皆さんこんにちは!
今日は空飛ぶクルマ 海外編の続編です。
今や世界の航空業界はコロナの影響で低迷し続けた時期を脱しようとしています。
しかしながらその復行の足取りは重く、思った以上に伸び悩んでいます。
それでも人類は一歩一歩前に進んでいかなければなりません。
そんな中で、人類は新たなイノベーション(革命)を起こそうとしています。
それが、ドローンであり空飛ぶクルマです。
現在、ロシアをはじめとする共産主義国とアメリカ、ヨーロッパを中心とする資本主義の
国々の争いの中、エネルギー問題がクローズアップされてきました。
石油や天然ガスをロシアに頼っていたヨーロッパの国々も、エネルギーの転換を余儀なく
されています。脱炭素に向けた取り組みが急速に加速しています。
航空業界は真っ先にその矢表に立たされる形になっています。
今までのような燃費の悪い古い航空機やエンジンは新しくしていかなければなりませんし
航空燃料に至っては、CO2の排出量はもとより、価格の高騰にも頭が痛いところです。
これを解決するのが、空飛ぶクルマです。
電動のモーターで駆動するローター型のモビリティに加え、ホンダが開発中のジェット
エンジンを搭載したものや、水素エンジンで駆動するものなど様々な機体が登場しています。
現在世界では様々なベンチャー企業や大手航空会社、自動車メーカーが参入しています。
中でも代表的なものを紹介していきます。
1,中国のイーハン社 https://www.ehang.com/
日本の大手ヘリコプター企業の『AirX』と業務提携を行い、50機ほど発注をしています。
2,アメリカ、Joby Aviation (ジョビー アビエーション)https://www.jobyaviation.com/
前回お話しした企業で、トヨタが580億円もの出資をしたことで話題になりました。
日本では運用面を日本航空が担うことになっています。
3,ドイツのLilium(リリウム)https://lilium.com/jet
先日の2022年5月23日に日本の電機メーカーのDENSO(デンソー)が
製造、供給することがニュースとなりました。
今日はこのリリウム社のeVTOLを深掘りしていきます。
まずはこの独特な形状です。機体前方にはカナード翼、尾翼(主翼)にも合計36機の
埋め込み型電動エンジンが搭載されています。
このエンジンの特徴は可変型のエンジンと言うことです。
離陸、着陸時にはこのエンジンが上向きに変化して推力を調整します。
オスプレイのエンジンと同じ発想です。
そしてこの埋め込み型電動エンジンは可変ノズルを付けることによる高揚力の確保、
消費電力の削減を行っています。
次にカナード翼の効果ですが・・・
カナード翼のメリットは?
まずは水平尾翼付きの飛行機が上昇する場合には尾翼はマイナスの揚力を作ることで
振り子のように機首を上げます。この場合主翼の揚力を尾翼が減らしてしまうので、
主翼は尾翼のマイナス分を埋めるだけの大きさにしなければなりません。
カナードで翼で揚力を作ってしまえばその分だけ主翼を小さくできて、空気抵抗を減らせます。
その上、このLilium Jetは36個の埋め込み型エンジンが空気抵抗を減らすとともに
それぞれのエンジンが分散型電気推進を採用することで、本来航空機に付いている
エルロンやエレベーター、ラダー、フラップといった操舵がないために、空気抵抗を軽減し
かつ機体構造重量の軽減も行っています。
これらのことにより、上昇時の消費電力の削減(ホバー機の約10%の電力)の実現を可能にし
航続距離約200km、最高時速300km/hが可能となりました。
また、構造上同型のローター機に比較して客室を広くすることができました。
後は、エネルギー(バッテリー)の問題です。
先日の5月27日に、世界大手のバッテリーメーカーのLivent(リベント)と業務提携を
行いました。リベントはリチュームイオンバッテリーのメーカーで、世界の電気自動車
メーカーに部品を供給しています。
ますます、盤石になってきましたね。
ここで、Lilium社のCEOを紹介しておきます。
ダニエル ウィーガント氏です。
彼は、ミュンヘン工科大学で航空工学を学び、2015年にLilium 社を同じ工科大学の3人の
エンジニアと創設しました。
2017年 4月 二人乗りの無人機のテストに成功。
2019年 5月 5人乗り無人飛行試験に合格。
2025年の実用化に向けて開発を進めています。
私の中では、一番のお勧めです。今後も注目していきますね。
それでは今日はこの辺で。
またお会いできる日を楽しみにしています。
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