皆さんこんにちは!
多くの問題を抱えているボーイングですが、やっと787の出荷の許可が下りました。
ボーイングは先月23日、787の前方圧力隔壁に関してサプライヤーによる解析
ミスが見つかったとして、787の納入を停止していました。
ドリームライナー出荷再開
サウジアラビア、80機購入
ボーイングは、中型旅客機「787ドリームライナー」80機弱をサウジアラビア
の航空2社に売却します。 早ければ14日に正式発表される見通し。取引総額は
定価ベースで370億ドル(約5兆円)近くとみられますが、実際の金額は公表さ
れないケースが多い。 関係者の話では、国営航空会社サウディアと新たに立ち上げ
られた国営リヤド航空が計78機を購入し、43機の追加購入オプションも設定さ
れています。 サウジのムハンマド皇太子は12日、リヤド航空の設立を正式に発表。
6000億ドルを超える資産を運用し、ムハンマド皇太子の脱石油依存に向けた投資
で主導的役割を果たしている政府系ファンドのパブリック・インベストメント・ファ
ンド(PIF)が100%所有しています。
2017年にサウジアラビアの王位継承第1位となった若きプリンスムハンマド皇太子は、
石油依存から脱却し、最大のライバル国イランの影響力に対抗すべく強硬な外交政策
を打ち出すなど、大胆な変革者として名を馳せています。経済面では、脱石油依存を
掲げた「ビジョン2030」と銘打った大改革を発表。そのなかで、女性の経済的役
割拡大や国営石油会社サウジアラムコの一部民営化など、経済の多様化を打ち出して
います。
ZIPAIR 、初の新造機受領
ZIPAIR Tokyoは、初の新造機となるボーイング787-8型機(機体記号:JA850J)
を空輸すると発表しました。
ボーイングの工場がある、アメリカ・サウスカロライナ州のチャールストンを3月
17日午後3時半に出発し、ZIPAIRの拠点がある東京/成田には翌18日の午後6時50
分にも到着します。今春にもボーイング787-8型機3機を導入する計画です。
残る問題
767/KC-46 の問題
ボーイング767/KC-46Aの場合、ボーイングのサプライヤーであるトライアンフ
が中央の燃料タンクの塗装方法を変更しました。後に塗装の剥がれが発見された
のです。潜在的に、この問題は燃料の流れを妨げる可能性があります。
現在でもボーイング767/KC-46Aは出荷を停止したままです。
航空自衛隊は、KC-46Aと同じ767をベースに開発された空中給油・輸送機の
「KC-767」を4機保有しています。これは以前に製造されているために今回の問題
とは関係なく運航されています。
ボーイング767/KC-46A(写真ボーイング)
ブリティッシュ・エアウェイズ38便事故・ボーイング777
2008年1月17日、中国の北京空港からイギリスのロンドンヒースロー空港に向か
っていたブリティッシュ・エアウエイズ38便は、着陸のため通常通りアプローチ
を行っていました。滑走路の手前2マイル (3.2 km)、高度600フィート (180 m)
の地点からエンジンのスロットルへの反応が全く無くなりました。そのため急激
に高度を落とし、午後0時34分(現地時間及び協定世界時)に滑走路の手前300m
の不整地へ墜落し、機体下部を地上に擦りながら滑走路直前で停止。機体はその
衝撃で右主脚が脱落し、左主脚が左主翼の付け根を破損させ、エンジン及び主翼
から燃料が大量に漏れましたが、火災は発生しませんでした。着陸体制に入って
いたため乗員乗客全員がシートベルトをしていたことと、その後の緊急脱出に成
功したため死者は出ませんでした。
墜落の衝撃などで乗客1人が重傷、乗員4人と乗客8人が軽傷を負いました。
事故の原因として飛行中に燃料供給システム内で燃料中の水分が凝固し、燃料/
オイル熱交換器に詰まり、エンジンに供給される燃料が制限され、両方のエン
ジンの推力が減少したためとしています。
事故再発防止対策として、運航マニュアルの変更及び燃料/オイル熱交換器の設
計変更と交換が推奨されボーイング社及びロールス・ロイス社が対応しています。
この事故は、製造されて間もない機体で起こった事例でしたので、機体そのもの
の欠陥ではないかとうわさされていました。
737 MAXの問題
2018年、2019年に立て続けに墜落したボーイング737 MAX。ここに来てやっと
再開の目途が立ったのですが、先日お伝えしたようにソフトウェアの問題が急浮
上して再び休止に追い込まれています。専門家の予想では後1年くらいは再開の
予定は立たないとのことです。
ボーイング737MAXの納入が最大1年遅れる?
まとめ
ボーイング787の納入再開は、良いニュースです。しかし、まだボーイングはいく
つもの課題を抱えています。
ボーイングはすぐに、787 の問題に関して別のサプライヤーを非難しました。
スピリット エアロシステムズは、セクション 41 と呼ばれる圧力隔壁を含む前方
胴体を製造しています。ボーイングは、書類の欠陥が発見され、スピリットに責
任があると主張しました。スピリットはそれを否定しています。
ボーイングは、2019 年の 737 MAX の飛行停止と、飛行機の開発で発見された
すべてに起因する信頼性の問題を依然として抱えています。787 の製造上の欠陥
により、信頼性はさらに損なわれ、1 年以上にわたって納入が「一時停止」され
ました。
一方、航空機製造・組み立てメーカーのトライアンフが 767/KC-46 の一時停止の
責任を負っているように見えますが、トライアンフはその責任を受け入れる気はあり
ません。ボーイングの信頼性の問題を考えると、私はトライアンフの側に立ちます。
FAA は先週の議会証言で、ボーイングに対する監視を強化していると述べています。
ジャーナリストや航空宇宙アナリストの間では、ボーイングは問題や質問を回避する
ことでよく知られています。さらに重要なことは、規制当局に対するボーイングの
信頼性が損なわれたままであることです。そして、ボーイング社がいつこの問題を
解決できるかはまったく明らかではありません。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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