皆さんこんにちは！
2人乗りのeVTOL、エアワンの無人試験機が墜落しました。幸いケガ人などはいないようです。
Air One eVTOLプロトタイプがフロリダで墜落
エア社は最近、FAAの実験的耐空証明に基づき、フロリダで2人乗りのAir One eVTOL技術実証機の飛行を開始した。
NTSBによると、イスラエルの新興企業エア社が製造した無人eVTOL機の試作機が木曜
（23日）の午後、南フロリダで墜落し、同機関は事故の調査を開始しました。
NTSBの声明によると 、この航空機はフロリダ州ウェストパームビーチの北西約40マイル
に位置するインディアンタウンの農村地帯近くの野原に原因不明で墜落し、「墜落後の火災
で燃え尽きた」とのことだ。負傷者は報告されていません。
この不運な航空機は、FAAが最試験的な耐空証明を発効した2人乗りの技術実証機だった
可能性が高いのです。N514AXという登録番号を持つこの航空機は、同社が個人輸送用
の2人乗機、またはユーティリティ用途の無人プラットフォームとして提供を計画している
エアワン eVTOLモデルの先駆けとなるものでした。
エアは9月初旬に特別耐空証明の発行を発表した際、フロリダ州ウェストパームビーチ近郊
の新施設で同機の飛行試験を開始したと発表しました。イスラエルに拠点を置く同社は、
同施設を米国展開の主要拠点と位置付けています。7月には、この展開を加速させること
を目的としたシリーズA資金調達ラウンドで2,300万ドルを調達したことを発表しました。
エア社は2022年からイスラエル北部で同様のeVTOL実証機を飛行させており、夜間に
おける目視外飛行試験も実施していました。同社は来年までに、軽スポーツ機向けの新しい
モザイク特別耐空性規則に基づくFAAの承認取得を目指しています。
エア社は今週初め、インディアンタウン空港（X58）で同機による実飛行デモンストレー
ションを実施し、地方自治体の代表者、パートナー企業、顧客、投資家といった少人数の
参加者に同機の技術を披露したばかりです。同社は墜落の状況に関するコメント要請に直ちには応じていません。
8基の電動モーターを支える折りたたみ式の翼とアームが採用され、最大積載量は550ポンド、飛行時間は1時間、最高速度は135ノットの予定
空飛ぶクルマの試練：試験飛行中に発生したeVTOL墜落事故
エアタクシーや「空飛ぶクルマ」として期待されるeVTOLの開発競争が激化する一方で、
技術の壁は高く、試験飛行中の事故も相次いでいます。過去にジョビー・アビエーション
とバーティカル・エアロスペースの墜落事故がありました。
Joby Aviation（ジョビー・アビエーション）の墜落事故
事故の概要
ジョビー・アビエーションはeVTOL開発のリーディングカンパニーですが、2022年初頭に無人でのプロトタイプ試験機が墜落する事故を経験しています。
- 機種: Joby S4 プロトタイプ実験機（無人）
- 日時: 2022年2月16日
- 場所: 米国カリフォルニア州の遠隔飛行試験基地
- 人的被害: 無人での遠隔操縦だったため、人的被害はありませんでした。
- 状況:
- この日の試験飛行中、機体は時速370km（201ノット）という高速での飛行を記録していました。
- 事故は、機体が最大降下速度に達した後、発生しました。
- 原因の詳細 (NTSB報告に基づく):
- 調査報告書によると、主要な原因の一つは、推進ステーション3（右翼）のティルトローターのアクチュエータリンケージが故障し、一部のプロペラブレードが必要以上に急な角度（ピッチ）になったことです。
- これにより、ブレードの付け根付近が曲げ破損し、破断したブレードが隣接する推進ステーション4のプロペラに衝突するという連鎖的な故障が発生。その結果、複数のプロペラアセンブリが分離し、遠隔パイロット制御を喪失して墜落しました。
Vertical Aerospace VX4（バーティカル・エアロスペース）の墜落事故
事故の概要
バーティカル・エアロスペースも、有人飛行への移行を視野に入れた重要なテスト段階で墜落事故を起こしました。
- 機種: Vertical Aerospace VX4 プロトタイプ（無人）
- 日時: 2023年8月9日
- 場所: イギリス、コッツウォルド空港
- 人的被害: 無人での遠隔操縦だったため、怪我人はいませんでした。
- 状況:
- この事故は、将来の有人運用にとって極めて重要とされる「モーターに不具合が生じた場合を想定したテスト飛行」、つまりインフライト・シャットダウンの試験中に発生しました。
- 機体は高度約6メートルという低い高さからバランスを失って墜落し、炭素繊維の機体やローターが大きく破損しました。
- 原因の詳細:
- 予備調査の結果、根本的な原因はプロペラの欠陥にあるとされています。
- このテストは、万が一推進システムの一部が故障しても、残りのシステムで操縦性を維持できるかを確認するためのものでしたが、この試験中に機体の制御が失われました。
まとめ
これらの事故は、eVTOLが従来の航空機にはない複雑なマルチローターシステムと高密度な
バッテリー、そして高度な制御ソフトウェアを統合しているため、開発プロセスにおける
安全性の確保が非常に難しいことを示しています。
特に、ジョビーとバーティカルの事例は、どちらも推進システム（モーターやプロペラ）
の故障が原因の核心にあり、eVTOL設計の最大の課題である「故障時でも安全を維持する
冗長性（リダンダンシー）」の確保がいかに重要であるかを物語っています。この種の事故
から得られるデータが、最終的に安全な商業運行を実現するための貴重な教訓となります。
しかしながら、開発が遅れてしまうことは避けられません。早期の原因究明が求められます。
コメント