LSA市場調査、成長は続く

LSA 軽スポーツ航空機

皆さんこんにちは!

LSA(軽スポーツ航空機)市場は、今後世界で成長産業です。一部では電動化も進み、気軽に飛行機を操縦できるのが魅力です。

そんなLSAの市場調査予測から見えてくるものとは?

軽スポーツ機の市場規模・シェア分析 – 成長動向と予測(2024年〜2029年)

軽スポーツ航空機市場分析

軽スポーツ航空機の市場規模は2024年に1340億ドル(20兆7000億円)と推定され、

2029年には1840億ドル(28兆5000億円)に達し、予想期間中(2024年~2029年)に6.54%のCAGR(年平均成長率)で成長すると予想されています。

2020年、新型コロナのウイルス感染症のパンデミックにより、LSAに関するスポーツ活動に

対する民間の需要が混乱しました。感染拡大により観光客の流入が減少したのです。この

パンデミックにより世界中でいくつかのLSA運営施設が一時的に閉鎖を余儀なくされ、多く

の新規開発プロジェクトが経済の低迷と慎重な投資家によって打撃を受けていました。それ

にもかかわらず、世界の旅行、観光業界は徐々に回復しており、LSA活動の需要が増加すると予測されているために、需要の低迷は短期間と予想されています。

スポーツやレクリエーション活動でのLSAの使用は、旅行および観光部門の成長と愛好家の数

の増加により増加しています。世界中大ロットを訓練する必要が高まっていることから、

LSA訓練も重要性を増しています。一方で、主要な航空規制機関は、業界の成長を支援し、

新しいLSA調達を促進するために新しい規制要件の導入と」既存の規制要件の修正に取り組んでいます。これらも市場の成長を促進すると予想されています。

軽スポーツ航空機の市場動向

現在、調査対象市場では飛行機部門が最も高いシェアを占めています。LSAの飛行機カテゴ

リーは市場で最も一般的であり、比較的安価であるためにレクリエーション活動や熱狂的な

フライヤー、新人パイロット訓練に好まれています。北米、ヨーロッパ、中東の一部などの

地域におけるアドベンチャースポーツの成長が飛行機セグメントの成長の主な理由です。

一方、航空会社、訓練機関、航空当局は、パイロットの訓練と承認のコストを下げようとし

ています。この点で、LSAは従来から使用されているピストンエンジンやターボプロップ

エンジンを搭載した一般航空機よりも調達コストやメンテナンスコストが低く、燃料消費量も少ないため採用が増加しています。

工場で製造される航空機の需要は、キットで製造される航空機よりも大きいことが判りまし

た。しかし、キットから航空機製造が容易になり、情報が簡単に入手することができるよう

になり、この傾向は急速に変化しています。2020年にはキットビルドの登録数がファクト

リービルドの登録数を上回りました。軽飛行機の需要の高まりを受けて、複数のメーカーは

新世代の航空機を投入しています。例えばテラフージア派2021年の初めにFAAが同社の移行

ロード可能な飛行機を軽スポーツカテゴリー(S-LSA)で認証する特別耐空証明を付与し、

同機が合法的に飛行できるようになったと発表しました。テラフージアは、初期飛行専用

バージョンを生産、販売し、2022年までに商業化しました。こうした開発は、予想期間中の市場成長を促進すると考えられます。

予想期間中、ヨーロッパが最大に市場になる

現在、ヨーロッパの市場が最も高く、予想期間中もその状況が続くとみられます。同地域には

観光スポットがいくつかあり、軽スポーツ航空機の活動にとって有利な地理的条件が揃って

います。これらの航空機の普及に伴い、同地いい気の航空規制機関は、業界の成長を支援し

新たなLSAの調達と運航を推奨するために新たな規制を導入しています。2020年、EASA

(欧州安全機関)は、ヨーロッパでアメリカのLSAに相当する600kgのウルトラライトプレーンを許可しました。

軽スポーツ航空機産業の概要

軽スポーツ航空機市場は断片化されていて、レジャー市場や飛行訓練市場向けに軽スポーツ航

空機モデルを提供する地元や地域の航空機メーカーが多数存在しています。市場の主なメー

カーは、テクナム、キャブ・クラフターズ、ジャビルエアクラフト、ジーナスエアクラフ

ト、バンズ・エアクラフト社などがあります。これら市場のプレーヤーは新しいモデルを次々

と導入しています。これらの企業は更なる地域拡大を模索して、FAAやEASAなど認定を

受けています。例えば、テクナムは2020年2月にP2002 Sierra Mkll、同年11月に

P92 Echo Mkll軽飛行機についてドイツの新しい600kgルールに基づく承認をそれぞれ取得

しました。ドイツの型式承認は他のヨーロッパ諸国でも認められています。一方、各社は市場

での存在感を更に高めるために、ハイブリッド電気推進システムのような最新の推進技術を搭

載した新型の航空機の開発に投資を行っています。こうした開発により、今後数年間は市場の競争力が高まると予想しています。

P2002 シエラ 外装

テクナム社製LSAP2002 Sierra Mkll

軽スポーツ航空機市場規模

軽スポーツ航空機の2024年の市場規模は、11億7000万ドル(18兆円)に達し、CAGRは5.21%で成長しています。

2024年はヨーロッパが最大のシュアを占めていますが、現在最も急速に成長している地域は、アジア太平洋地域で今後もこの急成長は続くと予想されます。

まとめ

今後ますます、LSA(軽スポーツ航空機)の市場は世界的に急速に成長していくでしょう。

この予想通り、急成長が見込めるアジア太平洋地域ですが、残念ながらその中に日本は入っていません。

その理由としては、行政機関(国土交通省、航空局)の規制の遅れがあります。日本の航空局は、現在のところ、今年4月から開催される大阪万博の『いわゆる空飛ぶクルマ』の実用飛行に向けて躍起になっています。

また昨日東京都は、早ければ2027年度から「空飛ぶクルマ」の商用運航を始めるとする案を発表しました。関連予算約3億9千万円を25年度当初予算案に盛り込みました。

この様に行政、地方自治体は華やかなものへ投資しています。それは至極当たり前のようにも見えますが、本来、航空業界の成長を促す順番が異なっていると思います。

まずは、LSAを広めて、安価でライセンスのハードルが低いものから実用化していく方が早いのです。そして、航空人口を増やして行き、航空機製造や整備などの新たな産業を生み出し、雇用を促進し、海外への輸出を視野に置く企業が出てくることが重要です。

また、今後不足するパイロット人材育成についても、企業や個人の訓練費の負担を軽減できることは明らかです。

そのためには、まずは規制緩和を早急に行い、LSAが飛行できる空域の確保、新たなLSAライセンスの構築が必要です。

このままでは、日本はますます世界の航空後進国として取り残されるでしょう。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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