皆さんこんにちは!
第2回目のフライトスクールの紹介は、同じくアメリカからフライトアカデミーです。
フライトアカデミーは、時代の最先端の技術を駆使して最新の装備を備えた訓練機を使って効率を上げています。
歴史は浅いものの人気のスクールです。
最先端のLSAを駆使したフライトアカデミー
スカイウエスト航空と提携
フライトアカデミーの特徴としては、アメリカのリージョナル(地方路線)航空会社スカイウエスト航空と提携しているところです。
ここで学んだ学生(訓練生)は、スカイウエスト航空への就職が可能なのです。これは、学生はもとより航空会社、スクールにとっても大きなメリットです。
学生は最新の機材やシステムを取得できスムーズに旅客機の飛行機に進むことができます。
また、航空会社にとっても基本的な社内教育やフライト教育が共有できている分コスト削減になります。
それをサポートするスクールは、航空会社からの支援を受けることができ最新の航空機を使って訓練ができることができます。
スカイウエスト航空は、アメリカ合衆国ユタ州セントジョージに本社を置く、北米最大のリー
ジョナル航空会社です。1972年に設立され、現在では約500機近い航空機を保有し、北米各地の260以上の都市に就航しています。
スカイウエスト航空の最大の特徴は、「キャパシティ・パーチェス契約」と呼ばれる独自のビジネスモデルで運航している点です。
スカイウエスト航空は、自社便としてチケットを販売することはほとんどありません。代わり
に、アメリカの大手航空会社、具体的にはユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空、
アラスカ航空の4社と契約を結び、彼らのブランド名(〇〇・コネクション、〇〇・エクスプレスなど)で運航しています。
これらの契約により、スカイウエスト航空は、主要航空会社のハブ空港(例:ロサンゼルス
シカゴ、サンフランシスコ、デンバーなど)と、その周辺の小規模な地方空港を結ぶフィー
ダー路線(連絡路線)の大部分を担っています。これにより、大手航空会社は自社で小型機
を多数保有・運航するコストを抑えつつ、広範なネットワークを提供できています。
保有機種は、エンブラエル E175型機(70人乗り)、ボンバルディア CRJシリーズ で
2025年6月には、さらに60機を確定発注、50機のオプション発注も行っており、2027年から順次受領を開始する予定です。
かつては50席以下の小型機も多数保有していましたが、近年はより大型のE175や
CRJ700/900といった70席クラス以上のリージョナルジェットへの移行を進めています。
これは、燃費効率や収益性の向上、そしてパイロットの資格要件(スコープ・クローズ)との兼ね合いによるものです。
スカイウエスト航空で一定の飛行時間と経験を積んだパイロットは、これらの大手航空会社の
パイロット採用において優遇される「パイロットパスウェイプログラム」や「ギャランティー
ド・インタビュー(面接保証)」などの制度が充実しています。これは、リージョナル航空会社がメジャーキャリアへの登竜門として機能している典型例です。
概要と特徴
ユタ州ソルトレイクシティ近郊に位置し、同地域で最大級の規模を誇るフライトスクールの一つとして知られています。
Private Pilot License (PPL) からInstrument Rating (計器飛行証明)、Commercial
Pilot License (事業用操縦士)、Multi-Engine Rating (多発限定変更)、そしてFlight
Instructor (CFI/CFII/MEI) まで、パイロットになるためのほぼ全ての訓練コースを提供しています。
訓練拠点であるスカイパーク空港 (Sky Park Airport) は管制塔がないため、離着陸の待ち
時間が短く、効率的に飛行時間を稼ぎやすいとされています。また、練習エリアも空港から近いという利点があります。
現代的な航空機材とシミュレーター
保有する多くの航空機が、Garmin G1000やDynon SkyViewといった最新のグラスコック
ピット(多機能ディスプレイ計器)を搭載しています。これは現代の航空機(特にエアラ
イン機)の標準装備であり、学生がより実践的な訓練を受けられることを意味します。
Redbird FMXのような高機能なフルモーションフライトシミュレーターも導入しており、
天候に左右されずに訓練を進めたり、複雑な緊急事態の訓練を行ったりすることが可能です。
- 主力LSA:「SportCruiser(スポーツクルーザー)」
- 主力練習機の一つとして「スポーツクルーザー」が挙げられています。スポーツクルーザーは、チェコのCSA社によって製造されているLSAで、「フルグラスのタッチスクリーンアビオニクス」や「機体用パラシュート(BRS)」といった特徴を持ち、LSAの中でも非常に現代的で安全性が考慮された機体として知られています。
- 彼らはSportCruiserを「フライトスクールのゲームチェンジャー」と表現しており、その人間工学的で広々としたコックピット、そして最新のグラスコックピットが訓練体験を向上させると強調しています。
- LSA導入の背景とメリット(彼らの視点):
- 低運用コスト: ロタックスエンジン搭載のLSA(スポーツクルーザーを含む)は、プレミアム自動車用ガソリンを使用できるため、従来のセスナ172などが使用する航空ガソリン(100LL Avgas)に比べて燃料コストを大幅に削減できます。これは、訓練費用を抑え、学生にとっての経済的負担を軽減することに直結します。
- 低いメンテナンスコスト: 現代のLSAはメンテナンス費用も比較的低い傾向にあります。
- 最先端技術への対応: グラスコックピットなどの最新技術を搭載したLSAでの訓練は、より高度な商用機や、将来的なeVTOL(電動垂直離着陸機)などの最新航空機で求められるスキルセットを習得する上で有利だと彼らは考えています。
他の保有航空機(LSA以外)
フライトアカデミーはLSAだけでなく、多様な訓練ニーズに応えるため、他の機種も保有しています。
- Diamond DA20: 優れた操縦性と燃費効率を持つ2人乗り単発機。
- Diamond DA40: Garmin G1000搭載の4人乗り単発機。長距離飛行や計器飛行訓練に適しています。
- Diamond DA42: Garmin G1000搭載の多発機。多発限定変更や多発計器飛行訓練に使用されます。
まとめと解説
スカイウエスト航空は、北米の空の移動において、主要都市と地方都市を結ぶ「生命線」と
して極めて重要な役割を担っています。その大規模な運航ネットワーク、効率的なビジネス
モデル、そしてパイロット育成への積極的な取り組みは、現代の航空業界を理解する上で欠かせない存在と言えるでしょう。
フライトアカデミーは、LSAを「空への手軽な入り口」として活用しつつ、より本格的なキャ
リアパイロット養成までを一貫して提供している、現代的なフライトスクールの典型例です。
また、試験も同スクールで行えるようにFAAの『指定養成施設』となっているために訓練生としては同じ環境(飛行機、飛行場など)で行えるメリットは大きいですね。
日本にもこの様なシステムがあれば、パイロット不足や資金難の地方路線、また地方自治体の
インフラ整備にも役立ち、多くの雇用が生まれ、日本の航空業界の発展、経済の起爆剤になることでしょう。
そして、LSAがゲームチェンジャーになるのです。
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