Cranfield Aerospace Solutions (CAeS)の最新ニュース

飛行機

皆さんこんにちは!

イギリスの水素燃料エンジン開発企業、Cranfield Aerospace Solutions (CAeS)

先日、イギリスの航空機製造会社Britten-Norman との合併、電気モーター企業のEvolito

の電気モーターを採用することを発表しました。

Cranfield Aerospace Solutions (CAeS)

Cranfield Aerospace Solutions (CAeS)の水素動力航空機

Cranfield Aerospace Solutions (CAeS)は、アイランダー航空機(Britten-Norman社製)

に水素燃料エンジンを搭載した航空機を開発しているイギリスの企業です。

2022年7 月 13 日に、ドイツの新興航空会社である Evia Aero と、水素動力航空機アイラン

ダー 航空機に 10 個の水素燃料電池変換キットを供給するという基本合意書に調印しました。

Evia Aero は、9 人乗りのアイランダー航空機を改造して水素推進システムを採用し、改良さ

れた航空機で北ヨーロッパで準地域飛行を開始する計画を発表しています。CAeS は、同社と

協力して航空機を水素動力に変換することに同意しました。2 つのパートナーは、2025 年に

改造された航空機の商用サービスが承認される予定です。

リース グループのモンテ エアクラフトは、さらに 40 台の購入に関する同意書に署名してい

ます。

生産開始から 60 年が経過したアイランダー航空機は、現在、ライカミングまたはロールスロ

イスがそれぞれ提供するピストンまたはターボプロップ エンジンのペアで稼働しています。

CAeS は、これらのツイン エンジンを、水素ガスで作動する燃料電池と電子モーターに置き換

えます。 

英国を拠点とする CAeS は、2019 年から新しい推進システムを開発しており、Project Fresson

を通じて英国政府の資金提供を受けています。同社は当初、ハイブリッド電力システムを製造す

ることを計画していましたが、昨年、その計画を放棄し、代わりに翼に取り付けられた燃料タンク

を備えた水素燃料電池を使用することに変更したのです。

Evia Aero and CAeS plan to convert existing Islander aircraft to run on hydrogen power.

9 人乗りのアイランダー航空機を改造して水素推進システムを採用(画像:CAeS )

水素動力航空機というイノベーション(2023年3月11日記事)

水素動​​力航空機というイノベーション
皆さんこんにちは! 今日は、水素動​​力航空機という新しいジャンルの航空機を開発している企業を紹介します。 その名はCranfield Aerospace Solutions (CAeS) 。 Cranfield Aerospace Sol...
 Britten-Norman との合併

Britten-Norman と Cranfield Aerospace Solutions (CAeS) は、合併し、2026 年に

水素動力のリージョナル旅客機の提供を開始するための主任契約に署名しました。

2023 年半ばに完了する予定の合併には、HydrogenOne Capital Growth Plc

(「HydrogenOne」) が必要です。これは、HydrogenOne、Safran Corporate Ventures

UAE を拠点とする投資会社 Strategic Development Fund (SDF) で構成される CAeS 投

資家のコンソーシアムです。 ) – 合併完了時の HydrogenOne からの最大 500 万ポンドを

含む、新会社への最大 1,000 万ポンドの投資が含まれています。新しい支援は、UAE の

Tawazun Economic Council とカリフォルニアに本拠を置く Motus Ventures によって

投資された以前の 1,440 万ポンドの資金調達ラウンドに基づいています。

Cranfield University と Motus Ventures は、引き続き新事業の株式を保持します。主要投

資家のアラウィ・ザワウィを含むブリテン・ノーマンの既存の所有者も事業に参加します。

新しい投資は、合併後の事業体の成長をサポートするためのさらなる資金を確保します。

CAeS の長期計画では、19 席のリージョナル航空機を水素動力に転換し、最終的には 100

席の旅客機に転換することを計画しています。

CAeS の水素電気燃料電池推進システムの開発を既存のブリテン・ノーマン航空機技術と組み

合わせることで、両社は「明確で明白な市場への道筋」を築いたと述べています。

Britten-Norman は、英国で唯一残っている旅客機のメーカーです。 1960 年代から製造して

いる アイランダー航空機は、クランフィールド空港、ロンドン、ゴスポート、ワイト島、イギ

リスのサウサンプトン、さらにマイアミとマルタを含む 7 つの空港で運航されます。

Evolito が 水素動力航空機に電気モーターとインバーターを提供

イギリスの電気モーター製造会社Evolito が、 CAeS のProject Fresson 水素動力航空機に

電気モーターとインバーターを提供することを発表しました。

 これによりEvolito は、推進イノベーターである Reaction Engines を含む既存の Project

Fressonパートナーに加わります。Reaction Engines は、Ricardo UK が供給する水素燃料

電池システムと Innovatus Technologies の燃料タンクを使用してガス状水素を収容する燃

料電池冷却技術を提供します。

Evolito によると、同社のモーターはラジアル フラックス モーターよりも小型、軽量で、通

常の 4 倍の電力密度があり、新興のゼロ エミッション航空市場に最適です。同社によると、

そのアキシャル フラックス技術は、競合するラジアル ソリューションよりも最大 75% 少な

い鉄、少ない銅、少ない永久磁石しか必要としないため、軽量で環境に優しいものになってい

ます。

ラジアル フラックス モーターは回転軸に垂直なフラックスを生成し、アキシャル フラックス

モーターは軸に平行なフラックスを生成します。アキシャル フラックス モーターのよりフラ

ットな形状は、楕円形のラジアル フラックス設計とは対照的であり、同社が「クラス最高の

出力とトルク密度」と呼んでいるものをもたらします。

Project Fresson の場合、モーターとコントローラーの重量は、水素電気推進システムの全体

質量の重要な要素です。軽量化により、ゼロエミッション航空機が達成できるペイロードと航

続距離が最大化されます。CAeS は、モーターがその新しい冷却システムから効率的な利点も

生み出すことを維持しています。つまり、ユニットが過熱することはなく、常に最大のパフォ

ーマンス設定で実行できます。

「Evolito の革新的なモーターは、軽量で効率が高いだけでなく、非常にコンパクトなソリュ

ーションでもあり、CAeS が技術を効率的に統合してパッケージ化することを可能にし、アイ

ランダー エンジン内にパッケージ化された 240kW の Fresson 燃料電池推進システムの一部

となっています。」と、Evolito のエンジニアリング担当ディレクター、ロブ マーシュ 氏は述

べています。

ベンチャー キャピタル グループ B-Flexion と Oxford Science Enterprises の支援を受けて、

Evolito は 2021 年 7 月に YASA と呼ばれる会社からのスピンオフとして登場し、メルセデス

ベンツが自動車事業を買収する前に、航空宇宙の知的財産を取得しました 。

まとめ

アイランダー航空機は、製造から60年以上経って新しい命を吹き込まれ、今後も活躍の場を

拡げることとなります。

しかしその背景には、イギリス経済が抱える闇があります。

2020年にイギリスは、EUヨーロッパ連合から正式に離脱しました。イギリスは、長年移民

問題で悩まされてきました。移民がイギリスに多く流れた理由は、社会保障の手厚さでした。

移民が増加した分の社会保障をイギリス国民が負担するので税金がどんどん高くなっていっ

たのです。そこで国民投票を行いEUからの離脱を決めたのです。

EUからの離脱は、移民の排除という結果はもたらしましたが、一方で人手不足と貿易赤字の

増加という負の結果も残したのです。

IMF国際通貨基金は、イギリスの国内総生産(GDP)は今年、0.6%縮小する見込みと発表。

前回見通しで示していた、0.3%のプラス成長からマイナスに転じました。その他の主要7カ国

(G7)については、今年の経済成長見通しは、アメリカは1.4%、ドイツは0.1%、フランスは

0.7%、イタリアは0.6%、日本は1.8%、カナダは1.5%ととなって、唯一マイナス成長です。

それは、イギリス航空業界にとっても大きな打撃でした。イギリス政府は、国内での産業の促

進を図り今回のような合併が進んでいます。しかし、今後はイギリス国内企業だけでは限界が

あるため、今まで通りEUやアメリカ、日本などの企業と提携していく道を模作していかなけれ

ば生き残っていくことは難しいと思います。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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