釧路空港、誘導路へ着陸

飛行機

皆さんこんにちは!

9月7日に、釧路空港で航空大学校の航空機が誘導路へ着陸し、フェンスにぶつかると

いう重大事故が起きました。原因は調査中です。

重大インシデント

誘導路への着陸

7日午後、北海道の釧路空港で航空大学校の小型の訓練機が着陸したあと滑走路を外れ、

敷地を囲むフェンスにぶつかって止まりました。乗っていた4人にけがはありませんでし

たが、警察などが当時の詳しい状況を調べています。

7日午後2時40分ごろ、釧路空港で、航空大学校帯広分校に所属する訓練用の小型プロペ

ラ機が着陸したあと進行方向の右側にそれて滑走路を外れ、敷地を囲む金属製のフェンス

にぶつかって止まりました。

警察などによりますと、訓練機に乗っていたのは40代の男性教官1人と20代の男子学生3

人の合わせて4人で、いずれもけがはありませんでした。

NHKが撮影した現場の映像からは、機体の右の翼がフェンスを突き破り、プロペラも折れ

曲がっている様子が確認できます。

航空大学校によりますと、訓練機は7日午後1時すぎに帯広空港を離陸し、その後、釧路空

港で着陸と離陸を繰り返す「タッチアンドゴー」という訓練を行っていたということです。

当時、操縦していたのは学生だったということで、警察や航空大学校が詳しい状況をさら

に調べています。

この影響で釧路空港ではおよそ2時間にわたって滑走路が閉鎖され、複数の旅客機に欠航

や遅れが出ました。(7日夕方、NHK ニュースより)

その後、滑走路ではなく誘導路へ着陸したことが判りました。

9月7日の天気

釧路空港 画像 に対する画像結果

釧路空港は、釧路平野の南側に位置しており、気候はおだやかな太平洋気候です。

晴れの日が多く、冬でも積雪は他の道内の空港と比べても少ない方です。

釧路空港は航空大学校、帯広分校(帯広空港)から100kmほどの距離です。

実況天気図(2023年09月07日)

9月7日の天気。北海道地方は高気圧に覆われて良好な天気でした。

実況天気図(2023年09月07日)

7日は、北の風で滑走路は35を使用していました。冬の西風の時は日高山脈から吹く風で

気流は悪いですが、この時期は比較的安定していて離着陸訓練には支障ありません。

大韓航空、秋田空港で誘導路へ着陸

2007年1月6日、仁川(インチョン)空港を離陸して同日昼12時20分、日本の秋田空港

に到着した大韓航空769便旅客機が、空港滑走路ではない誘導路に着陸しました。

この航空機には乗客と乗務員ら133人が乗っていましたが、全員無事でした。

誘導路は飛行機が空港内を移動するために駐機場と滑走路を連結する道路として滑走路から

約150メートル離れた所に並行して設置されていますが、距離も滑走路と同じ2,500

メートル。しかし幅は滑走路の半分の30メートルしかありません。

当時の天気は、

RJSK 060936Z VRB02KT 4000 RA BR FEW002 BKN020 BKN035 04/04 Q1000 RMK

1ST002 5SC020 7SC035 A2953 P/FR

となっていました。風が弱く視程は4kmとあまりよくありません。

滑走路は10を使用。着陸方式はVOR 10。当時の進入方式では、滑走路の磁方位とVOR進入

の進入コースの磁方位がずれているために、風向きや強さによっては誘導路方向に向かって

飛行している錯覚に陥ります。

私も経験がありますが、視程が悪いと滑走路と誘導路の見分けがつきません。通常滑走路に

は、滑走路灯などの照明がありますが、昼間の天気が良いときには点灯させません。

そのため、遠くからだと見分けが付きにくいのです。

原因?

雪国の滑走路は黄色

滑走路標識 マーキング 画像 に対する画像結果

通常、滑走路のマーキング(標識)は白色です。但し、雪国の空港は黄色です。

滑走路標識 マーキング 画像 に対する画像結果

これは、滑走路に雪が積もったときに白色だと見にくいので、わざと黄色にしています。

誘導路は、中心線を含めどの空港も黄色です。

秋田空港の事故や、今回の釧路空港の事故(インシデント)においてもこのことが

関係しているのではないかと推測します。

特に、日中帯で太陽光の加減などで判断が付きにくい事が多々あります。

指導に集中

訓練中は、教官が訓練生を指導しながら操縦を教えています。特に訓練間もないパイ

ロットにとっては、操作が不慣れなために外を見ずに(見れず)操作に負われてしまい

がちです。一方教官も、指導に夢中になり注意が散漫になる傾向があります。

過去には、ギア(脚)を出し忘れて胴体着陸した事例もあります。

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まとめ

今回の事故は、まだ調査中ですので確かなことは言えません。

ただ、事故が起きるときにはいくつものミス(エラー)が重なって起きるのです。

事故の8割は、人的ミス(フューマンエラー)だと言われています。大型機には、

機長、副操縦士の2人が乗っていてそれぞれに役割(仕事)があります。常に互いに

「良好なコミュニケーション」をとりながら飛行機を飛ばしています。「良好なコミ

ュニケーション」とは、疑問に思ったことや自分の意志などを自由に主張できる雰囲

気を作り、お互いの信頼関係が構築されていることを言います。

しかし、訓練ではどうしても一方通行のコミュニケーションになりがちです。それは

訓練初期段階ではある程度仕方ないかと思いますが、ややもすると終始そのような状

況に陥ってしまうことが多い気がします。私が海外で様々な訓練を受けたときは、

教官は訓練生の人権を尊重し、上から押しつけるのではなく対話の中で問題を解決す

るという教育でした。自衛隊出身の私にとっては衝撃的なことでした。日本の教育は

海外に比べて優れているところが多いとは思いますが、一方でコミュニケーション不足

なところや人権を尊重するという事に関してはまだ遅れていると感じます。

今回、なぜ後ろに2人も乗っていたのに気がつかなかったのか?と疑問を持つ方もいると

思います。それは、訓練生(経験が浅い)が教官が間違うことはないと思い込んでいる

からです。それと、後席に座っていると着陸時は前が見にくくなっていますので気づか

ない事も多いことは確かです。

幸いにもけが人はいなかったこと。事故原因の調査を待ちたいと思います。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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