます。ですから、もし両親が飛行機に

乗るのは高くつく、危険だ、あるいはライフスタイルとして良くないと考えているなら、

たとえ子供自身が航空に自然と惹かれていたとしても、おそらく飛行機に乗ろうとはしないでしょう。

つまり、航空業界は単なる操縦士の仕事ではないことを説明するということです。航空業界

は、多くのキャリアのエコシステムであり、その多くは高収入で、必ずしも4年制の学位を

必要としないということです。整備やディスパッチから、営業、財務、会計、保険、オペレー

ションまで、航空業界はほぼあらゆるスキルセットを身につけるための道筋を提供しています。

そして、それは堅実なキャリアパスでもあります。US ニュース&ワールドレポートによると

航空会社のパイロットと自家用パイロットは、アメリカで最も給与の高い職業トップ15に

ランクインしており、平均年収は21万9000ドルで、今後も堅調な成長が見込まれていま

す。しかし、ほとんどの親はそれを知りません。航空会社の一時帰休や休暇の喪失の話ば

かりで、柔軟性、安定性、そして強い忠誠心を持つチームワークを備えたビジネス航空のキャリアについてはあまり耳にしません。

違う姿を見せよう

民間航空会社は人材採用に数百万ドルを費やしています。高校の就職フェアやデジタル広告

キャンペーンにブースを出展しています。ビジネス航空業界でも、私たち独自の方法で積極的に活動することができます。つまり、

• 子供(とその親)がアクセスするプラットフォームにキャリア関連のコンテンツを投稿する。

• STEM プログラムおよび学校との提携。

• 格納庫ツアーやキャリアデーの開催。

• EAA Young Eagles、OBAP の ACE アカデミー、Girls in Aviation Day などのプログラムをサポートします。

注)EAA Young Eagles (ヤングイーグルス)

「EAA Young Eagles」(EAA ヤングイーグルス)は、Experimental Aircraft Association(EAA:実験航空機協会)運営するプログラムです。8歳から17歳の子どもたちに、無料で飛行機に乗る機会を提供することで、航空への興味と情熱を育むことを目的としています。

注)OBAP ACE Academy (OBAP エースアカデミー)

「OBAP ACE Academy」(OBAP エースアカデミー)は、Organization of Black Aerospace Professionals(OBAP:黒人航空宇宙専門家機構)が運営する、青少年向けの集中的な航空夏期アカデミーです。主にマイノリティの青少年、特に航空宇宙分野で過小評価されているグループの若者に対し、航空宇宙産業のキャリアへの興味を喚起し、教育的支援を提供することを目的としています。多様性と公平性を重視しています。

• 教室で講演し、生徒を指導できるようにチームメンバーを育成します。

• 航空業界で働くことの利点に関する統計を主流の出版物で共有する。

そして、素晴らしいニュースがあります。ビジネス航空業界の多くの専門家が既にこれを行っ

ています。彼らは生徒たちと関わる方法を非常に独創的に模索しています。学校を訪れ、

ボランティア活動やメンター活動を行い、生徒たちと繋がる様々な有意義な機会を創出してい

るのを目にしてきました。こうした努力は情熱に支えられており、変化をもたらしています。

創造性を恐れないでください。このようなアウトリーチ活動をしている人を見かけたら、

手伝うことができるか尋ねてみましょう。一緒に参加できないか検討してみましょう。キャリ

アデーに参加したり、講演を申し出たりしてみましょう。小さな努力でも大きな影響を与えることができます。

次の世代が私たちの物語を早く聞いて、それが自分たちのものになるかもしれないと信じられるようにしましょう。

人気低下の背景と原因

航空業界の人気が以前ほどではなくなった、あるいはなりにくいと感じられる原因としては、以下のような複合的な要因が考えられます。

1.高まる参入障壁とコスト、時間:

    • パイロット: 育成に莫大な費用(数千万円)と長い時間、そして非常に高い身体能力と知的能力が求められます。日本の航空大学校や自社養成も倍率が非常に高く、誰もが目指せる道ではありません。
    • 整備士: 高度な専門知識と国家資格が必要で、資格取得後も継続的な学習と経験が求められます。責任が非常に重い仕事です。
    • CA: 語学力や接客スキルに加え、厳しい身体基準(身長、体力など)や容姿への要求が残る場合があります。競争率も依然として高いです。

こうした「なるまでの大変さ」が、気軽に目指せる職業とは認識されにくくなっています。

2.不規則な勤務形態と生活への影響:

    • パイロット、整備士、CAは、早朝・深夜、休日問わずシフト勤務や宿泊を伴う勤務が基本です。時差ボケや疲労が蓄積しやすく、プライベートの時間を計画しにくいという側面があります。家庭を持つ人にとっては、家族との時間が取りにくい、子育てとの両立が難しいといった課題も指摘されます。

3.コロナ禍による業界の打撃と不安定さの露呈:

      • 新型コロナウイルスのパンデミックにより、航空業界は未曽有の危機に直面しました。フライトの大幅減便、人員削減、採用停止などが起こり、業界全体の不安定さが浮き彫りになりました。
      • これは、安定した職業を求める若者にとって、航空業界がリスクの高い選択肢と映る要因となった可能性があります。

4.メディアやデジタル産業の台頭:

    • 小学生がなりたい職業ランキングでYouTuberやゲームクリエイター、ITエンジニアが上位に食い込んでいるように、現代の若者にとっての憧れの対象が多様化しています。
    • これらの職業は、新しい働き方や自由な時間、大きな収入の可能性を提示しており、従来の「カッコいい」「安定している」といった価値観とは異なる魅力を持っています。

5.SNSによる情報過多とリアルの認識:

  • SNSの普及により、航空業界の華やかな側面だけでなく、勤務の厳しさ、ストレス、人間関係の複雑さなど、リアルな情報が可視化されるようになりました。これにより、夢だけではない「現実」を知る機会が増え、理想とのギャップを感じやすくなっています。

6.給与水準やキャリアパスへの懸念(一部):

        • かつては高給の代名詞とされたパイロットも、近年はLCCの台頭や外部委託の増加などで、キャリア初期の待遇が以前ほどではないと感じられるケースもあります。整備士やCAも、責任や業務量に見合う報酬が得られているかという議論がされることがあります。
        • 若者の「コスパ」「タイパ」重視の傾向から、時間や労力をかけた育成プログラムに見合うリターンが得られるかという視点で評価されることもあります。

航空業界の職業は依然として専門性が高く、社会貢献度も大きい魅力的な仕事であることに

変わりはありません。しかし、育成の難しさ、勤務形態の特殊性、そしてコロナ禍で露呈した

不安定性、さらには現代社会の価値観や憧れの多様化といった複合的な要因が、かつてのよ

うな「誰もが憧れる人気の職業」というイメージを変化させていると考えられます。

航空会社も、待遇改善やワークライフバランスの推進、職種の魅力を伝えるための広報活動

などに力を入れていますが、これらの課題は業界全体で取り組むべき大きなテーマと言えるでしょう。

小学生から航空業界の職種に興味を持ってもらうためには

小学校低学年の子どもたちは、直接的な体験や五感を刺激する活動、物語を通して興味を深めます。以下のような具体例が考えられます。

体験・見学型イベントがあります。空港見学ツアーや航空教室、学校や地域での出前授業・ワークショップなどが考えられます。

メディア・コンテンツの活用として、子ども向け航空番組や動画の視聴、キャラクターとのコラボ規格(アニメやゲーム)があります。

これらの活動を通じて、航空業界の仕事が「遠い存在」ではなく、「身近で、楽しく、社会

に役立つ、自分もなれるかもしれない」というポジティブなイメージを育むことができます。

特に五感を使い、体を動かす体験は、幼い子どもの記憶に強く残り、将来の興味の芽となるでしょう。

そして一番大切なのが親の理解です。

親が飛行が好きであれば、または航空業界に関心があれば子ども達も何らかの影響を受けるはずです。それが将来の職業に繋がる1歩かもしれません。

「将を射んとする者はまず馬を射よ」という日本のことわざがあります。ここではあまり適切

でないかもしれませんが、より広い意味では、「大物を狙うなら、まずはその足元を固めよ」

「本丸を攻める前に、外堀を埋めよ」といったニュアンスで理解してください。

パイロットという職業の最大の利点は、自分自身が成長できることです。親にとってはパイ

ロットになるまで多額の教育費が必要です。それでも我が子が成長できるという見返りがあることを理解してもらうことが重要だと考えています。

 

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