桜島噴火

お天気

皆さんこんにちは!

昨日24日の夕方に、桜島が噴火しました。

警戒レベルが5に引き上げられて、避難された住民の方もいらっしゃいました。

今日は、火山の噴火にスポットを当てて見ていきます。

桜島の火山

昨日(24日)の噴火

昨夜、午後8時5分頃、鹿児島県の桜島が噴火しました。

気象庁は、噴火警戒レベル5を発令しました。桜島の南岳山頂火口より東側から

南東方向にかけて、噴石が飛んだとみられます。

鹿児島市は午後10時ごろから災害対策本部会議を開き、同20分、火口から3キロ圏内に

かかる同市有村町全域と古里町の一部に避難指示を発令しました。

対象世帯は計33世帯51人です。

桜島噴火の歴史

桜島はいつごろから噴火し、過去にはどのような噴火があったのでしょうか?

桜島は、記録が残っているだけで4回の大噴火をしています。

764年(天平宝字8年:奈良時代)1471年(文明3年:鎌倉時代)

1779年(安永8年:江戸時代)1914年(大正3年)です。

大正噴火では、大量の溶岩が流れ、これまで島だった桜島と大隅半島が陸続きに

なりました。

1946年(昭和21年)に起きた噴火が溶岩が流れた最後の噴火です。

1955年からは火山灰の噴出を繰り返す噴火活動が続いています。現在は、南岳の

山頂火口もしくは南岳東側斜面の8合目付近の昭和火口のどちらかが爆発を繰り返して

います。

日本の火山

日本の活火山

活火山とは噴火している火山休火山とは噴火記録はあるが噴火活動を休止している

火山噴火記録がない火山死火山と呼んでいました。現在は、噴火の可能性がある

火山の全てを活火山と呼んでいます。

現在、国内の活火山は、北は択捉の茂世路岳、南は小笠原諸島の日光海山、西は沖縄

南西諸島の西表島北北東海底火山まで、合計110に上ります。その内、火山防災の

ために監視、観測態勢が常時必要な火山は49火山あります。

active volcano map

日本の活火山 2021年

噴火警戒レベルが運用されている火山

噴火警戒レベルが運用されている火山
噴火警報と噴火警報レベル

噴火警戒レベルは、火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲と防災機関や住民等の

とるべき防災対応」を5段階に区分して発表する指標です。

噴火警戒レベルの表

今回の桜島の噴火は、レベル5の避難に相当し、住民は住居地域から移動を余儀なく

されました。

火山灰

火山灰の成分と特長

火山灰とは、火山から噴出されたもののうち、直径2mm以下のものを言います。

成分は、ガラスや鉱物結晶、岩石の破片などです。

特徴は

① 火山灰粒子の融点

火山灰粒子の融点は約1000℃であり、一般的な砂塵と比べて低くなっています。

航空機のエンジンに火山灰が入ると航空機用ガスタービン燃焼温度(1400℃以上)

で、火山灰の粒子が燃焼室内で融解した後に冷えてタービンブレードなどに付着して

しまい、飛行中のエンジンが停止してしまいます。

② 金属の腐食

火山灰から溶け出した硫酸イオンは金属を腐食させる要因になります。

③ 導電

火山灰は乾燥時には絶縁体ですが、水を含んだ湿った状態の場合、火山灰に含まれる

ガスや塩基類によって導電性を持つことがあります。電柱の碍子(がいし)などに付着

して停電が起きることもあります。また、通信機器に影響を与え、重大な通信障害を

引き起こす可能性もあります。雷雲や火山灰の雲の中を飛行すると、航空機の窓に

稲妻が走ったような現象セントエルモの火もこのせいです。

航空機の窓や機体の表面が発光する自然現象、セントエルモの火/Courtesy Christiaan van Heijst

④ 人体に及ぼす影響

火山灰を吸入してしまうと呼吸器に影響を与え、慢性気管支炎、肺気腫、喘息を悪化

させる恐れがあります。

火山噴火と航空機

火山噴火による航空機事故

1982年6月24日、ブリティシュ・エアウエイズのボーイング747型機の全ての

エンジンが飛行中に停止しました。原因はジャカルタ南東の160kmにある火山の

噴火でした。

前日の23日に、同機はロンドンヒースロー空港を飛び立ちました。目的地はオースト

ラリアのオークランド国際空港。途中の経由地のマレーシア、クアラルンプールを

離陸し、オーストラリアのパースに向かう途中のジャカルタ上空高度3万フィート

(1万1300m)で火山灰により、4つの全てのエンジンが停止しました。

その後、全てのエンジンの再始動に成功し、運良く生還することができました。

日本でも、1988年11月、伊豆大島上空を飛行していた日本エアシステムの

航空機が、三原山外輪山の噴煙で被災しました。

1911年6月、南シナ海、フィリピン上空を飛行中の航空機が、ピナツボ火山の

噴煙によりエンジンを損傷する事故を起こしています。

航空機の運航

気象庁の火山噴火による降灰の厚さ、重さから、航空機の運航の可否についての

ガイドラインが示されています。但し最終的にはその空港を管理している所管庁の

判断によります。

運航が不可とされる状況は以下の通りです。

空港施設に対する降灰の影響以前に、降灰があり、空気中に火山灰が浮遊している

状態では航空機のエンジンに重大なトラブルが起こる可能性があるため、降灰が予想

される範囲での航空機の運航および空港の使用はできないものと考えられます。

具体的には

降灰0.3mmで滑走路や誘導路のマーキングが見えなくなります。

降灰1~2mmでは、2002年のエクアドルのエルレベンタドル火山が噴火した時に

空港が7日間閉鎖されました。

降灰4mmの時には、フィリピンのピナツボ火山が1991年に噴火した時、

約100km離れていたマニラ国際空港が10日間閉鎖されています。

1mmの厚さを重さに換算すると、1000~1400g/m²になります。

我々、パイロットは火山が噴火した情報を入手した場合は、目的地や飛行コース

に火山灰がかかっている場合には引き返すことになっています。目視で火山灰などが

見えない夜間には細心の注意が必要です。また、滑走路に降灰がある場合は、すべり

やすく、着陸時の逆噴射によるエンジンへの火山灰の吸い込みにも注意が必要です。

まとめ

火山の噴火は、過去に大きな爪痕を残しています。

1990年の長崎雲仙普賢岳の火砕流災害では、死者41名、行方不明3名、負傷者

12名。2014年の長野県と岐阜県の境にある御嶽山の噴火では、死者58名、

行方不明5名など、日本では火山の噴火による災害が頻繁に起こっています。

地震と同様に火山噴火も正確に予知することは難しいです。日本は火山大国だという

ことを忘れてはいけません。地震だけではなく火山噴火にも備えておくことが必要

ですね。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

 

 

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