ハワイの新しい旅、シーグライダー

飛行機

皆さんこんにちは!

昨年8月に発生したハワイ・マウイ島の大規模火災。3日間続いた火災は、死者99人

2,200棟の住宅が焼失。いまだにハワイの観光事業に大きな打撃を与えています。

この様な状況を変えるべく、全電気式の地面効果翼型航空機『シーグライダー』を

使った新しい旅を起爆剤として観光立国復活に挑戦しています。

ハワイ・シーグライダー・イニシアチブ、手頃な価格で取り組みを開始

ハワイ・シーグライダー・イニシアチブ(HSI)は、ハワイのコミュニティに手頃な価格

でアクセスしやすい新しい交通手段を提供することに尽力する広範な連合とともに発足し

たとプレスリリースが報じました。

シーグライダーは全電気式のゼロエミッション船で、水上のみを最高時速 180 マイル

(290km/h)の速度で航行し、沿岸地域間で人や貨物を輸送する時間とコストを大幅に

削減します。 

ヤマトHDが出資、新興が開発する電動グライダー「シーグライダー」ってなに?

12人乗りの全電気式の地面効果翼型航空機『シーグライダー』

この航空機は船体に浮かんでから耐波性の水中水中翼に移行し、水面から 30 ~ 60 フィー

トの超低高度で飛行します。最もよく知られているのは米国に本拠を置くリージェントと

ヴァイスロイ・クラフトです。

発足時点では、HSI メンバーは 10 を超える著名な企業およびコミュニティ組織で構成さ

れています。これらには、AES ハワイ、アラスカ航空、ハワイアン航空、ハワイ宿泊観光

協会、日本航空、モクレレ航空、ポリネシアン アドベンチャー、リージェント クラフト、

ハワイ小売業者、ユナイテッド航空が含まれます。

HSI はハワイ運輸省 (HDOT) とも MOU (覚書) を締結しました。旅客および貨物サービ

に再生可能エネルギーを使用した代替形態の島間輸送を支援しています。この取り組み

は、HDOT と協力し、他の州および地方政府機関と協力して、州の 2045 年の脱炭素化

目標をサポートします。

ネイティブ・ハワイアン発展評議会(CNHA)の最高経営責任者(CEO)でHSIの顧問で

もあるクヒオ・ルイス氏は、「CNHAはHSIと協力して、シーグライダーの導入がハワイ

住民とハワイ全土のコミュニティにプラスの影響を与え、高揚させることに興奮して

いる」とコメントしました。

同氏は続けて、「私たちはシーグライダーがハワイ全土、特にモロカイ島コミュニティ

人々の幸福を増進するためにもたらす変革の可能性を熱心に期待しています。」と。

ハワイ州知事のジョシュ・グリーン氏は、「島間の交通ネットワークへのこの投資は、

域社会のつながりを維持し、地元企業を支援し、ハワイの回復力のある経済を構築す

るのに役立つ、再生可能な代替交通手段を提供するでしょう。」と付け加えました。

リリースでは次のように説明されています。「2024年、HSIはハワイで島間および島内

にシーグライダーネットワークを確立する社会経済的および技術的実現可能性を開発し

けます。ディスカッショングループやコミュニティの参加を通じて、メンバーは国の

再生可能エネルギーと港湾インフラの準備に焦点を当てます。ハワイの災害への備えと

回復力を強化するために気候と環境問題に対処します。国の経済を支える次世代の高給

りの熟練労働者を訓練します。そして地元コミュニティがシーグライダーネットワー

クへの公平なアクセスと恩恵を受けられるようにすることです。」

モクレレ航空は、世界初のシーグライダー運航会社となることを期待しており、リージェ

ント社製の12人乗り全電動機ヴァイスロイの運航を10年半ばまでに受け入れる計画を以

前に発表していました。

これらは水上で運営されているため、地方のコミュニティをより手頃な価格で医療、雇用

その他の重要なサービスに結び付けることができます。ルートの実現可能性調査によると、

オアフ島からマウイ島、またはオアフ島からカウアイ島までのシーグライダーの片道航空

券の費用はわずか 30 米ドル(4,500円)になる可能性があります。

ちなみにオアフ島からマウイ島までは、ハワイアン航空で、6時~21時の間は1時間に1本

の間隔で便があります。片道約40分、費用は80ドル(12,000円)くらいです。

このシーグライダーは、島間で食料やその他の必需品を含む貨物を輸送するために装備す

ることもできます。輸送コストとサプライチェーンコストを引き下げることは、商品の価

格を引き下げ、ハワイ住民の購買力を高めるのに役立ちます。

ハワイ宿泊観光協会の会長兼最高経営責任者(CEO)であるムフィ・ハンネマン氏は、

「HSIはカマアイナ旅行と観光客旅行の両方にとって革新的な存在です。この革新的な開

発は私たちの観光商品を強化し、州の複合輸送システムに組み込まれる全く新しい次元を

提供します。」

ハワイアン航空の執行副社長兼最高マーケティング責任者のアヴィ・マニスは次のよう

に述べています。「私たちの専門知識をこのコミュニティの取り組みに役立て、島間の

交通をより持続可能なものにする技術とその可能性についてさらに学んでいきたいと考

えています。」

HSI は地方自治体、ハワイのコミュニティ、民間部門の関係者からなるコンソーシアム

で、コミュニティ、文化、環境に重点を置き、地域におけるシーグライダーの理解と普

及を促進するために取り組んでいます。HSI は、温室効果ガス排出実質ゼロの目標を達

成しながら州の交通網を近代化するのに役立つ、ハワイのコミュニティにとって手頃な

価格でアクセスしやすい交通手段としてシーグライダーの利用を提唱しています。 

シーグライダーとは

シーグライダーは、実世界で実証済みの技術に基づいて、沿岸ルートにサービスを提供す

るために作られた、乗客を乗せる全電気式の地面効果翼型乗り物です。

日本航空やヤマトHDなど日本の企業も出資をしています。

飛行機ではない飛行機 WIG
皆さんこんにちは! 今日は、プロペラや翼はあるのだけれど、海面すれすれを飛ぶ、飛行機のようで飛行機 でない乗り物、地面効果翼機(WIG)を紹介します。 Regentcraft(リージェントクラフト) Regentcraft(リージェントクラ...

このシーグライダーを提供しているのが、アメリカのリージェントという会社です。

シーグライダーは、水上のみで動作する 12 人乗りの乗り物で、船体、水中翼船、地上効

果飛行の 3 つのモードのいずれかで海を横断します。シーグライダーの航続距離は既存の

バッテリー技術で 160 マイル(260km)【次世代バッテリー技術で 400 海里以上にアッ

プグレード可能】で、2025 年までに就航する予定です。本格的なプロトタイプは 2024

年までに有人飛行試験を開始する予定です。

 

全幅65フィート(20m)

全長57.5フィート(17.5m)、全高15.5フィート(4.8m)

座席 (乗務員 + 乗客)は2 + 12人。最大積載量は3,000ポンド(1,360kg)

シーグライダーはハワイに必要

シーグライダーは、二酸化炭素を排出することなく、ハワイの住民と訪問者に手頃な価格

の旅行、貨物コストの削減、より迅速な緊急対応、高速道路の渋滞の軽減を提供します。

ハワイ シーグライダー イニシアチブは、地元の声を取り入れ、シーグライダーの恩恵が

ハワイの生態系全体で確実に共有されるようあらゆる努力を払ってコミュニティに奉仕す

るという核となる価値観に基づいて構築されています。

シーグライダーは飛行機に比べて運航コストが大幅に低く、インフラ要件も簡素であるた

め、住民にとってはより手頃な価格でアクセスしやすい旅行になります。

シーグライダーは航空救急車として使用でき、島間で患者を輸送したり、定期的なフォロー

アップ治療のために患者を輸送したりできます。昨年の大規模火災時の時のように、マウイ

の空港が使用できないときは、海上からの輸送が可能となります。自然災害への備えとサ

プライチェーンの回復力に使用できます。

予備調査では、オアフ島住民の 30% が定期的にコミューター シーグライダー サービスを

利用する可能性が高いと回答しました。ハワイ島では、住民の 35% がコナとヒロ間の島内

航路を支持しています。ハワイの住民の多くは、島間の貿易の効率が向上し、シーグライ

ダーネットワークからハワイの経済が恩恵を受けると信じています。

再生可能エネルギーで充電されたシーグライダーは島々の脱炭素化に貢献します。

まとめ

2024年が開けて、コロナや大規模火災からの復興を遂げようとしているハワイ州。

ハワイの産業の中で大きな割合を占める観光産業は、雇用や税収などにより島民の暮ら

しを支えています。

2023年10月時点の統計で、昨年は日本で「国内の魅力の再発見」という傾向が強まっ

ていたことや円安が影響して、国内旅行が主流でした。海外であっても、韓国や台湾

などの近場が多かったため、コロナ禍前と比較するとハワイへの観光客数の戻りは40

%前後となっています。

2024年は、社会情勢や世界の動きにもよりますが、業界全体で60%くらいまで戻るの

ではないかと予想されています。2025年には80%、そして2026年までには完全な回

復を見込んでいます。パンデミック前の日本からハワイへの年間渡航者数は157万人で

した。

今回紹介したシーグライダーは、ハワイ観光の目玉になることは間違いないでしょう。

災害という面では、ハワイ島には世界最大級の火山マウナロア火山が2021年に38年ぶ

りの大規模爆発を起こしています。

Hawaii's Mauna Loa volcano

ハワイ島のハワイ火山国立公園内にあるマウナロア火山は、同島の面積の半分を占める

ハワイは、常にこの様な災害リスクを持っています。災害時には、シーグライダーは

緊急輸送のリーダーとして活躍するでしょう。

それは、地震や洪水災害が多い日本と同じです。その点ではこのシーグライダーを日本

に導入することはいいかもしれません。

一方、シーグライダーの弱点は、気象状況、特に時化(しけ)や風に左右されやすいこ

とです。台風や冬の日本海側の荒波など日本独特の気象状況に対応できるかが今後の

課題となるでしょう。穏やかなハワイと違って。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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