皆さんこんにちは!
今日は、チェコのスタートアップ企業のZURI(ズリ)という企業を
紹介します。ZURIは5人乗りのeVTOLを開発している企業です。
ZURI
ZURI(ズリ)という会社を皆さんはご存じでしょうか?恥ずかしながら
私は知りませんでした。
2017年に会社の創設者である マイケル・イリーチ が描いたひとつのス
ケッチから始まりました。
2018年5月には、最初のモデルが造られました。基本的なアイデアを証明
するために、翼幅 2 メートルの小型モデルを作成しました。これは、飛行特性
をテストするために使用されました。
2018年8月、次に、コンセプトのスケーラビリティをテストしたいと考え
ました。飛行機の設計者を雇って、5 メートルのプロトタイプを作成しました。
最初に、飛行機として水平モードでテストし、次に垂直離着陸システムを追加
し、ホバー モードで航空機をテストしました。このモデルは、地方の CAA 当局
に登録された最初の無人航空機となりました。
2019年から1人乗りのプロトタイプの試験を行い、2021年9月には初の
ホバー試験を行いました。
2021年10月には、大型の投資家(エンジェル投資家)から240万ユーロ
(3億3600万円)の融資を受け、現在の開発段階に必要な資金を確保しました。
2022年1月、ZURI は、ZURI 2.0 と呼ばれる次世代のハイブリッド VTOL 航
空機を正式に発表しました。
ZURI 2.0
これがZURI 2.0です。
チルトローターを採用しています。前方に 4 個、後方に 4 個の推進ユニットが縦
位置と横位置の間で傾斜します。これらの電気モーターは、完全に冗長な分散型電
気推進システムです。いずれかのコンポーネントに障害が発生した場合でも、安全
な飛行が保証されています。
発電機と結合したタービンが搭載されています。このシステムは、飛行全体を通し
て電気エネルギーを供給し、UAMとして中間距離の運行を行います。
バッテリーパックは最新の軽量リチウム電池で構成されています。いくつかの独立
したバッテリーボックスがあり、インテリジェントなバッテリー管理システムによ
って個別に保護されています。ボックスには、最大の安全性のために耐火断熱材が
装備されています。
飛行制御システムは、航空機の操縦翼面の機械的バックアップを備えた冗長フライ
バイワイヤ システムで構成されています。洗練されたオートパイロットは、複数の
入力、交通、または地形情報に基づいて飛行制御を提供し、最高レベルの安全性を
確保しています。
ZURI 2.0 アップデート
そして、2022年10月にZURI 2.0のアップデート機を発表しました。
変更点は、内部レイアウトので、座席配置が異なる元の VIP およびエグゼクティブ
バージョンが、1 + 2 + 2 スキームに統合されました。つまり5人乗りになったの
です。
外側から見ると、最も重要な変更は航空機の後部です。垂直尾翼を備えた標準尾翼の
代わりに、より大きなプロペラとプロペラと地面の間の距離のさらなる増加を可能に
する V 尾翼です。V テールを使用すると、空力抵抗が低下し、飛行機の全体的な空力
特性が向上します。カーゴバージョンにもマイナーなデザイン変更が加えられており、
その内部スペースはさまざまな種類の貨物を搭載できるようになっています。
Zuri 2.0 の基本パラメータ
範囲 | 700+ km (435 マイル) + 30 分間のリザーブ |
巡航速度 | 300+ km/h (186+ mph) |
パワーユニット | 8つの傾斜電動モーター |
車載発電機 | 電気モーターに電力を供給し、リチウム電池を充電するための発電機を備えたタービン |
この700kmの航続距離は他のeVTOLに比べてとても優れています。
コンセプト
ZURIのコンセプトは、中間距離の貨物や旅客の輸送です。
例えば、700km離れた出張先に自宅から飛行機を使った場合、約2時間50分
かかります。ZURIのeVTOLですと自宅から目的地まで約1時間50分で着くの
です。その理由は、空港までのアクセス時間が少ないことと直接目的地近くまで行
けるということです。
また、リゾート地における島々の移動手段としても利用できます。タイ、モルディ
ブ、フィリピン、インドネシアには何千もの島があります。それらのほとんどは空
港はありません。ZURIのeVTOLを使用することにより、ボートでの移動をスキ
ップできます。
このように、都市や空港、リゾート地を直接結ぶことで移動にかかる時間を大幅に
短縮することができ、年に1回のバカンスを有効に使うことができます。
まとめ
ZURIは、最新のテクノロジーとしっかりとしたコンセプトを武器に大規模な
融資を確保することができました。それを研究開発費に充てて更なる機体の開発
に着手しています。この考え方は、島国ニッポにも当てはまると思います。例え
ば、沖縄(那覇空港)から沖縄のリゾートである空港のない島々に直接船を使わ
ずに渡ることができます。ヘリコプターに比べて騒音や費用の軽減にも繋がりま
す。何と言っても、脱炭素で二酸化炭素を排出しません。
もう一つの使い方は、台風災害の後に海が荒れて物資輸送ができない場合に活用
したり、病人の緊急搬送にも役に立つと思います。ただ、eVTOLは天候に左右さ
れてしまう欠点があります。それらの課題を少しずつでもクリアーしていって
皆さんのためになるような空飛ぶクルマの開発を期待します。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント