電気航空レース中止

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

今日は、たいへん残念なお知らせです。

2023年5月にアメリカで開催予定でした、ピューリッツァー・エレクトリック・

エアクラフト・レースが中止になってしまいました。

今日は、開催予定だったレースと今後について見ていきましょう。

ピューリッツァー・エレクトリック・エアクラフト・レース

ピューリッツァー・エレクトリック・エアクラフト・レース

NAA(全米航空協会)の主催する電気航空機による初めてのレース、ピューリッ

ツァー・エレクトリック・エアクラフト・レースが今年5月開催予定でした。

近年、電気航空機産業は、技術的準備と潜在的なレース出場者の数の点で急速に

拡大しています。エア レースは、1920 年代初頭に最初に開催されたピューリッ

ツァー エア レースの再開であり、レースの勝者は、適切な NAA 賞でピューリッ

ツァー トロフィー (ワシントン DC のスミソニアン国立航空宇宙博物館に展示さ

れています) を授与されます。

最初のピューリッツァー エレクトリック エアクラフト レースは、ネブラスカ州

オマハで始まり、ノースカロライナ州キティ ホークの近くで終わる、4 日間の

1,000 nm(約1610km) クロスカントリー イベントです。レースは、ゼロエミ

ッションの電気推進を使用するあらゆるタイプの有人エアロダイン (例: 固定翼飛

行機、ヘリコプター、またはマルチローター eVTOL Advanced Air Mobility (AAM)

車両) になります。競技者の多くは研究開発段階にあり、実験的な航空機を使用して

いる可能性があるため、レースは 1 日のみの Visual Flight Rules (VFR) イベントと

なります。レースの勝者は、メンテナンス、充電、または宿泊のための地上での時間

を含まない累積飛行時間から計算された最速のパイロットになります。

クローズドサーキットスピードイベントではなく、現実的な運用環境での速度に加えて

電気航空機の航続距離と信頼性を強調するために、クロスカントリー形式が選択されま

した。クロスカントリーレースでは、レースチームによる慎重な物流計画が必要であり

さまざまな電気推進技術の選択と、バッテリーの急速充電、バッテリー全体の交換、航

続距離を伸ばすための太陽光発電の増強などの運用戦略が強調されます。すべてのクラ

スとタイプの電気航空機に開かれた長距離の数日間のクロスカントリー イベントとして

ピューリッツァー・エレクトリック・エアクラフト・レースは、設計革新のための開か

れたキャンバスを提供し、電気航空業界の飛行博覧会になるように計画されていました。

A map of the route for the Pulitzer Electric Aircraft Race

2023 年 5 月に開催される第 1 回ピューリッツァー エレクトリック エアクラフト レース

は、ネブラスカ州オマハのエッパーリー飛行場からノースカロライナ州キティホーク近く

のデア郡地域空港までの 1,000 海里のルートになります。(画像:全米航空協会)

ピューリッツァー・エレクトリック・エアクラフト・レースは、1920 年代から 1930 年

代にかけて NAA が開催したピューリッツァー・エアレースの継続であり、航空の黎明期に

内燃エンジンを搭載した航空機の技術的進歩を促進することを目的としていました。

中止の要因

今回のレースの中止(無期延期)の要因は何なのでしょうか?

NAAの社長兼 CEO であるグレッグ・プリンシパトは、次のように述べています。「しか

し、経済状況と、製品開発と認証に関する航空機メーカーの強い優先事項により、2023

年のレースに間に合うように必要なスポンサーシップを確保する能力が妨げられました。」 

レースで使用されるモデルは、FAA 型式認定または実験ライセンスのいずれかを取得して

いる必要があります。一部の小型電気航空機はすでに運用されていますが、現在開発中の

新しい eVTOL 設計は、早ければ 2024 年まで型式認証を取得できないと予想されます。 

つまり、予定していたチーム数(計画では25チーム)が集まらなかったのです。

多くの航空機は開発中、またはサポート体制が構築されていなかったためと判断したの

です。レースは、1000マイルを約4日間かけて行う予定でした。(最終的には1日の

レースになりました)いわば耐久レースですので、十分な機体の整備と補給、サポート

体制が必要です。

企業側としては、成功(優勝)すれば、良いアピールの場になっていたのでしょうが

早急だったということです。

NAA(全米航空協会)の活動

レースを主催したNAA(全米航空協会)は、様々なイベントや競技会を行っている団体

です。

有名なのが、国際エアロバティック クラブ (IAC) です。国際エアロバティック クラブ

(IAC)は、米国内および国際的に安全な曲技飛行を促進するため世界各地でレースを行っ

ています。IAC には現在、米国、カナダ、アルゼンチン、ノルウェーに 40 の支部があ

ります。各支部は、エアロバティック ジャッジ スクール、練習日、オープンハウス、

年間最大 40 の公認競技会を主催する組織の基盤となっています。

エアロモデリングには、さまざまな形の航空機の設計、製造、飛行が含まれます。かつ

ては単なる趣味と見なされていたエアロモデリングは、世界で最大かつ最も人気のある

エア スポーツの 1 つになりました。

エアロモデリングはライト兄弟にまでさかのぼります。ライト兄弟は、凧とモデルの翼

を使用して、制御された飛行に関する理論をテストしました。モデルは、実物大の航空

機が生産される前に理論的な作業のために設計されることが多いため、今日でも非常に

実用的です。

他は、気球や飛行船、滑空機、ヘリコプター、ハンググライダーなど、あらゆる飛ぶモノ

について管理、運営しています。

NAAは、米国で最も古い国立航空組織です。 非営利団体である NAA は、ミッション ス

テートメントによると、「米国における航空の芸術、スポーツ、科学の発展に専心してい

ます」。また、NAA は、米国航空の公式記録管理者です。認められた公式記録は、コンテ

スト & 記録部門を通じて設定されます。NAA は、多くの記録の試みにオブザーバーを提

供し、あらゆる種類の航空および宇宙飛行の記録を証明するために必要なデータを編集し

ています。

NAA の主な使命は、航空活動に完全に参加する機会を促進し、米国への航空と宇宙飛行の

重要性に対する一般の理解を促進することにより、航空と宇宙飛行の芸術、スポーツ、科

学を発展させることです。

まとめ

今回のレースの中止は、本当に残念ですが、2024年以降にはしっかりと開催されることを

願っています。

NAAのような全米をまとめている大きな組織があることにより、アメリカ人は幼少の頃から

飛行機に触れ合い、そして自ら造り、飛んできました。一方、日本は戦後から1952年の

サンフランシスコ講和条約まで日本企業による飛行機の製造が認められませんでした。

戦後初めての国産航空機YS-11が飛行した1964年までの空白の20年で、日本の航空界は

衰退しました。先日、三菱航空機(三菱重工)のMRJ(スペースジェット)も完全に製造

中止となったニュースも本当に残念でした。

しかし、日本の航空界をなんとかして再構築しなければいけません。それが、我々航空機に

携わってきた者の使命だと思っています。その方法とは・・・(次回をお楽しみに)

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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