エンブラエルの躍進とアフターマーケット戦略の秘密

飛行機

皆さんこんにちは!

世界第3位の航空機メーカー、ブラジルのエンブラエル。

その業績が好調です。その要因と将来性は?エアバス、ボーイングを追い越すことはできるのか?

エンブラエルの躍進とアフターマーケット戦略の秘密

過去最高の受注残が示す未来

エンブラエルは、ボーイング、エアバスに次ぐ世界第3位の航空機メーカーとして、民間、

ビジネス、防衛の各セグメントで堅調な成長を続けています。最近発表された第2四半期

の決算では、総受注残が過去最高を記録しました。

特に注目すべきは、サービス&サポート部門の受注残が前年比55%増という驚異的な成長

を遂げ、約49億ドルに達したことです。この数字は、単に機体が売れているだけでなく、

納入後の整備・サポート市場がいかに活況を呈しているかを示しています。

サービスネットワークのグローバルな拡大

エンブラエルは、この成長を支えるために、世界中でMRO(整備・修理・点検)ネットワークを積極的に強化しています。

  • 北米: 米国テキサス州フォートワースに7,000万ドルを投じて新施設を開設し、サービス能力を53%向上させると発表しました。これは、米国がエンブラエル機最大の市場であることを反映したものです。
  • ヨーロッパ: ポーランドのLOTAMSをE-Jetの「センター・オブ・エクセレンス」として認定するなど、パートナーシップを拡大しています。
  • アジアと中東: インドに子会社を設立したほか、モロッコやサウジアラビアでもMROトレーニングプログラムに関する覚書を締結するなど、新たな市場開拓にも余念がありません。

また、旅客機を貨物機へ改造する「P2F」事業も好調で、リージョナル・ワン社からの追加発注がこのセグメントの成長を後押ししています。

人材育成と技術への投資

エンブラエルの成長戦略は、機体の製造や整備インフラの構築だけにとどまりません。将来を見据えた人材育成にも力を入れています。

  • 「GIFT」プログラム: ブラジルで「未来の技術者の指導と啓発(GIFT)」と呼ばれる3年間の整備士研修プログラムを開始し、地域における専門人材の需要増に対応しています。
  • シミュレーターの拡充: 研修プロバイダーであるCAE社と連携し、E2型機用のフライトシミュレーターをマドリードやシンガポールに開設。これは、パイロットや整備士の育成を強化する重要な取り組みです。

エンブラエルの「サービス&サポート」部門の躍進は、航空業界のアフターマーケットが

いかに重要かを物語っています。機体の納入後も、整備、部品供給、そして人材育成に至る

まで、包括的なソリューションを提供することで、エンブラエルは競争力を高めているのです。

エンブラエルのビジネスジェット部門、第2四半期の売上高と受注残が過去最高を記録も

エンブラエル フェノム 300E

クレジット: Trevor Benbrook / Alamy Stock Photo

エンブラエルのエグゼクティブジェット部門は、好調な販売と納入台数の増加に加え、

記録的な第2四半期売上高を記録したと同社が報告しているが、米国の関税は依然として「大きな懸念事項」となっています。

ブラジルに拠点を置くエンブラエルは、提案されている航空宇宙産業への関税を50%

から10%に引き下げる取り組みの一環として、今後5年間で5億ドルを投資し、フロリダ州

メルボルンの生産施設とダラスの整備・修理・オーバーホール施設を拡張する計画です。

エンブラエルは、2025年のビジネスジェットの納入数が前年比15%増の145機から

155機になるという見通しを堅持し、2025年第2四半期の業績は米国の関税によって大きな影響を受けなかったと指摘しました。 

トランプ政権は、トランプ氏の盟友であるジャイル・ボルソナロ前大統領への不当な扱

いを理由に、ブラジル製品への50%の輸入関税を課しました。

2022年の総選挙で敗北したボルソナロ氏は、ブラジル軍の支援を受けて次期政権の転覆を

企てたとの疑惑に直面しているのです。7月、米国政府は航空機および航空宇宙関連製品

への関税率を10%に引き下げることに同意しました。

これは「大きな前進」ではあるものの、エンブラエルのフランシスコ・ゴメス・ネト

CEOは、エンブラエルは「過去45年以上の現状であった」無関税環境の復活を引き続き

推進していくと述べました。また、ブラジル政府と米国政府の間で建設的な対話を促し、

友好的な解決に至らせるよう引き続き尽力していくと述べたのです。

同社の航空機には、米国製装備品の約40%が含まれています。

エンブラエルの経営部門は、第2四半期の売上高が過去最高の5億4,900万ドルとなり、

前年同期比64%増となりました。これは、販売量の増加と製品ミックスの改善によるも

のです。また、受注残は前年同期の46億ドルから74億ドルに増加し、過去12ヶ月間の受注残比率(B/Bレシオ)は2.4対1となりました。

同社は第2四半期に小型ジェット機21機と中型ジェット機17機を含む38機のビジネス

ジェット機を納入した。これは前年同期比41%の増加です。

 

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