ボーイングCEOケリー・オートバーグ氏が語る

飛行機

皆さんこんにちは!

B737MAXの事故やキャビンドアの脱落事故など数々の不祥事を起こしてきたアメリカ・ボーイング社。

しかしトランプ政権に代わってその風向きが徐々に変ってきています。一連の裁判

(B737MAXの墜落事故訴訟、労働組合闘争など)に勝利、またB737の生産再開などぼーいんぐにとって明るいニュースが後押ししています。

インタビュー:ボーイングCEOケリー・オートバーグ氏

ケリー・オートバーグ氏は、2024年8月にボーイングの社長兼CEOに就任して以来、初めてと

なる詳細なインタビューで、ワシントン州レントンにあるボーイング737最終組立工場で、

インタビューに答えました。多岐にわたる、そしてしばしば率直な議論の中で、オートバーグ

氏は会社の立て直し、企業文化の改革、そして市場の不確実性を乗り越えるための計画を共有しました。

F-47戦闘機の契約

ボーイングにとって今年最大のニュースは、米空軍からF-47戦闘機の契約を獲得されたこと

です。おめでとうございます。

これは、当社が防衛プログラムにおいてこれまでに行った単一の投資としては過去最大規模と

なります。当社は長年にわたり投資を続けてきました。今回の競争は綿密に運営され、競合他

社よりも優れた提案を行うという素晴らしい仕事をしたと思います。試作機と設備に投資し、

その投資は報われたと考えています。現在、当社は第5世代戦闘機の供給体制を敷いていな

いため、これは当社にとって大きな勝利です。この第6世代機の供給体制は、セントルイス

における戦闘機運用の基盤を確固たるものにするものです。F-15とF/A-18のプログラムは

まだありますが、特にF/A-18は耐用年数が近づいています。ですから、これは今後数十年にわたり、当社にとって非常に重要な意味を持つでしょう。

ボーイングがF-47を獲得する前、同社の防衛事業は苦境に陥っていると広く見られていました。

スピンオフさせようとしても誰が欲しがるのかという疑問さえありました。今回の買収は、

戦闘機事業における将来の基盤を再構築するものです。T-7練習機フランチャイズも既に稼働

を開始しており、KC-46空中給油機フランチャイズも継続しています。これは様々な意味で重

要な要素でした。これは初の第6世代機プログラムであり、それを実現する技術は既に整って

いました。おそらく多くの人が驚いたことでしょう。このプログラムへの投資が暗雲の中で

続けてきたことは、まさに功を奏しました。最先端の次世代機能力を提供するための基盤が既

に整っていることを嬉しく思います。防衛事業で培った経験の一部は、次世代の民生用プラッ

トフォームを考える上でも役立つでしょう。つまり、この事業を回復させるために必要な基盤

は既に整っているということです。一歩も譲らず、回復できないのではないかと心配しているわけではありません。もっと上手く実行する必要があるだけです。

これまでプログラム遂行に力を入れてきましたが、ボーイングはF-47においてどのような点を変えているのでしょうか?

ベースライン管理をより厳格化し、サプライチェーンと契約内容の整合性を確保しています。

過去に締結した大型固定価格契約の中には、サプライチェーンとの整合性が確保されていなか

ったために問題が発生し、大きな課題に直面したものもあります。そのため、私たちはその点

をしっかりと理解することに注力し、リスク軽減のために多額の投資を行ってきました。この

種のプログラムとしては非常に成熟した段階にあります。開発をより迅速に進め、開発の途中でリスクを負うことがないようにしていきます。

トランプ関税

左から:ケリー・オートバーグ、ドナルド・トランプ

「私は政権、そして大統領まで定期的に連絡を取り合っています」とオルトバーグ氏は語る。写真:ウィン・マクネーミー/ゲッティイメージズ

現在の関税政策がボーイング民間航空機部門(BCA)にもたらす最も大きなリスクを2、3つ教えてください。

当社が10%の関税を支払っている入力関税は、主に日本とイタリアでの主翼と胴体の生産に

影響しています。当社はそれらの[コスト]を顧客に転嫁できる立場にありません。各国との交

渉が解決するにつれて、これらの関税は長期的にはなくなると期待しています。幸いなことに

当社のサプライチェーンの80%は米国製です。場合によっては、関税を支払ってから航空

機を[輸出]すると、実際に関税を取り消すことができます。当社の受注残の大部分は海外向

けであるため、これはマージンのパフォーマンスの問題というよりも、キャッシュのタイミングの問題です。

もう一つの問題、おそらくもっと影響が大きいのは、報復関税が課されるかどうかです。

まさに今、中国でそれが起こっており、中国の航空会社は(米国製)航空機の納入を受けら

れなくなっています。この状況がエスカレートして、他国が報復関税を課し、現在生産体制に

ある航空機を納入できなくなるような事態にならないことを願っています。現在、航空機全体

の需要は非常に高いので、納入できない地域があれば、(別の買い手を見つける)ことは可

能です。しかし、航空機は航空会社の機体塗装や内装に合わせて設計されているため、すぐに

切り替えるのは容易ではありません。そのため、別の顧客に販売するには労力がかかります。

私は政権、そして大統領に至るまで、定期的に連絡を取り合っています。彼らは明らかに

航空宇宙・防衛事業が引き続き輸出の原動力となるよう注力しています。彼らは非常に注意深

く見守っており、私たちを助けようと考えています。私たちを傷つけるつもりはありません。

今は非常に変化の激しい時代です。関税に関しては毎日が新しい日です。

宇宙ビジネス

ボーイングは、NASAのスペース・ローンチ・システム(SLS)コアステージの主契約者です。トランプ政権はSLSの廃止を提案しており、NASAの将来の方向性には大きな不確実性があります。宇宙はボーイングの将来の中核を担うと考えていますか?

もちろんです。スターライナー(ボーイングの有人宇宙船)で経験したいくつかの課題が、

私たちの宇宙事業ポートフォリオに影を落としていると思います。私たちは、特に国家安全

保障上の宇宙体制において、非常に充実したポートフォリオを有しています。有人宇宙、

商業宇宙、そしてNASA事業は、予算の配分と、国がこれらのプログラムにどれだけ投資し

たいかに左右されると思います。しかし、それは私たちの宇宙と国家安全保障への全体的なコ

ミットメントに影響を与えるものではありません。X-37B(軌道試験機)の開発に取り組ん

でいることで、将来的には大きなチャンスが私たちにはあります。私たちは宇宙分野における

世界のリーダーです。その多くは機密事項ですが、宇宙分野へのコミットメントは継続していきます。

SLSは別の形で存続できると思いますか?あるいは少なくともさらに延長できると思いますか?

私には特別な見解はありません。皆さんと同じように、予算と(トランプ)政権の優先事項を

注視しています。私たちは、それがどうなるかに応じて対応しなければなりません。あと数回

の打ち上げの後、縮小されるのか、それとも方向転換されるのかはまだ分かりません。

ボーイング社がNASAのX-66遷音速トラスブレース翼実証機の開発を凍結するという決定は、少々驚きでした。前任者のデイブ・カルフーン氏は、X-66を737単通路機の後継機市場への有望な道筋として示唆していました。何が変わったのでしょうか?

このプログラムから得られると期待していた価値ほど大きな変化があったとは思えません。

私たちは、将来の航空機プログラムにより大きなインパクトを与えると考えられる分野への

投資を継続するために、リソースを振り向けました。つまり、技術開発の面で必要な成果が得

られない試作機に貴重なリソースを費やさないようにしているのだと思います。X-66は素晴

らしいプログラムであり、私たちはそこから多くのことを学びました。そして、将来の航空機に価値をもたらすと考える要素への投資を継続していきます。

つまり、薄翼技術のことですか?

はい。航空機のいわゆる日常的なメンテナンスに多くのリソースを費やしたくありませんで

した。私たちはテクノロジー分野に注力しています。それが今、私たちが目にしている変化です。

次期民間航空機

ボーイングの次期民間航空機について、研究の優先順位はどこにあるとお考えですか?

商業的な観点から言えば、当面の優先事項は、現在の開発プログラムの認証プロセスを完了さ

せることです。737 MAXの2つの派生型を今年中に完成させ、-7と-10の納入を開始したいと

考えています。この2機種は、お客様にとっても受注残にとっても非常に重要な機体です。

そして、市場最大の双発ワイドボディ機となる777-9の開発です。現在4機の777-9が飛行

試験中で、大きな進展を見せています。これは私たちにとって画期的なプラットフォームになると考えています。

次に何が起こるかという点では、私はそれをさまざまな作業ストリームとして捉えています。

1つは「市場の準備はいつ整うのか?」、2つは「技術の準備はいつ整うのか?」、そして3つは「私たちの準備はいつ整い、財政的に対応できるようになるのか?」です。

現時点では、これらの作業のいずれにも着手できていませんが、市場が新型航空機の導入を待

ち望んでいる段階では、準備が整っている必要があります。5,000億ドル規模の受注残を抱

えており、そのほとんどは民生用製品です。これらの製品への需要は非常に高く、既存機の

改修、新型エンジンや新型機能の搭載に注力していく必要があると考えています。

中堅企業向け航空機の需要は伸びており、ボーイングも5年前にこの分野に注目していました。現在、JetZeroのようなスタートアップ企業がこの市場への参入を模索しています。2030年代に向けて新製品の開発を検討される予定はありますか?

私たちは常に模索しています。模索することと、実際に製品を立ち上げることは別問題です。

私たちは回復の初期段階にあり、依然としてキャッシュフローはマイナスです。この状況は

今年後半までに好転させる予定ですが、そのためには会社を健全化させる必要があります。

準備のために調査は継続しますが、具体的な日程は決めていません。なぜなら、これら3つ

の作業ストリーム全てから承認を得る必要があるからです。そして今、全てが承認を得られ

ていない状態です。しかし、回復が軌道に乗り、より柔軟に対応できるようになることを願っています。

エアバスが市場優位性において大きく先行しすぎているのではないかと懸念していますか?

いいえ。737-10の認証取得において、その市場セグメントでは遅れをとっています。競争力

を高めるためには、この機体の認証を取得する必要があります。ワイドボディ機の製品ライン

は好調です。777の導入も必要です。しかし、大きく遅れをとっていることについては、それ

ほど心配していません。次世代機への備えとして、社内ではこれまで触れていないような研究を進めています。

BCAのリーダーシップの重点分野として認証を挙げ、ボーイングがより積極的に取り組む必要があるとおっしゃいました。これについて詳しく説明していただけますか?

私が具体的に申し上げたのは、FAAとより積極的に連携し、認証プロセス、特に事務手続きや

書類審査、あるいはFAAと我々の間での書類のやり取りにおいて、継続的な遅延が発生しない

ようにすることです。FAAの新しいリーダーシップには非常に勇気づけられています。運輸省

のショーン・ダフィー長官と会談し、彼は我々の職員と直接話し合いました。このプロセスを

合理化するために協力する必要があります。プロセスはあまりにも長期化しています。進展は

見られます。最近、777-9のFAA型式検査認可を取得しました。しかし、特に777Xについ

ては、認証を完了するためにまだ多くの作業が必要です。これは、今年残りの期間、我々が引き続き注力していく課題です。

777Xプログラムは2013年のドバイ航空ショーで発表されました。あなたはプログラムの主要サプライヤーであるロックウェル・コリンズのCEOに就任したばかりでした。当時、2025年になってもまだ運航されていないとは想像できましたか?

いいえ。今でも衝撃を受けています。今は、777Xプログラム以外の状況も一部影響しています。

777Xプログラムで新たに導入された規制や認証プロセス全体は、777Xの問題というより

も、MAXの状況に大きく左右されました。777Xが何年も運航されていないのは驚きです。

しかし、実際にはそうではありません。今、目の前の課題は、777Xを最終的に運航させることです。

現在のプログラムの進捗状況にご満足いただいていますか?

はい。現在飛行中の4機の性能は素晴らしいです。この機体の飛行時間は、これまで量産機

として運用してきたどの機体よりも長くなっています。ですから、順調な就航開始に非常に

満足しています。お客様は、この機体の価値を理解してくださり、長い遅延の間も私たちを

支えてくださりました。近い将来に控えている認証取得の課題を乗り越えれば、私たちにとって素晴らしい製品になると信じています。

777生産施設

777の生産フローの大部分は貨物機が占めているが、背景に映っているシンガポール航空向けの「モデル初号機」のような、新造777-9の組立も増加している。写真提供:ボーイング

737 MAXの生産増強はどの程度進んでいますか?

現在、3つのラインが稼働しており、FAA(連邦航空局)が定める月産38機という生産率

上限があります。この38機を超えることが重要です。いつ、どの月に生産するかは、安定し

た品質システムを確保し、安定的に生産率を高められることよりも重要です。当社は資金繰り

が悪化しており、キャッシュフローを生み出すためには、737 MAXの生産機数を月産38機

から40機程度に増やす必要があります。そのため、生産率を上げることは、全体的な回復に

とって重要です。しかし、当社は安全・品質計画に基づき、賢明かつ安全な方法でこれを

実行します。年初来、納入機数は計画を上回っており、納入機数を遅らせているのではな

く、安全・品質計画を推進してきたのです。ですから、これは当社の望み通りに進んでいます。

現在の777F貨物機は貴社にとって貴重な収益源ですが、国際民間航空機関(ICAO)の排出ガス規制により、2027年に生産を終了する必要があります。その期限までに既存の受注残を納品できますか?

金属翼の貨物機を納入し、認証取得のスケジュールを満たすことには、ほぼ自信を持ってい

ます。ご存知の通り、複合材翼を採用した別の貨物機バージョンもございますので、そちら

は後日となります。しかし、その能力にはほぼ自信を持っており、貨物機の製造フローも順調に進んでいます。

もう一つの遅延しているプログラムは、新型エアフォースワンです。ドナルド・トランプ氏は2016年の大統領選当選時にこの件について不満を述べました。それから8年半が経った今でも、彼はまだ待っており、不満を抱いています。このプログラムを異なる方法で実行するために、どのような変更を加える予定ですか?

多くの変更が必要です。大統領は、このプログラムの見直しにあたり、イーロン・マスク氏に

監督と支援を依頼しました。私たちは、達成不可能な要件に苦戦してきました。いくつかの

ケースでは、それらの要件から解放され、イーロン氏は非常に協力的でした。この航空機の

開発は、過去4年間よりも、この4ヶ月間ではるかに進展しました。現在、いくつかの案件を

締め切っており、設計はほぼ完了に近づいています。あとは、その設計に沿って航空機を組み

立てていくだけです。進捗状況には非常に満足しています。大統領にとって、これは十分な速

さではありません。大統領もその点を明確に示しています。ですから、私たちは開発を加速さ

せるためにあらゆる努力をするつもりです。とはいえ、手抜きは一切していません。この飛行

機が極めて安全であり、大統領と国家安全保障のニーズを満たしていることを確認しなければなりません。

プログラムの進捗状況はいかがですか?

設計レビューを複数回実施してきました。空軍にはまだスケジュールを公表​​していませんが、

近づいていると考えています。空軍は2027年の納入についていくつか声明を出しています

が、当初の予定から大幅に前倒しになっています。そのため、空軍と調整の上、スケジュールの詳細について今後公表していく予定です。

ボーイングの社内安全・品質計画の主眼は、工場の現場に至るまで変革の文化を浸透させることです。現場の人々は、安全第一というシステム、そして経営陣の姿勢を受け入れなければなりません。CEOとして、この変革を推進するために最も効果的なことは何でしょうか?

大規模な文化変革は、私が経営幹部に強く訴える重要な課題の一つです。私は経営陣に対し

航空機の製造・設計に携わる人々とより緊密に連携する必要性について語りました。まさに

それが、私がシアトルにいる理由です。だからこそ、このインタビューの直後、737 MAXを

製造している工場の現場に赴き、彼らと話をする予定です。私たちはより緊密に連携し、従

業員が成功できるよう支援していく必要があります。今年、5年ぶりに従業員の声を聴取する

アンケートを実施しました。改善すべき点について、貴重なフィードバックが得られました。

現在、その改善に向けた行動計画を策定中です。私は企業文化の変革に尽力してきました。

それは壁に貼られたポスターのようなものではありません。人々はリーダーシップの行動を見

ています。そして、それが変化の原動力となります。今年は、それを組織に浸透させる上で

重要な年となるでしょう。人々は、私たちがトップダウンで有言実行している姿を見る必要があります。

オルトバーグがAviation Weekの3人の記者に語る
737 MAX西組立ラインの前に立つオートバーグ氏と、アビエーション・ウィーク誌編集長(左から)ジョー・アンセルモ氏、ショーン・ブロデリック氏、(右端)ガイ・ノリス氏。写真提供:マリアン・ロックハート/ボーイング
安全管理、経営

リーダーシップチームにいくつか変更がありましたね。今のチーム構成で、近い将来も進んでいくのでしょうか?

リーダーシップチームは順調に成長しており、進展が見え始めていることがプラスに働いて

います。しかし、必要に応じてチームを補充していくつもりです。今年、私たちの価値観と

行動規範の実践を進めていく中で、リーダーシップに変化が起こる可能性があります。私の

直属の上司ではないかもしれませんが、他のレベルでは変化が起こるかもしれません。なぜ

なら、私たちは会社の文化を変革していくことを明確にしており、リーダーたちがそれを受

け入れなければ、その役割に別の人材を投入する必要があるからです。私たちの将来にとっ

て重要な文化変革を推進するために必要な変更は、躊躇することなく行っていきます。

あなたは、旧ロックウェル・コリンズの企業文化改革で高い評価を得ています。ボーイングははるかに大きな企業です。ボーイングほどの巨大企業で、官僚主義や社内の複雑さをどのように削減するのでしょうか?

良い質問ですね。私がコリンズ・エアロスペースを率いていた頃は、従業員数は7万7000人

でした。ボーイングでは16万人と、規模が大きく異なります。そして、企業文化の変革を

スケールアップすることが、おそらく私にとって最大の課題です。昨年秋に人員削減を実施

した際、私たちは管理職層に焦点を当て、特定の分野では2つの管理職層を丸々廃止しまし

た。これにより、意思決定の迅速化、効率化、従業員とのより緊密な関係構築が可能になり

ました。プロセスは同じです。ただ規模が大きく、より綿密な作業が必要となり、おそらく時間もかかるでしょう。

ボーイングは第1四半期に減損損失を計上しませんでした。これは、四半期ごとに減損損失を計上するのを止めたことを意味するのでしょうか?

減損損失はゼロで好調な四半期でしたが、決して勝利を宣言しているわけではありません。

固定価格の(軍事)プログラムについては、まだ多くの課題が残っています。チームがベー

スライン管理に重点を置いていることを誇りに思います。また、顧客と協力してWin-Winの

関係を築くために契約を調整しているケースもあります。これにより、私たちの成功率が向

上し、顧客はより早く製品を入手できるようになります。T-7は、いわば私たちのケーススタ

ディ・プログラムです。空軍との(合意覚書)を通じて、このプログラムを再構築しました。

新たなマイルストーンは予定通りに達成しており、顧客は非常に満足しています。顧客と

協力してWin-Winの関係を築く環境が整えば整うほど、大規模な(減損損失)は減少しま

す。私たちは重点分野を転換し、これらの大型固定価格プログラムで前進していると考えています。

ボーイング・グローバル・サービス(BGS)は最近、プラットフォームに依存しない複数の事業を売却しました。今後、BGSは特定のプラットフォームに依存しない事業ではなく、ボーイングのプログラムのサポートに重点を置くようになるのでしょうか?

答えは2つあります。ボーイングのプログラム、そしてもちろん自社製部品は、当社の経済

的な原動力とお客様へのサポートにとって極めて重要です。これは当社の中核事業です。しか

し、ボーイング以外の部品を販売する部品流通事業も展開しています。これは優れた事業で

良好なキャッシュフローを生み出し、非常に好調に運営されています。そのため、BGS事業は

引き続き当社の中核事業であると考えています。ただし、ポートフォリオ全体を見渡してい

ます。先ほどデジタルデータサービス事業におけるBGSの売却についてお話しましたが、当社

の事業の中核に価値を生み出さない可能性のある事業については、引き続き検討していきます。

しかし、BGS事業は当社の成功、お客様の成功、そして当社の将来にとって極めて重要です。

持続可能性は突然時代遅れになったように思えます。2050年までに炭素排出量を実質ゼロにするという目標を業界が達成できる可能性はあると思いますか?

私たちにとって大きなチャンスがあると思いますが、SAF(持続可能な航空燃料)のような

技術への投資を継続する必要があります。SAFは重要な役割を担う必要があります。私たち

はSAFのサプライヤーではありませんが、すべての航空機が100% SAF対応であることを保

証したいと考えています。そのため、SAFへの投資を行い、航空会社が炭素クレジット取引

の実施方法を検討し、効率性を向上させるための支援を続けています。これが道筋だと考え

ています。万能薬ではありません。実現できるかどうかは分かりませんが、これは崇高な

目標であり、私たちはそれに可能な限り近づくために、あらゆる努力を続けるべきです。

まとめ

新CEOが就任して間もなく1年が経とうとしています。ボーイングにとって良いタイミングでの政権交代がなされています。

トランプ政権は、『アメリカンファースト』を掲げて自国の産業の保護に当たっています。

トランプ関税も今の時点ではボーイングに有利に働いています。

中でも次期主力戦闘機F-47の存在が大きいことです。これによりボーイングの軍事産業は事業を大きくリードして行くでしょう。

しかし、懸念材料は安全面と良好な労使関係です。B737MAXの影響は、生産性だけではなく、信頼性を失ってしまったからです。

今後同じ様な事故がおからないように、システムの改善だけでなく細かな教育プログラムを充実させることが重要です。

また、エアバスA350に対抗できる新機種の開発や、エアホースワンの製造の遅れがトランプ氏の機嫌を損ねないようにしなければなりません。

ボーイングの改革はまだ始まったばかりです。今後も新CEOの手腕が問われることは間違いないでしょう。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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