CEOに求められるリーダーシップと資質

飛行機

皆さんこんにちは!

世界の航空会社の数は5,000社以上であるとされています。しかし、2023年に旅客定期便

を運航していた航空会社は1,138社という報告もあります。

過去の調査や業界の専門家による分析では、新規設立された航空会社の多くが、最初の5年間で倒産または事業を停止すると言われています。

それほどリスクがある新規航空会社の設立。会社全体の「舵取り役」CEOの資質とは?

ジェイキャスエアウェイズ、初の定期航空路線の就航時期を「2026年秋」へ変更

ジェイキャスエアウェイズ(JCAS Airways)は、航空事業を行うために2023年

に設立された日本の航空会社です。関西国際空港を拠点とする地域航空会社として、関西

や中部と地方都市を結ぶ国内線空路の開設を目指しています。

当初は関西国際空港を拠点に、富山空港や米子空港への就航を予定していました。

2025年10月に初号機の受領を予定していましたが、製造遅延のため就航時期が2026年秋に延期されています。

JCASでは、2026年春の就航に向けて準備を進めていましたが、昨年11月にリース契約を

締結したATR72-600型機(新造機)の生産遅延が判明しました。協議の結果、機体の受領

時期は当初の2025年10月から「2026年2月」に変更されることとなりました。

加えて、より確かな安全運航体制の構築を図るべく、パイロット訓練計画のさらなる充実

に向けて訓練期間の確保を優先し、就航時期を「2026年秋」へと見直す判断に至りました。

代表取締役:白根清司・梅本祐紀のコメント

「この度の就航時期の変更につきまして、心待ちにしてくださっている地域の皆さま、

ご支援いただいている株主の皆さまのご期待に沿えず、心よりお詫び申し上げます。とは

いえ、今回の決断は、ジェイキャスエアウェイズが最も安全で、地域に愛される航空会社と

して離陸するための、大切な「助走期間」であると確信しております。

企業理念である『日本のローカルが、もっと活きる路を。』の実現に向け、この期間に

全社一丸となって体制を整えてまいります。引き続き、変わらぬご支援とご期待を賜りますよう、お願い申し上げます。」(当社HPより)

アブダビのロイヤルジェット、新CEOの選考を開始

ロイヤルジェット機

クレジット: RoyalJet

アブダビを拠点とするVVIPビジネスジェットを運航するロイヤルジェットは、CEOの

シャフィウル・サイード氏の突然の退任を受け、経営陣の大幅な刷新を行っています。

当面は、サイード氏が2024年にCEOに就任する以前からCEOを務めていたモハメド・フセイン・アハメド氏がCEO代行に就任しました。

8月21日、ロイヤルジェットはモハメド・ビン・マフフード・アラルディ氏を新しい取締役

会長に任命したことも発表しました。ロイヤルジェットはアラビアン・エアロスペースとの

インタビューで、「新しいCEOの選定は継続中で、手続き中であり、間もなく完了する予定

だ」と述べました。11月に開催されるドバイ航空ショーの前に発表されるとみられています。

同社は主にザイード国際空港の固定拠点業務(FBO)/VIPターミナルを拠点として運航

しており、サイード氏はその短い任期中に多くの改革を行いました。これは、同社が世界

最大の民間オペレーターであるボーイング・ビジネスジェット(BBJ)からの変更です。

8月初旬に発表されたアラビアン・エアロスペースの最新号でで、サイード氏は「2026年

第2四半期までに最初のグリーン航空機用のスロットを確保しているという、我々はユニー

クな立場にいる。つまり、最初の航空機の内装が完成するまで、あと18か月ほどあるとい

うことだ。だから、2028年初頭までにはACJの最初の機体がお目見えするはずだ」と述べ

ています。さらに「これらのスロットを持っているのは本当に幸運だ。今エアバスに頼め

ば、キャンセルが出ない限り、6、7年後のスロットを見ることになる。つまり、エアバス

は私たちとの関係を尊重してくれた。これは10年にわたる評価プロセスの集大成だ。私たち

は常に競合相手を検討してきたが、エアバスはかなり積極的かつ精力的に私たちと交渉し

てきた」と付け加えました。サイード氏は、同社は「今でも完全に[BBJ]オペレーターだ」

と。「BBJは最大9機保有しており、最新型のRJKは非常に人気が高く、多くの需要があり

ます。32席、42席、58席、92席の4種類の構成で飛行できます」と彼は述べました。

「貨物仕様での飛行も可能です。既に大きな需要をいただいています。」

変革のリーダーシップへのスーパーナル

スーパーナルS-A2 eVTOL航空機

スーパーナルS-A2 eVTOL航空機の所有者であるヒュンダイ・モーター・グループは、

今週、同社の経営陣の交代を発表したとプレスリリースで報じられています。

スーパーナルのCEOであり、ヒュンダイの先進航空モビリティ部門の責任者である

ジェイウォン・シン博士は、8月31日付けで退任し、グループの顧問に就任します。

リリースでは、「スーパーナルが研究開発の初期段階から開発およびビジネスモデルの

運用の次の段階に移行するにあたり、当グループはビジネスの進化するニーズに合わせて

戦略的なリーダーシップの変更を実施しています」と説明されています。

シン博士は2019年にヒュンダイに入社し、AAM事業を率い、2年後、米国でのスーパーナル

設立に伴いCEOに就任しました。彼のリーダーシップの下、「グループは統合開発アプロー

チを通じて、将来の航空モビリティ技術の基盤を確立しました」とプレスリリースは続けています。

この移行は、事業開発とオペレーション開発へのより明確な焦点を反映しています。AAM

業界は、規制枠組み、インフラ整備、エコシステムの成熟といった外部からの課題に直面し

続けていますが、ヒュンダイはAAMの長期的な可能性に自信を持っており、持続可能な事業の構築に引き続き投資していきます。 

ヒュンダイのシニアディレクターであり、元イブ・エア・モビリティの事業開発担当副社長

であるデイビッド・ロットブラット氏が、この移行期間中、暫定COOとしてスーパーナルの

運営を監督する一方、グループは組織を次の成長段階に導くための新たなリーダーシップを任命する予定です。

このニュースはeVTOL業界内で物議を醸しています。これは、ヒュンダイがeVTOL業界への関心を失いつつある兆候なのでしょうか?

ジ・エア・カレント・ドットコム(航空業界に特化したジャーナリズムと分析を提供する

オンラインメディア)は、「スーパーナル社はSA-2エアタクシーの商業化にはまだ程遠い

ようだ。ヒュンダイが同社に15億ドル以上を投じているにもかかわらず、同社はeVTOL設計

の代表的なフルスケールプロトタイプを未だ飛行させていないと、同社の財務状況に詳しい

複数の関係者が TACに語ったところによると…」と報じています。

新規航空会社のCEOに求められるリーダーシップと資質、そして必要な人材

CEOに求められるリーダーシップと資質

新規航空会社の立ち上げは、極めて高いリスクと複雑さを伴います。そのため、CEOには

多岐にわたるリーダーシップと資質が求められます。

  • ビジョンと実行力: 航空業界の未来を見据え、他社と差別化できる明確なビジョンを提示することが不可欠です。また、そのビジョンを現実に落とし込むための計画を立て、粘り強く実行する力が必要です。
  • 危機管理能力: 航空業界は、経済変動、燃料価格の変動、自然災害、パンデミックなど、予期せぬ危機に常に直面します。CEOは、冷静かつ迅速に判断を下し、会社を危機から守るための強力な危機管理能力を持たなければなりません。
  • 財務的知見: 膨大な初期投資と固定費がかかる航空事業において、健全な財務管理は最も重要です。CEOは、資金調達、コスト削減、収益性の確保など、財務全般にわたる深い知見が必要です。
  • 交渉力と人脈: 航空機メーカー、空港、政府機関、労働組合など、多くの関係者と交渉し、良好な関係を築くための高い交渉力と人脈が求められます。
  • 安全性へのコミットメント: 航空事業の根幹は安全性です。CEOは、会社の文化として安全を最優先にする強いコミットメントを示し、安全運航体制を徹底する責任があります。
求められる主要な人材

CEOのビジョンを実行に移すためには、各分野の専門家から成る強力なチームが不可欠です。

  • 財務管理:
    • CFO (最高財務責任者): 莫大な資金を管理し、投資家や金融機関との関係を構築する役割を担います。コスト管理、収益予測、資金調達戦略の策定など、航空会社の財政を健全に保つための司令塔です。
    • リスクマネージャー: 燃料価格や為替レートの変動など、外部環境による財務リスクを分析し、ヘッジ戦略を立てます。
  • 航空機開発・運航:
    • 運航責任者: 航空機の運航スケジュール、整備、乗務員の管理など、日常の運航業務を統括します。安全性と効率性を両立させるための専門知識が求められます。
    • 技術・整備責任者: 航空機の整備計画を立て、最新技術を導入することで、機体の安全性を確保します。特に新型機や、将来的な水素電気推進や**eVTOL(電動垂直離着陸機)**のような新技術を導入する際には、その専門性が重要となります。
    • パイロットや客室乗務員の採用・訓練担当者: サービス品質と安全運航の要となる人材の確保と育成を担当します。
まとめ

新規航空会社のCEOには、ビジョンを掲げる力と同時に、それを実現するための現実的な

戦略を立て、各分野の専門家を率いる総合的な能力が求められます。また、航空機開発、

運航、財務管理など、それぞれの専門分野で高い知識と経験を持つプロフェッショナルな

人材をチームに迎えることが、成功への鍵となります。

 

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