皆さんこんにちは!
コロナのパンデミックが終了し、世界各地でイベントが復活しています。
パリエアショーも、4年ぶりに開催されます。
今回は、パリオリンピックを控え、脱炭素に向けた取り組みや新たにeVTOL航空機の
展示や実演飛行も計画されています。
パリエアショー
パリエアショー2023
パリ・エアショー(第54回)は、2023年6月19日(月)から6月25日(日)までの1週間、
フランス・パリ郊外のル・ブールジェ空港を会場に開催されます。
前回の2021年は新型コロナウイルスの影響のため中止、その前の2019年は出展社数
2,453社、来場者数は316,470人でした。
ファンボロー・インターナショナル・エアショーと交互に隔年で開催される航空宇宙
機器の見本市で、エアバス、ボーイングをはじめ、航空機メーカー、関連企業などが
多数、出展します。
パリ・エアショー(パリ国際航空宇宙ショー)は、2年に1度パリで開催される航空宇宙
業界の国際見本市で世界最大規模を誇ります。当見本市は、フランス航空産業協会の100
%子会社であるSIAEが主催し、1909年に創設されました。航空機や戦闘機のデモンスト
レーション飛行も行われるダイナミックな見本市としても知られ、パリエアショーの名で
も親しまれています。最新技術を駆使した製品が一堂に会し、バイヤーと出展者の出会い
の場でもあります。多数のイベントもご用意しており、2023年展ではスタートアップ企業
と投資家のマッチングも強化しております。
パリエアラボ 脱炭素化された旅行への道…
パリエアショーで開催される、パリ エア ラボの 3 回目では、脱炭素化旅行への世界的な
移行の最中にある今日、航空輸送における新たな革命について学ぶことができます。
2050 年までにカーボンニュートラルを達成するという国際的な公約に応え、プログラム、
研究プロジェクト、技術的進歩の広大なネットワークが、ショーの中心部にある 1000 平
方メートルの専用スペースで開催されます。
テクノロジー、航空機運用、代替エネルギー源の世界で進行中のイノベーションと、この
変革を支える製造業の新しい側面をご覧頂けます。メーカーから研究者、エネルギー専門家
に至るまで、すべてが協力して明日の航空機への最善の技術的道筋を見つけ、化石燃料に終
止符を打ち、空に新しい道を切り開き、私たちの未来を形作る国際的なエコシステム全体を
知ることができます。
開催期間を通して行われる一連のラウンドテーブルでは、代替エネルギーへの移行に必要な
条件などの重要な問題が詳しく検討され、スタートアップ企業のピッチに特化したセッショ
ンを含む特別セッションは欧州プログラムと新興企業に特化して行われます。
パリ エア ラボの会場の様子(画像:パリエアショー2023 SIAE)
持続可能な展示ホール
主催者のSIAEは、今回のパリエアショーで環境に配慮した新しい展示ホールを建設しました。
新たに建設された第3展示場(画像:パリエアショー2023 SIAE)
この新しい建物の展示面積は、旧ホールの 12,040 平方メートルに対して19,260平方メート
ルになっています。天井の高さは5 メートルではなく9 メートルです。より快適で、環境に
優しく持続可能な建物です。
特徴としては、
2,400 m 3の木材を使用した 20,000 m ² の木造フレームワーク。
HQE (高環境品質) および BREEAM (建築エネルギー性能) 認証。
解体廃棄物の94%が再利用され、そのうち65%は現場で直接廃棄されました。
二酸化炭素排出量 < 16 千トン CO2 換算
このプロジェクトには 200,000 人時が費やされ、そのうち約 20,000 人時間が社会的およ
び専門的統合に費やされました。
その後、パリ ル ブルジェ エキシビション センター全体とともに、メイン メディア センタ
ー (ラジオ、テレビ、印刷メディアの放送および制作センター) を収容するために、2024 年
パリ オリンピックおよびパラリンピック競技大会組織委員会に提供される予定です。
第3展示ホールの内部(画像:パリエアショー2023 SIAE)
パリエアモビリティ
パリ エア モビリティは、6 月 19 日から 25 日まで、eVTOL における最新のイノベーショ
ンと新興技術を紹介し、ネットワーキングと知識交換のためにこのダイナミックなコミュニ
ティに主要なプレーヤーを集めます。 ホール 5 に位置するこのイベントは、メーカーや新興
企業が革新的な製品やサービスを展示できる展示エリアと、上級レベルの講演者が業界の現
状に関する分析と洞察を提供する業界をリードするカンファレンス プログラムを組み合わせ
たものです。 AAM 市場と業界を前進させるためのイベントです。
パリ航空ショーがプロデュースするこのユニークなイベントは、先進エアモビリティ (AAM)
エコシステムの主要企業にとって最大の目的地となります。
パリ エア モビリティ会場予想図(画像:パリエアショー2023 SIAE)
5月末現在、展示エリアに登録したeVTOL関連企業は、ARCHER(米)、ASCENDANCE
FLIGHT TECHNOLOGIES(仏)、EHANG(中国)、EVE AIR MOBILITY(ブラジル)
LILIUM(独)、VOLOCOPTER(独)、パリ航空ショーに登録したeVTOL関連企業は
AUTOFLIGHT USA INC.(米)、WISK(米)となっています。
ASCENDANCE FLIGHT TECHNOLOGIES
ARCHERやEHang、EVEなどはよく知られたメーカーです。
私のブログの中で、紹介していませんでしたASCENDANCE FLIGHT TECHNOLOGIES
というフランスの会社を紹介します。
2018 年に設立したASCENDANCE FLIGHT TECHNOLOGIESは、高性能なだけでなく、
汚染がはるかに少ない航空機を開発することを使命としています。そして 4 人の創設者は、
30 人の才能あるチームとともに、2 つの重要なプロジェクトに取り組むことを決定しまし
た。
空の旅の脱炭素化を直ちに開始するために、ハイブリッド エンジン ATEA を搭載した垂直
離着陸機である VTOL 飛行機の構築。
複数のエネルギー源を利用するモジュール式エンジン STERNA の開発。このエンジンは、
航空業界全体への影響を拡大するために、より大型の航空機に組み込まれる予定です。
ハイブリッド エンジン ATEA
ヘリコプターに代わる実行可能で環境に優しい代替品である Atea は、二酸化炭素排出量
を最大 80% 削減し、騒音を 4 分の 1 に分割すると同時に、より静かに、持続可能かつ
コスト効率よく世界中の人々を繋ぐ長距離性能を提供します。
Atea は、クリーンで静か、効率的な高度なエア モビリティ ソリューションとして設計さ
れた垂直離着陸機 (VTOL) です。
当社の独自のハイブリッド推進システムにより、航続距離は 400km 以上、所要時間はわ
ずか 10 分で、当社の航空機は、今日の航空モビリティプロバイダーの、旅客輸送、緊急
医療サービス、観光、航空輸送などの幅広い任務の運用要件を満たしています。監視とパ
トロール航空機としても運用できます。
航空機全体は、EASA SC-VTOL 規制の要件およびそれに関連する車両側の準拠手段に準拠
して設計されています。この航空機は、飛行ルートと予備飛行に関する航空作戦規則に基づ
く現在の運用要件も満たしています。
そのテクノロジーは、燃料消費量を最適化するために灯油とバッテリーを混合して使用する
独自のハイブリッド推進システムにより、二酸化炭素排出量を最大 80% 削減し、よりクリ
ーンな飛行が可能になりました。
ハイブリッド エンジン ATEA VTOL(画像:ASCENDANCE )
主な性能
- モジュール式ハイブリッド電気推進
- 垂直飛行と水平飛行のための 2 つの独立した推進システムを備えた「リフト + クル
ーズ」構成
- 8 つのローターを 2 つの固定翼に統合
- 水平プロペラ 2 基
Atea は最大 4 人の乗客を乗せることができます。 (+ パイロット 1 人の計5名)
貨物バージョンでは、Atea のキャビン レイアウトは最大 450kg までの小包を運ぶことが
できるように調整され、その後、最終的な配送を担当するより地元の配送ハブに配送されます。
Atea 貨物バージョン(画像:ASCENDANCE )
まとめ
4年ぶりに開催されるパリエアショー。民間航空機やビジネスジェット機などに加えて
ウクライナ戦争に見る軍需装備品や戦闘機などがメイン会場を席巻する中、フランス
としては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた積極的な取り組みをアピール
する狙いがあります。それは、来年の2024年パリオリンピックにも繋がるものです。
今回のようにeVTOL航空機の展示や、環境に配慮した取り組みは、これからの産業の
中心になることが期待されている証拠でもあります。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
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