コパイロットが操縦士を助ける

飛行機

皆さんこんにちは!

先日、マイクロソフトから『Copilot+PC』という新しいソフトが開発、発売されるという

ニュースがありました。これは、AI機能を搭載した新しいソフトで、検索や作業などを

AIがサポートしてくれるという機能です。

今日お伝えするのは、航空機にAIを搭載して行く行くはパイロット一人で操縦するという

お話です。技術の進化はすぐそこまで来ています。

AI を活用した自律性を目指す

ソフトウェア開発会社デーダリアンは、パイロット支援、そして最終的には自律飛行を

実現する人工知能 (AI) ツールの開発に着手しています。これらのツールは、今後の航

空電子機器製品や航空機に組み込まれる予定です。

デーダリアンは、同社の AI ツールがパイロットにどのように役立つかを説明する際に

「状況知能」という用語を使用しています。デーダリアンが行っているのは、「この巨

大な AI 脳を作り、そこから魔法のような状況知能を生み出す」ことではないと、スイス

を拠点とする同社の創設者兼 CEO であるルーク・ファン・ダイク氏は述べました。

「私たちは認証可能な範囲内で作業する必要があります。従来のソフトウェアでは実現

が難しい機能にそれを使用します。」

AI が必要となるのは、従来のソフトウェアには、たとえば飛行機の写真を見て、どの

飛行機が写っているのか、飛行機が滑走路上にあるかを区別する機能がないためです。

このスキルは、AI を使用して航空機を発見し、他の交通を避けて安全に航行できるよう

にするために デーダリアンが進めている作業の鍵となります。 「AI技術なしではこれ

を捉えるのは難しい」とファン・ダイク氏は語りました。

「製品ロードマップはパイロット支援から始まり、次に単独操縦機、そして完全自律飛

行へと続きます」と、デーダリアンのアメリカ事業部長イエマヤ・ボーディン氏。

製品のひとつは、航空機の自動操縦装置と統合し、自律航行とリアルタイムの動的更新を

可能にする、AI強化飛行計画システムです。これにより、例えば低高度を飛行するeVTOL

のように、航空機が指定された経路を安全に飛行できるようになります。

「私たちは自律性を促進するための技術を同時に開発しています」と彼女は述べ、これは

FAAやEASAなどの規制当局と協力して行われていると述べました。

ハードウェア面では、デーダリアンは高性能コンピューターと、高解像度カメラやレーダ

ーなどのセンサーを設計しています。 「私たちは状況に応じたインテリジェンスにも取り

組んでいます」とボーディン氏は述べ、「現在および近年、人間のみに限定されてきた重

要な実現機能であるアプリケーションに AI を適用しています。」と述べました。

ダイダリアンの初期製品の一つは、航空電子機器メーカーのアビダイン社と共同で開発中

の機械学習による交通状況認識システム「パイロットアイ」です。「今年末か来年初めま

でに認証を取得することを目指しています」と同氏は語りました。

ボーデイン氏は、デーダリアン社がEASAの設計組織になるために申請したと述べました。

「この指定を取得することで、機械学習の認証方法を知っている世界で唯一の企業になる

ことを期待しています。」

デーダリアンと提携しているもう 1 つの航空電子機器メーカーは、Moog の Genesys

Aerosystems 部門です。 「彼らの市場開拓は、私たちがやりたいこととよく一致してい

ます」と彼女は言いました。 「私たちは、アビオニクスメーカー、航空機メーカーと協力

し、パートナーを通じてシステム全体を提供することで、バリューチェーン全体で協力で

きる企業であると自らを考えています。」

「これらは研究開発プロジェクトではなく、製品です」とファン・ダイク氏は語りました。

「Moog および Genesys と提携して、[当社のシステムから] 頭脳を得るのは素晴らしい

ことですが、統合する自動操縦と FMS が必要です。当社は、FMS と自動操縦を搭載して

いるすべてのプラットフォームにすぐに対応できます。」

EASA が最新のコンセプト ペーパーで AI の実装に取り​​組む

欧州連合航空安全機関 (EASA) は最近、人工知能コンセプト ペーパーの第 2 号を発表

しました。EASA によると、注目すべきは、このペーパーが「航空分野における AI 技術

の安全で信頼できる開発と実装に不可欠な」基礎概念を提示している点です。

この論文で検討されている概念は、航空分野における人工知能 (AI) の応用を推進するこ

とを目指していますが、EASA は人間がこれらの開発に関与し続けることを保証したいと

考えています。この文書では、EASA はレベル 1 AI アプリケーションのガイダンスを改

良し、レベル 2 AI ベースのシステムのガイダンスを提供しています。

レベル1のAIアプリケーションは「人間の能力を強化するもの」であり、「学習の保証、

AIの説明可能性、倫理に基づく評価の探求」を深めるものだとEASAは説明しました。

「レベル 2 AI は、人間と AI のチーミング (HAT) という画期的な概念を導入し、人間

の監視下で自動的に意思決定を行う AI システムの準備を整えます。」

EASA は、EASA 基本規則の対象となる分野で AI や機械学習技術を使用する安全または

環境関連のアプリケーションの認証を申請する人々を支援するために、コンセプト ペー

パーを公開しました。EASA は昨年 5 月に人工知能ロードマップ 2.0 を公開しました。

これは、AI 開発が進むにつれて「議論や意見交換だけでなく、EASA がすでに取り組ん

でいる AI 開発の実践的な作業を通じて」定期的に更新される生きた文書です。

EASA がコンセプト ペーパーで取り上げている航空ユース ケースには、視覚的着陸誘導

システム、無線周波数の提案、コンピューター ビジョン ベースの自動タクシー、データ

収集などがあります。

デーダリアンは、航空機から前方を監視する高解像度カメラで構成されるレベル 1A AI

ベースのシステムである視覚着陸システム (VLS) に取り組んでいます。コンセプトペー

パーによれば、「VLS は、日中の視覚気象条件 (VMC) において、硬い表面の滑走路に

パート 91 航空機に着陸誘導を提供します。」

そのシステムは、硬い路面の滑走路を認識して追跡できます。滑走路はパイロットによっ

て、または飛行計画の事前設定によって選択できます。 ILS を模倣して、「VLS は、

滑走路座標フレーム内の航空機の位置と、設定されたグライド スロープからの水平およ

び垂直偏差を提供します。」また、不確実性フラグと有効性フラグも提供します。

レベル 1B アプリケーションは、音声認識を使用して航空管制官の無線通話を認識し、

周波数の変更を運航乗務員に提案します。報告書によれば、「このアプリケーションは

作業負荷を軽減し、パイロットが音質が悪い状況で無線周波数を正しく理解しているこ

とを確認するのに役立つことが期待されています。」とのことです。

レベル 2 分野での開発には、地上の障害物を検知して回避できるコンピューター ビジ

ョン ベースの自動タクシー システムが含まれます。最高レベルの 2B では、パイロット

と AI が協力して問題を解決することについて説明します。

レベル 2B システムの例としては、Proxima 仮想副操縦士が挙げられます。これにより

パイロット 1 名での操縦が可能になります。Proxima は、航空機のシステムとディスプ

レイを使用してパイロットのサポート方法を調整し、パイロットの精神状態と身体状態

を監視し、パイロットの作業負荷を検出し、パイロットの通信とデータ リンク メッセー

ジングを監視することで、「航空機の位置を監視して適切な飛行経路管理を確保し、必要

に応じて介入する」ことができます。

また、着陸装置を伸長するなどして航空機を自動的に構成したり、ナビゲーションと通信を

監視したり、障害シナリオを特定して管理したりすることもできます。

コンセプトペーパーによると、「実行可能な場合、この文書には、予想される遵守手段と、

それらの目的を遵守するために使用できるガイダンス資料が特定されています。」

まとめ

これら、新しい技術はパイロットの負荷を軽減し通常の運航に役立てます。特に複雑な

空港での道案内(誘導路の方向や経路)などとても役に立つと思います。

一方、パイロットが判断したことが本当に正しいかどうかは、AIは教えてくれません。

また、緊急時に正しい手順や判断はパイロット一人が負わなければなりません。

今後、AIが学習して経験値やデーターを集積することによって、パイロットの相棒

(本当のコパイロット)になる日が来るかもしれません。

心配なのは『オヤジギャグ』に笑ってくれるかどうかですが。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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