ビジネスジェットは今後10年間で11,900機の航空機を納入

飛行機

皆さんこんにちは!

世界中で需要が増えているビジネスジェット機。今後10年で1万機以上の航空機が製造され

るとの研究結果が出ました。

10年間で11,900機の航空機を納入すると予測

Aviation Week が新たに発表した Business Aviation Fleet & MRO 予測では、2025 年か

ら2034 年までの 10 年間で、9,000 機を超える新しいビジネス ジェット機と 2,800 機近く

のターボプロップ機が納入され、その価値は 2,980 億ドルに達すると予測されています。

機体の納入台数は、全ジェット機納入台数の 27% を占める小型ジェット機がトップを占め

ると予測されており、超長距離ビジネス ジェット機、超中型ジェット機、超軽量ジェット機、

大型ジェット機、中型ジェット機がこれに続きます。

しかし、小売納入額では、1,478億ドル相当の新型超長距離ジェット機と417億ドル相当の

大型キャビンジェット機が、他のすべてのカテゴリーをリードします。北米は1,870億ドル相

当の納入を受け入れ、西ヨーロッパは500億ドルでそれに続きます。

「最近市場が軟化した後、新しい航空機の納入は依然として異常に高い需要と価格上昇が見ら

れ、中古航空機の価格はやや下落しています。納入市場は、過去10年間に見られた通常の活動

の上限で安定すると考えています」と、Aviation Week Networkの予測および航空宇

宙インサイト担当シニアディレクター、ブライアン・コウ氏は語ります。「大型カテゴリーの

ジェット機と単発ターボプロップ機は堅調に推移しているようです。」

テキストロン・アビエーションの航空機の納入は、この10年間で市場最大のセグメントを占め

総出荷数の26%を占めると予測されており、ガルフストリームジェットが16%でそれに続く

予想です。ピラタス・エアクラフト、エンブラエル、ボンバルディアがそれぞれ 10% のシェ

アでこれに続きます。

10年間で、約 6,600 機の旧式ビジネス ジェット機とターボプロップ機が退役すると予測さ

れており、年間退役機数は 2031 年に 744 機でピークに達します。

退役機の上位には、セスナ サイテーション、ホーカー 800、キング エア 90、リアジェット

モデル航空機が含まれると予測されています。

2025年から2034年にかけて、世界で運用中のビジネスジェット機とターボプロップ機のフリ

ート数は、2025年の35,443機から2034年には40,107機に増加し、10年間の複合平均成長

率(CAGR)は1.4%となる見込みで、2034年までに小型ジェット機が27%でフリートの最大

セグメントを占め、大型ジェット機が21%、中型ジェット機が19%と続きます。一方、メンテ

ナンス、修理、オーバーホールの需要は、10年間で合計1,461億ドルとなり、3.2%のCAGR

(複合年間成長率)で増加すると予測されています。トップラインの結果のうち、エンジン

MRO需要は、この期間に合計399億ドル、CAGR 4.8%で、10年間で49,000件を超える

主要なエンジンイベントが見込まれています。

航空機セグメント別に見ると、今後10年間のMRO需要の最大シェアは大型ジェット機で、期

間中に38%を占めると予想されており、中型ジェット機と小型ジェット機がそれぞれ29%と

18%でそれに続くと予想されています。

レガシー 500 の価値提案

ナイジェル・プレベットの写真

レガシー 500 は、フライ・バイ・ワイヤ飛行制御を備えた同カテゴリー初のジェット機でした。

クレジット: ナイジェル・プレベット/アビエーション・ウィーク

エンブラエルの専門家によると、エンブラエルのニッチ市場に位置する中型機レガシー500は

今日の中古機市場において価値ある提案だといいます。

エンブラエルは、2014年にレガシー500、2015年に小型のレガシー450をそれぞれ発表

し、市場に衝撃を与えました。これらの機種は、完全なエンベロープ保護機能を備えたフラ

イ・バイ・ワイヤ(FBW)飛行制御とパイロット用サイドスティックコントローラーを備えて

おり同カテゴリーで初めてそのような装備を備えたジェット機でした。

4 年以内に、エンブラエルは中型機の Praetor 500 と超中型機の Praetor 600 を発表しました。

Praetor 500 は レガシー450 を、600 は レガシー 500 をベースにしており、新しい後退

翼、燃料容量の増加、より強力な ハネウエル HTF 7500E ターボファンの採用により、性能

と航続距離が向上しています。Praetor は 2019 年に認証されました。

2,900 nm 範囲の レガシー 450 (EMB-545 タイプ) は、3,340 nm 範囲の Praetor 500 に

改造できます。このプロセスには、燃料タンクのレベル センシング配線の交換、翼上の重力給

油ポートの移動、燃料測定システムの再配置、および追加重量を支えるための翼リブの強化

が含まれます。調整には、飛行制御システムと Collins Pro Line Fusion 航空電子機器の更新

が必要です。新しい後退翼端板が取り付けられます。

エンブラエルは、コネチカット州ウィンザーロックスのブラッドリー国際空港にあるエグゼク

ティブ ジェット サービス センターで最初のレガシー 450/プラエトル 500 の改造を完了し、

2020 年 6 月にジェット機を納入しました。

ただし、レガシー 500 として製造された EMB-550 機体は、新しいモデルのシステム変

更により、同様に Praetor 600 にアップグレードすることはできません。

カンザス州ニューセンチュリーに本拠を置く航空機ディーラー、ジェットアビバの社長、ライ

アン・スコット氏は、エンブラエルがレガシーの製造からプラエトルの製造に移行したことを

良く覚えています。2021年にジェットアビバに入社する前、スコット氏は新興企業のブー

ム・スーパーソニックで営業を指揮し、その後29年間エンブラエルに勤務し、エグゼクティ

ブ・ジェット部門の設立に携わりました。

「プラエターを製造していたとき、残念ながらレガシー 500 を改造しなければならないこと

はわかっていました。その飛行機をプラエター 600 に改造する資金がなかったからです」と

スコット氏は言う。「[レガシー 500] は独立した飛行機です。」

通常 8 人の乗客を乗せる レガシー500 は、2 基のハネウエル HTF 7500E で駆動され、それ

ぞれが離陸時に 6,540 ポンドの推力を生み出し、Collins Pro Line Fusion 航空電子機器が

装備されています。最大離陸重量 (38,360 ポンド) では、海面での標準的な日に離陸するに

は4,084 フィートの滑走路が必要で、着陸には 2,122 フィートが必要です。

レガシー 500 の最大巡航速度は 466 ノットです。エンブラエル社によると、乗客 4 名、パイ

ロット 2 名、NBAA IFR 予備員を乗せた状態での最大航続距離は 3,125 海里で、ロサ​​ンゼ

ルスからホノルル、またはニュージャージー州テターボロからロンドンへの直行便が運航可能です。

ジェットアビバの幹部は、最大航続距離は 3,200~3,400 海里に達したと語っています。

Aviation Week の フリートデターベース は、10 月の時点で 83 機の Legacy 500 が運用中

であると数えており、そのうち 46 機は北米に、16 機はラテンアメリカと西ヨーロッパに

それぞれ配備されていました。1 機は第三者が所有していたのです。

「たくさんの飛行機」

レガシー500は1400万ドルで販売されていた。写真提供:ナイジェル・プレベット/アビエーション・ウィーク

10月初旬時点で中古のレガシー500が9機、市場に出ているものも出ていないものも販売され

ており、今年の平均販売価格は1387万5000ドルだと、ジェットアビバの営業担当スペシャリ

スト、スコット氏とイーガン・ゾンカ氏は語りました。レガシー500と販売を争う他の機種と

しては、ボンバルディア・チャレンジャー300/350、ガルフストリームG280、セスナ・

サイテーション・ロンジチュードなどがあります。

「レガシー 500 を 1,380 万ドルで購入できるということは、その金額に見合った価値のある

飛行機だ」とルゾンカ氏は言います。「フライバイワイヤ、低い客室高度、広い客室、そして

あらゆるテクノロジーを備えた 1,400 万ドルの飛行機。この飛行機は、今日の市場ではおそ

らく割安だ」

ルゾンカ氏によると、レガシー500の昨年の販売は低調で、他の航空機よりも市場に長く残っ

ているという。主に価格引き下げにより、7月下旬から8月にかけて購入者の関心が高まった

ということです。

レガシー 500 も同系列内で競合しています。4,018 nm まで飛行可能な Praetor 600 は、

航続距離でレガシー 500 を上回り、Aircraft Bluebook によりますと、平均小売価格 (前四

半期末の中間期の平均航空機の平均価格) は 2,330 万ドルです。小型の Praetor 500

(旧レガシー450) は、航続距離ではレガシー 500 に近いですが、4 人の乗客で 3,340 nm

まで飛行可能でありますが、小売価格は 1,990 万ドル(約30億円)です。

スコット氏は次のように語っています。「お客様から、レガシー 500 を買ったらどうです

か、と聞かれることがあります。キャビンは広く、航続距離は同じで、現在市場に出回ってい

る数少ない Praetor 500 よりも実は安いのです。[レガシー 500] は興味深い位置にあります。

この飛行機は、現在市場に出回っている数少ない価値のある飛行機の 1 つだと考えています。」

キャビンの宿泊施設

典型的な客室には、クラブ シート、3 人掛けソファ、ベルト付きトイレが備わっています。クレジット: JetAviva

レガシー500 には、高さ 6 フィート、幅 6 フィート 10 インチ、長さ 68 フィートのフラッ

ト フロアの立ち席キャビンがあります。最も人気のあるキャビン レイアウトは、前方にダブ

ル クラブ シート、後方にシングル クラブ シート、右側に 3 人掛けの長椅子、ベルト付きト

イレがあります。

トイレの後ろには十分な内部荷物スペースがあり、「あらゆる旅行に必要なものの 99% を収

納できる」とスコット氏は言います。客室高度は 6,000 フィートで、競合機種と比べても遜

色ありません。

レガシー500 は 12 か月ごとに検査が行われ、60 か月と 120 か月に大規模な検査が行われま

す。エンジン検査は条件付きです。

ジェットアビバの幹部によると、レガシー500の運用にかかる固定費は平均90万ドル、変動費

は185万ドルで、年間予算は合計275万ドル、1時間当たり6,111ドル(年間450時間を想

定)となります。

まとめ

中古市場の価格も昨年から比べると落ち着いてきました。新規航空機が売れる中、中古市場も

注目を集めています。それは、エンジンの交換による性能向上、アビオニクスの近代化による

パイロットの負担を軽減。また客室をリノベーションすることによる刷新を図ります。

アビオニクスの近代化によって悪天候の運航率を向上することができます。客室のリノベーシ

ョンは、顧客に対するイメージを向上や利便性の向上だけではなく、総重量の低減となりペイ

ロード(可能積載重量)を増やすことができるのです。

これから機体製造工場の建設だけでなく、MRO(Maintenance Repair and Operations)

施設の建設、整備士の確保などサプライチェーンの雇用の拡大が経済全体を押し上げることが

期待できます。

はたしてこの予想通りになるのでしょうか?ビジネスジェットの需要は、欧米からアジア、

中東地域にシフトする予想もあります。アジア地域は、成長著しいタイ、ベトナム、そして

大国インドでの需要が期待できます。これらの国に共通することは、人口の増加とともに富裕

層人口の増加と規制緩和がキーポイントとなるでしょう。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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