昭和基地開設記念日

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皆さんこんにちは!

明日12月29日は昭和基地開設記念日です。

1957年(昭和32年)のこの日、南極大陸に「昭和基地」が開設されました。

南極の観測基地

昭和基地

南極昭和基地は日本から直線距離で約14,000km離れたリュツォ・ホルム湾東岸、南極

大陸氷縁から西に4kmの東オングル島に位置し、日本との時差は-6時間です。 海は

1年を通して海氷に覆われており、海氷の薄い夏を除いては大陸へ雪上車で上陸するこ

とが可能です。 観測隊は通常オーストラリアまで飛行機で行き、西オーストラリア州のフ

リーマントルで南極観測船しらせ(2代目)に乗り込みます。 12月上旬にフリーマントル

を出発したしらせは、夏期間に行う設営作業の準備、安全講習、海洋観測などを行いなが

ら昭和基地に向かい、12月下旬ごろに到着します。 南極の短い夏が終わる2月上旬にしら

せは越冬隊員を残して昭和基地を離れ、往路と同様に海洋観測等を行い、観測隊は3月下旬

にオーストラリアで下船し飛行機で帰国します。

南極地域観測隊の歴史

1956年に永田武隊長によって編成された南極地域観測予備隊員53名)がその創始で

した。 この予備隊は、のちに第1次南極地域観測隊と呼称が変更されました。次で終了す

る予定でしたがその後延長され、2022年10月現在活動中の観測隊は第64次隊です。 通常

は約60名から編成され、うち約40名が越冬隊員を兼ねる予定です。

昭和基地以外の基地

南極における日本の基地

日本の基地(国立極地研究所 南極観測HPより)

日本は現在まで、昭和基地みずほ基地(閉鎖中)、あすか基地(閉鎖中)、ドームふじ基地

と、4か所に基地を建設しています。

ドームふじ基地とは、1995年に開設された日本の南極観測調査拠点の1つです。

計4つある日本の南極観測基地の中で、ドームふじ基地はもっとも内陸に位置しています。

お馴染みの昭和基地からはなんと約1,000kmも離れているのだそうです。

ちなみに気になる「ドーム」という名前の由来は、拠点の標高がルーツ。

南極大陸には「ドーム」と呼ばれる円頂丘が複数存在します。ドームふじ基地が開設された

のは、そのうちの1つ標高3,810メートルの「ドームF」。このドームFの標高が、日本の名

峰「富士山(3,776m)」に近いことから「ドームふじ」と名付けられました。

ドームふじ基地では夏季の期間に限り、昭和基地から派遣された数名の隊員たちによって観

測行動が行われています。

中でももっとも注目されているのが、氷床深層掘削プロジェクト

南極大陸の分厚い氷床に穴を開けて氷床下3000m地点まで掘削を行い「アイスコア」を採集

さらにこれを詳しく分析することで過去100万年における気候変動の歴史が明らかになると

言われています。

地球の長い歴史を解き明かす上で、ドームふじ基地は非常に重要な役割をになっていると

言えるでしょう。今後のプロジェクト進捗にも多くの期待が寄せられています。

実は映画「南極料理人」の舞台となったのもドームふじ基地です。

そのストーリーは、妻子を残し南極観測隊員として派遣された海上保安庁所属の西村淳 氏が

南極という特殊な環境の中で限られた食材を用いながら美味しい料理を振舞うというもの。

-50度を下回る凍てつく空気とは対照的なホッと心温まる人間味で大きな話題を集めました。

日本の南極観測について

日本の南極観測のルーツは、今から100年以上前の1912(明治45)年に、白瀬しらせのぶ ひきいる

南極探検隊によって実施された学術探検にまでさかのぼります。その後、1957(昭和32)〜

1958(昭和33)年に行われた国際地球観測年(International Geophysical Year; IGY)と

呼ばれる純学術的な国際協力事業の一環として、閣議決定に基づき、1956(昭和31)年に

第1次南極地域観測隊の派遣が決定しました。途中南極観測船の引退に伴い中断もありました

が、現在まで65年以上に渡り南極観測を続けています。

南極地域観測6か年計画

日本の南極観測は、計画的かつ効率的に事業を進めるため、1976年度以降5か年を単位に

実施されてきました。2004年の法人化により、国立極地研究所が6か年単位の中期目標・

中期計画のもとで運営されることにあわせて、南極観測事業も2010年から6か年計画とし

て実施することになり、現在は、2022年(64次隊)~2028年(69次隊越冬終了)を対象

期間とした南極地域観測第Ⅹ期6か年計画に沿って、実施されています(2022年度は南極

地域観測第Ⅸ期6か年計画の最終年度と重なっています)。

南極観測の未来

世界屈指の砕氷能力に最先端の研究観測機能で棚氷下の海洋観測に、挑む。

急激に進行する南極氷床の融解とそれに伴う海面水位の上昇を正確に予測するためには、

海氷下から一歩進んで、直接南極氷床の下、つまり氷床が海にせり出した棚氷下の観測が

欠かせません。その実現のためには「しらせ」同等の砕氷能力に加えて、横方向への動きを

可能にするスクリューや、ROV・AUVなどの無人探査機器、それを運用するためのムーン

プールや各種クレーンが必要になります。

昭和基地を革新し、ポストオゾンホール時代の地球環境変動を、監視する。

世界的なフロンガス規制によって、今後オゾンホールは縮小していくと見られていますが、

これが南極の温暖化を加速させる新たな脅威になると考えられています。この「ポストオ

ゾンホール時代」に備えるためにも、様々な観測データを積み重ねてきた昭和基地の存在

意義は、一層高まっていくはずです。老朽化が進む昭和基地で、新しい時代に求められる

観測を行うために、基地の革新を進めます。約70棟に分散する基地施設を10棟程度に集約

することで、観測機能を強化。基地管理の効率化と省エネ化も実現します。

また、通信ネットワークを高速化するとともに、基地の利用エリアを拡張することで、新

たな観測展開の可能性の拡大も模索していきます。

超遠方宇宙、氷床下3,000m、宇宙と地球のフロンティアを、探る。

氷床深層掘削をはじめ、南極氷床質量収支、銀河の誕生進化や巨大ブラックホールの形成

の解明、エアロゾルや水蒸気等の物質輸送等、「ドームふじ」地域だからこそ可能となる

研究テーマは多彩です。これらの研究計画を実現するためには、夏期に留まらず、通年観測

が望まれます。

さらに、これらの計画をそれぞれの適地で展開するためには、フレキシブルに移動できる基

地が必要になるでしょう。

そこで、我々は新たな内陸観測基地として、通年観測可能な可動基地を提案します。南極高

地に大規模な天文台を建設する構想が国際的に進められています。これを「ドームふじ」

地域に誘致することも視野に、各国が必要な観測施設を持ち込んで運営する国際宇宙ステー

ションのような協働運営方式を考えています。

記事は国立極地研究所から引用しています。

第64次観測隊到着

12月25日に南極観測船「しらせ」が昭和基地に到着しました。隊員らによる物資の輸送や
観測が本格化します。  しらせは氷を砕きながら海を進む「ラミング」を535回繰り返し
24日に南極の東オングル島にある昭和基地沖に到着しました。
接岸場所の近くでは、基地で約1年過ごした63次隊の越冬隊員らが出迎えました。
今後、越冬に必要な食料や燃料をしらせから基地まで運び込む作業が始まります。
第64次隊員らは南極の氷が溶けるメカニズムの解明に向けた地質調査や水中ロボットを使っ
た海洋観測などを行う予定です。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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