EHANGのEH216-S,世界初のEVTOL航空機型式証明書取得

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

先日、ナスダックの上場を一時中断したEHang(イーハング)。一転、中国の型式証明を

取得したとのニュースが飛び込んできました。

かたや、2025年の大阪万博の雲行きが怪しくなってきました。

中国、EHangのeVTOL航空機に型式証明を発行

CAAC officials issue type certificate for EH216-S eVTOL to EHang.

北京のCAMIC国際コンベンションセンターでEHang幹部にEH216-S eVTOL航空機の型式証明書を発行した。(画像:EHang)

中国民用航空局(CAAC)は本日、EHangのEH216-S複座eVTOL航空機の型式証明書を発行

し、中国での民間旅客輸送飛行開始への道を切り開いた。金曜早朝に発表された承認により、

この2人乗りモデルは商用利用が認められた世界初のeVTOL車両となります。EHangの航空

機がパイロットを乗せずに自律的に運航することを考えると、この成果は特に注目に値する

出来事です。

広州に本拠を置くEHangによると、CAACが型式証明の申請を受理した2021年1月以来の全

プロセスが完了し、新しいカテゴリーの航空機を対象とするいわゆる「特別条件」が2022年

2月に公表されたといいます。同社は、乗客を乗せた公開デモンストレーションを含む、複数

の場所で広範囲な飛行試験を実施することを許可する高い自由度をこのスタートアップに与

えています。

EHangは10月13日のプレスリリースで、EH216-Sの検証プロセスでは「コンポーネント、

機器、航空機全体にプレハブの欠陥、障害、干渉がないか精査された」と説明しました。

このプロセスには500を超える特定の試験項目と4万回の試験飛行が含まれており、その結

果、65の「主要カテゴリ」と450の個別の試験項目をカバーする調整と正式な適合性評価が

行われたと述べています。

EHangは今後、雲浮工場での生産率を高め、中国の事業者への納入を強化する予定です。

EH216-Sによる最初の商業旅客便がいつどこで開始されるかはまだ明らかにしていません

が、すでに深圳ボーリングホールディンググループを含む国内顧客への納入を開始してい

ます。

同社は、消防などの用途に使用できるモデルのバリエーションを生産する予定です。また

同社は、航続距離が 35 km (22 マイル) に制限されている EH216-S よりも長い航続距離

を持つ4人乗りVT-30航空機開発にも取り組んでいます。

「CAAC、専門家チーム、そしてEHangの全従業員の揺るぎない献身に心から感謝の意を

表します」と同社の創設者で会長兼最高経営責任者(CEO)のHuazhi Hu氏はコメントし

ました。「当社が自社開発したEH216-S旅客輸送UAV(無人航空機)システムは、ついに

世界のeVTOL業界で最初の型式証明を獲得するという高い期待に応え、航空史に重要な一

章を刻みました。」

胡主席は、EHang自体が現在、航空タクシーや遊覧飛行を含む商業運航を計画しているこ

とを示唆。「これにより、都市型エアモビリティプラットフォームオペレーターになると

いう戦略的目標に向けて着実に前進し、誰もがアクセスできる安全で自律的で環境に優しい

エアモビリティを実現するという当社の使命に取り組むことが可能になります」と同氏は

結論づけました。

EHangは以前、中国国外の顧客からのEH216-Sの複数の仮注文を報告していました。同社は

FAAやEASAなどの主要な規制当局を含む他の管轄区域で型式認証をいつどのように確保する

つもりなのかについてはまだ明らかにしていません。

eVTOL航空機による旅客輸送の商業飛行を承認するための規制上の道筋を確認した航空安全

機関は、世界中でまだ確認されていません。中国国外で最も早く型式認証が行われると予想

されているのはヨーロッパで、ボロコプター社は来年夏のパリオリンピックに間に合うよう

に自社の二人乗り操縦車両ボロシティの承認を取得することを目指しています。米国では、

主要な eVTOL 開発会社である Joby と Archer が現在、2025 年に型式認証を取得するこ

とを目指しています。

大阪万博、空飛ぶクルマは飛ぶの?

日本では、対照的なニュースが飛び込んできました。

2025年開催の大阪万博の目玉の一つであるSkyDrive社(本社名古屋)のeVTOLの開発が

予定より遅れており、万博本番に間に合わないのではないかという。また、アメリカや

ドイツ、イギリスなどからのeVTOL航空機についても開発が遅れています。

『2025年大阪・関西万博で運航を予定する「空飛ぶクルマ」を巡り、乗客を乗せた「商用

運航」に向けた機体量産が、開幕に間に合わない見通しとなっていることが分かった。

事業者となる四つの企業グループ中、二つは量産に必要な安全認証取得が遅れ、うち1グル

ープは商用運航を断念。調達できる機体数は4者とも最大数機の見込みだ。各事業者が12日

までに明らかにした。』(12日、ヤフーニュースより)

『大阪府の吉村洋文知事は、空飛ぶクルマを「空の移動革命」と位置付け、万博での商用運

航を契機に社会実装を目指すと強調してきた。13日で万博開幕まで1年半。安全を保証する

ハードルの高さが浮き彫りとなった。

日本国際博覧会協会は2月、万博で空飛ぶクルマを運航する事業者として4グループを発表し

た。<1>ANAホールディングス(HD)と米ジョビー・アビエーション<2>日本航空<3>

丸紅<4>スカイドライブ-で、ジョビー社とスカイドライブは自社開発の機体を使用し、

日航はドイツのボロコプター、丸紅は英バーティカル・エアロスペースの機体をそれぞれ

使う。

空飛ぶクルマは航空法で安全を担保する航空機と同様の位置付けで、機体の量産には「型

式証明」を、飛行させるには1機ごとに車検に相当する「耐空証明」を取得する必要がある。

このうち型式証明について、バーティカル社とスカイドライブは26年の取得を目指すと公

表。バーティカル社と組む丸紅は商用運航を断念したと取材に認め、操縦士のみが乗る「デ

モ飛行」を目標にすると説明した。

スカイドライブは型式証明を得ずに、耐空証明のみを取った機体で商用運航を検討する。

万博で用意できる機体数は「公開できるタイミングで公表する」と回答した。

ANAHDと日航が組むメーカーはそれぞれ、24~25年に海外で商用運航を実現すると掲げ

る。万博では検討中としており「安全性を検証する」(日航)などと答えた。』

(12日、日刊スポーツニュース)

この報道の通りであれば、大阪万博では1機も飛ばないことになります。

イギリスのバーティカル・エアロスペース社のVX4が飛行試験中に墜落して開発が遅れた

事は記憶に新しい思います。

バーティカル初の VX4 eVTOL プロトタイプ

8月9日、バーティカル・エアロスペース社のVX4が飛行試験中に墜落

まとめ

今回のEHangの型式証明の取得は、いわば中国限定です。FAAやEASAのように世界では

認められていません。専門家の中には、今回のニュースに懐疑的な意見を述べている者

も多くいます。その原因は、中国の隠蔽体質にあります。自国の不利なことについては

情報を規制し、たとえ墜落事故があっても公にはされません。

2011年に、浙江省温州市でに起きた高速鉄道の追突事故で、高架橋から落下した先頭車

両が、重機で粉々に砕かれ、土中に埋められた事件がありました。また、1989年の

『天安門事件』も中国国内ではタブーであり、若者は真実を知ることができないのです。

一方、FAAやEASAの基準は厳しくはたしてEHangが許可をすぐに得られるかは疑問です。

しかし、中国の技術は進化しており、ドローンやEV自動車などその技術は世界と比べても

優れています。そんな民間の優れた技術を海外に広めることが課題となるでしょう。

個人的な意見ですが、SkyDriveについては直前の設計変更(2人乗りから3人乗り)など

汲みべき事象はあるものの、航空機としての設計と自動車との違いや許可申請方法など

ハードルはまだまだ高いものだと思います。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

 

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