電動飛行機の未来

飛行機

皆さんこんにちは!

エアタクシー(eVTOL)と同じ様に地球温暖化の切り札として期待されているのが

電動飛行機です。その開発が急ピッチで進んでいます。

今日はその電動飛行機の最新情報です。

エレクトラのeSTOLハイブリッド電気プロトタイプが最新のデモ飛行を実施

エレクトラ社は、ハイブリッド電気プロトタイプ航空機の新たな軍用飛行デモンストレーショ

ンを完了しました。

このデモ飛行は、11月初旬に国防研究技術次官室(OUSD(R&E))が主催したサンダース

トーム24-4「遠征作戦」技術ショーケースの一環として行われました。

招待者限定のフィールド テクノロジー ショーケースである サンダーストーム 24-4 では、

紛争地域における軍隊の分散作戦をサポートする エレクトラ独自のデュアルユース テクノロ

ジーが紹介されました。

AFWERX のテストおよび評価責任者であるハンク・グリフィス 氏は、EL2 デモからの顧客

フィードバックを エレクトラの 9 人乗り EL9 航空機に組み込むという AFWERX の役割を

強調しました。

彼は次のように語りました。「サンダーストームでのEL2航空機の参加は、エレクトラ社が静

かな遠征作戦も可能な、斬新な二重用途の物流対応航空機を開発する能力があることを実証

しました。次のステップは、これらの能力を9人乗り航空機でどのように拡張できるかを実証

することです。」

3 日間のイベント期間中、エレクトラ社の EL2 プロトタイプ機が実機飛行を行い、国防総省の

あらゆる部門から集まった何百人もの出席者やベンチャー キャピタル投資家に、その低音響特

性を直接体験してもらいました。EL2 のデモンストレーションでは、従来の航空機と比較して

この航空機の超静音の全電気モードが披露されました。

エレクトラの EL2 は500フィートで約 55 dB の飛行騒音レベルを検証しました。これは、

同じ高度と飛行経路で飛行する従来のタービン航空機の 75 dB と比較して大幅に低いもので

す。この静かな音響特性とハイブリッド電気航続距離およびペイロード性能を組み合わせる

ことで、生存性を高めた戦術的に重要なミッションが可能になります。

また、デモンストレーションでは、MEDEVAC(医療後送:医療行為を行いつつ傷病者を医療

機関に搬送する行為)、CASEVAC(負傷者護送)、静粛ISR(監視偵察)などの複数のミッ

ションにわたる航空機の汎用性や、モバイル電源ジェネレータとしてエッジで機器を充電する

機能も強調されました。

エレクトラのEL9量産型航空機は、充電やインフラを必要とせず、600kW以上の連続電力と

1MW以上の短時間バースト電力を提供します。これにより、遠隔地での重要な通信機器の

再充電や小型UASの運用が可能になります。

サンダーストームの飛行は、2024年に米国政府が実施した3回の飛行デモンストレーション

に続くものです。6月にエレクトラは、海兵隊クアンティコ航空施設でEL2プロトタイプの超

短距離離着陸能力を実証し、続いて7月にラングレー・ユーティス統合基地のフェルカー陸軍

飛行場とNASAのラングレー研究センターでデモンストレーションを行いました。

エレクトラ社製、EL9ハイブリッド電気航空機

EL9のハイブリッド電気推進システムは、ブローリフト技術を採用しており、「これまではヘ

リコプターやeVTOLに限られていたサッカー場ほどのスペースでの超短距離離着陸を、固定翼

機の3分の1のコストで、安全性と信頼性を向上させながら可能にします」とリリースには記さ

れています。これにより、小規模な地方空港や芝生のフィールドや駐車場などの非従来的な

場所を含む何千もの新しい場所への直接航空サービスが可能になり、乗客と貨物の両方にシー

ムレスなポイントツーポイントの地域接続を提供します。

この航空機は、従来の飛行機に比べて排出量と騒音がはるかに少なく、ハイブリッド電力シス

テムにより航続距離が延長され、地上の充電ステーションを必要とせずに飛行中のバッテリー

充電が可能です。

EL9 は、最短 150 フィートのスペースで離着陸でき、巡航速度は 175 ノットです。リリー

スでは、「重要なミッションを遂行できる航続距離とペイロードを備えたこの航空機は、9 人

の乗客と手荷物、または 3,000 ポンドの貨物を 330 海里まで運び、IFR 予備機を備えた最

大フェリー航続距離は 1,100 海里です」と報告されています。

さらに、「IFRおよび既知の着氷条件での飛行の認定を受ける予定です。EL9には2つのパイ

ロット クルー ステーションが装備されますが、エレクトラのフライバイワイヤ制御を備え

たセーフ シングル パイロット技術により、1 人のパイロットでも簡単に精密着陸が可能にな

ります」と付け加えています。

エレクトラは、世界52社の運航会社から2,100件を超える同機の注文を受けており、その市場

価値は80億ドルを超えます。最初の試験飛行は2027年に予定されており、FAAパート23規制

(小型機の耐空性などを決めた規定)に基づく認証と就航は2029年を予定しています。

 

magniX は NASA のテスト中に電気推進ユニットで歴史的なマイルストーンを達成

マグニックスは、オハイオ州サンダスキーにある NASA の電動航空機テストベッド (NEAT)

でマグニ650 電気推進ユニット (EPU) のテストを完了しました。

マグニ650は高度30,000フィートで最大連続出力700キロワット(kw)の飛行に成功しまし

た。マグニックスによれば、これは電気エンジンとしては前例のない成果です。

マグニックス社は本日(火曜日)このニュースを発表し、高高度での模擬飛行条件下での同社

のEPUの画期的な性能は、NASAの電動パワートレイン飛行実証(EPFD)プロジェクトの飛

行試験段階への準備が整っていることを示しており、世界初の電動エンジン認証に一歩近づい

たと述べました。

マグニックスの技術プログラム担当副社長ベン・ロクストン氏は次のように述べています。

「NEAT テスト キャンペーンにより、航空機用電動パワートレインの世界初の認証取得に一歩

近づきました」

「私たちがNASAとEPFDプロジェクトで行っている作業により、短距離路線では純粋な電気

で長距離路線ではハイブリッド化による地域商業航空の電化が可能になります。これは航空宇

宙の脱炭素化に向けた大きな一歩です。」

EPFDの次の段階では、マグニックスのデ・ハビランド・ダッシュ7試験機の4つのタービンエ

ンジンのうち1つがマグニックス650電動パワートレインに交換され、2026年に試験飛行が

計画されています。

プログラムの最終段階では、2 つ目のタービン エンジンが別のマグニクス パワートレインに

置き換えられます。この構成により、通常の飛行で燃料消費が最大 40 パーセント削減される

と予想されます。収集されたデータにより、10 年末までに大型商用航空機の電動化が就航に

近づくことになります。

5 種類の航空機の初飛行に電力を供給するという比類のない実績を持つマグニックスは、

電気航空の進歩をリードしています。2024 年初頭に比類のないエネルギー密度とサイクル寿

命を備えたサムソン バッテリーを発売した マグニックス は、サービス開始への明確な道筋を

備えた完全な電動パワートレイン ソリューションを提供します。

米国ワシントン州エバレットに本社を置くマグニックス は、輸送の電動化に向けた業界をリー

ドするパワートレインとバッテリーを開発しています。

マグニックス の完全電動パワートレインは、航空機の電動化のための統合システムを提供しま

す。同社のサムソン バッテリーは、バッテリー電気およびハイブリッド電気航空機に安全で実

用的なソリューションを提供し、ヘリコプター、eVTOL 航空機、船舶の動力としても最適です。

VoltAero が AltiSky と提携し、北米に進出「カシオ航空機の組み立て、販売、トレーニング、サポート」

ボルトエアロ社は、米国、カナダ、メキシコ、カリブ海諸国におけるカシオ電気ハイブリッド

航空機の現地組み立てと流通についてアルティスカイ社と覚書(MOU)を締結したとプレス

リリースで報告されました。

このMOUの条件に基づき、アルティスカイ社は米国に3万平方フィートのカシオ組立施設と

それに隣接する配送センター、およびフライトシミュレーターを含む高品質のトレーニング施

設を建設します。また、同社は地域メンテナンスサポート施設のネットワークも構築します。

この提携は最近(11月19日~21日)アブダビ航空博覧会で発表されました。ボルトエアロは

「同社のカシオ航空機製品ラインの生産、認証、サービス参入を準備しながら、世界的な産

業およびサポートネットワークを拡大するという同社の戦略の一環として」出展したとリリー

スでは説明されています。

この契約は、ボルトエアロが今月初めにフランスのロシュフォール空港に主要なカシオ最終組

立施設と新本社を開設したことを受けて行われました。

アルティスカイ の共同創設者兼社長であるビル・ミンコフ氏は、「従来の離着陸機としての

カシオ の構成と同社独自の電気ハイブリッド推進システムを組み合わせた ボルトエアロ のア

プローチは、真に現実的であると確信しています」とコメントしています。

同氏はさらに、「カシオは、現在利用可能なバッテリー技術と出力レベルを使用しており、

ボルトエアロのデュアルソース電気ハイブリッドパワートレインの安全性に支えられていま

す。さらに、空港から運用することで、都市での受け入れや大規模なインフラ開発の必要性に

関して eVTOL が直面するリスクが軽減されます」と述べました。

ミンコフ氏は経験豊富な飛行士で、米海軍の戦闘機パイロットおよび教官、デルタ航空のライ

ンチェック機長など、一般航空、商用、軍用機のさまざまなタイプで 20,000 時間の飛行経験

があります。また、コンサルティング会社 アドバンスエアモビリティ の共同設立者でもあり

アドバンスエアモビリティアソシエーションの副会長も務めました。

ボルトエアロ の CEO 兼 CTO であるジャン・ボッティ 氏は、アルティスカイとの提携によ

り カシオ航空機にとって極めて重要な北米市場が開かれると付け加えました。「ビル・ミン

コフ 氏の航空知識、広範なビジネス ネットワーク、航空機販売における実績は、カシオを北

米地域航空モビリティのベンチマークとして位置付けるパートナーとなります。」

リリースは次のように続けています。「ボルトエアロ のカシオ電動ハイブリッド航空機ファ

ミリーは、5 人から 12 人乗りの 3 つのバージョンで構成されており、地域の商業運航者、

エアタクシー/チャーター会社、個人および企業の所有者/運航者、さらに貨物、郵便配達、

医療避難 用途のユーティリティ カテゴリ サービス向けにカスタマイズされています。」

ボルトエアロの最初の量産型航空機は カシオ 330 で、5 人乗りの内装で、330 キロワット

の電気ハイブリッド推進力で稼働します。その後6 人乗りで電気ハイブリッド推進力 480

キロワットの カシオ 480 と、10/12 人乗りで電気ハイブリッド推進力 600 キロワットの

カシオ 600 が続く予定です。

一方、ボルトエアロの推進力は、地上走行、離陸、主飛行 (移動距離が 150 km 未満の場

合)、着陸時にサフラン ENGINeUS 電気モーターを使用して全電力を供給します。川崎重工の

内燃エンジンとのハイブリッド機能は、航続距離延長装置として機能し、飛行中にバッテリー

を充電します。さらに、このハイブリッド要素は、電気推進に問題が発生した場合のバック

アップとして機能し、真のフェイルセーフ機能を保証します。

ハート・エアロスペースが「プラッツバーグ国際空港で初の総合電気試験飛行を実施」

スウェーデンのハイブリッド電気飛行機メーカー、ハート・エアロスペースは来年初め、ニュ

ーヨーク州北部クリントン郡のプラッツバーグ国際空港で、実証機「ハート・エクスペリメン

タル1(ハートX1)」による初の総合的な電気試験飛行を実施する予定であるとプレスリリー

スで報告しました。

X1 のこのテスト飛行は、史上最大の電気航空機となる予定であり、ハート エアロスペース

の 30 席ハイブリッド電気地域旅客機 ES-30 の開発における重要なマイルストーンとなります。

リリースでは、「全電気でゼロエミッションの航続距離200キロメートル、ハイブリッド航続

距離400キロメートルを誇るES-30は、短距離路線で比類のない持続可能性と効率性を約束

します」と説明されており、「ハート X1デモンストレーターの最初の実験飛行は、ハート

の革新的な電気推進技術の能力を検証するために設計されています」と付け加えています。

シャンプレーン渓谷にあるプラッツバーグ国際空港は、次世代輸送の新たな拠点として選ばれ

ました。「広大な飛行場インフラ、低い航空交通密度、輸送技術イニシアチブに対する強力な

コミュニティサポートを備えたこの空港は、ハート・エアロスペースの実験飛行に理想的な環

境を提供します」とリリースは続けています。

ハート・エアロスペースの共同創設者兼CEOのアンダース・フォルスルンド氏は、「電気商用

飛行機は、米国の航空会社の運航コストを下げる可能性を秘めており、地域経済を刺激し、

観光業を発展させ、都市の中心へのアクセスを強化する地域航空路線を再確立する強力な機会

を生み出します」とコメントし、「次世代飛行機の支援においてニューヨークのノースカント

リー地域が示したリーダーシップに感銘を受けています」と付け加えました。

クリントン郡議会議長のマーク・ヘンリー氏は、「プラッツバーグ国際空港から完全電動の

実験飛行を行うというハート・エアロスペースの決定は、クリントン郡が次世代の輸送技術の

進歩に強い意欲を持っていることを反映している」と述べました。

同氏はさらに、「郡は輸送機器製造業の集積地としての地位を強化しており、私たちはハート

の歩みとニューヨーク州北部の成長し続ける持続可能な航空宇宙コミュニティーに参加できる

ことを嬉しく思います」と述べました。

ハート X1 航空機は現在、プラッツバーグでの安全かつ確実な飛行を保証するために、広範囲

にわたるテストを受けています。

エレクトロンが「10,000 Faces of Change」キャンペーンを開始

電子

オランダの電気航空機スタートアップ企業エレクトロンは、業界関係者に航空機プログラムへの支援を呼びかけるキャンペーンを開始した。 

「10,000 Faces of Change」キャンペーンは、アレックス・テュー氏が約20年前に立ち

上げた「The Million Dollar Homepage」に敬意を表したものです。同氏は100万ピクセル

を販売して大学教育の資金を調達しました。エレクトロンは、持続可能な航空の未来を

「擁護」するために1万人の支持者を集めることを目指しているのです。 

先週のSlush 2024で発表されたこのキャンペーンについて、エレクトロンの最高商務責任者

兼共同創設者のマーク・ヘンリー・デ・ヨング氏は次のように述べました。「Slushはイノベ

ションと行動が出会う場所です。変化をもたらし、レガシーを残したい人のためにデザイン

れたキャンペーンを立ち上げるのに、これ以上の場所はありません。」

デ・ヨング氏は、このキャンペーンは航空業界の未来を形作る一員となるよう、すべての人に

呼びかけていると語りました。49ユーロから参加でき、支援者はエレクトロン5の初号機に自

分の顔を表示できるほか、位置情報付きの植樹や、貢献者を称えるオンラインウォールへの掲

載などの特典も受けられます。 

「私たちだけではこれはできません。このキャンペーンは単に航空機に資金を提供するという

だけではなく、クリーンでアクセスしやすい航空を求める運動を構築することです」とデ・ヨ

ング氏は語りました。

エレクトロンの航空機、別名エレクトロン5は、バッテリー技術を使用して駆動する固定翼

航空機で、航続距離500km、乗客1人あたり1km当たり20g以下のCO₂排出量を実現します。

市場参入は2028年の予定です。

「私たちは空飛ぶ車を約束したり、新しい技術を何十年も待ったりしているわけではありま

せん。エレクトロン5は現実的で拡張可能なゼロエミッションの航空機であり、現在のバッテ

リーで動作します」とデ・ヨング氏は付け加えました。

まとめ

エアタクシーの開発より、容易な電気飛行機。機体はすでにできあがっているのでエンジン

(電気モーター)さえ強い出力が出るように設計すれば、従来の飛行機と変らない性能が

得ることができます。また、ピストンエンジンやジェットエンジンのように構造が複雑では

なため開発、整備も容易です。その分コストが抑えられるのです。

しかし、ここのエンジンの出力を従来のエンジンと同様にできないため、数での勝負となり

ます。また、バッテリーの容量に限界があるために飛行範囲が狭くなることや、頻繁に充電

しなければなりません。このためエアタクシー(eVTOL)と同様にインフラ整備が重要になり

ます。その上で、通常の滑走路から離陸できる電気航空機と垂直離着陸できるエアタクシー

との棲み分けをはっきりとさせて運用していくことが重要です。電気航空機がエアタクシー

の中継ぎではなく、しっかりとした地位を確保することで発展を遂げて行くのです。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

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