アントノフという夢と希望

飛行機

皆さん、こんにちは。

最近TVや新聞、メディアでは毎日のように『ロシアのウクライナ侵攻』をやっています。

改めて戦争の悲惨さを思い知らされて心が痛みます。

その中でも、我々飛行機好きのものにとって衝撃的なニュースが飛び込んできました。

それは、2月24日、ロシア軍によるアントノフ225飛行機の破壊です。

皆さんの中にもニュースで残骸となったアントノフ225を観られた方も多いと思います。

このアントノフ225(An-225 ムーリア)は世界にだだ一機だけしか存在しなかった機体です。

本当に残念です。。。

それではこのアントノフ225の性能と歴史を解説します。

アントノフ225はウクライナのANTKアントーノウという会社が開発した超大型輸送機です。

そして、世界史上最長(全長84m)、また世界史上最も重い(最大離陸重量64万トン)の

エンジンを6機搭載した空の要塞といえる飛行機です。

1980年代、ソ連が再使用型宇宙往還機『ブラン』(ソ連版スペースシャトル)を輸送するために開発が始まりました。当初は2機作る予定でしたが、最終的には1機のみ製造されました。

日本に飛来したのは

2010年2月9日、ハイチ大地震復興支援で防衛省が重機100機以上を運搬するためにチャーターしました。成田空港に初めて着陸しました。これが初来日です。

同年6月21日に燃料補給のため中部国際空港に飛来しています。

2011年3月にはフランス政府が東日本大震災の支援のためにチャーターして、成田と仙台空港に着陸しています。

2020年にはコロナの医療品輸送で中部国際空港に飛来しています。

 

それでは、このアントノフ225がいかにすごい機体であったか!

まずはその大きさ。

全長は84m、B747(ジャンボ)76m、エアバスA380は73m。

最大離陸重量 64万トン、B747 42万トン、A380 58万トン。

いずれも世界最大です。ギネスブック登録済み!

私は以前、中東の航空会社で働いていました。

その会社では、アントノフ124(Anー124 ルスラーン)を現在も持っています。

全長69m、全幅73m、最大積載量150トン(Anー225は250トン)とAnー225より小ぶりですが、An-225の基礎となった機体です。これでも十分大きいのですが。

ちなみに私がその当時乗っていた飛行機は、エアバスA300-600R(F)です。

右の写真ベルーガはA300-600が原型です。

アントノフ124はドバイで開催される競馬の馬を運んだり、モータースポーツのF-1(フォーミュラワン)のレーシングマシンを運んだりしていました。パイロットは全てロシア人でしたが。

 

今回破壊されたアントノフ225(ムーリア)はウクライナ語で

『夢、希望』という意味です。

この夢と希望が破壊されてしまいましたが、人々が生きていれば再び夢と希望を抱いて

ムーリアの復活を成し遂げてくれると期待します。

建造中の2号機は予算不足のため、機体の6~7割の段階で製造中止となっているそうです。

それでは、この戦争が早く終わることを祈って、次回またお目にかかりましょう。

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