大分空港、小型機胴体着陸

飛行機

皆さんこんにちは!

昨日(8月14日)の午前10時頃に、大分県大分空港で離着陸訓練を行っていた本田航空

所属のビーチエアクラフト58が胴体着陸事故(重大インシデント)を起こしました。

大分空港、胴体着陸

ニュース一報

大分空港に胴体着陸した小型機=大分朝日放送のライブカメラから

本田航空所属のビーチエアクラフト58胴体着陸(画像:朝日新聞社大分支部)

8月14日午前10時半ごろ、大分県国東市の大分空港で、本田航空(埼玉県)の小型プロペラ

機(ビーチクラフト式G58型)が胴体着陸しました。国土交通省大分空港事務所などにより

ますと、車輪が出なかったという。乗っていた訓練生2人と教官1人にけがはありませんで

した。

プロペラ機は午前9時20分ごろに大分空港を離陸し、約1時間後に同空港に戻る予定で

した。車輪が出なかった理由は不明という。滑走路閉鎖で少なくとも全日空や日航の計5便

が欠航したほか、着陸を福岡空港に変更した便や、羽田空港に引き返した便もありました。

国の運輸安全委員会は同日、「重大インシデント」として航空事故調査官2人を派遣しまし

た。

優秀な訓練機

今回事故を起こしたビーチエアクラフト58型機は、日本でも多くの訓練に使われています。

パイロットの免許には、単発(1つのエンジン)、多発(2つ以上のエンジン)の2種類が

あります。一般的に、自家用操縦者の方は単発エンジンの免許を取得します。事業用操縦

者(エアラインパイロット、使用事業のパイロットなど)は、多発免許を取る必要があり

ます。その訓練機として同型の航空機はベストセラーとも言うべき機体です。

ビーチエアクラフト58型機は、アメリカのテキストロン社が生産・販売する、双発機の冗

長性と安全性を備え、馬力とのバランスが完璧と評される双発機です。G58モデルは2005

年からの生産で、最大航続距離は1,480海里(225km)、最大搭乗者数は6名、エンジンは

コンチネンタル・モータースのIO-550-Cを搭載しています。大きな貨物ドアや2つの貨物

用コンパートメントを備え、ビジネスにもレジャーにも使える柔軟性を提供しています。

ビーチエアクラフト58型機(バロン)(画像:朝日航空)

ビーチクラフトG58バロン

ビーチエアクラフト58型機のコックピット(画像:朝日航空)

現在、日本では33機のバロンが登録されています。そのほとんどがフライングスクールで

訓練に使用されている機体です。そのうち個人所有は6機です。

同型機の胴体着陸事故

日本では、2017年と2016年に同型機で胴体着陸事故が起きています。どちらもパイロッ

トミスです。

長崎空港、崇城大学

2017年6月29日に、学校法人君が淵学園(崇城大学)のビーチエアクラフト58型機が

長崎空港で胴体着陸事故を起こしました。

機長訓練の一環として、熊本空港を飛び立った当該機は、長崎空港にて連続離着陸訓練

を行っていました。教官パイロット(右席)は、着陸の方法を説明することに夢中にな

り、脚を出し忘れました。訓練生も説明を聞くのでそのことを失念。脚が降りていない

警報音が鳴っているにもかかわらずそのまま接地しました。

仙台空港、航空大学校

2016年8月25日、仙台空港にて独立法人航空大学校所属のビーチエアクラフト58型機が

胴体着陸事故を起こしました。

本事故は、仙台空港で連続離着陸訓練を実施する際、脚下げ操作がなされず、その確認も

十分に行われないままであったため、胴体着陸となり、機体を損傷させたものと認められ

ました。

脚下げ操作がなされず、その確認も十分に行われないまま着陸したことについては、教官

による飛行状況の把握が不十分になったため、脚下げ操作及び確認行為の失念に気付かな

かったことによるものと考えられます。

当該機には、教官(右席)と3人の訓練生が同乗しており、訓練生の1人が操縦を左席で

担当していました。訓練生は、ビーチエアクラフト58型機での初期訓練で不慣れなところ

がありました。教官が主導して操縦操作を行っており、ギアの操作が曖昧になっていまし

た。また、事故防止のためのチェックリストや警報音にも気づかないまま、着陸してしま

いました。

事故の原因

この2つの事故の原因はパイロットミスです。どちらとも、過信が引き起こした事故でした。

教官が、訓練生を熱心に教えるあまり注意力が散漫になってしまったり、他のことに気を

とられて操作を忘れるというのが要因です。忘れないためにチェックリストがあるのです

が、思い込み(ギアが下がっているはず)がチェックリストをすり抜けてしまったのです。

警報音(ギアが下がっていなくてフラップが着陸位置にある場合に鳴る)も他に注意が行

っているときは聞こえないものです。

2番目の事例は、他に2人、後席に乗っていたのですが気づいていません。本当は、おかし

いと思っていたのかもしれませんが、アドバイスすることはありませんでした。教官と

訓練生という立場で、言えない雰囲気があったのか、教官が失敗するはずはないと思い込

んでいたのか。事故調査報告書には、訓練生が意図的に警報装置を切っていたとの記載

があります。

大型機の胴体着陸

2007年3月13日、全日本空輸(ANA)のボンバルディアDHC8-Q400型機が、高知空港

で、前輪が出ないために胴体着陸を行っています。

高知空港で胴体着陸したANA機

通常、航空機は油圧によって脚(ギア)を出し入れします。油圧が不作動になっても

脚の自重によって下がるようになっており、2重3重の備えがあります。

高知空港の事故は、機体の不具合で前輪が出なかったことが判明しています。

以前からボンバルディアDHC8-Q400型機は、トラブルが続いていました。この事故

をきっかけに、日本では退役が早まってしまいました。

胴体着陸の方法

胴体着陸は、まずは火災が起きることが一番のポイントです。そのために、ギリギリ

まで燃料を減らして、火災が起きないようにします。

また、着陸後にブレーキが働かないために機体のコントロールができません。

地上では,消防車による水や消化剤を撒くなどして火災に備えなければなりません。

着陸速度は、失速ギリギリまで落として少し強めに接地させます。

滑走路は、なるべく長い方が良いです。ちなみに、滑走路の周りはコンクリートでは

なく、芝生や草地になっています。その理由は、航空機が滑走路から外れた時に少し

でもショックを和らげるためです。

まとめ

今回の大分空港での事故は、まだ原因がわかりませんが、パイロットミスや整備ミス

が考えられます。いずれにしても、早期の原因究明が求められます。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

 

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