無人航空機ライセンス制度

ドローン、空飛ぶ車

皆さんこんにちは!

昨年年、国土交通省から2023年4月1日から始まる無人航空機操縦ライセンス

試験内容(案)が発表されました。

このライセンスの目的は、無人航空機のレベル4に向けての操縦士の知識と技量を

管理するものです。

レベル4とは?

レベル1とは、目視内で操縦する飛行のことです。空撮や橋梁点検などです。

レベル2とは、目視内で自律飛行することです。農薬散布や土木測量などです。

自律飛行とは、あらかじめプログラミングされて飛行コース、高度をドローン

自体が衛星通信などを利用して飛行させることです。

レベル3とは、無人地帯での目視外飛行のことです。具体例としては、日本郵便が

福島県で郵便局間をドローンによって手紙等を輸送した実験や、ANAと伊藤忠

商事が、長崎県五島市の島々を結んで荷物の配送実験を行ったなどです。

レベル4とは、有人地帯で目視外飛行ができることです。街の上空をドローンで

荷物の配送を行うことができるようになります。

操縦士ライセンスとは?

無人航空機のライセンスには2種類あります。レベル4ができる一等

レベル4以外ができる二等です。

二等ライセンス

二等ライセンスは、第三者上空以外で、一定の空域(空港周辺、高度150m以上、

人口密集地域上空)一定の飛行方法(夜間飛行、目視外飛行など)であれば

これまでは飛行ごとに許可と承認が必要でした。ライセンス取得後は、その許可と

承認が不要になります。

一等ライセンス

一等ライセンスは、第三者上空での目視外飛行が可能になります。但し、飛行ごとの

許可、承認は運航管理方法などを確認することによって簡素化されます。

ライセンスがない場合

一等、二等のライセンスがなくても、今までどおりにレベル1やレベル2の飛行に相当

する空撮や農薬散布はできます。

学科試験の内容

一等の学科試験の内容の主な項目です。

無人航空機に関する規則

航空法、それ以外の法令(電波法、小型無人機等の禁止に関するもの)、

その他関連規則

無人航空機のシステム

機体の特徴、飛行方法、飛行原理と性能、機体の構成、その他(電波、GNSS)

機体の整備点検

無人航空機の操縦者および運航体制

操縦者の行動規範、知識(緊急時における対応)、操縦者のパフォーマンス

(アルコールや薬物の影響)、安全CRM(Crew Resource Management)

このCRMと言う考え方はエアラインパイロットの中での教育に使われています。

リスク管理

運航計画、気象の知識、リスク評価

二等は、一等の一部(飛行性能、計算、リスク評価の一部)を除いたものですが、

ほぼ項目的には同じです。

実技試験

まずは、口述試験があります。これは、試験官が受験生に対して、飛行前の点検

項目であったり、安全確認の要領だったりをその場で質問する形式だと思います。

二等の実技試験

二等は、GNSSーON、ビジョンセンサーONで行います。

機首を正面に向けた状態で、縦5m、横13mの四角形を飛行します。

次に八の字飛行を行います。緊急事態における操作としてGNSSーOFF

ビジョンセンサーOFFで指定された地点への着陸操作を行います。

採点方法は100点満点からの減点方式で70点以上で合格です。

具体的には、指定されたコースから左右に1.5m以上ずれたら減点です。

3m以上ずれたら不合格となります。

一等の実技試験

一等は、GNSSーOFF、ビジョンセンサーOFFで二等と同じ操作になります。

それにサークル内で20秒間に一回転する科目が追加されます。

認定校が行う事前講習

国から認定を受けたスクールで、試験に先立って講習を受けると実技が免除になります。

講習では、学科と実地演習があります。一等、二等それぞれで講習時間が異なりますが

加えて初学者(初めてドローンを飛ばす人)と経験者によっても時間が違います。

ここで言う経験者とは、民間の管理団体DPA、JUIDAのライセンスを持っている人

もしくは指定校での修了者が該当します。

学科講習一等は18時間(初)/9時間(経)、二等は10時間(初)/4時間(経)

実地講習一等は60時間(初)/17時間(経)、二等25時間(初)/5時間(経)

となっています。詳細は、その指定校によって違います。

なお、これから各スクールは事前講習の計画を提出して指名されるのを待つのです。

海外の操縦士ライセンス

アメリカ

ホビー用と商業用でライセンスが違いますが、年齢制限が16歳以上となっています。

それぞれ学科試験と身元調査が必要です。

身元調査は、テロなどを警戒しており、かなり厳しいものです。

中国

ドローンの重さによってライセンスが必要です。軽いドローンは必要ありませんが

重いクラスでは必要です。

カナダ

14歳以上でライセンスが必要です。

EU、ヨーロッパ圏

基本的に操縦者ライセンスはありません。

まとめ

日本のドローンライセンス(新設)は、アメリカを真似て作っているのですが、

航空機のパイロットライセンスにどうしても似てきます。それは、航空法が土台に

あるからです。今後は、空飛ぶクルマ(UAM)やドローン、ヘリコプター、航空機

の効率的な運航を考えた新しい法整備が必要になってきます。もちろん安全第一ですが。

その一歩として、今回の無人航空機操縦士ライセンスができました。

来年の試験が楽しみですね。

それから、日本が諸外国と違うところは、年齢制限がないことです。

この点は、たいへん素晴らしいことです!

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

 

 

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