ドイツの可憐なるユリ(Lilium)の強さ

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

ドイツのeVTOL航空機開発新興企業、Lilium(リリウム)

Liliumとは、ラテン語でユリ(百合)の花を意味します。

2015年に設立されたリリウムはの開発中の機体、リリウム ジェットはまるで可憐なユリの花

そのものです。

しかし、一部では開発に時間がかかり、株価が低迷して資金の一部を調達しなければいけない

など、悪いニュースもありましたが、ここに来て資金の目途も立ち一気に加速しています。

ちなみに、リリウム ジェットの電機ファン製造を、日本のDENSO(デンソー)が担当してい

ます。

リリウムの躍進

リリウム、EBACE2023 を席巻

リリウムは、今週5 月 22 ~ 25 日の3日間、ジュネーブで開催された2023年の欧州ビジネス

航空コンベンション&展示会(EBACE2023)において、実物大モックアップを展示しました。

リリウムはパイオニア・エディションの航空機を50機だけ製造する予定で、チャーター事業者

のeVolareとAir-Dynamicが現在25機を占めています。このバージョンの全電動リリウム ジェ

ットは、カナードと翼に 30 個のダクテッド ファンを備えており、2026 年初めまでに納入さ

れる予定です。

キャビンの外観で最も目を引く特徴は、乗客が首をかしげることなくパノラマの景色を眺める

ことができる一対の大きな窓です。室内では照明の色と強さを調整でき、所有者は大きな革張

りの天井パネルを自分の好みに合わせて装飾することができます。

「これは彼らの個人的なキャンバスです」と、リリウムのデザインおよびブランド責任者であ

るアルベルト・カルーソ 氏は語っています。顧客は、キャビンコンソールの下部に使用される

デザインと素材、および雑誌やその他のアイテムを保管するためのキャビン壁のレザーポケッ

トなどの機能も指定できます。

リリウムジェットの胴体は現在民間航空に使用されているヘリコプターよりも長く、規模は軽

量ビジネスジェットにいくらか似ています。「ヘリコプターのような箱型でも、ジェット機の

ような筒状でもない」とカルーソ氏は言います。

2 組の座席の間には通路があり、各乗客に十分な個人スペースが与えられます。客室内の騒音

レベルは 80 dBA 未満であることが予想されます。

航空機のバッテリーは胴体の両側の空洞に格納されています。現在のエネルギーと出力密度の

レベルでは、航空機の航続距離は 155 マイルに制限されます。しかし、リリウムは数年以内

にこれらを新しいバッテリーに交換できるようになり、航続距離がほぼ300マイルに伸びると

期待しています。

このPioneer Edition eVTOL 航空機の価格は、購入者が選択したカスタマイズ オプションに

よって異なりますが、約 1,000 万ドル(約14億円)です。6人乗りのシャトルモデルは700万

ドル(9億8千万円)で販売され、プレミアムバージョンの価格は約800万ドル(11億2千万円)

です。

Pioneer Edition の購入者は、リリウムとの契約に基づいて包括的なサービス パッケージを受け

取ります。他の顧客は、このレベルのサポートを個別に購入することも、承認されたプロバイダ

ーと保守サービスを契約することもできます。

洗練されたキャビン胴体部分(画像:Lilium)

シートは革張りで高級感あるれる広々とした造りです。(画像:Lilium)

デザイン図(画像:Lilium)

コックピット、1人乗りでヘリコプターに似た操縦系統(画像:Lilium)

スイスとイタリアのエアダイナミックと契約

リリウムは、スイスに本拠を置くプライベートジェットおよびヘリコプター会社であるエア

ダイナミックSAと契約を締結しました。これには、最大5機のリリウムジェットの配送に対

するリリウムへの保証金の支払いが含まれています。

エアダイナミックはスイスとイタリアの顧客向けにこれらのジェット機の運用と管理を行い、

顧客はLilium Pioneer Editionを含むプレミアム「クラブ構成」のリリウム ジェットの早期

アクセスを提供します。

このパートナーシップにより、リリウムの範囲はヨーロッパのハイエンドのビジネス旅行お

よび観光市場に拡大されます。ルガーノを拠点とする同社は、ヘリコプターとジェットチャー

ターで約 20 年の経験を持ち、スイス、イタリア、コートダジュール、フランスアルプスを

横断するネットワークルートを専門としています。 

エアダイナミックは、ルガノ空港に直接拠点を置く 2 機の新世代 PC-12 を保有し、個人所有

者や AOC 保有者に代わってさまざまなジェット機やヘリコプターを管理しています。

ニュース画像 1枚目:1,800機目のPC-12

スイス製のPC-12(ピラタス)

PC-12シリーズは、世界で1800機ほど販売されており、累計800万時間以上の飛行時間を記録

しています。コミューター機、またはVIP輸送などの旅客輸送から、救命救急、警察・国境監視

軍の幹部輸送、さらに貨物輸送など幅広い用途で使用されています。

エアダイナミックのラファエラ・メレダンドリ最高経営責任者(CEO)は次のように述べていま

す。「この提携はエアダイナミックSAと航空業界全体にとって重要な一歩となる。私たちは、

リリウムと協力して、航空の未来に向けた革新的で持続可能なソリューションを開発できること

をうれしく思っています。 

最初のプロジェクトの目標は、ルガーノとミラノ市内中心部を直接結び、それと並行して、

コモ湖やカプリ島などの最も観光地へのイタリア国内の良好な接続を確立することです。」

エアダイナミックは、スイス、イタリア、コートダジュール、フランスアルプス全域でヘリコプ

ターチャーターを提供しています。エアダイナミックは、航空機の販売、購入、管理(世界中)、

そして最近ではプライベートヨットのチャーターでも成長しています。本社はスイスのティチー

ノ州ルガーノ空港にあります。

ASLグループとの6機の契約成立

リリウムは、ベネルクスに本拠を置くビジネスジェット運航会社ASLグループと、リリウム

Pioneer Editionジェット6機の納入に関する契約を締結しました。これには手付金の支払いが

含まれており、昨年ファンボロー国際航空ショーで明らかにされた両社間の以前の覚書が変換

される形になります。

ASL グループは、ベネルクス諸国の大手ビジネス ジェット オペレーターであり、ベルギー初

の電気航空機の所有者です。ASLグループは、ベルギー、オランダ、ルクセンブルグ、西ドイ

ツの主要ハブを接続する持続可能な高速ネットワークの一部として、顧客のために航空機を管

理、運用する予定です。

ASLグループのオーナー兼CEOであるフィリップ・ボドソン氏は次のように述べています。

「当社は、責任を持って運営し、社会的にも環境的にも健全な未来に貢献するための新しい方法

を常に模索しています。

リリウム ジェットは、持続可能な方法でお客様により良い価値を提供する素晴らしい機会です。

動作時排出ガスゼロ、垂直離陸着陸能力、広々としたプレミアムキャビンを備えたリリウムは、

市場で最良のオプションです。」

ヨーロッパで最も人口密度が高いベネルクスは、期待される高い空力性能と低騒音プロファイル

を備えたリリウム・ジェットに最適な地域です。

ASL グループは、ヨーロッパを代表するビジネス ジェットの管理および運航会社の 1 つであり

ベルギーとオランダのほとんどの空港にオフィスと拠点を置いています。このグループは、卓越

性、効率性、安全性で評判を築きました。45 機以上の航空機を管理および運航し、その他のビ

ジネス航空関連サービスを提供しています。

資金調達

2022年11月、リリウムは既存株主、新規投資家、戦略的パートナーからの1億1,900万ドル

(167億円)の資金調達の価格設定を発表しました。これにはハネウェルとアシトゥリ、LGT

とその関連インパクト投資会社ライトロック、テンセント、Bライリー証券および関連会社が

含まれていました。

今月初め、リリウムは eVTOL 航空機の開発を継続するため、最大 2 億 5,000 万ドルの資金

調達を発表し、終了時には 1 億ドル(140億円)の資金が調達されました。

まとめ

リリウム ジェットの機体は、とても美しく、キャビンも洗練されおり、多くのオプション

により一層ラグジュアリーに乾燥できます。そのため、値段もそれなりということで、どち

らかといえば観光用やビジネスジェットの代替えのようなつくりです。

ユリの花のように、可憐で力強く空を舞ってほしいですね。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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