皆さんこんにちは!
昨日、20日午前11時25分ごろ、茨城県坂東市長谷の畑に、超軽量飛行機
(ウルトラライトプレーン)が墜落しました。搭乗していた2人の死亡が確認されました。
本当に残念な事故です。
今日はこの超軽量飛行機について解説していきます。
超軽量飛行機 ウルトラライトプレーン
超軽量飛行機とは?
国土交通省のホームページからの抜粋です。
超軽量動力機とは、操縦者が着座姿勢で飛行を行いうる着陸(水)装置と動力装置を装備した簡易構造の飛行機で、以下の要件を満たすものをいいます。 |
|
等 |
一般の飛行機に必要な耐空証明や操縦者の技能証明は必要ありませんが、機体・操縦者・離着陸の場所について、事前に航空法上の許可を取得することが必要です。 |
ハンググライダーにエンジンを装備した極めてシンプルなものから、外観が小型飛行機
と類似したものまで様々なものが飛行しています。
これらの起源はハンググライダーと言われており、ハンググライダーにエンジンを
装備すれば風に頼ることなく、平地からでも離着陸が可能となり、より一層スカイレジャー
を楽しむことができるとの発想から生まれた飛行機の一種で、超軽量動力機(マイクロ
ライト、ウルトラライトと呼ばれることが多い)と呼ばれています。
種類
パラモーター
(パワードパラグライダー(PPG)、モーターパラグライダー、FLMとも言います)
制限
日本では基本的に、家や道路のある区域では飛べず、広い空間を飛ぶためには大きな
河川や海辺などの地域に限定されます。また飛び立った場所とは別の場所に降りる
ことも許されていません。そのため、交通手段としては使えないレジャーやスポーツ
目的の機体です。
飛行訓練
NPO法人、日本マイクロライト航空連盟によりますと、訓練の仕方は・・・
一般の方でチャレンジする場合、ウルトラライトプレーンの愛好家が集う『最寄りの
地域のフライングクラブ』や併設のスクールに入会するのが近道でしょう。
訓練期間は、個人差もありますが20日~50日位が一般的でしょう。
(訓練ステップのメニューなども航空局通達の中に規定があります)
費用は各施設(クラブ)によって内容が色々ですが、一般の自家用飛行機の操縦免許
と比較すれば相当安価です。
許可申請の手続きは、該当施設(クラブ)に常駐する安全管理者・操縦指導者の資格
を持った方が技量認定などを行って許可申請書を航空局に提出します。承認されれば
航空局から「許可書」が発行されます。有効期間は1年です。
-
問題点
ウルトラライトプレーンは、空を飛ぶ乗り物ではありますが、それを操縦するため
に操縦士技能証明書(自家用操縦士や事業用操縦士)を取得する必要はないため、
航空工学の知識や操縦に関する知識や技能などが乏しいまま操縦する者がおり、
その結果、初歩的なヒューマンエラー(人的ミス、過失)による航空事故が多数
起こっています。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会による航空事故調査報告書
によれば、離陸時の急激な機首(頭)上げに伴う失速で墜落(航空機特性の理解不足、
操縦技量未熟)、急激な旋回による空中分解(機体制限事項に対する理解不足)、
着陸時の操縦操作を誤り墜落(操縦技量未熟)、離陸滑走中の操作を誤る(操縦技量
未熟)、自作機の自己流改造による機体部品破損墜落(航空機構造などの理解不足)
などのヒューマンエラーでの死亡事故が多数報告されています。
報告書内では、教育、訓練の不足による問題も記述しており、技量や知識の低さを
指摘し、これらの点を改善すべきであるとの記載があります。
事故
ウルトラライトプレーンはエンジン付きの軽量機で、レジャー用として普及する
一方、事故が多発しています。2018年以降、今回の事故も合わせると、判明
しているだけでも墜落や不時着などが15件確認されており、計6人が死亡しま
した。今年に入っても6月に茨城県かすみがうら市で、9月には群馬県玉村町で、
いずれも墜落事故が発生しています。いずれもけが人はありませんでした。
まとめ
現在日本では、ウルトラライトプレーンの愛好者が増えています。それは航空業界
にとっては良いことでありますが、この様に事故が増えると規制が厳しくなってき
ます。そうするとせっかくの飛ぶ楽しみが失われます。自分で首を絞めていることに
なります。
そこで私が提案するのは、LSA(Light Sports Aircraft)
というカテゴリーです。ウルトラライトプレーンと軽飛行機(セスナなど)の中間に
位置するカテゴリーです。以前もお話ししましたが、このLSAはアメリカやヨー
ロッパで規制が緩和されて、簡単にライセンスが取れて自家用機と同様に自由に空
を飛ぶことができます。残念ながら日本にはこのカテゴリーはありません。
LSAの普及に尽力されている法政大学の御法川学教授(空飛ぶクルマHIENの
CEO)の論文やお話を次の機会に紹介します。お楽しみに。
それでは今日はこの辺で・・・
またお会いできる日を楽しみにしています。
コメント