大分宇宙港、存続のピンチ

宇宙

皆さんこんにちは!

大分空港宇宙基地として採用されて3年あまり。そのドリームが本当に夢で終わって

しまうかもしれません。

大分空港がアジア初の「水平型宇宙港」

大分空港を宇宙港にする計画が浮上したのは2019年。ヴァージン・ギャラクティック

の関連企業ヴァージン・オービットがアジアで宇宙港になる場所を求め、一般社団法人

スペースポートジャパン(東京都港区)に相談を持ちかけました。スペースポートジャ

パンは、日本に宇宙港をつくり、日本の宇宙関連産業の振興を目指す団体。代表理事を

宇宙飛行士の山崎直子氏が務め、正会員には鹿島や大林組などが名を連ねています。

スペースポートジャパンはヴァージン・オービットに対し、大分空港を提案しました。

理由の1つは、宇宙船が離着陸できる長さ3000mの滑走路があること。ロケットを搭載

する飛行機としては、ジャンボジェット機「ボーイング747」が想定されているため、

十分に助走できる長さの滑走路が必要になります。

飛行機は、一般的な旅客機と同じく滑走路から飛び立ち、海上でロケットを切り離す

予定です。海に近く、離陸後すぐ洋上に出られることや、周辺に自動車や精密機械など

の産業が集積していることもポイントになりました。これらの技術は、ロケットや人工

衛星の点検や整備にも活用できます。

日本有数の温泉地である別府や湯布院が近いこともプラスに働らきました。打ち上げと

なれば、国内外の技術者らが大勢滞在します。見学者も。こうした人々に対し、空港以

外の魅力も味わってもらえることも決め手の1つになったといいます。

これらを踏まえ、ヴァージン・オービットは大分空港を宇宙港に選定しました。

そして2020月4月、ヴァージン・オービットと大分県はパートナーシップを結んだと

公表しました。さらに同年9月、内閣府と経済産業省は大分県と福岡県を「宇宙ビジネス

創出推進自治体」に選定。これは、2018年8月の北海道、茨城県、福井県、山口県に次ぐ

ものでした。5年間で経済効果は102億円とも言われていました。大分空港と大分市を

結ぶホバークラフトの復活も話題になっていました。

ヴァージン・オービット社が破産

ヴァージン・オービット社のランチャーワンは、2023年1月9日にアメリカで最初の

打ち上げに失敗しました。

Rocket ignition

ジャンボ機「コズミック・ガール」から切り離されたロケット「ランチャー・ワン」

ボーイング747を特別仕様に改造した輸送機「コズミック・ガール」は、25日正午ごろ、

ロサンゼルス北部のモハーヴェ空港・宇宙港を離陸。左翼の下部にロケット「ランチャー

・ワン」を搭載していました。

カリフォルニア州沖チャネル諸島のすぐ西側の高度3万5000フィート(約10キロ)で、

輸送機は液体燃料ブースターがついた「ランチャー・ワン」を切り離しました。

その4秒後、「ランチャー・ワン」はブースターのエンジンに点火し、上昇を始めました。

しかし異常がみられたため、飛行テストは予定より早く終了しました。

Map

輸送機「コズミック・ガール」はモハーヴェ空港・宇宙港(Mojave: Cosmic Girl base)

を出発し、ロケット「ランチャー・ワン」を切り離す(出典:ヴァージン・オービット)

第2段階の燃焼時、燃料供給ライン内の燃料フィルターが外れていたことが原因と

されました。その結果、第2段階の推力が失われてロケットは太平洋上へと落下

していきました。その後、資金不足による経営難が伝えられていました。

こうした中、ヴァージン社は今月4日、アメリカの裁判所に日本の民事再生法にあたる

連邦破産法11条の適用を申請したと発表しました。

会社は今後、裁判所の管理のもとで売却先を探すとみられますが、再建計画の中で

事業の見直しを迫られる可能性もあり、大分空港での計画にどのような影響が出る

かが焦点となります。

今回の発表について、ヴァージン社とともに“宇宙港”計画に取り組んでいる大分県

先端技術挑戦課は「会社の経営のことについては、コメントを差し控える。計画へ

の影響について今後の状況を注視したい」と話しています。

破産法が適用されれば3000万ドルを超える資金調達を行い、事業の売却を目指す

方針です。

ヴァージン・グループは、イギリスに本社を持つ企業です。宇宙、航空関係の会社

や銀行、エンターテイメントなど多岐に渡って運営をしています。その中の一つが

宇宙ロケット打ち上げのヴァージン・オービット社です。

ドリームチェイサー

もう一つ、大分空港を宇宙港とするドリームチェイサー計画があります。

アメリカのシエラ・ネバダ・コーポレーション社の子会社、シエラ・スペース社

よって開発されている宇宙船です。JAL、兼松が昨年出資をしています。

ドリームチェイサーは元々有人宇宙船として2人から7人の乗員を低軌道へ運び、

帰還させる為に計画されました。2016年現在は無人の補給船としての運用が想定

されています。ヴァルカンロケットに搭載して垂直状態で打ち上げられ、滑空帰還

して通常の滑走路へ着陸します。スペースシャトルの約1/3のサイズの機体で、

15回以上の再使用が可能となる予定です。

Dream Chaser

ドリームチェイサーは小型のスペースシャトル(画像:シエラ・スペース)

国際宇宙ステーション(ISS)の本格的な運用が始まった2000年以来、宇宙には途切れる

ことなく宇宙飛行士が滞在し続けています。

近年は、月面探査や月面有人着陸に力を注ぐ国が増えていますが、地上からアクセスしや

すい宇宙ステーションは科学実験や月面で利用する機器の実証の場として今後も欠かせま

せん。

ただ、NASAはそのISSの運用を2030年で終える計画を発表しています。今後は民間の

商用宇宙ステーションとしてその役割を引き継ぎます。

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NASAによるISSの運用は2030年で終了するが、それ以降はアメリカの民間企業によって

独立した宇宙ステーションとして稼働させる計画が発表されている。(画像:NASA)

2014年7月23日、シエラ・ネバダ・コーポレーション社は日本の宇宙航空研究開発機構

(JAXA) とドリーム・チェイサー開発の協力に関する了解覚書を締結したと発表 、JAXA

広報部から「将来の技術協力に向けた話し合いを開始する」段階であるとの声明が出され

ました。

2022年2月、シエラ・スペース社社と、兼松、大分県は宇宙輸送船のアジアの着陸拠点と

して大分空港を活用することを検討する覚書を結びました。また、世界各地の空港などと

積極的に連携、契約をとってネットワークを拡大しています。

現在、ドリームチェーサーは、今年度中の初フライトを目指し、開発が進められています。

まとめ

今回のヴァージン・オービット社のランチャーワンの打ち上げ失敗は、たいへんな

問題です。先のH3ロケット打ち上げ失敗と同じくらいの衝撃です。しかし、H3と

違うところは、ヴァージン・オービット社が民間企業(株式会社)であるところです。

ヴァージングループの株価は、一気に下落しています。グループでは損失を補えない

自体に陥っています。そのための破産宣告になったわけです。

それと同時に、空港を誘致した大分県は気が気ではありません。早く替わりの融資先

が見つからなければこの計画自体が白紙になってしまいます。大分県は、ドリーム

チェイサーと共に空港を誘致することで、インフラストラクチャーの整備を推進して

います。特に観光の目玉として、コロナで元気のなくなった温泉街などは期待をして

いました。

個人的には、大分空港、大分県は馴染み深い地です。人情味にあふれ、食べ物も美味

しく、温泉は最高です。私の先輩は、大分に移住した人もいます。

とにかく元気になってほしいと思っています。頑張れ!大分。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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