AIはパイロットの替わりになるのでしょうか?

飛行機

皆さんこんにちは!

ChatGPT(チャットGPT)をご存知でしょうか?米オープンAIの対話型人工知能(AI)

ChatGPTは、高度なAI技術によって、人間のように自然な会話ができるAIチャットサ

ービスです。2022年11月に公開され、たちまち無料で利用できる革新的なサービスと

して注目を集め、生成した文章の見事さや人間味のある回答がSNSなどで大きな話題と

なりました。

その後、勢いを増したサービスは、リリース後わずか2か月でユーザー数1億人を突破し

2023年に入ると米Microsoftが開発元のOpenAIに対して100億ドルを投資することが

報じられるなど、機能面だけでなく成長性でも注目されています。

しかし、このChatGPTに対し、欧州での締め付けが厳しくなる恐れが出ています。

イタリア当局は、そのデータ収集手法を問題視して調査に乗り出し、同国でのサービス

停止に発展しました。欧州連合(EU)全体の個人データ保護ルールが今回の調査の根拠

となっているため、今後、EUの各国当局が同様に動く可能性があります。

今やAI技術は、現代人の生活の中に深く入り込んでいます。航空業界でもこのAIを活用

する動きが活発化しています。なぜなら、パイロットなど働き手不足が顕在化している

からです。近い将来、いえ現在でもパイロットは不足しています。

EASAのロードマップ

EASA timeline for AI

航空アプリケーション向けの人工知能と機械学習技術の実装に関する EASA のロードマップは、2035 年まで実行される段階的なアプローチを示しています。 (画像: EASA)

EASA(欧州連合航空安全庁) と人工知能のスペシャリストである Daedalean(ダイ

ダリアン) は、AIとニューラル ネットワーク技術が安全性で重要な航空アプリケーシ

ョンに適合するかという10 か月間の研究を完了しました。

レベル 1 のアプリケーションは、AIと機械学習技術を使用して、人間による航空機の

操縦を支援します。より高度なレベル 2 および 3 のアプリケーションは、それぞれ人

間と機械のコラボレーションと、いわゆるより自律的な機械をカバーしています。

レベル 2 では、人間が機能を実行して機械に監視させるか、またはその逆のいずれか

になります。

レベル 3 では、機械は操作に人間が介入することなく機能を実行しますが、設計と監

視機能には人間が関与します。

人工知能の実装に関する EASA のロードマップの下では、レベル 1 の人間の支援/増

強およびレベル 2 の人間/機械のコラボレーション アプリケーションの最初の使用可

能なガイダンスが、それぞれ2021年と 2022 年に「探索と最初のガイダンス」フェ

ーズで利用可能になります。レベル 1 と 2 の後半部分、およびレベル 3 のより自律

的なマシン フェーズで必要とされるより高度なアプリケーションは、2028 年まで展

開されます。

EASA ロードマップは、ガイダンスが eVTOL 航空機の自律運用レベルの向上にどの

ように直接つながるかを明示的に示していません。ただし、タイムラインは、2030年

頃までに人工知能と機械学習によって旅客機でのシングルパイロットの民間航空輸送

業務がサポートされ、2035年までに完全に自律的な民間航空輸送業務が行われること

を示しています。

人工知能と機械学習が航空目的に適しているか

モビリティ部門のエンジニアリング標準の確立に焦点を当てた世界的な業界団体で

ある SAE International は、人工知能 (AI) 技術を安全に航空アプリケーション

に採用する方法に関する新しいガイダンスを発表しました。新しい AI人工知能シ

ステムは、SAE と、米国に本拠を置く組織のヨーロッパのカウンターパートであ

る 委員会によって共同で作成されました。

このドキュメントでは、航空宇宙ソフトウェア、ハードウェア、およびシステム

開発の現在の標準が、AI および機械学習 の使用を含む一般的な開発アプローチと

どの程度互換性があるかを検討しています。委員会は、既存のすべての標準を見

直し、AI と機械学習 の基準が十分に信頼できるものであることを確認するために

埋めなければならないギャップを特定することを研究しています。

このドキュメントには、次の要素が含まれています。確立された AI 技術の調査と、

さまざまな問題領域および開発ワークフローへのそれらの適用。現在の航空宇宙業

界の標準とガイドライン、および ML テクノロジーを組み込んだシステムへの適用

可能性の評価。空中および地上ベースのシステムの航空宇宙ドメイン向けの潜在的

な AI アプリケーションのユース ケースの提案。そして、航空システムのコンテキ

ストで評価される AI 技術、プロセス、および技術の将来の標準を開発するための

段階的な計画の提案、などなど。

AIが健康を管理

航空業界が人工知能 (AI) の助けを借りてより自律的な飛行技術に向かう傾向にある

ため、ある技術スタートアップは、航空機での AI の別の用途を検討しています。

それは、顔認識ソフトウェアを使用してパイロットを監視することです。 

AI を使用した顔分析を専門とする英国を拠点とするソフトウェア開発会社である

Blueskeye AI は、最近、ノッティンガム大学とミッドランズ航空宇宙同盟の共同

の取り組みである Aerospace Unlocking Potential (UP) プログラムから 20,000

ポンド (24,600 ドル) の賞を受賞しました。 顔認識技術が航空機のコックピット

での人間の行動に関する情報をどのように収集できるかを調査します。 

Blueskeye AI の創設者兼 CEO のミシェル は、同社は顔認識と音声分析ソフトウェ

アを使用して、「医学的および生物物理学的に関連する行動を観察することで、実際

に表現行動を変化させる病状の評価、診断、監視、治療に役立てることができます」

と述べています。 

AI ソフトウェアを使用して、たとえば顔の筋肉の動きや収縮を分析することで、疲労

痛み、うつ病、不安などの病気を特定できると説明しました。「航空宇宙では、現時

点では主に疲労要素に注目していますが、他の医学的に関連する動作にも関心があり

ます」と彼は言いました。同社は現在、疲労やその他の精神的苦痛の兆候を特定する

ことに力を注いでいますが、この技術はいつか、心不全や心停止などの主要な健康

イベントの早期兆候を検出するために使用される可能性があります。

この技術を航空機のコックピットに実装するために必要な機器は、パイロットまたは

パイロットに向けられた、マイクロコンピュータが組み込まれた小型の近赤外線カメ

ラです。

このAIのソフトウェアが、パイロットが飛行に適さない状態を特定することで飛行を

より安全にするだけでなく、航空業界全体がパイロットの疲労を管理するためのより

良いポリシーを策定するのにも役立つことを望んでいます。

一方、航空会社は、パイロットのスケジュールを設定するための「画一的な」アプロ

ーチに従うのではなく、Blueskeye AI のデータ分析を使用して、パイロットが疲労し

すぎて仕事を続けることができない時期を判断できます。反対に、この技術により、

パイロットがまだ作業を続けることができる状態であれば、既存の規則で許可されて

いるよりも長い時間、航空機を操縦できるようになる可能性もあります。しかし、こ

れは法律、規程を変更しなければなりませんので、労使双方の合意が必要でしょう。

まとめ

EASAのロードマップスケジュールは、空飛ぶクルマ(AAM)の自動化を目的とした

スケジュールです。しかしながら、パイロット不足は益々深刻化していきます。

航空機(民間航空機)が開始された1940年代頃には、パイロットの他にエンジニア

無線を担当する通信士、航法を担当する航法士(ナビゲーター)が従事していました。

機械の発達と共に今ではパイロットのみです。自動化も進みましたが、その分パイ

ロットの負担も増えました。AIがパイロットをサポートしてくれることはその負担

を軽減してくれることになるとは思いますが、異常事態が発生したときの対処は

最終的に人間が判断し操作しなければなりません。それは、完全自動化(パイロット

がいない)でも、遠隔操作しているオペレーターの役割です。

AAMの分野は、完全自動化を目指しています。AAMが軌道に乗り、パイロットがい

ない航空機が普通になる日は必ず来ます。今回のChatGPTのように、人間の思考が

AIに追いついていない今の現状では、まだ先の未来でしかないかもしれません。

 

それでは今日はこの辺で・・・

またお会いできる日を楽しみにしています。

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