ベールを脱いだ次世代戦闘機

飛行機

皆さんこんにちは!

アメリカ次期主力戦闘機F-47(第47代トランプ大統領からきたネーミング)が発表され、世界の戦闘機開発が本格化されました。

脱アメリカを目指す日本や欧米諸国。それに対抗するアメリカ、中国、ロシア。今世界は次期戦闘機開発競争の覇権争いの真っ只中です。

英国の戦闘機が新たな姿で姿を現す

戦闘航空デモンストレーター

2027 年末までに初飛行の準備が整う予定の戦闘航空実証機の想像図。クレジット: BAE Systems

BAE システムズは、グローバル戦闘航空計画 (GCAP) の戦闘機開発のリスク軽減に役立つ

戦闘航空実証機に、控えめな後退角を持つクロップド・デルタ翼の平面形状を採用したようです。

ロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥーに先立ち、当地で初めて報道陣に公開され

た、肩に翼を取り付けた双発の超音速機のアーティストによる想像図によると、この機体には

大きく後退した前縁根元延長部(LERX)も備わっており、設計上、わずかに曲がった後縁も備わっている可能性があるということです。

双傾斜垂直安定板は台形型で、GCAPプラットフォームに提案されているものよりもはるかに

大型であるように見えます。また、この機体はF-35のようなダイバーターレス超音速イン

レットを採用する可能性が高いですが、報道関係者に示された画像にはそれが写っていません。

この構成は、機体メーカーが以前公開していた初期のテンペストおよびGCAPのプラン

フォーム構成をよりよく反映しているように見えます。これらの構成は、GCAPに参加してい

る3か国(イタリア、日本、英国)の要件の進展に伴い、着実に進化してきました。

GCAPとは、グローバル戦闘航空プログラム (Global Combat Air Programme)のことです。

 日本、イギリス、イタリアの3カ国が共同で、次世代の第6世代ステルス戦闘機を開発する

国際的な防衛プログラムです。 イギリス空軍とイタリア空軍が運用するユーロファイター

タイフーン、および航空自衛隊のF-2戦闘機の後継機を開発することを目的としています。

2022年12月に開発計画が発表されました。

2023年12月には、共同開発を管理する国際機関「GIGO」(GCAP International Government Organisation)の設立条約が署名されました。

2025年に正式な開発を開始し、2027年までに実証機の初飛行、そして2035年までの配備開始を目指しています。

最新の構成は、BAEシステムズ、レオナルド、日本航空機工業振興株式会社の3社が新たに

設立した産業合弁会社であるエッジウィング社によって展示されました。この機体は、例えば

大型で中程度の後退角を持つデルタ翼を特徴としています。

実証機の構成はGCAP機よりもはるかに早く確定する必要があったことを考えると、より初期

の構成を選択することは驚くべきことではありません。しかしながら、実証機が実用化される

ためには、GCAP機の空力特性を忠実に再現する必要があります。

GCAP設計の最新構成と同様に、この実証機は幅広の胴体と広いノーズ、そして兵器庫を収容

する平らな腹部を特徴とします。コックピットはトルコ航空宇宙産業のカーン機のようにわず

かに高くなっているように見えますが、これはまるでくちばしのような広いノーズ上の視界を向上させるためと思われます。

この実証機にはレーダーは搭載されませんが、機首の大きさから、将来搭載が予定されている

センサーの開口部の大きさが窺えます。機体設計者は、飛行後の機体の具体的な活動内容に

ついてはまだ正式に発表していません。しかし、機内ベイからの兵器やミサイルの投下、

そして亜音速および超音速におけるプラットフォームの低視認性特性の確認が、重要な課題となるでしょう。

「私たちは本当に全力で取り組んでいます…主翼、尾翼、主胴体全体にわたって形になり始め

ています」と、BAEシステムズ・プラットフォームズの納入責任者であるポール・ワイルド

氏は語っています。航空機の質量の3分の2が現在製造段階にあり、英国航空宇宙産業で製造

される単一部品としては最大級の、大型の一体型炭素複合材製主翼と中央胴体外板を機体メーカーであるワイルド氏が受領したということです。

主翼外板は非公開のサプライヤーから提供されましたが、胴体中央外板はBAEシステムズが

自社で製造しました。ワイルド氏によると、同社は現在、「未来の工場」構想の一環として

自社開発の協働ロボット(コボティクス)と先進ロボット技術の一部を「活用」し、組立工程

のスピードアップを図っています。「設計方法だけでなく、製品の組立方法においても限界に挑戦しています」とワイルド氏は語ります。

合計で約100社の英国のサプライヤーが、この実証機の開発に関与しています。BAE

システムズは、その開発の一環として、ユーロファイター・タイフーンに搭載されていた

ユーロジェットEJ200エンジンをはじめ、様々な製品の部品を活用しています。ただし、

ユーロファイター・タイフーンの前身である実験航空機プログラム(EAP)では、垂直安定板

やエンジンを含むパナビア・トーネードの後部部品の大部分が再利用されていましたが、

今回のように広範囲に活用されているわけではありません。

実証機の着陸装置がユーロファイターのように主翼に折り畳まれていないという事実は、

トルネードの着陸装置が胴体側面に折り畳めるため、より適合性が高い可能性を示唆している

可能性があります。ワイルド氏によると、業界、英国空軍、英国国防省のテストパイロット

が、約300時間の模擬飛行を行い、機体の操縦特性の成熟化に取り組んでいるという。

BAEシステムズと英国のサプライチェーン全体の「再連携」にとって、この実証機の開発は

極めて重要だと、BAEの将来戦闘航空機システム担当デリバリーディレクター、トニー・

ゴッドボールド氏は語っています。英国は、約40年前に初飛行したユーロファイター・タイ

フーンの前身となる実証機である実験航空機プログラム(EAP)以来、有人機の「基本原理」

から開発を行っていません。「もちろん、新しい高速ジェット機プラットフォームの設計・

開発は非常に複雑な作業です」とゴッドボールド氏は言います。

ゴッドボールド氏によると、耐空性と安全基準に関する規制当局との作業が進行中で、エン

ジニアたちは顧客と共に「新たな領域に踏み込んで」、航空機の適格性と認証を確実に取得

できるよう取り組んでいるという。「私たちは本当に新しいことを学び、正直言って忘れてい

たことを再学習しているところです」とゴッドボールド氏。

低観測性に関しては、プログラムエンジニアは「Taranisの学習」に頼っているとゴッドボー

ルド氏は述べ、同社は現在「様々な形状」と「モールドラインスタイル」をテストしており、

これらはGCAPの設計機能の参考となるでしょう。英国限定のデモンストレーションでは

あるものの、Edgewing合弁事業における契約により、GCAPプログラムから得られたデータ

と情報の移転が可能になっているとゴッドボールド氏は説明しました。「各国の最高の技術を活用して成果を生み出しています。」

機体の寸法や重量についてはまだ詳細が明らかにされていません。しかし、BAEシステムズ

は以前、実証機のEJ200エンジンに空気を供給する約10メートルの空気ダクトの詳細を明ら

かにしています。このダクトの大きさから、この機体はユーロファイターより約30~50%

大きくなると予想されますが、最終的なGCAP機体よりは小さいのです。エンジンとダクト

は、兵装庫と燃料タンクのためのスペースを確保するため、広い間隔で配置されことが解りますことが解ります。

ワイルド氏とゴッドボールド氏は、実証機の今後のスケジュールについて口を閉ざしています

が、その後の段階には最終組立、試験、そして試運転が含まれる。初飛行は2027年の予定です。

F/A-XXの発注はF-47の遅延につながる

ボーイングによる米海軍の第6世代戦闘機のレンダリング。

ボーイングによる米海軍の第6世代戦闘機のレンダリング。クレジット: ボーイング

業界側は両戦闘機の能力は存在すると主張しているものの、米海軍にF/A-XX計画を進めるよ

う強制すれば、より優先度の高い米空軍のF-47計画が遅れることになる、とトランプ政権は主張しています。

ホワイトハウスは7月15日、2026年度予算を確定するための議会会期中に、施政方針声明を

発表した。複数の修正案では、F/A-XX計画の加速化のため、F/A-XXへの支出増額が求められています。

政権は、「2つの第6世代機プログラムが同時に進行することによる産業基盤への懸念から、

F/A-XXプログラムの再評価を強く支持する」と述べています。先月、国防当局者は予算要求

を発表した際、2026年度計画はF-47に「全面的に」取り組むという目標を反映していると

述べています。要求には、F/A-XXの設計を完了させ、将来の選択肢としてプログラムを維持するための7,400万ドルのみが含まれています。

「F/A-XXの契約を規定通りに締結すれば、より優先度の高いF-47プログラムの遅延につなが

る可能性が高く、海軍の第6世代戦闘機の配備スケジュールの改善も期待できない」とホワイ

トハウスは主張する。「政権は議会と協力し、最適な進路を見極めたいと考えている。」

この声明は、ジョン・フェラン海軍長官が6月に、この一時停止は両プログラムの生産能力の

見直しが完了するまで保留であると述べていた以前の懸念を反映しているのです。

業界リーダーたちはすぐにこの主張に反論しました。ボーイング・ディフェンス・アンド・

スペースのCEO、スティーブ・パーカー氏は6月16日、同社の戦略は両プログラムを獲得し

実行することだと述べました。ボーイングはF-47を獲得し、F/A-XXではノースロップ・グラマンと共に最終候補に名を連ねています。

「ええ、もちろんできますよ」とパーカー氏は言いました。「産業界も、エンジンメーカー

も、同じです。ですから、私はそれが問題だとは思っていません」と。

F/A-XX計画“は、アメリカ海軍が次世代の戦闘攻撃機を開発するためのプログラムです。

 F/A-XX計画は、現在アメリカ海軍が運用しているF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘攻撃機

およびEA-18Gグラウラー電子戦機を、2030年代から順次置き換えることを目的とした第6

世代戦闘攻撃機の開発・取得プログラムです。F-35CライトニングIIを補完する役割も担います。

 制空能力を持ちながらも、主に艦上での攻撃任務に重点を置いた多用途戦闘攻撃機として開発

されています。空対空戦闘、対地攻撃、対水上戦、近接航空支援など、多様な任務に対応する能力が求められています。

第6世代の技術として高度なステルス性能、センサー、レーダー、ネットワーク適応性を備えた次世代技術が特徴です。

将来の航空戦において、有人機と無人機が連携して作戦遂行する「ファミリー・オブ・シス

テムズ」の中核を担うとされています。F/A-XX自体は有人機として運用される予定です

が、無人僚機(Collaborative Combat Aircraft: CCA)を指揮する「クォーターバック」のような役割を果たすことが期待されています。

 アメリカ空軍も独自の第6世代制空戦闘機プログラム「NGAD(Next Generation Air

Dominance)」の一環として「F-47」の開発を進めており、アメリカ国防総省やホワイト

ハウスは、限られた国防産業基盤のリソースを考慮し、F/A-XXの開発をF-47の後ろに回す

意向を示しています。これにより、F/A-XXの資金が削減される可能性があり、開発の遅延が懸念されています。

F/A-XX計画は、将来のアメリカ海軍航空隊の戦力構造において極めて重要な要素と位置づけられており、その動向は注目されています。

世界の次世代戦闘機開発競争が熱い! 未来の空を制する「6世代機」の秘密と試練

世界中で水面下、あるいは公然と進められている次世代戦闘機開発競争が、今、かつてないほ

どに熱を帯びています。アメリカ、日本、英国、イタリア、そして中国、ロシア、インドと

いった主要国が、それぞれ独自の戦略で未来の空の主役を狙っています。

これらの「第6世代戦闘機」とは一体どんな特徴を持ち、開発にはどんな困難が待ち受けているのでしょうか? 分かりやすく解説します。

競争をリードする主なプロジェクト

まず、現在開発が進められている主な次世代戦闘機プロジェクトを見てみましょう。

  1. アメリカ:「F-47」(NGADプログラム)

    • アメリカ空軍が進める「次世代航空支配(NGAD)」プログラムの一環として開発が進められています。2025年3月にはドナルド・トランプ第47代大統領が、自身の代数にちなんで「F-47」と命名し、ボーイング社が主契約企業に指名されたと発表されました。
    • F-22ラプターの後継機と位置づけられ、2029年までの配備開始を目指す、最先端の第6世代機となる見込みです。
  2. 日本・英国・イタリア:「GCAP」(グローバル戦闘航空プログラム)

    • 日本、英国、イタリアの3カ国が共同で開発する国際プロジェクトです。日本のF-2、英国とイタリアのユーロファイター タイフーンの後継を目指します。
    • 2035年までの実戦配備を目標とし、多国間協力の強みを活かした開発が進められています。
  3. 中国:「J-XX」(殲36など)

    • 中国はJ-20(殲20)に続く次世代戦闘機の開発を進めているとされ、一部では「J-36」などの名称も報じられています。
    • 高いステルス性能や、2035年頃の実戦投入を目指していると見られます。
  4. ロシア:「Su-57」(および後継)

    • ロシアのSu-57は「第5世代」戦闘機とされていますが、一部では「第5世代++」あるいは第6世代の要素を取り入れた機体として改良が進んでいます。
    • 新たなエンジンやAI技術の統合が計画されており、完全な第6世代機の開発も視野に入れているとされます。
  5. インド:「AMCA」(先進中型戦闘機)

    • インドが独自開発を進める「第5世代」戦闘機ですが、一部の要素は「5.5世代」とも呼ばれます。
    • 2028年の初飛行、2030年代の実戦配備を目指しており、将来のインド空軍の主力となることが期待されています。
第6世代戦闘機の「未来」を彩る特徴

これらの次世代戦闘機は、単なる速さやステルス性だけでなく、未来の戦闘環境に対応するための革新的な能力を備えようとしています。

  1. 究極のステルス性能と適応性:

    • さらに高度なステルス技術により、レーダーだけでなく、様々なセンサーから探知されにくくなります。機体の形状や素材が、ミッションに応じて変化する「適応型ステルス」も研究されています。
  2. AI(人工知能)と自律性:

    • AIがパイロットを支援し、複雑な状況判断や情報分析を瞬時に行います。
    • 将来的には、AIが自律的に判断し行動する無人機と連携し、より広範囲で効率的な作戦遂行が可能になります(有人・無人連携:MUM-T)。
  3. ネットワーク中心の戦い(NCW):

    • 戦闘機単体ではなく、偵察機、衛星、地上部隊、他の戦闘機など、あらゆるプラットフォームとリアルタイムで情報を共有・連携する能力が強化されます。
  4. センサーフュージョンと情報優位:

    • 多様なセンサーから得られる膨大な情報を統合・分析し、パイロットに最も重要な情報だけを分かりやすく提示することで、状況認識能力を格段に向上させます。
  5. オープンアーキテクチャ:

    • 機体設計をモジュール化し、将来的に新しいセンサーや兵器、ソフトウェアを容易に統合・アップグレードできるようにすることで、開発期間の短縮とコスト削減を目指します。
  6. 次世代兵器の搭載(可能性):

    • 将来的には、レーザー兵器のような指向性エネルギー兵器や、極超音速ミサイルなどの搭載も視野に入れられています。
未来の戦闘機開発に立ちはだかる「壁」と課題

しかし、これらの革新的な戦闘機を開発するには、多くの困難が伴います。

  1. 天文学的な開発コスト:

    • 最新技術の塊である第6世代機の開発費用は、想像を絶する規模になります。1機あたりの単価も跳ね上がるため、各国単独での開発は非常に困難になり、GCAPのような国際共同開発が主流となっています。
  2. 技術的な複雑性と開発期間の長期化:

    • AI、ステルス、新素材、次世代エンジンなど、最先端技術を統合するには膨大な時間と資源、そして高度な専門知識が必要です。開発期間は10年以上にも及び、その間に技術トレンドが変化するリスクもあります。
  3. サイバーセキュリティの脅威:

    • 高度にネットワーク化された戦闘機は、サイバー攻撃の標的となるリスクも高まります。防衛システムだけでなく、開発段階から厳重なサイバーセキュリティ対策が不可欠です。
  4. 国際協力の難しさ:

    • 共同開発はコスト削減に繋がりますが、参加国間の技術共有、知的財産権、役割分担、政治的思惑の調整など、多くの困難が伴います。足並みが揃わないと、開発の遅延やコスト増加につながる可能性もあります。
  5. 不確実な未来の戦場への適応:

    • 開発期間が長いため、完成する頃には戦場の様相が大きく変化している可能性があります。そのため、将来の変化に対応できる「柔軟性」や「拡張性」を持たせることが求められます。

この熾烈な戦闘機開発競争は、単なる兵器の進化だけでなく、各国の技術力、経済力、外交

戦略、そして国家安全保障の未来をかけた戦いと言えるでしょう。これから登場する次世代

戦闘機が、世界の安全保障にどのような影響を与えるのか、その動向から目が離せません。

 

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