欧米の脱炭素の取り組み・最新情報

飛行機

皆さんこんにちは!

世界各国は、脱炭素、持続可能なエネルギーの創設について主導権をとるために様々な取り組み

を行っています。

今日は、世界を代表する2大航空機メーカーの最新ニュースを紹介します。

ヨーロッパ、エアバス

オープンファン技術を利用した飛行中のエアバス A380 推進デモンストレーターのデジタルレンダリング

ヨーロッパのチームがエアバス A380 のオープン ファン 技術。(画像:エアバス)

Safran Aircraft Engines は、EU 主導の Clean Aviation Joint Undertaking プロジェクト

Open Fan for Environmental Low Impact of Aviation (OFELIA) の枠組みの中で、新しい

オープン ファン エンジン技術のデモンストレーションを行います。

フランスのエンジン メーカーSafran Aircraft Enginesは、先週金曜日に発表しました。

Safran は、Airbus、Avio Aero、GKN Aerospace などのヨーロッパの 26 の業界主要パート

ナーのほか、フランスの国立航空宇宙研究センター ONERA などの研究所や、ヨーロッパ各地

の学者と協力します。OFELIA コンソーシアムは、Clean Aviation からヨーロッパの資金で

1 億ユーロを受け取る予定です。

OFELIA の計画では、2035 年頃までに将来の短距離および中距離航空機のニーズに対応するた

めに、オープン ファン アーキテクチャの効率の利点を実証する予定です。プログラム パート

ナーは、従来の狭胴機と比較して燃料消費量と CO 2 排出量を 20% 削減することを目指して

います。 Clean Aviation の OFELIA イニシアチブの下で、Safran Aircraft Engines とその

パートナーは、低圧システム、高圧コア、およびエアバス A380 を搭載したエアバス A380

による地上および飛行試験デモンストレーションのためのハイブリッド化を含む高度なシステ

ム向けに、TRL 5 までの一連の技術を開発する予定です。この10年半ばまでにオープンファン

コンソーシアムはまた、アーキテクチャと持続可能な航空燃料 (SAF) および水素との完全な

互換性を確保することも目指しています。

Safran Aircraft Engine のエンジニアリングおよび R&T 担当エグゼクティブ バイスプレジデ

ントであるミシェル・ブリウド氏は、次のように述べています。「オープン ファン アーキテ

クチャは、 GE エアロスペースとのCFM RISEテクノロジー デモンストレーション プログラム

の主要なイノベーションであり、次世代エンジンの効率を改善するための重要な原動力となりま

す。」

OFELIA ロードマップには、パートナーの施設での 20 以上のテストが含まれます。

Safran Aircraft Engines、Avio Aero、および GKN Aerospace は協力して、オープン ファン

エンジンのデモンストレーター用のコンポーネントを設計および製造します。オープン ファン

の技術成熟計画の具体的なトピックには、渦巻きフラッター、非ダクト ファン、プロペラと

ベーン、高速ブースター、高速低圧タービンの空気力学、高出力コンパクト減速ギアボックス、

軽量エンジン コンポーネント、燃焼器排出、高圧コンプレッサーのエアロダイナミクス、エン

ジンのハイブリッド化。エアバスは、飛行試験に集中するクリーン アビエーションの第 2 段

階に備えて、飛行試験デモンストレーターの予備書類を作成します。

「OFELIA プロジェクトは、次世代の持続可能な航空機に電力を供給するための革新的なソリ

ューションを研究している Clean Aviation の 20 の大胆なプロジェクトの一部です」と、

Clean Aviation のエグゼクティブ ディレクターである アクセル・ケリン 氏は述べています。

「欧州連合と協力して、欧州の航空は、気候中立の航空システムへの道をリードし、安全で

信頼性が高く、手頃な価格でクリーンな航空輸送のための新しい世界基準を設定する力を持

っています。」

ボーイングは先週木曜日、787-10「エクスプローラー」を今年のecoDemonstratorプロ

グラムに追加する計画であり、プログラムの777-200ERで研究中の19の技術の評価を進めて

いると述べました。最初の ecoDemonstrator Explorer は、6 月にシアトルから東京、シン

ガポール、バンコクへの飛行試験を実施し、世界の空域管轄区域での航行を調整することで

運用効率を改善し、燃料の使用と排出を最大 10% 削減できることを実証します。

この計画では、米国、日本、シンガポール、タイのボーイングと航空航法サービス プロバイ

ダー (ANSP) が、天候、航空交通、交通状況などの条件を考慮して、複数の地域にまたがる

最適な飛行経路を達成するために航空機のルートをまとめて順序付けすることを求めています。

航空機は、各場所で利用可能な最高の持続可能な航空燃料 (SAF) の混合で飛行します。

ボーイングのチーフ・サステナビリティ・オフィサーであるクリス・レイモンド氏は、「業界

は、2050年までに正味ゼロ炭素排出を達成するという民間航空業界のコミットメントを満たす

ために、航空機の継続的な更新、効率の向上、持続可能な航空燃料などの再生可能エネルギー

キャリア、および高度な技術を必要とするでしょう。「4 か国の航空関係者と協力して行った

最初の Explorer のテストは、運用効率を最適化し、排出量を削減するためにどのように協力

できるかを示す好例です。」

一方、ボーイングの 777-200ER ecoDemonstrator は、今年もさまざまな技術のテストを

続ける予定です。テスト項目には、再生炭素繊維 40% とバイオベースの原料から作られた樹

脂 60% で作られた持続可能な貨物倉の壁パネルが含まれます。また、100% SAF と互換性の

ある光ファイバー燃料量センサーと、コンテキストに応じた空港データの描写で安全なタクシ

ー操作をサポートする Pro Smart Airport Maps と呼ばれる Jeppesen の FliteDeck のコンポ

ーネントを備えた電子フライト バッグ アプリケーションのテストも計画しています。

ボーイングは、飛行機はすべてのフライトで現地で利用可能な最高のSAFブレンドで飛行すると

付け加えました。

2023 年の計画を含め、ecoDemonstrator プログラムは、脱炭素化、効率改善、安全性の向上、

キャビンのアップグレードを目的とした約 250 の技術をテストします。ボーイングは、2012 年

の ecoDemonstrator の開始以来、テスト済みの技術の約 3 分の 1 を自社の製品とサービスに

適用してきました。

まとめ

ヨーロッパのエアバス、アメリカのボーイング。

はたして、どちらが主導権を握れるのでしょうか?

アメリカは、前トランプ政権の時に国連気候変動枠組み条約の締約国会議の京都議定書

を批准しないと決めましたが、現バイデン政権に替わり世界の流れに同調するべく政策

転換を行っています。世界的に脱炭素に向けての気運が高まっている中、アメリカだけが

孤立するわけにはいきません。要するに企業の製品が売れなくなるからです。

一方、ヨーロッパも一枚岩とはいかないようです。イギリスのEUからの離脱、長引く

ウクライナ戦争の影響は、EU加盟国の足並みを乱すものとなっています。

また、ここぞとばかりに勢力を拡大している中国からも目が離せない状況になっています。

混沌とする世界情勢の中で、誰が抜け出すのでしょうか?

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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