天馬(ペガサス)が目指すのはスーパーカブ

飛行機

皆さんこんにちは!

自分たちの製品(商品)を開発するに当たって、コンセプトはとても重要です。

その製品をどこで販売するのか、購買対象年齢は?などあらかじめターゲットを

決めて商品開発を行っていきます。

ジャイロエアプレーンというヘリコプターでもない飛行機でもない、いわば中途

半端な航空機を販売場所を限定して行おうとしているベンチャー企業を紹介しま

す。そしてその戦略は、スーパーカブのような低コストです。

ARC Aerosystems(アーク エアロシステム)

ジャイロプレーン: 空の新旧主力製品

アーク

東南アジアを訪れると、ライダーがバランスを保つことで物理に逆らっているように

見える、たくさんのホンダ スーパーカブ バイクを見ないわけにはいきません。

これは史上最も人気のある自動車であり、1958 年の発売以来、世界中で 1 億台以上

が販売されています。

スーパーカブは、手頃な価格であるだけでなく、188mpg の出力が可能であり、驚

くほど燃費も優れています。世界のほとんどの人々が電動化に注目している一方で、

昔ながらの軽量でシンプルなデザインによる燃料節約という手法は人気がなくなって

いるようです。この傾向に対抗するのが、英国に本拠を置く アーク エアロシステム

ズと開発中のペガサス ジャイロプレーンです。同社はまずこの航空機を、地方の輸送

特に未開発でアクセスが困難な地域における問題の潜在的な解決策として活用した

いと考えているのです。

ホンダは次のように述べています。  「それは、人々の生活にモビリティの喜びをも

たらしたいという  (共同創業者) 本田宗一郎の燃えるような願望でした。」できる

だけ多くの人々に届けることが、スーパーカブの核となる構成要素でした。ペガサス

の再起動も同様です。

アーク エアロシステムズの先進技術担当ディレクターであるグレン・ウォーターズ

氏は次のように語っています。  「私たちは、世界中のさまざまな場所の間で、安全

かつ効率的に、低コストで空輸接続を可能にすることを目指しています。そして、

低コストとは、トータルシステムの低コストを意味します。それは単に航空機のコス

トが低いというだけではありません。インフラストラクチャ、設備、メンテナンス、

サポート、その他すべての付随的なもののコストが低くなっています。」

アーク

貨物運搬車や人員輸送車として使用されるスーパーカブは、ベトナムのホーチミン市にあるこの車両のように、東南アジアではよく見られます。クレジット:ウィキメディア・コモンズ

「私たちは自問しました。私たちが提案しているようなニーズに対処し、世界中の視聴

者をターゲットにするとしたら、それはどのようなものになるでしょうか? そこで私た

ちは根本的なニーズに目を向け、世界が何を求めているのかという質問を投げかけまし

た。私たちはその疑問をシステム全体の基本構成要素に分解し、「世界中のほとんどす

べての村の場所には何が備わっているのか?」という質問をしました。私たちは、世界

中のどの村にも少なくともスポーツ場とディーゼルの供給があるという結論に達しまし

た。」 次に、インフラストラクチャがまったくない地域でも機能し、世界的に適用で

きるコンセプトを開発する旅に着手しました。

同社は、非公開のスコットランドの投資家に最初の5機の販売を発表し、この投資家は

パイロット訓練学校と航空サービスオペレーターに航空機をリースする予定であると

発表しました。最初の納入は 2026 年の第 1 四半期に予定されており、アークではこ

れを達成するための開発競争が続いています。同社は英国クランフィールドにある自

社施設で今後数カ月間にペガサスの試験飛行を開始する予定で、今年後半のファンボ

ロー航空ショーで公開デモンストレーションが予定されています。

企業の変遷(歴史)

ペガサスの背後にある物語は、この 10 年間にサービス開始を目指して競い合ってい

るスタートアップ OEM の中では珍しいものです。この航空機は、80年代後半にFAA

認定を受けて以来、ヘリコプター以外のVTOL航空機として初めてFAAの認定を受け

ました。しかし、実際には 1968 年にカナダ運輸省によってパート 27 回転翼航空機

として初めて認定され、その認定は約 20 年後に移管されました。米国に本拠を置く

企業ペガサス ロータークラフトによって設計および製造され、エイビアン 2/180 と

して誕生しました。その後、ARC は航空機とその知的財産とともに同社を買収しまし

た。

アーク

ARC Aerosystems チームとペガサスは、昨年末にかけて実施された初期エンジン稼働テストを実施しました。クレジット: ARC Aerosystems

企業コンセプトは「お手頃価格」

アークのコンセプトは、「コミュニティを結び、個人に力を与える、手頃な価格で持続

可能なモビリティの世界。」を構築、提供することです。

アークのメンバーは、この分野の他の新興 OEM と比べて認証に対するアプローチに

大きな自信を持っています。 「eVTOL OEM は認証ベースがゼロの時点からスタート

し、それを進化させていく必要がありました。私たちは同じトンネルの中にいるが、

すでに認定航空機を保有しているという観点から参入しており、現在その耐空性を再

確立するために取り組んでいる」と ウォーターズ氏は述べています。

ペガサスの Part-27 認証により、現在 EASA 規制の下で認証されている他のすべての

ジャイロプレーンと比較して、より高い MTOW(最大離陸重量) が可能になり、ロー

ター ブレードのピッチ角の変更も可能になります。

これは、アークが航空機のジャンプ離陸機能とゼロロール着陸機能を利用できるように

するために重要です。 「1920 年代から 30 年代に初めて飛行した最初の シェルバ

オートジャイロを見ると、ジャンプ離陸とゼロロール着陸が完全に可能でした。シエル

バ航空機の当時のフィルムはたくさんありますが、そのうちのいくつかは英国で登録さ

れており、まさにそれを行っていました」と ウォーターズ氏は言います。

1920年代、シェルバ・オートジャイロがアメリカで初めて試験飛行しました。

それはeVTOLではありません。ジャイロプレーンはヘリコプターのようにホバリングでき

ません。オートジャイロのローターは、エンジン故障後に自動回転するヘリコプターと

同じように、自由に回転します。これは、地上に問題がある場合にはホバリングできず、

パターン飛行するか方向転換する必要があることを意味します。ペガサスには離陸する

ための空きスペースも必要ですが、ジャイロプレーンは条件が整えばほぼ垂直に離陸で

きますが、常にそうであるとは限りません。しかしそれが、この航空機が遠隔地や発展

途上地域での使用例に理想的に適している理由でもあります。

「このコンセプトはインフラ開発を必要とせずに運用できます。新しい技術を開発する

必要がなく、既存の生産ライン上に構築できます」と ウォーターズ氏は言います。

「これはヘリコプターの能力のほぼ 90% を達成できる航空機であり、コストはおそ

らく約 70% です。」

空のスーパーカブ、ペガサス

ペガサスは、5,000 万ドル相当の投資と 2,500 時間以上のテスト飛行の結果であり、

米国運輸省連邦航空庁(FAA)およびカナダ運輸省によって Part 27 タイプ認定を受けて

います。この航空機は、燃料消費量が少なく、より静かで安全な偵察機として米国とカナ

ダの政府によって委託されました。より従来型のヘリコプターの開発に注力するという

米国政府の戦略変更により、ペガサスは一度は見送られました。いずれにせよ、エイビ

アン エアクラフトはプログラムを継続することを決定し、FAA およびカナダ運輸省

Part 27 の認証を完了しました。

ペガサスの安全性の強化は、航空機が全出力を失っても自動回転を使用して安全に着陸

できるのです。ペガサスは、高さが 10 メートルであろうと 500 メートルであろうと、

安全に地上まで操縦して、ほぼどこにでも着陸することができます。

もう 1 つの大きな利点は、ノイズが低減されることです。ペガサスは後部プロペラがな

いため、従来のヘリコプターよりもはるかに静かです。ヘリコプターの騒音の約 20%

はテールローターから発生しており、多くの事故の原因となる可能性があります。

ペガサスは、2人乗り。最大離陸重量は900kg、最高時速200km、航続距離は610km。

特徴としては、定期的な検査修理にかかるコストが破格の値段なのです。

定期整備(500時間ごと)の金額は、なんと114ドル(1万8000円)、燃料コストも

1時間あたり100ドル(1万5000円)と激安!

用途としては、プライベートの観光飛行はもちろん、緊急車両、インフラ点検用など

滑走路などインフラが整備されていない場所の運用が想定されます。

特にインフラ点検整備において、安定した飛行プラットフォームと時速 40 km の低

速飛行により、重要インフラの徹底的な有人検査を実行できます。

ペガサス5機を販売

アークは 、スコットランドの投資家にペガサス航空機 5 機を売却し、パイロット訓

練学校および航空サービス事業者にリースする取引を完了し、2026 年の第 1 四半期

までに全機を納入することを約束しました。

セイド・モセニ博士は、「5機の航空機の初の実際の販売は、航空業界の進化するニー

ズを満たすアーク エアロシステムズの能力を実証するだけでなく、効率的で実用的な航

空モビリティソリューションの先駆者への取り組みを強化するものでもあります。」と

述べました。アークは、今後数カ月にわたって同社のクランフィールド施設でペガサス

の試験飛行を開始する準備ができており、ファンボロー航空ショーで公開デモンストレ

ーションが予定されています。

まとめ

ホンダといえばカブ、カブといえばホンダ。世界一売れたバイクというギネス記録を

持っている名車オブ名車です。

そんなスーパーカブ誕生の経緯ですが、実は創業者本田宗一郎は乗り気じゃありま

せんでした。宗一郎は海外メーカー、言わば大型の高級バイクに対抗できる物を造

ることに心血を注いでいました。この様に宗一郎は大型バイク偏重でモペット

(原付)は軽視気味でしたが、藤沢はもっと色んな人に親しまれ、台数が出るバイ

クを漠然と欲していました。

後にスーパーカブとなるコンセプトを最初に推し進めたのは、宗一郎の共同創業者

である藤澤武夫でした。藤澤氏は、都会でも田舎でも使える、あらゆる人のための

自転車を思い描いていました。彼の主な要件は、片手で乗って、もう一方の手で麺

を運べるようにすることでした。 「エンジンとホースやワイヤーを内部に隠すカバ

ーが付いた、たとえば50ccの小型バイクをデザインしていただければ、販売できま

す」と 藤澤氏は語っています。 「日本に蕎麦屋が何軒あるのか分かりませんが、

どのお店も配達用の蕎麦屋を欲しがっているはずです。」

そこで藤沢は宗一郎を半ば強引にスクーターの聖地であるイタリアを始めバイク文

化が根付いている欧州へ一緒に視察する事に。

そこで宗一郎が目にしたのは日常のみならず仕事の足として親しまれ、重宝されて

いる大量のモペットでした。

そして帰国した宗一郎が開発陣を集め発した一言

「今から蕎麦屋が乗るモペットを造る。つまり片手で運転できるモペットだ。」

これがスーパーカブの始まりです。

オートマチックのミッション(自動遠心クラッチ)の開発はトライ・アンド・エラー

の繰り返しで難航しましたが、遂に完成したバイクこそが初代スーパーカブことC100

です。

蕎麦屋のカブ

そして発売されたスーパーカブC100は初年度こそ10万台弱で目標に満たなかったものの、

使い勝手の良さ、頑丈さ、速さが好評となり翌年には40万台を越える大ヒット。

海外への輸出も始まるとトントン拍子に500万台、1000万台、1500万台とそれまでの

ホンダの何倍もの売上をもたらすことになり、世界一のメーカーへと駆け上がって行く

ことになりました。(文章と写真:本田宗一郎、バイクの系譜)

ペガサスは、発展途上国のスーパーカブになることができるのでしょうか?

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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